ST218.The World Won't Let You Go!
…………何で兄サンはいちいちグロいようなことしないと気がすまないんだろうな。
それはこう、アフロとか弟とか時坂九郎丸と全員バラバラになって、兄サンを探そうとしてた時。ちょうど、兄サンが何か戦ってるっぽいのを発見して、右腕でも発動させて参戦しようかって思ってた時。人がせっかく好意……、いや、ま、まあ、一般的な意味での? 好意でどうにかしてやろうと思ってたってだけなのに。
突如こう、あのお兄ちゃん野郎は重力剣から血のブーメランを思いっきりこっちに向けて投げて来た。
しかもノールックで、その割に私の目の前に落下するように上手い事カーブを描いて。
「ひぃ……!?」
思わずドン引きした。いやだって考えてみろよ、兄サンの身体から直接出てないとはいえ、血だぜ? 血。それも、ものすごい勢いで飛んできて、さらに言えばコンクリートの地面に「刺さってる」し。
もう何かこっちのこと見てない割に確実にこっちの方に投げて寄越して、多分牽制なんだろうけど本当に当たらないつもりで投げたんだよなこれ!? ってくらいの自然な流れでの投擲だったものだから、思わずその場にへたり込む私だ。
……我ながらずいぶん平和ボケしてるなと思うけど、自称お母さんから「むしろテナちゃんは張りつめ過ぎていたくらいだから、緩急の付け方の一つでも学ばないと破綻しますよネギ先生みたいに」とか言われたこともあったから、まー、うん。私、悪くない。
そして何より恐ろしいのが、そのブーメランの中心部の卍が変形して「血で出来た」唇を象った膜みたいになって、そのままそこから肉声が届いてくること。
『あァ、とりァえず小声でナ?』
「いや怖ぇよ!? 何、その声……、何!!?」
声自体は兄サンのなんだけど、めちゃくちゃガタガタだった。発声量と言うか振動量というか全体的にガタガタだし、かすれてるし、音のトーンとか高さとか滅茶苦茶だし、合成音みたいになってるし、要するにホラーだ。
あと血で出来た口がパクパク動いてそんな声出すのも含めてホラーだし、正直グロテスクで気持ち悪い。なんとなく「自分の心臓」に口が生えて、私の意志に関係なく勝手にしゃべりだすような、そんな映像が脳裏をよぎる。……別に妄想たくましいんじゃなくって、お兄ちゃんが悪いに決まってる。
血装術の制御が上手くいってなかったのか、しばらく『あー、アッー、あぁ……』とか暫く声を出していると、段々普段の兄サンの声になっていったけど、それでも絵面がグロいことに変わりない。
必死でそんなモンスターから目を逸らしながら、兄サンに文句付ける。
「キモいからもっとどうにかならねーの?」
『いや、今まともに分身すると大事になるし……。んー、まあ「聞いてる」分には問題ねーから、とりあえず変装解かないでそこから動くんじゃねぇぞ
「何で?」
『あの変なオッサン、どうもお前さんのお迎えらしいから。……お迎えっつーか、強制的な撤収っつーか』
「ッ!」
はっとして兄サンの方を見る。兄サンの隣には、帽子がぶっ壊れてるけどお世話になってる犬上小太郎のところの孫。兄サンと友達だったから、よくわからねぇけど一緒につるんでいても不思議はない。
そしてそんな二人が対峙してるのが……、いや何やってんですか「千の刃」。というか何で自由行動容認してるんですか
というか、あのジャック・ラカンが私の追手……? 私を、捕まえるために差し向けられた?
『とりあえず精神攻撃で揺さぶりかけとく。そこまで真面目にやってねーみたいだし、動揺すりゃお前さんの気配は感じ取れねーだろ』
「…………」
『ま、とりあえずそこに居ろ、な?』
「う、うん」
いや、ジャック・ラカンよりこっちの方が動揺して、震えてしまいそうなんだけど……。
でもこう、あの「狭間の魔女」のところで修業した後の兄サンの言葉は、なんだか妙な威圧感と説得力があって、なんとなくおずおずと私は引き下がった。
というか、精神攻撃?
