光る風を超えて   作:黒兎可

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ラカン戦闘描写、1話でまとめきれなかったので次回も続きます…


ST216.自分あるは自分が自分であるために

ST216.We Can Be Solved Everything With Spirited Determination.

  

 

 

 

 

 ジャック・ラカンについて現段階で語って良いかちょっと頭を悩ませるところだが(後々登場が確定している的意味で)、まぁあのタイミングは妻妾同衾コンビの解説も脳裏に想起する必要があるので、そちらに尺を取られることを考えればこの時点で特に問題ないだろうとタカをくくってしまって良いだろう。この程度は流石に私の脳内で完結する話だ、どこにガバが潜むような話でもあるまい。

 そもそもジャック・ラカンというのは、数多の異名を持つ――――。

 

「――――マテリアル・ネギ・カイザー!」

「少しは頭の中で情報整理する時間くらい寄越せ変なオッサンがッ!!(正当ギレ)」

「変なオッサンとはヒデェ言い方じゃねぇか!」

「否定できるもんなら否定してみやがれ今の自分の恰好を鏡で見て胸に手を当ててよく考えてみろッ!」

「オイオイオイ、コイツは……、ネギのセンスだぜ」

「ダサッ!(直球)」

「いや流石に冗談だぜ!」

 

 ええぃ面倒くさい! 後また何か変な技作ってるし!!? ネギカイザーとかネギビームはちう様の手で直々に没喰らってただろうが実は結構気に入ったネーミングだったのかアンタ!?

 身体を大きく開き「X」の字のような表現をすると、それと同時に身体にそって魔力だか妖力だかよくわからないエネルギーが収束し、1秒も経たずこちらへと砲撃される。それを筋肉もりもりマッチョメンな高身長が空中に飛び上がり、こちらにホーミングしながらやってくるのだ(※補助魔術も何もなくナチュラルに空中に浮かんだまま)。

 チュウベェをとりあえず、いまだ血装の腕(尻尾?)で拘束されているでち公の方に、監視も兼ねてと言う体で逃がす。でち公がものすごく嫌な表情をしているが、そこはスルーだ。漏れ出る思考に「断ち切った割にこれ、全然解除されないでち……?」とか思っているが、このあたりは私の血装の精度が上がっているので、視界に入っている範囲かつ対象が明確であるなら、本体から分離した血を遠隔で操る程度はお茶の子さいさいなのである。

 いや、厳密に言えば薄く細く長く、血の糸のようなものが連なってはいるのだが、表面上は飛散した血で覆われてよくわからなくなっているので、ぱっと見わかり辛くなっているというだけなのだが。

 

 というか釘宮にでち公のことを話すよりも先に何故襲い掛かって来た、話がややこしくなるだろうが。少しは自重しやがれ、自称正義の味方(笑)。

 思考と発言と動きに全く不整合とラグがないせいで、事実上「第四の目」が機能していても無意味とかいう意味不明な状況にさせられてるし。何だこのオッサン!?(驚愕)

 

「何か馬鹿にされたような気がするが、まぁ男はそのくらいじゃなきゃなァ! ガッハッハッハ! あんまりガチで()ると、一緒に来てる奴にドヤされちまうし、エヴァンジェリンに見つかっちまうからな。オッサン、ちょっと手加減してやるぜ?」

 

「犬上流獣奏術・狗音ノ風(くおんストーム)――――」

燃血風(ねんけっぷう)――――」

 

「――――まっ、手加減っつっても、俺たちにゃ大きな開きがあるがなぁ。ぼーず共」

 

 こちらが謎の光線で襲われてる(?)のを見てすぐさま弓の魔法具を呼び出し、「矢」をつがえ放つ釘宮。

 それに合わせて、お師匠の元で修業していた際に妙な経緯から修得した四大属性の血風、そのうちの火属性をまとわせて例の卍型ブーメランに形成、回転して射出する私。

 

 釘宮の方は途中で矢が解けて2匹の黒い狗神の姿となり、覆面のプロレスラー的恰好をしているジャック・ラカンに襲い掛かる。その背後から徐々に徐々に熱波のみが拡大する私の血風が追撃、という流れとなっているのだが。

