光る風を超えて   作:黒兎可

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おかしいな、もうちょっと話が進む予定だったんですが…
 
夏凜ちゃんさん注意


ST224.相憐れむ恋慕と…

ST224.Mind Grooming.

 

 

 

 

 

「映像はガッツリ大学部の方がいっぱいとられてたってことで、そっちの方で奉仕活動ってことになったみたいっスね。お説教はお姉様からさんざん昼休み中受けたってことで、私からは何もないっス」

「アッハイ」

「対策については、さっき刀太君が言ってた方法で良いかってのは後日連絡があると思うんで……、合ってるっスよね奈緒」

「はい~」

「ということっスから、午後の授業は免除で、そっちに行ってくださいっス」

「アッハイ。……出席日数、大丈夫っスかね」

「一応、裏魔法委員会関係の場合は課題で単位補填っスから、気にしなくても大丈夫っスよ」

「アッハイ」

「なんか返事が雑っスね…………、明日、デートするっスか?」

「アッハイ」

「本当に返事適当っスね!?」

「アッハイ?」

「疑問形になれば良いって問題じゃないっスよ、ガチっスからね? 本気でデートの準備するっスからね?」

 

「やりますね、マコト」「ちょっと刀太君ー!?」「お、女好き!? お兄様がそんな女好きだったなんて!」「モテモテやな~、けど勇魚その顔アウトえ?」

 

 混乱の極致のなか……、主にチュウベェの罪状(?)が述べられるたびに精神的にダメージを喰らって疲弊し、気が付けば右腕に勇魚が抱き着き、左横で九郎丸が手を握り、膝の上では帆乃香が背中を預け、夏凜が後ろから抱きしめて頭を撫でてきている状況になっていた。この段階でもなお説教が終わっていなかった式音・D・グッドマンは、いつの間にやら正気を失っていた私の周りが囲まれていた(物理)ことに「不潔だわ~~~~!?」と大声を上げて赤面して気絶。烏丸奈緒がのほほんと微笑みながら「おぼこなお姉様には刺激が強かったですかね~」と少し二度見するようなことを言って受け止め、そこらへんに適当に寝かせていた。雑ですね扱いが実に雑ゥ!(白目)

 そんなこともあり、途中から伊達マコトが引き継いで説明に入ったのだが、それはそうとこちらの状況に思う所があったのかストレートに言ってきたので、まあ、こちらもまあ、とりあえず、という感じで応じた。ちゃんと話は聞いているのだ、吸血鬼嘘つかない(魔人だけど)。

 

 彼女に関しては、好意を向けてきていることそのものへのガバこそあるものの、意外と他の面々のように出しゃばってこないので(特に(ちゃお))、全体的なガバは低いと判断してのことである。問題ないといえば問題ないのだ。超なんかと違って。(超鈴音「おうまいブッダァー!!?」ダーナ「本当に雑な物言いだねぇ」)

 まあリアクションが適当なのは現在のメンタル的な問題なので、そこは許してクレメンス……。

 

 とはいえそのまま「どこ行くっスか?」「今回はこっちでプラン練るっスよ!」「気合入れるんで、色々みんなには負けないっスよ~!」とか言ってきゃぴきゃぴしてる姿は大変可愛らしく、後々のガバの心配が薄いせいもあってかなおのこと癒し目線で見ていた。

 そんな私の気を知ってか知らずか、勇魚はなんだかより強く抱き着いて来るし、九郎丸はちょっと手をつねってくるし(痛い)、帆乃香は「モテモテやね~」と他人事のようにニコニコ笑って、膝から降りて勇魚を引き離そうと綱引きみたいにしていた。まあ、私がビクとも動かないので、彼女たちも手加減してじゃれているだろうことは分かるのだが、それにしては無言で赤面している勇魚と「アカンえ」と言いながら引っ張ってる帆乃香の顔がかなり真面目なそれであったが、はて?

 なお夏凜は私の肩越しにサムズアップを向け「その調子です」とか言っていたが、彼女に関してはもう関知しない(震え声)。

 

『へけ? へけ? ぴ〇ちゃー!!?』(意訳:俺っち何か悪い事したっスかね兄貴ィ(ビッグブラザァ)? 兄貴ィ(ビッグブラザァ)? どうしてそんな面白おかしいところに俺参上できないんだァー!!?)

