ST215."498 WINS, 499 LOSSES"
前に兄サンから聞いたことがある。ある程度強い相手と斬り合うと、その相手の感情みたいなのが伝わってくることがあるって。
何をそんな一流の剣客とかが言うセリフみたいな、映画のそういうヤツみてーなこと言ってんだこのヤローと思ってたけど、目の前でそれを実演されると、ちょっと嫌な気分になる。まさかと思うけど、あのお兄ちゃん野郎もこういう風なことを思ったから、私に妙に馴れ馴れしくしてきてたのかとか、そういうのはそういうので、何か嫌だ。
「ぬふふ、やるにゃあ君ぃ。その腕、砲撃専門かと思ったら防御とか打撃にも転用できるとか、中々戦闘経験豊富にゃようで。……むしろ『試合だから』致命傷を避ける動きにゃんだけど、ちょっとその方が鈍い? 時々調整ミスして確度間違ってるみたいだから、慣れてにゃいってことは、むしろ『殺す方が慣れてる』ってことかにゃー?
そっかー …………。お姉さん、同情」
「うっさい! 『
「にゃん!」
私と戦ってるコイツ、カレン・ダ? とか言ったか。……
この女、私の身のこなしから色々と、こっちの経歴を察したようなこと言いやがる。ドン引きする感じじゃないけど、不用意に懐に土足で踏みこまれたみたいで、何か嫌だ。
……で、「危ないにゃ~」とか言いながら難なくその一発を避けてくるし、本当何なんだコイツ? 引っ掻くような爪の動きは「
狭間の魔女、あのデッカい師匠とやらのところで色々検討した結果、私自身の魔力制御の問題は解消こそできなかったけど。これについては「アンタは魔人にはなれないからねぇ」と言われて鼻で笑われて、それはそれでムカついたけど。それでも兄サンに張り合うために考えた結果が、これだ。
戦闘中にいちいち追加で魔力をひねり出すから、ガス欠になりやすいのだ。だったら最初から、私に組み込まれたシステムである「魔力で武装を編む」システムを使用し、事前にいくつかエネルギータンクを準備しておくって方法。
これに加えて右腕のこのアーマー型の魔法デバイスと、操作アプリのお陰で、明らかに前よりはもうちょっと戦いやすくはなったんだが…………、肝心の調整に全然付き合ってくれねーから、毎試合毎試合ぶっつけ本番みてぇな形で殴り合ってるのはよぉ、一体どうなんだあの兄サン。
ちらりと座席の方を見ると、時坂九郎丸の隣でのほほーんとしていやがる。人の苦労も知らないで何、テキトーな顔して相槌打ってるだけなんだよ、アレか、赤べこか何度も何度もうんうん頷きやがって。実物見たこと無いけど、桜咲刹那から聞いたことがある。
まあ相手も相手でかなり強いというか、盾で防御しても何回かに一回、打撃がこちらに飛んで来る。気弾とかじゃないけど、拳の一発が盾とかをスルーして、その威力だけが魔力なのか気なのかを帯びてこちらに打ち込まれてくる感じだ。ダメージが徐々にたまってるって意味じゃ、こっちよりあっちの方が有利。
じれったい……。「
なんだかんだと私の動きを避け、たまにかすることで多少はダメージが残ってるけど、それでも肩で息をしているこっちより余裕そうなカレン・ダは、少しだけ難しい顔して「うにゃむるぅ……」とか変な唸り声をあげてやがる。何だようにゃむるぅって、猫そんな声出さねーだろ。
「これはこれは厳しくにゃってきたにゃ~ん? ちょっと気を抜くとお姉さん、一発でノックアウトされちゃいそうだにゃあ。かくなる上は本戦まで取っておくつもりだった切り札を使うかにゃ~」
「切り札だか何だか知らねーけど、初戦くらいは花持たせてくれよ、センパイさんよぉ! ……じゃないと生活費厳しいし」
「不憫だにゃ~。この試合の後、夕ご飯いっしょに食べいくかにゃ?」
「わりと惹かれる!」
流石に犬上小太郎の嫁に毎食お世話になるのも心苦しいし、ご飯は美味しいけど「いっぱいお食べ~!」って言っていっぱい作ってくれるから、あんまり食べてると太りそうだし……、いや美味しいんだけど、それはそうとして脇腹摘まめるくらいになったら何か色々と、それこそ私の「ちょっと前までの私」の気張っていた矜持みたいなものが粉々に粉砕される気がするから、ちょっと遠慮するところは遠慮する。
幸せ太りとかお兄ちゃん野郎に煽られたら死にたくなるし……。
「
雑念まみれになってる思考で、だいぶ兄サンに世界観っつーか、物の価値観とかぶっ壊されたなとか苦笑いしながら、なんとなく気恥ずかしくなって、そんな意志も全部右腕に乗せて、魔力の光線を放つ。
そんな私を前にカレン・ダは両手を合わせて……、あれは、何? 印? 東洋魔術か?