 特に狙ったコンビネーションでもないそれを、さも当たり前のように往なすジャック・ラカン。狗神はアイアンクローの要領で2匹とも両手で掴み、私の血風は「右足を蹴り上げ」、そこから発生した斬撃で真っ二つにして掻き消した。……いや、まあ掻き消すのは魔力でこちらの血を吹っ飛ばして制御を失わせれば不可能ではないだろうが、何故ナチュラルに蹴りで斬撃が出るんですかね(震え声)。なんなら狗神も手放して再度襲い掛かってくるのを両方とも腕で受け、ガリガリと噛まれてるのも「おーおー可愛いじゃねぇか犬ッコロ」とか言って甘噛みされてるくらいの扱いとなっている。

 流石の釘宮も目を見開いて硬直。私は私で「ネギま!」的な理由から次の動きを想定し、釘宮を庇うように立ち黒棒を構える。

 

「大血風――――血装ッ」

「即興必殺・ラカンフォークボールッ!」

 

 黒棒の先端を、以前「原作時空」かそれ寄りの世界線から来たろうオウティスを相手にしたときのノリで変形、大きめの血風として回転させ、盾の役割を果たしながら、遠心力でまき散らされる血を結集してそのまま死天化壮を形成。

 その形成の最中、思いっきり腕に噛みついた狗神を、そのまま振りかぶって雑にぶんと振り回し、只の勢いだけで引き離し投擲するジャック・ラカン。そのフォームの動きにそって、狗神が辿る軌跡の道筋そのものに濃密な魔力が走り、回転中の血風に思いっきり穴を開けられ、ついでに私の腹にも風穴が空いた痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!? 何やってくれてんだアンタ!? いや普通に痛いぞむしろ久々に「常識的な」痛みだぞコレ!!? 脊椎半分消し飛んで上半身のバランスおかしくなってるわ、どんな腕力だッ!!? 若干マフラーの先端も巻き込まれて消し飛んだし!!

 いや、それどころじゃない、こっちの後ろには……。

 

 釘宮ー!? と思わず声をかけるが、こちらの腹を右わき腹まで含めて裂いた狗神二匹は、ぱっと見複雑骨折しているような状態になり釘宮を吹っ飛ばしていた。気絶はしていないだろうが、あっちの方で倒れてぴくぴくしてる。「でち!?」とサリーの悲鳴が聞こえるが、内心は大いに同意である。

 

 いや、流石にあんなもん想定できるか!? なんでもかんでも生命エネルギーで無茶をゴリ押ししてくるとか、世界観が壊れるわ!? 原作を読め原作を! 原作…………、いや原作からこんなもんだったか(白目)。

 

 とりあえず血装で脊椎と胴体の隙間を埋めて、破損部がグラグラしないようにだけする。再生は順次されていくが、流石に身体が「コ」の字型に抉れてると、戦闘するのも難しいのだ。

 そんな私に、黒棒が引きつった声でサジェスチョン。

 

『き、気を付けろ、刀太。魔法具(アーティファクト)を使っていなくとも、アレは異常な強さと力をもっている。いやむしろ、武器無しの方が奴の本領発揮というところか』

「知っているのか黒棒(雷電)」

『多少はな。破壊される前の私は、そもそも奴の魔法具を参考に――――』

 

「おっ? 何かと思えば、お前アレじゃねぇか、タカミチが拳ヤッてから使ってたやつ。何だ何だ、今はネギの孫が使ってんのか。妙な縁というか、巡り合わせというか……。

 エヴァンジェリンがヘンな顔をしてそうだな。アルの奴のコピーみてェなモンな訳だし」

 

 いや、()い性格はしているがオリジナルのような変態ではないので、相棒の名誉棄損はその辺で止めろと、崩壊しかかった血風をそのまま投げる。

 まあ、当たり前のように「オラッ!」と正拳突きで粉々に粉砕してくるのだが。こう、血装なので強制的に解除されれば、それこそディーヴァも海天偽壮(マリンコード)でやっていたような妨害を受ければバシャりと液体に戻るわけで、そういう風に解けるのならわかるのだが。ジャック・ラカンの場合、どう見ても皿とか瓦を割るような形に血風が粉々になって粉砕されており、どのような顔したら良いものか…………。

 