「ま、そんな感じだな。…………名実ともに、ネギ・スプリングフィールドが『本当の強さ』って奴に目覚め始めた時のことだ。聞きたいか?」
「そのうちフェイトが準備してくれんだろうし、カアちゃんがビビってんのかまだ全然話してもらっちゃいねーから、野暮っスよ」
あっちの方で、兄サンの本体っぽいやつ(あのコートみたいなの着用してる時に「鏡に映ってない」から多分本物)は、「千の刃」相手にいつも通りの感じで軽口を聞いてる。
そして、なんだか少しイライラしてる感じになってきて……。
「…………その結果、じーさんを大事に思ってる、じーさんの周りにいた人たち全員置き去りにしたんじゃねぇのかっていうのが、ちょっと引っ掛かってるだけっスよ」
兄サンの言葉に、千の刃は「は?」とちょっと間抜けな表情になる。
「傲慢とは言わないっスよ? それだけ物理的にも精神的にも、存在的にも強くなってたんだろうし。だからこそ……、メーテルリンクじゃないっスけど、足元にあった在るがままに、大事だったもののことなんて気が回らなくなっちまったんじゃないかって、まーンなことを思う訳っスよ――――」
兄サンが言葉を重ねるほどに、段々とその表情が引きつっていって。
「――――色々と『後始末』押し付けられてる身としちゃ」
「………………お、おう」
そしてトドメとばかりの一言に、千の刃は「どよよ~ん」って感じになった。こう、肩落として、なんか兄サンに帰って来てから読まされた漫画とかの落ち込んだ感じの表現っていうか、そういう風に抽象化? 単純化? した絵みたいな感じで、わかりやすく落ち込んでるっぽい感じと言うか。
えっと、アレの何が精神攻撃なんだ……?
『本人的にテンション上がりかけてるところに、親類の甥っ子姪っ子くらいの感じで可愛がってやろうくらいに思ってた相手から、どストレートにちょっと気にしてること突き付けられて、なんか嫌われてそうな感じの物言いされりゃ、ああもなるわな』
「ナチュラルに以心伝心すんの止めてくれね? 気色悪い」
『それは……、ちょっと傷つくぜお前さん。オブラート、オブラート』
傷つくとか言ってるのは血のブーメランに生えた寄生生命体みたいな兄サンの口らしき真っ赤な何かだし、そもそも何もかもがキモいから。私が今更引いたところで関係ないってのッ。
っていうか、えっと……、よくわからないけど、相手が気にしてることわかってて、その事実をわざと突き付けてるってことか? まあ、精神攻撃としちゃ分かり易い感じの方法だし、定石なんだけど、それをお兄ちゃん野郎がやってるというのがこう、なんか大人げない感じがするっつーか。……無駄に察しが良いお兄ちゃんが、煽りとかじゃなくって本気で精神攻撃しようとか考えて、やってるって?
いや、それはさぁ、何というか…………。ヨルダ様いわく「精神の自由さと本来の能力とは比例する故、あまり露骨に傀儡にし過ぎれば、それだけ本来の戦闘力を削ぐことになる」って話だし、あの感じだと割と精神は縛られてなさそうだし。
ってことは、確実に相手のメンタルにダメージ入るってわかってて、思いっきり心に爪立ててるって感じじゃねぇのか? 悪役のやり口だからそれ、自称人類の守護者的組織のくせに。
……というか、今気づいたけどあっちにでち公、転がってるな。うん。
ほぼ全員に無視されて涙目で足をすりすりしてスカートで挟んでるけど……、また漏らしたか? あー、敵だけどさすがに一応女の子だし、妹だし、まあ……、ドンマイ。
流石にキリヱサンに祈ったりはしねぇけど、兄サンとか佐々木三太じゃあるまいし。
ともかく、千の刃はばつが悪そうな感じで、とりあえずという感じで兄サンに謝った。
「あぁ、何か悪ぃな。……というか、結構俺らって嫌われてンのか?」
「好きでも嫌いでもねぇっスよ。『直に』話し合ったりしたこともないような、初対面の相手ですし」
「…………俺は何か、ちょっとモヤモヤしてきたんだが、近衛」
「釘宮はまあ、アレだな。……小太郎さんのことについては、じーさんに文句言って良いとは思ってる」
「そっちの方は流石に俺じゃ受け持てねぇから、そのうち勝手にやってくれよ。まあ、機会もあるだろ。
で、後始末を押し付けられた、か。…………いや、ちょっとくらいは言い訳させてもらって良いか?」
