光る風を超えて   作:黒兎可

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毎度ご好評あざますですナ!
情報整理と管理が大変ですがそろそろ更新速度も安定するはず…


ST178.彼女は彼女の都合

ST178.“My True Identity That Shouldn't Be Known.”

  

 

 

 

 

「肉に火を入れるならゆっくりな。冷めて良いなら一枚一枚強火でばーって何度も何度もひっくり返すってのも手だけど、色々面倒だし。あとは蒸し焼き」

「火力で何か意味があるの?」

「あー、友達の肉に詳しい奴曰くだからな。実際効果はあると思う。

 後肉汁出るから、塩かけるなら直前にな」

「それは知らない……」

「魚は十分くらい余裕持っていいけど、意図的に肉汁出したいとかじゃなければそういうの注意しておくべきっつーかな? ……よっと」

「というか、中華鍋振るの上手いね……」

「筋肉ついたら大体力業で何とかなるからなこれ。動きだけ覚えればそれっぽくはなる。だからチャーハンとかパラパラするの苦手なんだわ。

 個人的には魚はムニエルとかにしちまった方が手早いしバターの香り嫌いじゃねーから、あれはあれで好きなんだけど」

「私、ステーキにバターとソース乗せるの、好き。…………先輩たちが作ってたアレで、初めてだったけど」

「そーゆーもんかねー。ま、ガッツリいきてーんなら、ステーキソースにバターってのは鉄板ちゃ鉄板だけど。色々注意しないと問題大ありだけど――――」

「それで、蒸し器は――――」

 

「――――――――ッ」

 

 色々とご機嫌斜めなカトラスの視線を受けながら、私とメイリンは今日も料理教室。

 ことの発端はメイリンによる「料理教えて(意訳)」そのものなのだが、せっかくだからとカトラスを誘えば「ま、まだ良い……」とぷいっとそっぽを向かれてしまった。だからサツバツさが抜けた状態のお前さんでその仕草は完全に単なる女の子なんだよ自覚あるのかお前(白目)。幸か不幸かヘッドホンのお陰でその内心を感じ取れないので、実質ノーカンということで宜しいですかねお師匠。

 

 それから一週間くらいは経過して修行の進行もいまいち微妙なまま、それはそうとして空き時間でメイリンとお料理教室である。

 二十代女性なメイリンだが、身長的にはアキラさんよりは小さい。とはいえ漂う雰囲気は頼りなくともしっかりお姉さんしており、あっちと肩を並べて料理してた時ともまた微妙に違う感覚が新鮮だ。具体的にはこう……、ちょっと覚束ない手つきとか。料理下手な人が包丁振るう時に猫の手と教わるアレが、彼女はそもそもドスでも構えるみたいにスって持ってスパーン! って勢いよく振り上げて振り下ろすモーションだったりしたため、手つきが怖いと言うより普通に怖かった。発想が基本野生サバイバル飯(蛮族)に近いらしく、調理時の安全性への気の配り方も割と適当というか、そもそもチューブ食だったせいで色々と「調理風景」みたいな原体験がないせいもあるだろうけど、それはそうとして身の危険を感じたので、結構一から手取り足取りのレクチャーとなっていた。

 

 場所については私の部屋……は流石にマズいので、かつてアキラさんが使用してた部屋を流用させてもらっている。もともと私物の持ち込みがなかったこともあり、現在はキッチン付きの単なる一室のようになっているので、我々のたまり場のようになっていた。

 

「何ていうか……、教え方上手だよね、先輩…………、ほ、包丁とかさ」

「(後ろから抱き着いてるみたいにして何考えてるんだ、あのお兄ちゃん野郎……)」

「大体受け売りとテキトーな手馴れだけどな? まーお前さんの場合、一番は『自分の身を安全に』調理するところから、な? 指切ってもどうでも良いって考えなら、自分の血肉が入った料理をヒトに提供するって方を嫌がられる、くらいに考えとけ」

「それは…………、嫌、だね」「気持ち悪いこと言ってるんじゃねーよ兄サン飯時にさぁ……」

 

 とはいえ何だかんだと一緒にテーブルを囲んで食事をすれば、よほど人を寄せ付けないオーラ―を出したりしてなければ「意図的に」雑談も出来る訳で。その辺り、私よりもメイリンとカトラスの方が案外仲が良かった。