「ジャック・ラカンは伊達じゃないということか。ままならぬ…………」

「ジャック・ラカンだぁ? 誰だそりゃ、知らねぇな。俺がそのジャック・オー・ランタンとかだってんならどうだってんだ?」

「いやアンタが実際どういう考えでここに来てるかは知ったこっちゃねーけど、今大変ややこしいタイミングで来たもんだから、ちょっとお引き取り願えませんかね?」

「オイオイ、連れねーこと言うじゃねぇか。ヤヤコシイっつったって、外から見りゃ未成年者略取の現場だぜ? そのままエ□同人みたいな展開に――――」

「妹相手に欲情する兄はいねぇ!(断言)」

 

 そのボーダーラインだけはたとえ世界観崩壊のガバがどれほど繰り返されても、決して突破してはならない一線だと考えているので、冗談でも何でもなく止めろと言う話だ。(超鈴音「アイヤ、待ったー!? そりゃないって先輩、おうまいブッダァー!!?」ダーナ「妙なところでダメージが入ったねぇ……」)

 

「は? 妹? 全然似てねぇな…………、ふむふむ」

「あっ(察し)」

「でち!? ちょ、ちょっと何持ってるでちか!!? 我が下着、いつの間に奪い取ったでち!!? っロングスカートだから奪う暇とか絶対ないのでちよッ!?」

 

 さも当たり前のようにゴテゴテとフリルのついた、両サイド紐止めな女性用下着をさっと持ち上げるジャック・ラカン(覆面)。何やらフムフムと吟味するように下着を注視する様は、恰好もあいまって原作以上に変態ぶりに磨きがかかっている。流石に「舐めたり」はしなかったが、サリーも腕の自由が利かないことも相まって、スカートを股で挟んで必死に隠そうとしながら抗議しているあたり何とも哀愁をさそう(適当)。

 なおジャック・ラカン本人はニヤリと不敵に笑い、でち公に言い放つ。

 

「そりゃお前、秘技・無音脱がし術よ。継承者の少ない秘技だが、まーそれはそうとして脱がしやすかったのは確かだなァ」

「意味が! わからないでちッ! 只の変態でちかッ!!?」

「どっちかっつーと、変態と書いて紳士と読む人種らしいぜ?」

「ネタがだいぶ古いっスね……(※2080年代現在)」

「しっかし身体の成長率に全然合わねぇアダルトなの着けてるじゃねぇか嬢ちゃん。ひょっとしてアレか? デコの広いあの嬢ちゃんの……、あー、なるほど。ホラよっ」

「我が下着の扱いが雑すぎないでちかッ!!?」

 

 おーおー、メンタルダメージが大きすぎて白目剥いてら、おそろいだね!(白目)

 適当にくるくる丸めておにぎりでも握るようにグッグッとされたサリーのパンツは、そのまま適当なアンダースローで投擲される。チュウベェが「ふみゅー!?」と鳴き声だけは可愛らしい声を上げて(内心については描写も自重する)キャッチしにかかったが、瞬間、その周囲に数多の刀(?)が生成されて檻のように形成され拘束、かろうじて難は逃れたらしい(謎)。

 なお絶妙にでち公の手の届かないところに落下される模様。もともと両腕はこちらの血装で拘束している関係もあり、着用し直すには二重苦なでち公であった。とりあえずキリヱ大明神に合掌。(超鈴音「そんなことで祈て欲しくないと思うネ、キリヱ大明神も……」ダーナ「なんだかんだ向ける感情の複雑さが垣間見えるところだねぇ、ここまで最速で拝み倒すところを見るに」)

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

「……、どういう、状況だ?」

 

 こちらに投擲された狗神の直撃は、流石に俺もしばらく激痛で身動きがとれなかった。いかに黒は精霊種としての狗神であるとはいえ、あそこまで雑に放られて、しかも近衛の技を貫通してこちらにダメージを与えてきたのだ、その威力が生半可じゃないことくらいは判る。

 というより、気のせいじゃ無ければ一瞬近衛の鳩尾から下腹部までの間が、左側だけほんのちょっと残っただけのように見えたような気が…………、いや、そんな胃の痛い話は忘れることとして。

 

「おーおー、速ェじゃねぇか。『人間が出せる速度』としちゃ、最速に近いところはいってるぜ?」

「あの、迎撃してるこっちの隙間ぬって殴ってくるの止めてもらって良いっスかね……」

 

