前々から出すタイミングを逸し続けたアレの登場です・・・!
ST205.What The Hell !?
刀太君の女性観というか、そういうのって思えば初めて聞くかもしれない。
坂田君と一緒に昼食をとりながら、僕はそんなことをぼんやりと考えながら、ほたての軍艦を食べていた。そして、ちょっと後悔した。後悔したというか、甘く見ていたというか。
何をと言えば、刀太君のこと。下に見ていたとか、そう言う意味じゃない。もっと普通の恋愛観を持っているというか、例えば普通に告白して、普通に付き合って、普通に結婚して、とか、そういう安定志向なのかな? くらいに思っていたというか。
『そもそも今時、普通に結婚できるとか思っている方が甘いだろ。経済格差一つに限らず、色々な格差がスラムからここまで各々に集約されて広がっていて、それでいて政府は総中流社会を目指し直すわけでもなく、だぜ? そりゃ出生率は技術に頼るしかねーだろ』
『と、刀太君……?』
坂田君と「モテるためにはどうしたら良いか」みたいな話をしていたのが、派生して「モテない男はどうしたら良いか」という方に舵を切って。
それに対して刀太君は「俺自身、別にモテてる訳じゃないとか言うと嫌味みたいに言われるから具体的にどう思ってるかは言わねーけど」と前置きをした上で発したのが、その一言だった。
あと気のせいじゃなきゃ、目がこう、黒々として光が無い。だからこそキラキラした純愛みてーなのが欲しいんだが、そもそも人間って動物だから条件が良い方に適者適応して生存していくもんだし、と刀太君。
『ああそうだぜ、基本的に選ぶ側にいるってどっちも思っていたところで最終的には相手が応じなきゃ話にならねーんだから、そもそも同棲したって私物勝手に捨てる奴は捨てるし売る奴は売るし、売った金使ってエステする奴もいるわけで、そんなこと言い出したら乗り換えだって条件次第じゃ茶飯事だし、そりゃ寝取られるって意味よりもこっちの方が先に好きだったのになんて概念すらふっとぶだろ常識的に考えてさー、そもそも幼馴染だってことすら忘れる奴もいるし、また出会ったら出会ったでこっちのことなんて完全に忘却の彼方に追いやってるくせにさも自分が被害者みたいな物言いしてくるのだっている「らしい」訳で、んマーあとはいじめてたくせにかってにこっちのこと好きになったとかで色々言ってくるようになっても基本的に相手がこっちのこと嫌いだった部分は何もかわらねー訳でいつその気持ちが反転して元のキモい消えろシネってそれに移り変わるか気が気じゃねーから何一つコメントを差しはさむことはできねーし、まつまり最初から希望を抱いていなければ良いっつーことにもなるんだがそうなると坂田が危惧してるあたりの問題に直面しちまうし、八方手づまりだなオイ』
『や、闇落ち……!? チャン刀が闇落ちしてるゥ!』
『刀太君、一体どうしたの!!?』
一息で言い放ったにしては情報量が多すぎて全然何言ってるかわからないんだけど、僕の方が何も言うことができなかったレベルの圧力を感じた。一体どうしちゃったの刀太君……!? 別に女性不審とか、そんなことは言ってないんだけど、挙げられる例えは人づてなのか何なのか、ネット情報「だけ」とは言い難い妙なリアリティがあって、なんだか食欲がちょっと失せそうになる。
坂田君もそれは一緒なのか「うぇ」とうめき声をあげて、刀太君をものすごい可愛そうなものを見るような目で見てる。
『ま、言い方は悪ぃけどアレだ。人生あんまり希望持たない方が気楽だぜ(白目)』
『白目剥くなって!? いや、チャン刀って彼女いない歴=年齢の俺たちズッ友って感じだろ? えぇ? 何ださっきの情報量、エビデンスどっから調達してんのォ!?』
『そもそもこーゆー恋愛工学みてーなのって人間が考えてる訳だし、現行制度とか含めて不完全な人間が運用してんだから、そりゃ上手くはいかねーだろ。少子高齢化だって社会通念がいっこうにアップデートされねーで混乱したまま、インフラ崩壊まで一直線までいって、魔法技術が来たからギリギリ持ったって授業でも言ってたし』