「長瀬式・甲賀流宇宙忍法――――『量子分裂でござるよ』の術!」
はっ……? えぇ、宇宙忍法!? えぇ…………、え? いや、それ実在したのか、というか冗談じゃねーのか!!? 犬上小太郎のところの道場に何かそんなの書いてあったけど、よりによってあそこの門弟か何かかこの猫女!?
何かこう……、引く。技名、いくら何でもダサッ!?
右のストレートに乗せた砲撃を前に、姿がブレるカレン・ダ。そのまま私の一発はカレン・ダの胴体を貫通し。
その貫通したカレン・ダ自体はこっちに走って来て、自分の胸を貫通したままの腕を掴みとり――――。
「――――長瀬式・甲賀流宇宙忍法『
「いや、どういう術だ!!?」
ヤバイ、何かお兄ちゃんみたいなツッコミの仕か……あっ、あっ、兄サンみたいなツッコミの仕方になっちまってる。
いきなり背後からかけられた声にツッコミを入れた私に、後方でカレン・ダは「ハイヤー!」とか言って掌をこっちの目の前に構える。と同時に衝撃が私に放たれて、軽くビンタされたみたいになって吹っ飛ばされ、「足腰に力が入らなくなる」。
そのまま倒れた私は、上手く体が起き上らない……、いや、何だこれ? 腕も動かないから「
そんな私に、カレン・ダは「いやーゴメンゴメンだにゃあ」と笑う。
「正確には『浸透勁の脳震盪でシントウが係ってるでござるなぁニンニン♪』の術とも言う。あくまで頭に流れてる
お姉さんも負けることが出来ないからねぇ」
「…………」
技名はアホみたいにふざけてるけど、その割に術の効果は正直、尋常じゃない。戦場で銃を構えていたりした頃の私相手だと、まず間違いなく確実に狩られるだろう。ハマノツルギ生成アプリを「脳に」組み込まれてからなら……、初見はまずい。2回目なら多分負けはしないけど、私的には僅差だ。強がりとかじゃねーから。
そう言う意味で言うと、確かに「只の人類種にしては」上位に入る実力者の層だ。それだけに、なんとなく嫌な気分になる。
でも嫌な気分になったからって、当たり散らしはしない。カウントをとられて、負けて、そんな私に手を差し伸べて来るカレン・ダに、少し膨れながらだけどその手をとって、立ち上がって。
……こういう時「お兄ちゃん」はなんだかんだ妙に察して気遣って、何かそれっぽい感じのリアクションをとってくれるはずなんだが。
どうも「惜しかったね!」ってあっちの観客席の方で叫んでる時坂九郎丸やデータ取りに集中し続けてる弟とかとは違って、兄サンはまーだ赤べこみたいにウンウン意味もなく頷き続けてる。
今の試合を見ていなかったわけはない、はず。それくらいには、ちゃんと気にかけてもらってるとは思ってる。
だから、あの変な状態の兄サンから導き出される結論は…………。
「あっちも分身か。……少しグロくなくなったからって、わざわざ私の試合を途中で抜け出すのに使いやがるのか、へー、ふぅん」
「どうしたにゃ?」
「何でもねーよ。さんきゅー。
ただ…………よし、また勝手に逃げやがったなお兄ちゃん野郎。ぶっ殺す」
「いきにゃり物騒だにゃ!?」
動揺するカレン・ダのことなんて気にならず、早々に退場したアフロの方にも目をくれず、私はあの狭間の城でデッカイ師匠相手にいっぱい使っていやがった兄サンの分身らしいそれを見ながら、苛立ちをつのらせた。
あっ! ばしゃっとか言って血に戻りやがった、何やってんだあのお兄ちゃん野郎が!? グロいだろいきなり分解されたら、時坂九郎丸が可愛い感じで悲鳴あげてんじゃねーの!!?