 ヘッドホンを外して「第四の目(ザ・ハートアイ)」を使って確認もしたので、間違いないだろう。お互いがお互いの素性や過去、戦場という共通項に親近感を抱いたらしい。お陰でこちらに向けられる桃色的思考が減少したので、個人的には色々と安心感があった。

 ……根本的には何も変わってないので、あくまで仮初の安心なのだが。

 

「どーしたんだよ兄サン? 食べねーの? ステーキチャーハン」

「いや食ってるだろ。……というかメイリンの方が一心不乱にがっついてる絵面何だろうね」

「――――ッ!? むむ、こ、これは違うから!」

 

 どっちかというとカトラスの方が最近? は大食いキャラの気があったので、お株を取られてしまっている印象である。まあカトラスはカトラスで量を食べていることに変わりはないので、そうそうキャラ変している訳じゃない(原作からのキャラ変と言う点には目を瞑る)。

 メイリンはどうも、最近ようやく味覚に「旨味」のカテゴリーがしっかりと出来始めたらしく、こうして食事に猛然と望み気味だ。化学調味料万歳! になりかねないのを色々と気を配っているところなので、出来れば実を結んでもらいたい……。オイリー大好きはもう無理だけど(特に中華系)。

 

 食後そのまま三人で後片付けをして撤収と相成るが、カトラスとメイリンはまだ何か話し込むことがあるらしいので、そのまま放置。

 外に出て扉を閉めれば、完全に石造りのような近未来風建築が延々と続いている。……毎度思うが遠くの距離感が色々と崩壊しているので、遠近感がしっちゃかめっちゃかになる構造だ。実際お師匠のことだから「無限に続く廊下」くらいの設計はしていて不思議ではないのも色々と拍車をかける。

 

「えっと、ここから数えて二十五番目の扉からまた左右の色を見て――――」

 

 

 

『――――ふみゅー! ふみゅー!』

 

 

 

 扉の数を数えながら歩いて自室を探していると、廊下に反響するなんだか聞き覚えのある声。長らく聞いていないような、体感的に三カ月くらいは聞いてないような感じのする声である。なんとなくトラブルの予感を覚えて後方を振り返れば、こちらに猛然と突っ込んでくるビカビカと目に痛い光を放つ電気の塊のような何か………、もといネズミ的なシルエットを持つ妖魔。

 何やってんだお前と声をかけると、走ったまま急ブレーキをかけた時のような「キキー!」とか「ズザザー!」みたいな音を鳴らして(器用な……)、私の目の前にチュウベェは止まった。何と言うか本当に久々に見るなコイツ……。今、お師匠の方で確保しているとかそんな話をされた覚えがあるのだが、こんな時間にどうしたというのか。外も普通に月が上ってるくらいだし。穏やかじゃない。

 

『ふみゅー! ふみゅ、ふみゅ、ピチュ?』

「だからその最後のやつ止めろ(戒め)」

 

 適当に突っ込みながら「そういえば」ということで、ヘッドホンを外して首にかける。ちなみに現在の服装は学ランなので、和装姿よりはヘッドホンが似合ってるような気がするのは気のせいじゃないと思いたい(オフの時でもOSR(それっぽさ)大事である)。

 果たして目論見は成功し、私は「普段通りのノリで」チュウベェの発言の意味を理解することが出来た。

 

<俺チャン匿ってくれ兄貴ィ(ビッグブラザァ)! 頼む後生だぜ、後でビッグブラザァが好きそうな水着チャンネーのエロ本やるから!>

 

「いやいきなり何言ってんだお前さんッ!?」

 

 あっしまった、思わず黒棒を振り回してしまった。当然切り下ろす形ではなく、側面で殴打する形。折れたとはえ形状はしっかりしてる黒棒のそれにべちんと激突したチュウベェは「ふみゅー!?」と外見上は愛らしい声を上げて、ス〇パーボールみたいに廊下の壁を何度も激突して往復した。

 描写が完全にギャグ漫画なんだよなコイツは……。そう考えてると、なんだかすごいやかましく、恐ろしい思念が飛んできている。具体的に言うと「怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒――――」と延々と「怒」の文字で埋め尽くされた感情だ。距離はそこそこありそうなのに、殺気と言う意味で思わず一歩引いてしまう。

 

 果たして、チュウベェが来たそのままの廊下の奥から、無表情なお団子シニョンに「超包子」印のコンバットスーツを着用した超鈴音が、腰に装着されたガ〇ダムでいう無線ファ〇ネル(新人類兵器)的なブースターだかスラスターだかから火を噴いてこちらに向かって来ていた。いや早い!? 速いぞコイツ!

