光る風を超えて   作:黒兎可

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お待たせしました…
章のキャラ登場配分など見直したり調整したりで時間かかりました汗


ST213.妹あるいは姉の素性

ST213."I Live For Duty That Revelation. "

 

 

 

 

 

「というか何、当たり前のような顔をして女子トイレに入って来たでち。変態でち、前に()えた変態の70号のことを笑えないでちよ、兄弟…………?」

「止めろ(戒め)」

 

 その変態さんは変態の種類が違うので並列で並べるのを止めてもらいたいし、なんならお前さんが女子トイレに逃げ込まなければそんなことにはならなかったと物申したい。おまけに洒落でもなんでもなく「そういう」タイプの変態(せっちゃん)の血が一応は流れているらしいので、冗談でもなんでもなく状況は悪化の一途をたどる。

 というかアレだ。その70番とは勇魚のことか? 帆乃香が確か69だとかエヴァちゃんが言っていたし、ここをつつけばさらにボロが出そうだ。なんならまだ「魔人」関係とか裏金星関係についてツッコミを深堀した方が原作ルート的ガバがないまである。(ダーナ「その時期に戻った時点ですでに手遅れさね、いい加減あきらめな」)

 

 九郎丸たちのもとに分身を一体派遣し、私の本体……、本体? まあ視点の中心としている方はサリーと一緒に、地下闘技場近くにある酒場に入っていた。「飲み物をダメにした分の責任くらいは取るでち」というリクエストに応える形ではある。すぐさまドンパチと大会関係者近くで戦闘にならないなら、ということである程度のお財布は覚悟した私だが、「今ならランチ料金らしいし、ここに入るでち」とかでち公が言い出したので、意外と彼女も育ちはしっかりしているのかもしれない。

 

 さて。店内に鳴り響くヴァ〇・ヘイレ〇なテクノとギターなロックサウンド。地上にある、いわゆる古民家カフェでも改装したような小洒落たバーであるが、たむろしている人間がどう見ても十一〇隊(ケンカ上等)な雰囲気そのもの。源五郎先輩やあっちの組のような圧というか「人をモノのように見る目」を感じないので、おそらくはまほら武道会参加者の面々なのだろう。まあここで暇をつぶしているあたり試合がないということなのか、それとも地下闘技場で賭け試合に参加できない程度の実力なのかなど考えるべき点は多そうだ。

 場所が近いだけあってこちらでも地下での戦闘中継が流されており、試合状況の確認に支障はない。九郎丸たちの方に戻った視点もちゃんと認識はできるのだが、いかんせん「テレビ画面を2つ並べて」「同時に映画を2本見ている」ような感覚なので、戦闘時ならいざしらず遠隔操作には若干だが難があるのだ。ある程度自律して動くようにしてはいるので、外から見ればその差はあまりないだろうが。

 そもそも戦闘時に使う場合はお互い視界に入ってる場合も多く、情報管理の齟齬が起きにくい。なんなら黒棒の精神世界に置き去りにした分身は、はるかに遠くにテレビ画面があるようなイメージなのでどうなっているか確認するのがかなり難しいのだった。黒棒の言い回し的に幸か不幸かは置いておいて……。

 

 いやそういえばだが、だとすると原作刀太の分身はどういう感覚だったのだろうか……? そのうち帆乃香の手によって1/3(三分の一)ずつ魔術的に精神やら肉体やらを分裂させられるはずなのだが、特に違和感を抱いているようなものでもなかったので、いざ当事者となって考えてみれば軽い恐怖体験に他なるまい。

 血装による分身自体が恐怖体験であるが、それ以上に自己認識がしっちゃかめっちゃかになりそうな分身など、自分の自己同一性に疑問と潜在的恐怖を抱えている私にとって致命傷以外の何ものでもない。 

 今日、慰めてくれるだろう夏凜は近くにいないのである。(ダーナ「呼べば飛んでくるんじゃないかい?」超鈴音「妹チャンといるところに来たらそれこそガバとか言て心折れる、ネ」)

 

「今、あそこの上の液晶に兄弟(きょうだい)映ったでち。なんでわざわざ分身してるでちか」

「意味もなく約束破って不機嫌にするのも、そろそろ本気でキレられそうだしな……」

 