『すっげぇネガティブ!?』
『やっぱ人間、所詮は生き物だから「楽」な方に流れるからなー。文明が熟成した時に個人主義が極端化すりゃ、そりゃ集団を増やすよりも個々人の生活の方が低コストで運用できるわけだし、そうすりゃ経済力の余裕がそのまま生産力の余裕になるわけで、どうあがいてもそこに比例と集約してくだろ。比例っつーか、反比例っつーか、な?』
『くそネガティブでいらっしゃられますぅ!?』
ねぇチャン刀って何かあったん? って坂田君が僕の方を見て来るけど、僕だって知らないよそれ。何か小難しいこといっぱい言ってるのは格好良いというか、キリヱちゃん曰くの「だから刀太は、そーゆーセンスとか色々ちゅーになのヨっ」ってところなのかもしれないけど、うん。
というか、初めて見る一面だ。刀太君、その、女性関係に絶望でもしてたのかな……? 僕だって一度、殺しちゃってる訳だし、うん。でもそれ以上に熊本時代、僕の知らないときに一体何があったっていうの!? 朝倉さんの話だって、あれはあれで美談みたいな形で決着してるって聞いたし、ここまで拗らせる感じにはなってないと思うんだけど……?
『拗らせてるとは何だ、拗らせてるとは。大体朝倉のやつは朝倉が悪いから自業自得だろ、無関係だったら意味不明だわ』(※少しだけ「第四の目」による思念読み取り)
「僕、何も言ってないよ!? って、えっと、朝倉さんはその……」
『朝倉? 何だよ、元カノか何か? お前、彼女居たのかよぅ!?』
『いねーよいいから黙って座れってお前さんら、営業妨害だわ(戒め)』
あっ、とヒートアップして立ち上がっていた僕と坂田君は、周囲に少しだけ会釈で謝罪してから、一緒にすとんって座って刀太君に目を合わせた。
『そもそも朝倉に関しちゃ、もともと俺いじめてたし。俺、キモいだの何だの言って虐められてた側だし。ま、それでもガチの男友達は全然そっちに流されなかったから、今でも続いてんだけどな?
あの後、まー、何かこう色々あって、なんだかんだ仲良くはなったけどさ。別に謝られてもいねーし? アイツがキモいだの勘違い野郎だのザコオスだの言ってた俺の個性っつーか、性格だの容姿だのっつーのは、何も変わっちゃいねーわけで。逆に褒められたり格好良いって言ってくるようになったところで、手のひらくるくる回されてもまあ、はぁん? って感じだし。
別に「最初から」好きでも嫌いでもなかったから大して意味はねーんだけど。そういう振る舞いは後に付きまとうっつーか、こう、自分が認められない相手に対する相手の何もかもが淘汰する方向に行ってたのが、一転して全肯定みてーにされても薄気味悪くね?』
『悪ィ、チャン刀。俺、そういう人生経験ないからどんな顔したら良いか……』
『そもそも先に受け入れられるかどーかっつー判断基準が先に来てて、後はそれに付随して適当に好き勝手に評価下される訳だし、気にしてたら身が持たねーぜ(白目)』
『お、おう……』
刀太君、その言い回しは何か妙にモテてる人みたいな物言いな気がするような……? 夏凜先輩が言ってたけど、刀太君のお祖父様は女性遍歴について色々噂が絶えないとかあるし、これも血筋なのかなぁ、うん。
というより、この話って僕、聞いちゃって良い奴だったの!? 男子トーク! 男子トークに僕、混じっちゃってて良いの!!? もう刀太君からは女の子扱いされっぱなしだし、その、えっと、うん…………、うん? ちょっと混乱してきた。
そんな話をもっともっといっぱい刀太君の口から聞いてしまったものだから、僕も僕で色々頭の中が混乱してるって言うか、うん。ぐわんぐわんってちょっと頭痛を覚えてるっていうか。
坂田君と一緒に出掛ける刀太君といったん分かれて、公園のベンチに座る。
「僕は一体、どうしたら――――」
「――どーしたらじゃ、ないでしょーがっ!