※ ※ ※
動揺が伝播した結果、妹チャンことカトラスが目撃している前で我が分身は血へと還り、あちらの情報はもはや入ってこない状況、例えるなら退路を断たれた形だ。
というわけで私としては、少なからず何かしら言い訳ないし何かしら方法は欲しい訳だが、九郎丸と話し合おうにも私の側からは念話が未だに出来ない。
それこそ以前なら胸を中心に空いた風穴から生み出される「自動回天」があったので、もう少し頑張れば簡易に魔法を習得できたかもしれないが……、少なくとも傷が塞がってからは、黒棒を併用してでないと「金星の黒」の魔力も引き出せない。
さて、そうなると成果としてでち公の確保というのを出したいところだが(雑)、流石に敵意を持って黒棒を構え直し
なので私が行ったことは、酷くシンプルな…………、友情であった(意味不明)。
「――――くっぎみーやくーんっ! あーそーびーまーしょー!(白目)」
『みゅみゅみゅーん!(俺っちトモダチ! ふくはウチー!)』
「よよ、寄るな近衛!? 去れっ!」
でち公ことサリーが捕まえていた狗神を離した後、ほどなく
釘宮は制服姿ではなくニット帽姿は相変わらずだが、両手には例の新装備な白黒手袋。服装はなんとなーくバスケやってそうなタンクトップ姿で、中学生にしては筋肉質な身体であることがよくわかる。
そんな釘宮であるが、サリー、というより私のハイテンションな姿を見て表情を引きつらせ、黒い狗神で形成した大きな爪および手甲? のようなもので、受け、払いのけた。
でーちー!? と手を掴んだまま一緒に吹っ飛ばされるサリーだが、威力そのものは案外高くもないので、血装を使わないまま背面の黒棒を抜き、廃ビル壁面へと叩きつけ、そこを起点に部分的に血装。両脚両腕に血のグローブとブーツを作った後、そのまま
なお、もちろん今度は釘宮が両腕に装備した爪で妨害されるのだが。はて? 何だその「また面倒事をもってきてこの男は……! 前の妹の時と同じ顔じゃないかっ!」とかなり焦ってイライラしている。
うむ、大正解である(正直)。
おそらく割と表情も
まあ別に変えるつもりもないのだが。これくらいは「友達」として割合よくある距離感だろう、うん(適当)。私の頭の横で、同じくらい高さに浮かんでるチュウベェが「
まあそんな我々に対する釘宮は、過去最高レベルで力を振り絞りこちらの接近を拒んでいるのだが。あーあー眼鏡が盛大にズレてまぁ……。いや硬いな爪と爪で編まれた盾みたいになってるこれ。両腕の血装だけではこじ開けるのに足りないので、
「その表情で寄るな近衛!? 気味が悪いっ! 君がそんな顔をしている時は大体ロクでもないと相場は決まっているッ! 俺は忘れてないぞ……くっ、狗神自体に直に血装術を……!?」
「ひっでーなぁ友達だろぅ? 俺たちぃ。友達は友達を守り死ななきゃな俺達(
「生憎そんな地獄の窯の底から這い出てこちらを引きずり込むような顔をした相手は知り合いにもいなくてね……!」
「何でち、仲良しでちか……?」
サリーの指摘に、誰が! とは言わない辺り釘宮の複雑な内心が見て取れるだろう。「第四の目」越しに、彼の脳裏に若かりし頃(といっても既に実年齢はそれなりだろうが)の犬上小太郎にしごかれているちびっこな彼の映像が過り、なんとなくそれからは目を逸らした。流石に見えてる地雷と形容できるほどに複雑怪奇なそれを、本人が知られるのを嫌がっているだろう過去を、必要もなく徒に開陳することもあるまい。
私の認識でも彼は友達だし……、嬉しいことに彼の認識でも、私は「一応」友達のカテゴリーに入っているらしいのだから。
まあ、親しい訳ではないという風に思われているのが玉に瑕であるが。私は悲しい……(ポロロン)。