 私としては意味がある行為ではあるが、割とその際の周囲は学生らしいノリと無計画で動いているのが大半なので、カトラスからすれば「そんな頭鳩ぽっぽーなこと優先して私をないがしろにするな」という意見が強いのだろう。ごもっとも、と言ってしまいたいが、人間生まれや環境の尺度でそのあたりの振る舞いは大いに左右されるところなので、学生であるなら学生らしく過ごすのもある程度は必要なのだと納得してもらいたい。

 それはそうとして原作を読み直したこともあり、ふとした瞬間に「UQ HOLDER!」における精神世界カトラスの寂し気な末期の顔が浮かんだりして、申し訳なさが半端じゃないのだが。平日である以上はそこまで自由度も高くないし、休日も休日で拠点でのアルバイトを鑑みれば時間に制約があるのだ。

 授業? もちろんちゃんと出席して聞くとも。借金もあるのにカアちゃんから快く通わせてもらっているのだから代返のようなことはしないし、何よりカアちゃんが地理を受け持っていないので苦手意識なく話が頭に入ってくるので、学生としても色々ありがたいのだ(これは「エヴァちゃん」に対する感情というより、教師を親に持つ子供的な気恥ずかしさと苦手意識)。

 

 同様の理由で、分身だけを彼女のもとに向かわせ続けるのも不誠実だという感覚なのだ。九郎丸とのデートだって、そちらを優先するならカトラスの方にはいけないし、逆にカトラスの方にいくからと九郎丸に分身を遣わせるのも良くない。

 私の、「私」という視点からの彼女たちこの世界を生きる人間への接し方がどうあがいても潜在的に失礼にならざるを得ないのだから、せめて少しでも真摯に向き合うべきは向きあわなければという、自己満足の類ではあるのだが。

 どちらにせよ、余程に緊急事態の場合のみの禁じ手な感覚である。

 

 さて、とりあえず適当に注文したでち公を半眼で見つつ、私は問い正す。

 

「んで、結局お前さんは何であんなところに居たんだ? そんな妙なファンキーというか陽気極まりないテキトーな恰好で」

「我がファッションセンスを愚弄するでち?」

「誰かファッションリーダーはいなかったんですかねぇ魔人陣営……(白目)」

 

 いきなり脱線しているが、このあたりはお互いの距離感をなあなあで詰めるのが優先なのであしからずだ。敵対関係でもある程度の融通が利くくらいの距離感は、直接情報収集するためには大事なのだ。例えば……、タカミチやらゲーデルやらの葬式に顔を出したデュナミスのように。

 しかし半透明のサングラスはともかく、そのキウイ断面が連なったみたいな妙な模様なアロハシャツと目に痛いケバケバしいピンクのフリフリロングスカートェ…………。年齢的に私やカトラスと同年代だろうから、中二くらいらしく厨二(びょうき)に傾倒しても誰も文句言わないんで、もうちょっとマシな恰好模索して、どうぞ。

 

 ひょっとしてあの制服姿は、保護者のプロデュースか何かだったのでは……? いや、あの悪魔には確かスライム娘たちも使い魔としていたし、そっちの趣味かもしれない。どちらにせよ、誰に頼むのが適切なものか……。いや私が心配する話でもないだろうが。

 

「何故あそこにいたかと言われて、はいそれは何々であると話すようなことでもないでち。当然でちよ、ミステリーの犯人でもあるまいし」

「とはいっても、一応敵対関係のお前さんが出て来たら、はいサヨナラと手放しにフリーにするわけにもいかねーからな」

「捕縛するとか、殺すとか言わないでちか?」

「普通に戦ったら周辺被害が酷いことになりそーだし、お前さんが囮、という可能性もないではない。

 あっちに九郎丸とかがいるとはいえど、色々対応できるように準備はしておく必要はある」

「理屈はわかるけど、判断は甘いでちな。一応、妹だからでち?」

「いや?」

 

 少し嘲笑するでち公。なんとなく表情の作り方に綾瀬夕映の面影みたいなものを感じるが、それに合掌することもなく私は真面目な顔で断言する。

 