死活問題でしょ! しーかーつーもーんーだーいーッ!」
「わぁ!? き、キリヱちゃん!!?」
一人たそがれていると、後ろから「わー!」ってキリヱちゃんが活を入れてくれた。キリヱちゃんも制服姿だし、こっちも学校帰りなんだ……? あれ、というかどうして僕にそんなことを言うのかな。
「話は聞かせてもらったわ、大体。まー何というか、面倒くさい男よね、あのちゅーに」
「一体いつから聞いてたの?」
「ちゅーにが非モテこじらせた感じの持論を一息で展開してたあたりから」
「結構前から聞いてたんだね……。お寿司屋さん、もしかして入ってた?」
「まあ細かいことは気にしないで。後アンタも刀太が言ってたアレ、非モテっぽい卑屈なのって思ってるのね」
「へ!? い、いや、僕は別に……、もうちょっと前をというか、周りに目を向けて欲しいかなー。なんて、思うくらいで…………」
僕の事はともかく、つまり朝倉さん周りの話とかも聞いていたのかな? 「女性嫌悪というより、恋愛に対して悲観主義って感じになってるわね」と、腕を組んでぷんすこ言って、僕の隣に座り込むキリヱちゃん。そして…………、えっと、どうして自分の胸を揉んでるのかな?
なんとなく、僕も釣られて自分の胸元を撫でる。
「足切りがどうのこうのとか言ってたわヨね、刀太。言いぶりは女が男を恋愛対象に入れるには男側が女側の内心設定してる足切りを最低限クリアしてないといけないから、就活の面接みたいなものだとか。それ言うと私たちも、おっぱい大きくないと足切りされたりしない、わよね……?」
「そ、それは……!? キリヱちゃんそれは、考えちゃ駄目なやつだと思うなー僕!」
「割とダブスタというか、抜けてるところあるから、自分の目線で語ってるのにいざ自分が選ぶよーな側に回った時の事なんて考えてないんじゃないかしら、あのちゅーに。
とは言ったって? 私たち、少なくともちゅーにのパーソナルスペースにはいっぱい踏みこめるくらいの距離感にはいるわよね? 多分、大丈夫よね? そういうセンシティブなこと言ったりはしてないし……」
キリヱちゃん、何故かちょっと不安定な感じだ。自問自答を繰り返して、断言して、よね? って疑問になったりして、不安そうにして、表情が延々と百面相してる。
段々疲れてきたのか「に゛ゃああああん!」と頭を抱えて叫んだ。
「そもそも! ちゃんと動けば全部解決する話じゃないのヨ!」
「それは、うん…………。けど、刀太君って優しいから、ああいう感覚だとすると、女の子に積極的に接さないのを求められてるって考えてても不思議じゃ――――」
「何もしないのがイコールで優しいって訳じゃないでしょーが! 少なくとも私たちとかに関して! 逆の話だけど夏凜ちゃん見てみなさい!」
「それはそうだね!」
即答してしまった。いや、その、実際刀太君が誰かを好きかとか、そういう話は置いておいて、少なくとも恋愛関係に積極的な動きをしてないっていうのは、僕も納得だ。ちょっと思う所はある。…… 一応、その、告白した身としては。返事は求めなかったけれど、ゾンビ事件の最後に。その点、夏凜先輩の異様なアグレッシブさは何が理由でああなってしまってるんだろう。源五郎先輩とか甚兵衛さんに聞くと、どうやら以前はあんな風じゃなかったみたいだし。
と、そんな僕にじろりと、キリヱちゃんは視線を向けてきた。
「な、何かな? 僕、どうかした?」
「その話で言ったら九郎丸、アンタだって十分ヘタレじゃないの? 告白っぽいの一応してたけど、その後全然、なーんにもしてないでしょ?」
「へ!? いや、その、何をどうすると言われましても僕はですね、その、ええっと……、それを言ったらキリヱちゃんだって、刀太君のこと好きなんじゃ――――」