  

「コード9784063954845、呪紋回路・起動。

 ラスト・テイル・マイ・マジックスキル・マギステル――――」

「いやこんな流れで呪紋回路使う奴があるかお前さん!?(白目)」

 

 見ればチュウベェは明らかに私の身体を盾にしており、超の目は正気ではなくその動きのみを捕えている。端的に言えばこちらを「物体」程度にしか認識していない状態だ。

 そのまま彼女は「燃え盛る(グラディウス・ディウィヌス)炎の神剣(・フランマエ・アルデンティス)!」と思いっきり詠唱を破棄した炎の剣を手に出現させ、辻斬りのごとく軽い動きで横を通り抜けると同時に、私をチュウベェ共々「叩き斬った」。いや、こんな流れで易々と人を殺してるんじゃねぇ(戒め)。

 

 痛覚が一瞬で振り切ったから一瞬意識が持っていかれそうになるが、流石に胴体が両断されれば「黒」の側の扉にもつながる。話が出来ない状況なら仕方ないと受け入れられる程私も現在余裕はない。胴体の上下断面がずれないように血装術で固定しながら、ついでとばかりにドクドクと止まらない血を起点に「死天化壮(デスクラッド)」を纏った。

 えらく久々に感じるが、そのせいでブーツ部分のデザインが若干変わったり、ディティール的にグローブが追加されたりしていた。足は前は紐固定のような形状にしていたが、メイリンと戦っていたせいもあってかジッパー部分のないジッパーのようなデザインに。グローブは指抜きで、右手と左手の甲に「月」と「星」がそれぞれ一つずつ……、いやここまでディティール拘ってはいないから、これ多分星月の仕業だな。

 

 久々の血装術ではあるが、ラグなどなく「当たり前のように」起動できた。

 

 なおそんな私に便乗して、形成途中の血の中に紛れたチュウベェは、特に何か意識したわけでもなく全自動で術式兵装化。「死天化壮(デスクラッド)疾風迅雷(サンダーボルト)」までほぼ1秒かからず変化し、再生したこちらに振り向くように斬りかかる超のその一撃を黒棒で受けた。

 

開放(エーミッタム)――――」

「いや、させねぇから」

 

 詠唱と同時に全身に独特なタトゥーの様な回路模様が浮かび上がる超。黒棒で受けるより一瞬先に、既に次の動きとして遅延術式で準備していた「燃ゆる戦いの歌」の術を開放(エーミッタム)しようとしているのを把握してるので黒棒に「既に纏わせていた」血を媒介に内血装が爆発して身体を裂く時の要領で、燃ゆる炎の剣の術式が「解ける」より先に彼女へと礫のように浴びせる。浴びせた先から超小型の血風を展開し、呪紋回路状に通っていた生命力=魔力のサーキットを封鎖、あるいは別なパスを作り出し暴発、空撃ちさせる。

 完全に「第四の目(ザ・ハートアイ)」で先手を取り続けているインチキ戦法だ。我ながら大概にしろという話である。

 一瞬のことで何が起こったか判断が発生するよりも「先に」、術を展開しようとしている途中の彼女の背後に「識別できない速度で」回り込み、そのまま足を払って血装術で両腕を後ろに縛った。

 

「ム……!? これは一体……、先輩の血装術、カナ?」

 

『ふみゅー、ふみゅー。……ふみゅ?』(※以下鳴き声省略)

<……何か兄貴ィ強くなってね? 俺チャンこのまま逃げおおせておk?>

「いいわけねーだろアホか」

<!? オゥマイガッシュ! 何てことだ、兄貴ィなんで内側の俺の声が聞こえるってんだ!?>

『相棒もそれなりに強くなってるからなぁ……』

 