『当たり前だろうが、何を考えているこのカモ族(変態)が』

 

 そんでもって、現在チュウベェは絶賛拘束中である。

 具体的に言えば、私の内側(精神世界?)の方で、疾風迅雷のときに同化した際のアレをもとに、星月(せいげつ)が一晩で上手い事やってくれた。内側でチュウベェを監獄に閉じ込めているような形で、なんならその5メートル大の迷宮みたいなデザインのそれは、血装でこちら側でも現出可能。これによる拘束をもって、チュウベェが悪さをしないようにしばらくは捕獲すると言うことで、しばらくは通させてもらおうということだ。

 デメリットらしいデメリットは、これを実行し続けるためには星月がエヴァちゃんの姿にならなければいけないことくらいであるため、ここは涙を呑んで頼むしかない。個人的には大河内アキラの姿一択で、彼女をこそ愛するべきなのであるが(ファン)、流石に身内のやらかしの責任はとらなければいけない話だろう。

 

 そう、つまりは釘宮が以前持って来た、チュウベェがアマノミハシラ……、つまりは旧まほら件の学校と言う学校から、女子生徒の盗撮映像をすっぱ抜いていったというアレである。細かく調査すれば女子中学生の3年生~大学生くらいまでの女子生徒を中心に、着替えやら何やら雑に色々な映像を、携帯端末やらアプリやら学内の監視カメラやらから抜いて、ウェブ上の個人サーバー(個人サーバー!?)にアップロードして閲覧していたとか何とか。

 やり口があまりにアレで手馴れていることもあり追及はそこそこ厳しかったのだが、最終的に大学での奉仕活動でとなったのは…………、親のコネで忖度されてないことを祈りたい(ノットOSR(普通にダサい))。

 

 そんな訳で生徒会備品室を出て、ほのいさ姉妹と別れ(何故か号泣していた勇魚を慰めながら帆乃香が「ほな、ば~い♡」と手をひらひら振っていた)。九郎丸も特に問題はないからと午後の授業へと向かわせ。……九郎丸に関しては「僕も手伝うよ!」とついてきたそうだったが、お前さん特に謂れもないしせっかく学校で勉強できるのだから、勉強は出来るうちにしておきなさいという「私」の人格の一片にある後悔だか苦悶の感情だかからの発言に、しゅんとしながら従った。

 

「で、夏凜ちゃんさんも学校に戻って欲しいんスけど……、何でまだ行かないんスかね?」

「正気には戻ったけど精神的にはまだ疲弊しているようだもの。時間ギリギリまで慰めてから行きます」

「だから何故わかる……」

「逆に聞くけど、何故察されないと思ってるの? 付き合いが長いのは九郎丸かもしれないけど、素を知ってからが一番長いのはおそらく私よ?」

 

 雪姫様にすら言ってないのでしょう、と。そんなことを言いながら夏凜は私を壁ドンしてきた。壁ドンである。もはや2080年代の現代においては死語も同然だが、そんなことお構いなしに鼻先5センチくらいの位置で、ほんのちょっと下くらいから夏凜がこちらを見上げてきている。なんならマフラーを引っ張ってこちらの高さを調整しているので、あわやそのまま「ズキューン!?」されかねないくらい、唇が触れかねない。

 

「本当にナマイキな……。もう少し背が小さければ、おっぱいで顔を色々できたのに」

「いい加減、自制心が限界なんで本気で止めろ。揉むぞ」

「はい、どうぞ」

「………………」

「ナマイキ、したいならすれば良いじゃないですか」

「ひょっとして字、生意気じゃなくて生逝き(ナマイキ)って充ててます?(震え声)」

()きたいの?」

「そ…………! れ、は、まだそういう話にはなってないっつーことで」

「そう。(……二人きりで旅行にでもいったらそのままチェックメイトかけられそうね)」

 

 何かボソボソ聞こえたが、少なくとも意味がある言葉には聞こえなかったので追及は止めておくとして……、おそらく藪蛇だろうし。それはそうと、彼女の誘惑(?)に一瞬揺らぎかけるくらいには色々と限界になっている。下手に「婚約者がいた」ダレカの自己認識が強く出たせいか、持て余しているアレソレに対する対処の仕方に生々しい欲望が湧きたっているのだろう。普段以上に「ある意味」クレバーに、どうすれば処理(ヽヽ)できるかという思考が走り、夏凜の一言が誘惑以外の何物でも無かったからこそ、あえて正気に戻った。

 少年誌……! 一応これ少年誌の世界……!

 夏凜は原作を見なければなるまいが(戒め)、私もまた原作を見た方が良いのではないだろうか(自戒)。

 

 まあ原作を読み返すと、最終的には思いっきり()ってるから色々言い訳は立たないんですけどね(自爆)。

 おそらくは「UQ HOLDER!」、思ったよりウ=ス異本が出なかったからこそ、原作「ネギま!」の同人誌文化パロディとしてのそういう描写なのだろうとは勝手に思っているが……。

 

 とはいえ色々限界なのは事実だったので。とりあえずの解消手段として、彼女の手を解き引き寄せ、そのまま抱きしめた。

 なんとなくミルクっぽい、甘いにおいがする――――。

 

「ひゃわっ」

「…………何だその、頭ふわふわになりそうな可愛い声は」

「可愛いとか言わないでください私にも羞恥心はあるのですよ!?」

「スラムの時も思ったが照れ所がわからない……」

 