「しなくて良いっスよ。別にだから『嫌いでもない』ってだけですし。アンタらから直接どうこうされたって訳でも、アンタらが悪意を持って色々やらかした結果がどうこうって話でもないし。アンタらはアンタらに出来る最大限をやって、それでも失敗したっていうのなら、後から何言ったってたらればにしかならないし……、当時でさえ『言葉が届いていたか』わからねぇし」
「本当、気取ってんな、ぼーず…………。なんか上手く言えないが、エヴァンジェリンの息子って言われて納得はいく感じだな」
「そりゃまあ、カアちゃんっスから、雪姫」
なんでかそこだけ、少し嬉しそうに胸を張る兄サン。
……で遠方から「我が下着については完全に悪意に基づいてやらかされていないでち……?」とかでち公がほざいてる。それを意図的にかスルーして、兄サンたちは会話を続ける。って、下着? 疑問に思って聞いてみると、寄生生物的なやつは「ジャック・ラカンにやらかされたって言って伝わるか?」とだけ。
うん、まぁ…………、私もやられたことあるから、なんとなくわかった。なんとなくわかったから、思い出すまい。
で、ただそれでもと兄さんは続ける。……背中しか見えないけど、なんとなく声の感じが、怖い。
「ただそれでも、受け入れるにしても文句の一つや二つはあるって話っスよ。じーさんとカアちゃん……、ネギ・スプリンフィールドと、エヴァンジェリン・アタナシア・キティ・マクダウェルには」
「なんでその二人なんだ……? いや、ネギのやつは判らないでもねぇが」
「だってアレだろ? 夏凜ちゃんさんからも聞いたけど、二人して
というか、アンタ知ってるんじゃねぇか?」
「あ゛ー ……、ノーコメント」
感知もしてねぇのに飛んできて凍結させられそうだし、とか言う千の刃は、まあ、なんというか良い性格してそうだったっつーか……。
そんでもって、そんな話を語る兄サンがどんな顔してるか、結局ここからじゃ終始見ることが出来なかった。
※ ※ ※
初手心理攻撃は基本。
単純な物理戦闘において、珍しく全くかなう気配を感じられなかったこともあり、その段階で私の方針は決まった。即刻「第四の目」越しに相手の意識の隙間を狙い、会話できる瞬間を探す。途中ででち公とジャック・ラカンがここに来たそれぞれの理由と目的も把握できたので、とりあえずカトラスについてはこっちに来ないようにせねば、と。そこだけ思考の端に追いやって、私は準備を開始した。
とりあえず良い感じに気乗りさせるために、星月とチュウベェに無理を言って
……いや、まあ、私も暴走中に関してはこちらのコントロール下にあるとはいえ、こと戦闘の動きだけはこちらのコントロールを外れて最適化された殺意マンマンの動きになっているので、完璧にはとらえきれていないのだが。
とにかくジャック・ラカンを地面に叩きつけて埋めようとする暴走状態の私と、とにかく私を遠方にぶっ飛ばそうとするジャック・ラカンとの闘いである。その過程はもはや、血装術により〇星からの物体Xじみた自由変形でその場から離れずに相手をト〇とジェ〇ー風にボコボコに叩きつけまくる私と、それにめげず地面からギャグマンガみたいな動きで「どごーん!」というような効果音でも引っ提げながら出て来てこっちの腕やら脚やら黒棒やらを手に取り、プロレス技やら柔道やらこちらも自由自在な動きと予想外な即興必殺技を放つラカンとの応酬だったりした。
なお超高速の際に一瞬息継ぎ(?)に気を抜いたジャック・ラカンを容赦なく叩き潰そうとしたこちらに、思わず
というか、全然思考する暇もないくらいには戦闘に次ぐ戦闘だったので、ジャック・ラカン本人について情報整理すらいまだに出来ていないのだがなぁ……。
まあその後、釘宮が意外と私との距離感というか、友人関係はさして親しくないとは思いつつも、悪くないと思ってくれているのが判ったりして、ちょっと気持ち楽にはなったのだが。
その直後のジャック・ラカンの物言いと、過った思考があまりにも無責任すぎて、少し苛立った。
「よくわからねーけど、じーさんと小太郎さんがアンタ相手に戦ったっつー感じの話?」
「ま、そんな感じだな。…………名実ともに、ネギ・スプリングフィールドが『本当の強さ』って奴に目覚め始めた時のことだ」
――――お前もネギみてぇに、ここでそういう「何物にも揺るがせない」何かを手にいれられるか? それがなきゃ、たとえ手段があったとしても、ネギを超えてハッピーエンドなんざ1000年早いぜ。