 嗚呼また、近衛が白目を剥いている……。

 全身黒装束となった近衛が、左手をポケットに突っ込みながら右腕「だけ」俊敏に振り回して、これまた真っ黒な刀でジャック・ラカンの拳を叩き落としているのが見える。漫画じみた連続のジャブに対して、それこそ俺から見れば人外じみた速度で、まるでCG合成のような気持ち悪い程のヌルヌルとした動きで相手の拳を払っている。もっとも近衛の言う通り、ときおりそれでもジャック・ラカンの抜き手が近衛に入り、徐々に徐々に胴体から血を噴き出したりしている光景は、こう、見ていて痛々しいものがあった。胃が痛い……。

 

 いわゆる裏魔法委員会の仕事として、近衛を探しにこんな場末の路地裏までわざわざ来て。そしたら彼は、明らかに妙なテンションで絡んできて。まあ、さほど親しいわけでも無いから俺としては適当にあしらうくらいだが、ああいうテンションの時の近衛は大体限界ギリギリだ。この2月と少しで、それが把握できるくらいの付き合いはしてきた。

 だからこちらの用件を話した後、近衛がずっと「確保」していたあの少女……、黒い狗神がずっとソワソワして、言い聞かせないとそのままダイブして全身舐めまわす勢いで遊び出しそうな少女について聞くかというタイミングで、それはやってきた。

 

 ジャック・ラカン。…………祖父曰く、ネギ・スプリングフィールドの師匠の一人。祖父母の家にある裏火星の古い雑誌だと、「死なない男」「チート無限のバグキャラ」「不死身バカ」「必ず帰ってくる者」「判定バグの使い手」「千の刃」「ミラーマッチ(物理)」「つかあのおっさん剣が刺さんねーんだけどマジで」など様々な異名で紹介されていた。総じて二つ名の多さと、修行中に映像記録で見せられた実戦のそれが、あまりにもあんまりすぎて、5歳当時の俺は恐怖から吐いた。

 誰が好き好んで「気合だぜ」の一言で、宇宙戦艦並の大きさの刃を振り回して、これまた同じくらいに巨大なサイズの超古代兵器のようなものを滅多切りにするような相手の映像を見せられて「理想はコレや」とプレッシャーをかけられなければならないんだ。……まあ、直後に祖父は祖母に折檻されていたので、流石にそのレベルを目指すということもなかったが。

 

 そんな相手がプロレスラー的な恰好をして(覆面レスラー?)、ハンデなのか素手のみで「友人」をいたぶっている様は、中々見るに堪えない。

 

「だが、まだまだだな。その調子だと、俺たちの戦力(ステージ)で殴り合うには、ちぃとばかり色々足りねぇ……。中途半端?

 しかも何つーか、アレだな。お前の祖父(じー)さんとかと違って、向上心みてぇなモンが無ェな。その調子じゃ、この先『本物の強さ』とかいうヤツとぶつかって、ポッキリ逝っちまうぜ?」

「生憎そういう『本物の強さ』とか自分探しみてーなのは卒業してるんでね! なんでもかんでも突き詰めりゃ良いってだけじゃない、ありのままを受け入れるのも大事だって知ってんだよッ!」

「気取ってんなぁ……。だけどまぁ、出来た大人として言わせてもらえばなぁ? オトコノコっつーのは、そういうモンからは一生逃れられねぇんだぜ? 特に何かを守るために立ち上がるには」

「そもそも最終的に自分がやりてーことと強さとかいまいち関係ないんで(適当)」

「オイオイ、マジか……。ぼーずですら奮い立ってたっつーのに、エヴァの奴、育て方間違えちゃいねぇか?」

「それは余計なお世話、だッ!(正当ギレ)

 ――――死天化壮・疾風迅雷(サンダーボルト)

 

 何故か少しキレた近衛は、一瞬で頭髪が発光し、その動きをとらえられなくなる。……視界の端に一瞬入ってわかったが、アレは、さっきから愛らしい? 鳴き声を上げていたあの妖魔じゃないか。妖魔があの少女を拘束しているものに突撃したと思ったら、ばちりとスパークするような音を立てて姿を消し、直後に近衛がああなっている。

 よくは判らないが、そのためにあちらに逃がしたのだろうか。

 

 おぉ? とジャック・ラカンが唸りながらわずかに後退。それに合わせ、近衛はたぶん攻撃を仕掛けているのだろう。…………あの刀による連続の斬撃で、明らかに一回の「ざしゅ」とか「ずば」とか聞こえる斬撃音と同時に無数の刃の軌跡が見えるんだが、アレは一体どうなっているんだ? さっきまでのは、いくら高速での防御とはいえ「きんきんきんきん」と言う様な金属の音が響いていたというのに。