「好きじゃないわよッ! いや絶対嫌いじゃないけどっ! まぁ、私も大概クソ面倒くさいやつが色々あんのヨ! そもそも私が好きなアイツが、本当にアイツなのかみたいな、そういう話に行きついちゃうし…………、タイムパラドックス的な意味で」
「タイムパラドックス的な意味で?」
「そうそう。まあこっちはこっちで心の整理してから何か考えるから、まずアンタも気持ちに整理をつけなさいヨっ」
それ、えーっと、自分が好きな相手に自分の友達(?)が告白するのを後押しするみたいな状況だよね? これ、たぶん。一体どんな心境なんだろう、キリヱちゃん…………? ちょっと半眼で、ぐれた顔してる。
だけどその、何というか…………。
「でもその、刀太君、気付いてないならともかく、僕がちゃんと告白したってわかった上でああやって振舞ってるのだと、僕も怖くて……。
い、今の関係が崩れるのは、それはそれで怖いんだ」
「むー?」
腕を組むキリヱちゃんが、頭を抱えてうずくまる僕を見てるのがわかるけど。でも、これが今の本心だ。
修行が終わって帰って来てからも、相変わらず朝の鍛錬はしているし、その距離感も特に変わったりはしていない。重力剣を復活(?)させてから、吸血鬼らしさにさらに磨きがかかったような気がするけど、それで精神が変質したりしていない。本当に何もかわらず、熊本で僕を受け入れてくれていた、あの時の刀太君だ。それこそ僕のせいで、日常だったはずの生活を根本から破壊されても変わらなかった、その笑顔なんだ…………。
そもそも刀太君は、自分で言っている程にマイナスな気持ちを持つ必要なんてないと思う。仕事も勉強も頑張ってて、雪姫さんがからむとちょっと苦手そうにしてるけど、最終的にはなんだかんだ上手くやっている。そういうとき、普通の仕事とかなら一人じゃ無理なら意外と普通に周りに頼ったり、気遣ったりするから、アジトの黒服さん達とか、子供たちからも慕われてるんだ。現実への見切りがしっかりできてて、それでも何とかしようとして。一人で完結できないときは「それっぽくない」とか「おしゃれじゃない」とか言って不満そうで、そういうのは可愛いと思う。
あと時々妙に、自覚はないのかもしれないけど、自分を犠牲にすることに躊躇いが無いような振る舞いをする。戦闘は特に顕著だけど、周りを大事にしようとして、結果的に焦って悲鳴や怒声を上げて、それでも長続きしない。からっとして、いたずらに人の心を責めたりしない。
帆乃香ちゃんとか、勇魚ちゃん…………は置いておいて、敵対関係にあったカトラスちゃんどころか、ディ……ディ……あの水着を着てるアーウェルンクス、フェイトそっくりのエッチな女の人とかも。そういう風に、ある意味で分け隔てない。メイリンってよくわからない人にだって。
これを格好良いと言うのかは、僕には良くわからない。だけどそんな刀太君だから、一緒にいて落ち着けるし、一番欲しい距離感で居てくれる。それでいて、こっちの気持ちも(恋愛関係以外は)結構察して色々言ってくれるのが、どこか面映ゆくて眩しいんだ。
相棒と、たまに呼ばれるだけで、胸が高鳴ってしまうくらいには。
もちろん僕にとっては、相棒って言葉以上に強い感情がそこにはあって。……桃源に居た頃の、こんな身体になってから暗い日々に手を差し伸べて、連れ出してくれたような、救い上げてくれたような。
「面倒くさいわね」
「め、面倒!?」
ぶつぶつと考えを整理していたら、キリヱちゃんはストレートに言ってきた。がびーん! みたいな漫画みたいな衝撃が僕に走る。えっここは共感するところじゃないかな、というか共感してもらいたいんだけど、女の子同士だし……。
困惑する僕に、キリヱちゃんは「大丈夫よ、大丈夫」と手を腰にあてて胸を張った。