過ったジャック・ラカンの思考についてだが、率直に言おう、ヘイト的な意味はないが、それでも一人の当事者として。ただ文句だけは言わせて欲しい。
何が本当の強さだ、馬鹿馬鹿しい。ふざけるな。
何物にも揺るがせない何か、とか、何を茶化していやがる。
それを手に入れた結果、ネギぼーずはどうなった? 嗚呼そりゃ、そうしなきゃ誰も彼も救われる「可能性すら」存在しなかった流れが、確かにあるんだろうさ。そもそもネギぼーずが、自らの父親失踪とその後を追い無理をして自分を鍛え続けた過程と結果が「魔法先生ネギま!」であるとも言い換えられる。ラブコメ描写マシマシで、主題がどれほどそこに置かれていたかは読者それぞれに委ねられるところだろうが、だからこそ純粋に思ってしまうのだ。
結局、自由のままに戦って散って言った父親とちがい、ネギぼーずは「刷り込まれた」目的に従って、その刷り込みからずっとずっと脱出できずに、自分のあり方への悩みに終始振り回され、力を得た代償に「人間として」空っぽになってしまったのではないか?
彼が人生を取り戻せたのだとするなら……、それこそナギ・スプリングフィールドを救出できた後だけに限るだろう。一瞬、それこそ木漏れ日の中で、心の成長に沿って目的を少し忘れることが出来た時もあったかもしれない。だが結局、ネギぼーずは終始そこに振り回され続けて…………、だからこそ、今に至っている。
フェイトが終始、壊れたのともまた違う。これはある意味で、誰もかれもがネギぼーずへと向けてかけた、呪いのようなものでもある。
お前はナギ・スプリングフィールドの子であるのだという、人生そのものを縛る呪い。
その良し悪しについて、何かを言う権利も、そもそも何か是非についての感想も私にはない。原作漫画を読んでいる分には「バトル漫画描写的にこうだよなぁ」という程度の理解だし、最終的に「人間を辞める」展開すら含めて一つのカタルシスとしてストーリーに組み込まれているのだから、そこは野暮な話でしかないだろう。
ただ一点だけ、どうしてもネギぼーずと、エヴァちゃんとに言わなければならないことがある。お師匠のところで原作漫画を読み直し、改めてラスボスことヨルダ・バオトが一体どういう人物であるか、何を考えどう行動してくるか、というのを振り返った際、どうしても一つだけ防げた物事があったはずなのだ。
そこだけは、今更でしかないが…………、出来た息子としては、カアちゃんすら知らないだろう、ネギぼーずすら隠すだろうその事実だけは、直に会った時に言わなければならない。
嗚呼だから、演技するまでもない。この胸の内に渦巻く感情を、カトラスに対して「腹話術」(?)している方に乗せないように心掛けながら。ジャック・ラカンに語りかける。それだけで十分、相手へのプレッシャーになるのは
「だから、まあ……、俺が直接、対象とって文句言う権利あるのは、とりあえず二人だけだろ。フェイトへの文句はまた別件だし、こういう話じゃねぇからな。ある意味もっと重い話だし……。諸悪の根源は文句言うよりもぶん殴る話だし。
ただそれでも、なんでじーさんが、ネギが、そんな遠い所に行こうとしてンのを、誰も止めてやらなかったんだよ。本当に祖父さんは、ネギ・スプリングフィールドっていうのは、
『………………』
『ふみゅ?(ヘイヘイどうした美人のオネーサン?)』
私の内で星月が息を呑み、チュウベェが茶化す声が聞こえた。……というか、あれ? 今の星月の息遣いはこう、聞き覚えのない声なのだが。今までの星月の変身した姿の中から考えて、一体誰のCVだ?(メタ)
私の言葉に……、おそらく苛立ちだけは押さえきれていないだろう、そんな声音を前に。ジャック・ラカンは遠い目をして、どこか懐かしいものでも見るような目をして。
「……ヘッ。ま、俺が言えた話でもないんだろうがな。
力を持った一人前の男が、自分で決めた道だ。たとえそれがどれほど茨の道だろうが、アイツ自信が自分で決めて踏み出した道だ。
その決断に、その勇気に、イイ大人がとやかく言うのはお節介が過ぎるってもんだろ?」
「近衛…………」
「…………」
だがジャック・ラカンは、私のことも否定はしなかった。
「ただ、なんとなく判ったぜ?