「必要があれば、倒す。場合によっては、殺す。そこのボーダーをはき違えちゃいけねぇ」

「…………」

「カトラスはまぁ、ありゃ本人が自己矛盾の極みに頭悩ませて、自棄起こしてたようなもんだから、こっちが色々やってたのに負けた(ヽヽヽ)ってのは、あるんだろうな」

「ギャグキャラ堕ちでちか」

「ハハッ! 意外とそういう言い回し使うのな、お前さん」

「使うでち。小説は読むほうでち」

 

 若干、ゆえ吉的な側面を感じてほっこりしかけるが、流石にそう言う場面ではないので気を取り直す。割り切りに関しては展開上、ガバ回避とどちらを優先させるかだが……、私のリソースの限界も関わってくるところがある。少なくとも終盤展開のアレは確実に回避したいところではあるが、それは一旦置いておいて。

 いわゆる味方化フラグがしっかり立っているかはともかく、今のカトラスを見ればもうおいそれと私と敵対できるテンションではないだろう。流石にそれくらいは、現実から目を背けることが出来ない。

 

 

 

 お師匠の下での修行後、カトラスと雪姫との間で話し合いがもたれ、その際に私もまたカトラスに頼まれて同席することになった。実際何も言わず、やらず、擁護もせず、険悪にならない程度に場を取り持つだけであったが……、その時の話し合いの結果が、現在のカトラスの処遇に繋がっている。

 

『お前が連中の首魁と「魔術的な」リンクをとられていないというのは、それはそれで別な方法で生かす手段を考えているからだろう。

 いや、あるいはお前の暴発を望んでいるのか?

 それと同時に、奴に縁深い相手がこちらの懐にいるというのは、あまり良い事ではない。

 例えお前が、意外と甚兵衛が見てる子供達と仲良く遊べるくらいに軟化したのだとしてもな』

『そんなことは判ってる。判ってるけど……、って、何だよ兄サン、その生暖かい目』

『別に? 続けてどうぞ』

『止めろ、別にそんな甘ちゃんとかになっちゃいねーからッ! というかもともと、完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)の目的からいっても、無関係の奴を巻き込むのはちょっと違うだろって。途中までは』

『その言いぶりだと、連中の主目的は変わっていないということだな。

 ハァ…………、むしろより悪化していると言うべきか。

 小娘、お前の扱いが雑なのも少なからず、その目的が影響しているだろうしなぁ』

『チータラ食べるか?』

『何でそんなモン持ってきてんだよ、お兄ちゃん野郎…………、食べる』

『おい人の話を聞いてるか、ガキ共。

 というか、何だ? 仲良いな、お前等……? 私にも一つ渡せ』

『応とも』

 

 ちょっと睨むような雪姫の視線はともかく。気を取り直して場を仕切り直し、カトラスは言った。

 

『少なくとも、もう私は、自分が何をやりたいかわからねーよ。いや、最初からわかってなかったのかもしれねぇけど、な。元々そんなに頭良くないし、明日食べるものに頭悩ませたりして、迷走してるようなガキでしかない。

 色々辛いこともいっぱい経験してるし、今の自分に不満がないかとか言われたら困るけど…………、でも、八つ当たりして喚き散らす程ガキって訳でもない』

『……なるほどな、誰に対して(ヽヽヽヽヽ)そうかという視点が出来たか。

 ()いな?』

『は? ……って、い、いや、違えし。そんな何か、思春期特有の平和ボケしたような話とかじゃねーしっ』

『思春期特有の平和ボケしたような何か、でなくそう思えたなら、それは相応に重い感情ということだぞ?

 なぁ刀太』

『何で俺に振るんスかね(震え声)』

『いつの間にか夏凜をああまでぶっ壊した側なのだから、そういう事柄の心当たりは1つ2つあるだろうに』

『えぇ…………』(※一歩後ずさる)

 

 少なくとも私の側にはないので、カトラスのそういう部分の精神性が幼かったというか、チョロかったというか、芯から優しくされた経験がなかったと言うだけの話だと納得はできる。それはそうと夏凜関係でドン引きするカトラスは「まさか私のことも……」とか言ってるが、まあ妹は対象外なのでそれはないとそこだけは断言した。