閑話休題。あんまりジャレてると尻尾の安定がなくなってでち公を落としそうなので、一旦お遊び(?)を中断して普通に「よっ!」と話しかける。「最初からそういう振る舞いなら拒否もしないよ」と半眼で遠い目をする釘宮だが、こっちも内心色々追い詰められている上でテンションが上がってしまったので何か色々スマン(素直)。
後方で「いい加減離すでちよ」とか言ってくるサリーをスルーして、釘宮と話し込む。ちなみにでち公は、さっきの血装のまま尻尾型のそれでぐるぐる巻きにしたまま解いていないが、そんなに強く拘束していないし、でち公も何故か無理に逃げようとしていないので、しばらくそのまま放置でいいだろう。
「で、どした? 今日は別に試合とかねーだろ、わざわざ地下闘技場近くまで来て」
「地下闘技場……? あぁ、こっちにあるのか。いや、まほら武道会関係のことじゃないよ。あっちもまあ、佐々木三太に、ウチのちづに、あと一人道場の方から人を借りれることになって、わざわざ『後ろ暗い』ところで戦わなくても問題はない」
「後ろ暗いとか言ってやんなよ、一応は有料チャンネルで中継されてる訳だし……」
『みゅーん(たまに無修正のパンツとかおっぱいとか流れるし、良い時代になったもんだ……)』
「オイコラ」
不純な動機のチュウベェの尻尾をつかまえて、ぶんぶん振り回す。「みゅーん!?」と声が聞こえるが、思考は「これまたファンキー刑罰だけど俺っちぶっちぎるぜー!?」とか言ってるのでまだまだ余裕がありそうだから、そのまましつけ継続である。
私はネギぼーず程、変態ペット(?)に甘くはないのである。少年誌的なボーダーラインと…………、こちらの監督責任をキリヱ大明神とかから咎められせっつかれそうだし(震え声)。
なお地下闘技場、一応は
何もそのことについては語りはしないが、私の微妙な表情に何かを察したのか「あぁ……」とだけ言って、釘宮はその話題から一端離れた。……もっとも視線は〇ム〇ジェリーみたいにカートゥーンな有様になってるチュウベェの方に注がれているが。
「今、君が遊んでいるその妖魔だよ」
「チュウベェがどうした?」
「あー、君が放し飼いにした訳はないだろうと判断したから、上にもそう報告しているが…………、学校のデータベースをあさって、防犯目的な監視カメラ映像を違法ダウンロードしていたらしい。主にプールとか、体育館とか」
『みゅ~~~~~~~~~~~ん!』
「マジで何やってんのコイツ(震え声)」
「君の知り合いと言うことで、シスターからこちらに連絡が回ってきた。『オコジョ妖精じゃないんだから、ねぇ?』とか言われて、全く意味が解らなかった俺の気持ちがわかるか近衛……?」
「わかんねぇけど、まぁ…………」
お互い何とも言えない表情になるが、しかしオコジョ妖精とやらについてもおそらくそれは何かの風評被害なので容赦してやってクレメンス(適当)。麻帆良学園においては、大体ネギぼーずの相棒こと
というかそのシスターってシスター・美空か? 春日美空。カモくんのことを直に知ってそうなシスターというと、今のアマノミハシラ(旧麻帆良学園)から考えると、そのあたりしか思いつかないが……。いや、ちゃんと仕事してるのかという謎の感動があった。割とあの人、サボったり悪戯しまくったりしてるイメージが強い。ご年配になってもそのテンションは、中学生当時とあんまり変わっていなかったのもあり、親戚の子供が立派にサラリーマンやってる姿を目の当たりにしたような微妙な感動があった。
まあ今生の実年齢で言うと関係は全く逆転するのだが。
「とりあえず事情聴取といきたいが、事前に見立てておくと…………監督責任はあるから何かしら奉仕活動が必要になるだろね。動画は外部公開されていなかったようだし」