 星月に突っ込まれ、愕然としたチュウベェの感情が伝わってくる。

 状況はわからないが「あの」超鈴音がここまでキレるとは、相当酷いこと(あるいはくだらない事)をやらかしているだろうというのは予想できる。過失相殺したらチュウベェが悪いだろうという予想は成り立つので、今にも私の内部から抜け出そうとするチュウベェを「血装備術で球状に捕獲して」、胸部の中央から抉り出すように取り出した。絵面としては普段術式兵装使用時と逆な形であった。

 

 危機を脱したせいか徐々に徐々に「扉」との接続が緩くなっていくので、完全解除される前にしゃがみ込んで超の顔を見る。

 

「とりあえず状況わからないけど、チュウベェは確保したから、殺さない限り後はお好きにといったところだ」

<ヤベー! 逃げられない俺チャンちょっとこれ真面目にマズい? 拙い? 処される? 処されちゃう? そんなことよりチリドッグ誰か持ってない? 冤罪な俺チャンは十分前に御菓子を食べて以来何も食べてなくってねぇ>

「持ってる訳がねーだろ阿呆」

<アバー!? アバー!? アバー!? アバー!?>

 

「絵面が完全にコント時空ネ…………」

 

 なんとなくイライラきたのでテニスボールとソフトボールの中間くらいなサイズになったチュウベェをそのまま地面にダムダムとドリブルする要領で遊ぶ。「俺チャン悪くねーよね? この純真な目を見てよ、こんなステキ妖魔がワルイコトスルワケナイジャナイカ……」という内心の感情が透けて見えてたので、何かやらかしたにしても確信犯だろうことは判っている。下手すると超にそのまま消滅させられかねないので、とりあえず軽いペナルティに見せかけて、彼女の側の溜飲を下げることにした。

 想定通り彼女の側からは「ダブルスタンダードだコイツ……」「絵面可哀想だけど少しも反省しなさそう、だね……」という感想と共に、少しだけ冷静になってもらえたことが判った。

 

「……あ、腕の拘束も解いてもらえないカ? 流石にちょときついネ」

「いきなり道すがら襲い掛かられて胴体鳩尾から真っ二つにされた側としては、転がされて腕拘束で済んでるだけ有難いと思えって感想だが」

「ウッ! い、いや、違うネ、ちょとだけ言い訳させてほしいネ……、ほらほら、回路切るから、ネ?」

 

 青緑色に鈍くサイバーな発光をしていた呪紋回路はその光を失い、頬についていたアーマーも薄緑色のプラスチック的な色合いに落ちる。同時に彼女から怒気が薄くなり、「私」を認識したことを理解できたので、腕を拘束していた縄状の血装を解き回収した。

 

「血は、一応戻すんだ……、ア! いや、戻すネ」

「廊下汚れるとお師匠に色々言われそうだし、『無理なら』仕方ないけど出来るならまぁ、な?」

「よいしょと。……ドーモだネ、流石先輩、話がわかる。フッフッフ」

 

 相変わらず超は気安くこちらに笑顔を向けて来るが、笑い方が笑い方なので胡散臭い事この上ない。ちなみに「大丈夫だよね? バレてない……、よね?」とか何か色々内心で飛んでるのが謎である。深堀りしようと思えば深堀り出来そうだが、これについてはなんとなく「嫌な予感」がするので、とりあえず表面の感情だけをなぞるだけにしておこう。

 意識しなければ内側に浸食することは無いのは、流石に最近の経験則で判っているのだ。

 

「まあいいや。で、この自称愛され系大妖怪は何をやらかしたんだ?」

『ピ〇ピカチュ?』<ピッピカチ〇?>

「誤魔化せるか!」「誤魔化せる訳ないネ!」

 

 内心も発言も一斉に色々問題のあったチュウベェに私と超渾身のツッコミ。……というか超は超で何故チュウベェの考えてることがわかるのか、と言う謎はある。

 なお一応聞いてみると「翻訳機作たネ」と軽い調子で返されるものだから、どんな顔したら良いかわかったものではなかった。

 

 で、結局何をしたのかといえば。

 

「下着泥棒ネ」

 

「なるほど、有罪(ギルティ)。こっちの被害は被害として」

<はて? ……えっ、ちょっと兄貴ィ(ビッグブラザァ)、まさか本気でこのまま手渡すつもり!!?> 

「アイヤー! 問答無用ゥ!」

 