 ……我ながら擬音が雑だな。やはり俺に文才はない。

 いや、それよりジャック・ラカンの身体と攻撃が激突する際、金属同士がぶつかりあうような音が鳴り響いていることの方にツッコミを入れた方が良いのだろうが。どれほどの強度を持っていると言うんだ、あの大男は。

 …………息苦しい、胸が焼ける。

 

 速度が上がっているせいもあってか、ジャック・ラカンの周囲に無数のブーメランのような刃が同時に現れ、それらが襲い掛かると同時に、近衛本人は上昇。そのまま黒い刀を振りかぶり…………。何だ? 燃えてる?

 俺の影の中で、白も黒も両方の狗神が震えている。

  

「ナルホド、ナルホド? 戦闘力で言えば、5000くらいは行くな。ネギのアレみたいに『初動が視えねぇ』あたりイマイチ理屈がわからねぇが、その魔法具もタカミチの奴よりは使いこなしてるじゃねぇか……って、何だそれオイ!?」

 

 振り下ろした刃の斬撃は、そのまましなる鞭のような形で「拡大」し、と言ったらいいか。飛ぶ斬撃みたいなイメージで、しかも斬撃は延々と燃えている。

 何だろう、見た目は普通(普通?)の魔法攻撃のように見えているのに、何かアレには嫌な感覚がある。

 

 ジャック・ラカンもそれを感じたのか「エターナル・ネギフィーバー!」などと言いながら飛び上がり、全身から光線を出して斬撃を粉砕。

 それと同時に……、同時に? いや、いつの間にか近衛はあの少女の手前に立っており、髪の色が元に戻っている。

 

「(雷天大壮とは原理が違うっつーのに何当たり前みてぇにこっちの動きに対応してきやがるんだあのバグキャラめ……、いや戦闘力にガバが無いと言う意味では問題はないが)」

「何か言ったかぼーず?」

「大したことは何も。……つーか、何っスか? アンタ、あのディーヴァみてぇに俺のこと回収するとか、そんな話じゃないんスかね。

 祖父さんが行方不明になるよりもはるかに前に消息不明で、おまけにその時に祖父さんのパートナー二名も一緒だったってなると、どう考えても木乃香さん達みてーな感じで、あっちの連中の側に取り込まれてンだろ?」

「オ? いや、何か全然話してねぇのに妙に察しが良いな……。まあ、おおむねその予想は当たっちゃいるぜ? おおむねだが。

 んで、回収だぁ? ンな『余計な事』はこの場じゃしねーよ。文字通りお仕事が違うっつーか、今回は別件でこっちに派遣されてっからなぁ」

「別件、ねぇ。…………ふぅん」

 

 ちらり、と近衛が、あのツインテールの少女の方を見る。……ブーツの先で丸められた下着を、彼女の足元まで蹴ったりしてるあたり、ちょっとだけ律義というか、その状態でも拘束を解いていないから意味がないので、性格が悪いと言うか。

 ぐぬぬ、と顔を赤くして睨む少女に、半眼でニヤリと笑ってから、近衛はジャック・ラカンの方を見る。刀を肩に乗せ、左手をコート? のポケットに入れて。

 

「じゃあ何で来たんだよアンタ。どう考えてもカアちゃん……、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルや、フェイト・アーウェルンクスに見つかるリスクを冒してまで、俺にちょっかいかける必要、全然ねーだろ。そんなミッションもないだろうし、洗脳とかでも無意味な行動だし」

 

 くつくつと、近衛の一言にジャック・ラカンは笑い。

 

「洗脳とかそんなモノ、俺が俺である事実には何ら関係はないのさ。

 だから俺としちゃ、ちょっと気になったから様子を見に来たんだよ。……ネギの孫なくせに、全然こういう武道大会みてぇなモンに興味を引かれてない。そんな奴の先行きについて。

 ――――この先、俺たちをぶっ倒せるか心配になってな」

「いやアンタ、どっちの味方なんだよ(困惑)」

「だから言ってるだろ? 俺は俺だ。それ以外の何者でもない」

 

 今の状態だって付き合い(ヽヽヽヽ)みたいなモンだしな、と。俺にはよくわからないことを言うジャック・ラカンに、近衛は呆けた表情をした。

 

 

 

 

 




ちょっと何言ってるかわからないですね by 菊千代
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