「見立てって、お前さん何をもとに見立ててるし」
「僕も狗神がちょっと……」
「あっ(察し)」
なるほど、使い魔トラブルはこっちもこっちでゼロではないということか。何とも世知辛い世の中である(諸行無常)。
一端「第四の目」を切って、釘宮とお互い何とも言えない空気のまま、適当に口だけで笑い合う。そんな我々の様子に、でち公は驚愕と言わんばかりに目を大きく見開いていた。
「本当に仲良しでちね……。兄弟のまともな友達とか初めて見たかもしれないでち」
「まあな(白目)」
「動揺する度に白目を剥くのは癖なのかい? 近衛」
「少女マンガのショックシーンでちか、兄弟……」
「いや、まあ何っつーか一瞬気を失いそうになってるだけだが……」
「という訳で、この後学園に来れるかい? どうやら全く事情を知らなさそうだし、俺も弁護するのは吝かじゃないとも」
「あー、行けない訳じゃねぇけど、ちょっと今は――――――――はい?」
釘宮と適当に雑談しながら、さてでち公のことをどうしたものか、どう紹介したものかとか色々考えていると。不意に「第四の目」が動き、頭上から「隙だらけだぜ、ぼーず!」という妙に「陽気な」思念が降ってくる。
とっさに黒棒を構え血装、刀身から血風を展開して回転、盾かあるいは傘のような状態にする。
いきなりの動きにでち公も釘宮も驚いた表情だが、しかしその驚きはすぐさま頭上から降って来た相手への驚愕へと塗り替えられる。
「――――羅漢適当にジャンプキィック!」
……いったいどこから湧いてきたのか、その相手は背中にローブつきマント、身体にこうタイツっぽいもの、頭部に目元と鼻から上が隠れるようなマスクを着けた状態で、こちらにラ〇ダーキックがごとき動きで飛び蹴りをかましてきた。
しかも上手いこと、その一撃はこちらの血風の傘に当たらず、文字通り「適当に」落ちたという風に、でち公を拘束していた血装の尻尾を叩き斬った。
……蹴りなのに斬撃が放たれるという異常極まりない現象にはいちいちツッコミを入れられないというか、ツッコミを入れる気が失せると言うか、タイツゆえに普段以上によくわかるだろう「2メートルは超えた長身」に「筋骨隆々かつスポーティにスマート」。妙な存在感溢れる長髪がローブの隙間から零れており仮面越しでもその褐色の肌が目立つ。
誰だ? というより、でち公も釘宮も
でち公はそのままその大男が抱えて私たちから引き離し、適当にそっと置かれ、しかし男を見たままびっくりした様子である。
「ん? 何だぼーず共。男二人で女の子を拘束したまま何か話し込んでるってなったら、どう見たってアレだろ? アレアレ、誘拐現場。そりゃ、善意あるヒーローなら見過ごせねぇだろ」
男は、特に誰からも聞かれていないが、それはそうと謎の変身ポーズのような動きをして……、CVはラ〇ダーなら
「俺は正義の味方――――マスク・ド・
「いやジャック・ラカンだろお前さん(真顔)」
「いや、まさか本当に『千の刃』……?」
「何しに来たでち、生けるバグキャラ」
『ふみゅ?』
ほぼ素で条件反射的にツッコミを入れてしまった私に、連なるように続いたほか二名の言葉に。「ネギま!」魔法世界編における師匠枠ともライバル枠とも言えるこのバグキャラらしき男は「あぁん?」と言い、内心は「なんでバレてんだ?」と心底不思議がりながらこちらを見返していた。
知ってる人からすればどう見てもバレバレなのでまぁ……、リング名みたいなそのお名前くらいもうちょっとひねったらどうっスかね(適当)。
というかラスボス陣営に取り込まれて洗脳されてるはずだろお前さん、何でこんな全く縁もゆかりもないタイミングで出て来た意味不明だぞ!!? 誰か! 誰か説明責任を果たせッ!