 そのまま超は私の手からチュウベェをひったくり、どこから取り出したかわからない謎のカプセルに封入した。見た目的には玉虫色コーティングされたような半透明のモ〇スターボールなので、そっちはそっちで色々心配である(メタ)。

 

<ヘゥプミィ! ヘゥプミィ!>

「ネイティブ発音で助けを求めようとしても無駄ネ。ククク、さてどうしてくれようカ……。

 って、あっ! あー、アイヤ、ハハハ…………、ごめんなさいネ? 思いっきりぶっ殺しちゃって」

 

 殺したくらいで死なないとはいえ先輩達ってそういうのちゃんとしてる方だし、と。苦笑いしながら謝罪してくる超に、こちらもどう反応を返せば良いかわかったものではない。

 とりあえずヘッドホンを付け直…………、おや? あっ、耳当て部分が片方どっかにいってる!? 左側だけ何もない、だと? とりあえず付けてはみたが、「第四の目(ザ・ハートアイ)」をシャットアウトする機能は失われていると見える。ちょっとお師匠! モロすぎやしませんかお師匠!

 ヘッド部分が若干溶けていたりするので、おそらく先ほどの超の斬撃やら疾風迅雷の超高速やらで壊れたのだろうと推測はつくが、これは流石にどうしたものか……。

 

「事情わからないけど、それって大事な物だたか?」

「まぁそれなりに」

 

 そして超も口では「わからない」と言いつつ感情の方は「これで壊しちゃったんだ、私……」とか既知の反応をしていて、もうどういう表情をしたらいいかさっぱりわからない。前から思っていたがコイツ一体何をどこまでどう知ってるというのだ。明らかに自称ラスボスが知り得る範囲の情報を超えているだろ。

 

「あー、それは悪いことしたネ……。タローマティ的に、やらかしは自分でケツ拭け! って言われるから、先輩にやらかした私がどうにかする流れカナ?」

「どうにか出来るのか?」

「物品の詳細次第になるネ。とはいえ……」

 

 色々ぶつぶつ言いながら「これまた私のペナルティ増えないかな……」とか「こっちの先輩たちと会うの、また長引く……」とか色々内心思っているのを見て、ふと思った。

 そもそもメイリンのように一緒に修行をしているのならともかく、現時点において超の姿は見え隠れ一切していない。にもかかわらず何故この女は私を先輩と呼ぶのか。

 

「うーん、とりあえず少し交渉させて欲しいネ。大丈夫、おっぱい揉むネ!」

「揉まん! というかそれで話を終結させようとするな」

「アイヤー!」

 

 ぺしっと軽く額にチョップ。目を漫画で言えばバッテンにする形で、笑っているんだか困っているんだか中途半端な表情の超。そんな、一応は色々動揺しているような彼女に。

 

「あと前から思ってたんだけど、何故私のことを『先輩』とか呼ぶんだお前さん」

 

 まともな返答は返されないだろうと適当に聞いたのが色々問題だったらしい。

 

 

 

「それはまぁ、私が不死身衆ナンバー16だからで――――あっ」

 

 

 

 ………………………………………………………………。

 

「はい?」

 

 あっ、じゃ無いんだよお前、えっ何その情報? えっ? えっ? ちょっと待ってちょっと待って、いくら何でもそれは脳の処理が追い付かないのだが?(震え声)

 おそらく過去一番と言っても良いくらい大混乱を引き起こしている最中、超も超でこれは今教えると拙い情報の類だったらしく「わああああああああああああああッ!!!?!?!?!?!?」と漏れ出ている感情が大パニックを引き起こしていた。

 

「い、いやいや、違うネ、コレはアレアレ……、刀太サンのガバが感染った!」

「何でもかんでも人のせいにするんじゃありませんッ!(戒め)」

 

 

 

 なお、あまりに開示された情報がショッキングすぎたせいなのか。この時のやり取り以降、「第四の目(ザ・ハートアイ)」はなんとなく「閉じたい」と思うだけで機能しなくなった。

 こんな形で能力のオンオフ制御できるようになってもさぁ…………。

 

 いや、それにそもそも原作でそんな話なかったろうに超もお前さん本当さぁ………………。

 

 

 

 

 




※本作的には当初からの設定です
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