だったら、俺がそれに色々ケチつける話でもねぇな。……倒してくれなきゃ困るが、人生、自由だ。テメェのケツを自分で拭う分には、出来た大人としちゃ背中を押してやるくらいだな」
私の物言いに込められたやるせなさと、行き場のない憤りも、受け止めた上で「私」を理解しようとしてくれたらしい。それが何だという話ではあるのだが……、少しだけ気恥ずかしい。喫茶店がどうこうとか、口に出していないのだが、それでもこう、子供が大人に不平不満を言って、笑って「大したことない」と流されているような、そんな感覚と言うべきか……。
ぼそりと、カトラスが「お兄ちゃん……」とか釘宮が私のことを呼びかけたみたいな、しんみりしたテンションの声をかけてくるが、それに答えるような話でもない。
少なくとも、空気は完全に白けており。あのでち公ですら文句は口に出していないくらいだ。もっとも内心は「エゴの塊でちね兄弟、日ごろから何を食ったらそんな自意識過剰になるでち?」とかさっくり愚弄してくれているので、お前さん後でこのクソ暑い中たらふくホットな珈琲飲ませてやるから覚えてろよ♡(にっこり)
そしてそんな空気の中――――敵意はあるが害意はないような、微妙な思念が視界に過り、念のため黒棒を構え直す私。
釘宮もそっと弓を構え周囲を警戒する中、ジャック・ラカンだけはそのままの体勢で……。
「…………随分と好き勝手、言ってくれるものです。アスナさんがいなくなった後、それが出来たなら、エヴァンジェリンさんや私たちも苦労はしていないです」
やがて地面から、その影からドロドロと音を立て姿を現したのは。
いわゆる魔女らしい先の折れた三角帽子に、小柄でスレンダーな体躯。本を一冊片手に持ち。ワイシャツに黒ズボンと簡素な、それでいて妙に似合っている両のおさげスタイルは――――。
「――――魔法少女ユウバエ!? えっ本物か? 本物の魔法少女ビブリオン ユウバエ……!? 実在していたというのか、あの伝説の魔法少女コミックの主人公ッ!!?」
「でちッ!!?」
「いやお前さんが反応するのかよ、釘宮……(動揺)」
「あっ!? あ、あ、あれは、大体ハ、いえ、パルの肖像権侵害です!!? というよりもシリアスに登場してるのだから、空気は読むですッ! 男子中学生!」
びしり! と大慌てで眼鏡を曇らせる勢いで動揺してる(つまりはギャグ描写な感じ)釘宮に、これまた目を丸くして赤面しながら、「全覚の魔法探偵」こと
「をのれ……、のどか共々、
「ガッハッハッハッハッハ! 良いじゃねぇか、ちびっ子から大人まで大人気なんだから――――」
「そう言う問題ではないですッ! くっ……、怒りには豆乳タピオカラムネです。宇宙食バージョンを持ってきておいて正解です、ふぅ」
うん、まあ、ジャック・ラカン共々登場が早いことについてツッコミを入れたいのは間違いないのだが……。
もうコミマスことP・A・L☆ザ・コミックマスター(※漫画家)、スタジオ制なのか未だに現役なのかは知らないが、やっぱり間違いなく「ネギま!」のパルこと早乙女ハルナの関係だよなぁ、と、謎の感動が胸に去来していた。
どうやら色々な方面の漫画やら何やらでしっかりヒットメーカーになられたようで……。それはそうと、友人に無断でネタにして漫画描いて、色々大丈夫なんスかね?
そして突如彼女が取り出した、妙な色をした瓶に入ってる飲料を見て、でち公がちょっと興味深そうにじっと見つめてるところに、何かの因果を感じますね。血は争えないということか…………。