 というか断言しないと帆乃香とか勇魚がヤバい(震え声)。(ダーナ「最優先でもっと否定するところがあるだろうに」超鈴音「夏凜チャン先輩サンがこの場に居たらワンナイトツーナイトスリーナイト待ったなし、だネ……」)

 

 ただ、その平和ボケしたやりとりが良かったのか、あるいはカトラスの私に対する好感度の高さを見てとって判断したのか。ホルダー拠点での監視はせず、立ち入り禁止。ただ新東京圏内(というか天之御柱圏)においての自由を保障された形だ。

 不死身衆どころかそもそも一般構成員、要するに仙境富士組の構成員の関係者でもなく、だからといって完全な敵対扱いでもない、要するにどっちつかずのまま中途半端な扱いで保留されたのが現在である。

 

 とはいえカトラスには雪姫が血装を流し入れており、いくつかの制限を破れば体内で血装が発動して即死、という状態である。

 

『ザジには悪いが、一切の制限なしにその小娘を野放しに出来る程、私も信用はないからな。

 かといってこのまま順当に処理し、私に小娘を殺させるのも、もしかしたら連中の作戦かもしれない。

 …………嗚呼、前と見解が違うと? いや、それはな。出来た母親としては……、今まで通りの扱いがバランス的に良いだろうと、お前を見て判断したまでだ。

 出来た母親としてはな』

『何で2回も自画自賛したんだ?』

『黙れ! もとはと言えばお前がネギ(ぼーや)、あ、お前がお前の祖父のように片っ端から年頃の女を絆していくのが悪いのだろうがっ! 少しは反省しろ!!』

『痛ッ!?』

 

 それこそ鬼デコピ〇(オヤジ徒手空拳)ではないが猛烈な威力のデコピンを喰らい、悶絶する私を雪姫は鼻で笑ったり。まあそんな後日の一幕はともかく。

 

 

 

「だけど、お前さんはまたちょっと事情が違うだろ。カトラスは、本人の言い回しが正しけりゃ、自分の存在意義に疑問を持つ余地が十分にあった。

 その点で言えば、お前さんは逆にその存在意義自体については、むしろ明確な目標があるように思える」

 

 カトラスどころか本人が語った実験体としてのロットナンバー、近衛刀太の脱走時期たる2年前から逆算しても、でち公ことサリーもロールアウトしてからはそう年数が経っていないはずだ。

 にもかかわらず、雪姫やフェイトから一言も彼女については「敵対したことを知っているにも関わらず」言及がない。雪姫はともかく、フェイトの口から全くないのだ。

 

 そうなれば、ほぼ間違いなくこのサリーは例のアマテル技研でその生育を行われていない。

 加えて「継承」だの何だのの不穏な言い回し。現在ホルダー地下に捕縛されているオウティスの語っていた、昇華だったか? も鑑みれば、おおよそ推測は成り立つ。

 

 さらにメタなことを言えば、原作終盤の展開を思い起こせば…………、このサリーに見覚えがあるのも、なんとなく頷けなくもないのだ。

 

「『金星の黒』特化型で、上級悪魔から教育を受け、純・金星人の王族たるポヨ・レイニーデイが緊急時に確保に動くような、そんな相手。少なくとも単なる歩兵扱いではない、扱われ方が俺ともまた違うような言い回しを取られている。

 とすると…………、多分だけどお前さんは『最初から』魔族として作られた。違うか?」

「………………」

「もっと言えば、たしかザリーチェって言ったか? 他の奴が呼んでた名前。

 たぶん、その名前の魔人か何かそこそこ偉い奴が元々いて、その立場にすっぽり収まるために製造されたのがお前さんだ。……少なくともザジ・レイニーデイかポヨ・レイニーデイの遺伝子情報が俺達の実験に使われていた以上、単なる祖父さんに対する好意だけで済む話ではないはずだ」

 

 なにせ彼女たちは、あれでも裏金星の魔界の王族である。その遺伝子情報が欲しいなどと宣うものなら、それ相応に交渉やら何やらが必要になるのは、そう不可思議な思考ではないだろう。――――それは例えば、製造されるロットナンバーのうちの1つを、自分たちのために使わせるくらいのことは。

 

 かなり飛躍が入っている話ではある。あるのだが……、以前、編笠というか大野笠というか、魔力を使い魔族化、「闇き夜の型」の際にそんな被り物をしていたような覚えがある。