「そういう悶々とした感情なんて、吐き出さないで後悔したら目もあてられないんだから。……意地はって、自分のプライドとか心だけ守るのに必死になって、一番大事なものが手からすり抜けるなんて、ざらなものよ。私が言えることじゃないけど」
「キリヱちゃん…………」
どこか遠くを見つめるように、空を仰いで微笑むキリヱちゃんは、女の子らしい見た目以上にどこかこう、雪姫さんみたいな大人な雰囲気が漂っていて。
ぱん! と手を叩くと何事も無かったように僕を引っ張り上げて、背中を押した。
「だーかーらっ! ちょっと色々女の子用の服持って来たから、着替えて、ちゅーにをデートにさそうわヨ! はいわかったら起立!」
「ええっ!? ちょ、き、キリヱちゃん!? な、なんでそんな話に!?」
「なんでって、生え際(※坂田のこと)がちゅーにをナンパしに行こうなんて言って誘ったんでしょ!? どー考えてもまた新しい女が生えてきちゃうやつじゃないのっ! ただでさえややこしい関係をこれ以上ややこしくして戦力を分散させちゃ、勝てるものも勝てないわヨ!! だから成長中おっぱいで攻めるのヨ!」
「ひゃわっ!? も、揉まないで……、というか戦力分散って――――」
「夏凜ちゃん」
「――――ああ、うん、納得」
良く判らないけどキリヱちゃんの勢いに納得させられてしまった。しまったけど……、この場で服を脱がせにかかるのは止めてくれないかな!? いや、魔法アプリで結界張ったのはわかったけど、それだって完璧じゃない訳だし……!
そんなに急いで僕を刀太君のところに急行させるつもりなの? そんな勢いで、刀太君の周りにまた女の子が出て来るって思ってるの? ひょっとしてまた予言というか、時間遡行でもしてきたのかな、キリヱちゃん。何かあったってことなのかな。怖くて聞けない…………。
けどその、夏ちょっと前まで男だって認識が強かったからと言ったって、女の子同士だからといって、こんな開けた場所で下着にさせられるのはちょっと、いくら急いでるって言っても限度があるよ!? 何かこう妙に「最適化された」動きで僕の起点に先回りしてくるものだから、あんまり強く力を出せないし。
あっ、さ、サラシは取らないで……! かくなる上は…………。
「……よ、よし、取れた!
「あーっ! ちょっと、仮契約カードはズルいわヨ!」
そして僕は仮契約カードを発動して、展開されたカードからヒナちゃんを引き抜いて、翼を…………、翼を……。
「あれ?」
いつまで経っても身体が変わらないし、ヒナちゃんの柄も握れない。
違和感。不思議に思って手元のカードを見てみると。
・時坂 九郎丸
・SYMPARATE:43
・P-No:XI
・DoB:☆☆☆☆〇〇
・GUARDIAN: Eoh
・PROTECTOR:Saruta-Hiko
・DIRECTION: East
・ASTRAL: Aries
・BWH:05-03-03
・P-COLOR:Violet
・ANALECTSES:Better late than never.
何かいつもと全然違う!? 絵柄というか、描かれてるのもあの格好良い衣装な僕じゃないし、これは、白いワンピースに金髪の女の子? 帽子被って腰に夕凪、小さいヒナちゃんがその下にぶら下がっていて……?
ぽふん、と音が鳴って。何かこう、気が抜けた感じの音で。
煙が晴れると、キリヱちゃんが僕を指さして。
「こ、こ、これがコスプレカード!? 可愛いじゃないのヨ! それで行きましょうウン!」
「えっちょっと、何がどうなってるのさ僕、一体どうなっちゃったの!?」
……どうやら僕は、さっきカードに描かれていたあの格好に変身したということらしい。
そういえば