 そして三白眼に、額に魔法具(アーティファクト)として第三の目を出現させ、なおかつ複数の刀を操るツインテールの少女…………。

 すっかり気づけていなかったのだが、原作「UQ HOLDER!」25巻以降に出て来るあの少女魔族。その姿が、情報が、明らかにこのでち公にダブるのだ。近衛刀太と敵対する少女魔族としては、妙に凝ったデザインをしていたあの魔族が。

 

 流石にここまで条件が符合する以上、この世界線において両者は同一人物だと見るべきだろう。

 まあネルガルだかザリーチェだか、呼び名はどっちか不明ではあったのだが、少なくともこの世界線ではザリーチェが正式名称であるらしいが、そんな余談はともかく。

  

「そうなると、俺としては人間として扱うか、魔族というか悪魔として扱うか、というのが別な問題になってくんだが…………、お前さんは自分を後者だと定義づけている。そう受け取れる」

 

 そう言葉を投げかけながら密かに「第四の目」を(ひら)き、彼女を見る。

 漏れ出る思考は……、色々言い当てて来る私への困惑とは別に、これは、何だ? 苛立ちは判るが、羞恥と、あと尿意? 「何をわかったようなこと言ってるでちか、この男…………、トイレはどこでちか?」とか視えるぞ。

 いや待て真面目にやってるんだから尿意はもうちょっと頑張って我慢しろお前さん(戒め)。 

 

 そんな風に半眼になった私と、半眼で睨むようにこちらを見るサリー。丁度そんなタイミングで飲み物が届いた。私はクラフトコーラ、サリーは…………、何だそのピンクというか赤いやつは。どう見ても合成着色料ごってりだろうに。

 

「紅しょうがジンジャーエールでち」

「色がこう、すっげぇ身体に悪そう(素直)」 

「我が趣味に文句をつけるでちか!? 身内でもないくせに何を言うでちっ」

 

 じゅごごごごご、と音を立ててストローで飲みながら(ちょっと可愛い)キレるサリーだが、いやまあ言う義理はないがそれでもなんとなくカトラスや帆乃香たちを相手している時のようなテンションになって、つい口から出てしまう。

 

「魔族的には身内でもねーけど、多分お前さんの保護者からも色々言われてるだろ、その変な飲み物好きな趣味については」(※「第四の目」で視ている)

「よくもそんなわかったようなことを…………!」

「割と育ちは悪くなさそうだし、手塩にかけられてるから絶対心配されてるだろ。今、別に魔族モードじゃねぇんだし」

「余計な、お世話でちッ!」

 

 気に入らないでち、と言って、サリーはどこからともなく一枚のカードを取り出す。描かれた絵は、それこそ私の記憶にあるザリーチェだろう少女悪魔の姿で……。

 あっ待てと言う暇もなく、彼女はそれを額に当て、すぐさま例によってウル〇ラセブンなエメリ〇ム光線じみたポーズを取り。

 

来たれ(アデアット)真実の目(テリティウス・オクゥス)――――でちっ!!?」

「はいっ!!? ――――」

 

 次の瞬間、私たちの視界は「お互い」延々と何かが乱反射するような光とか闇とか極彩色とか色々なものに包まれ。

 猛烈な頭痛を覚えた私とサリーは、お互い能力が解除されてその場で倒れ伏し。

 

 

 

 ――――ちくわ大明神!

 

 

 

「誰でち今のっ!?」

「だから誰だよ、息長いなそのネタッ!!?」

 

 どうやら私同様にどこからか流れて来た、仮称「ちくわ大明神」の思考に触れたらしいサリーと一緒に、思わず周囲をきょろきょろと見回してしまった。

 いや何と言うか本当お前さん、一体何なんだよ!!? どこにでも現れるなぁ……。

 

 

  

『いや~、まぁねぇ……。今の私ってば、「あっち」の私はともかくココネですら視えないから、そりゃちょっと「世界が広がってる」くらいじゃ特定できないよね。明日菜でも難しいか? うん、まあ視えて欲しいには欲しいけど、高望みすることでもないか。――ちくわ大明神!』

 

 

 

 

 

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