 アニメ版CV的が本領発揮したような喘ぎ声をあげた彼女に対する感想に照れているが、いや声が可愛いと言われて照れるよりもっと照れるところが多いだろうが。面倒くさい(語弊)。

 面倒くさいが、それはそうとこちらにかかる柔らかな圧力。ほんのりと体温を感じられるのは、ブレザーのボタンをあえて外しているからシャツ越しに直(?)に感じられるせいだろう。個人的な趣味で言えば、実はアキラさんよりも形が良い気はしているので、水風船よりも肉感的な柔らかさに包まれるのは少しだけだが、なんとなく癒される感じはする。

 

「あら、珍しいですね。本当に限界なのかしら?」

「何がだ」

「素を出していることよりも、身体を動かしたり、強く抱きしめたりして堪能(ヽヽ)しているところかしら。普段、そこまで明け透けではないでしょう」

「………………」

「なんなら学校が終わった後、×××で一緒に光るお風呂に入って××××××――――」(※自主規制)

「お前さん行ったこと無いだろうが何故知ってる(震え声)」

()()()()関係の商売をしている組でしたら、多少なりともそのテの知識や施設の管理もありますので」

 

 言われてみると納得の理由だったが、それでもいくら人気(ひとけ)が少なくなってきたからとは言えドストレートに猥褻な御言葉を言い放つのは聖女の自覚が足りないのでは?(白目) ほら、ちょっと道すがらこちらを見てる女の子グループが何かきゃーきゃー言って囃し立てながらどっかの校舎に向かっていってるし。(超鈴音「どうしてこの先輩は夏凜サンと抱き合てるのを目撃されてることに照れもしてないの、かナ? 慣れた? 余裕ない? ちょと何やてるかわからないネ」ダーナ「わかりやすい嫉妬だねぇ。九龍天狗なんて見てられなくてそこで気絶してるってのに」)

 

「聖女と呼ばれたのは15世紀からですし、それまでは魔女とか毒婦、淫売など色々とさげすまれていましたね……」

「いきなりそんな告白をされてもなぁ……」

「一度『イシュタル神のごとき美しさ』と叫ばれ求婚されたこともありましたが、私の男女観というか宗教観から言えばことごとくアレでしたし」

「あぁ、いや、…………、夏凜(ヽヽ)の身持ちが堅いのはこちらは知っているが、まあ、うん」

「先生にすら『お前は面倒くさい』と手はつけられませんでしたし、乱暴されかけた時も誰も助けてくれませんでしたね。……今思えばあれは、ケファが手を回していたのやもしれませんが。とはいえ元より『悪霊』宿る身ではあったので無事でしたが、女としては死んでいたも同然ですので」

「そこらへんの話はデリケートだから、あまりツッコミは入れん」

 

 詳しく聞き出すと普通に三大宗教にケンカ売りかねない話な気がするので、そのあたりは全力でスルーである。というより、やはりというべきか大先生(ヽヽヽ)にも迫ったことがあったというのか、この女。

そして当然のように面倒くさい扱いを受けていたと。……なんとなくキリヱ大明神以外に拝むべき相手が見つかったような錯覚が去来した。きっと気のせいであるし、こんなことで崇拝されても無礼だと思うので所詮は錯覚なのだが。

 そして私を慰めると言いつつ、色々話したらどんどん夏凜の諸々のテンションがガタガタになってきていた。何だ? 私も私で「私」の内の何割かは拗らせている自覚はあるが、夏凜も夏凜で地雷が多いと言う事か? 原作でも近衛刀太と()()()()したのも、かなりお互いの感情が諦観に満ち溢れた上で、回復不能のダメージを彼女が喰らった状態でだったし。まあだからこそ、制限時間ぎりぎりまでほぼ全てを行為よりいちゃいちゃと睦み合いにでも使っていたのだとは勝手に思っているが……。

 

 泣きはしていないが、ちょっと見ていられないテンションである。そしてそんなテンションを、ほぼ人気がないとはいえ学園都市の一角、思い切り真昼間の往来でするなと言いたい。

 

 さてどうするべきかと思案するが――――。

 

『まあ……、頭くらい撫でれば良いんじゃないか?

 それだけでも色々違ってくるだろう』

『ぴーちゅ! ぴーちゅ! ぴーちゅ! ぴーちゅ!』(意訳:キース! キース! キース! キース!)

『貴様はもう少し加減しろっ!

 確かに有用だろうが、自発的にしたらそれだけで人間関係が崩壊するぞ!

 その辺で見てる「水無瀬小夜子」や「椎名桜子の成れの果て」や「春日美空の中身だけ」とかに爆笑されるだろうがッ』

 

「はっ?(威圧)」

「どう、しました?」

「いや、何でもないが…………」

 

 ちょっと待て、ちょっと待ってちょっと待って、ちょっと待てよ。

 今星月、お前さん何と言った? もうちょっと詳しく話してもらえないっスかね。いや全く聞きたくないが全く持って(混乱)。

 

『自分が知りたいと思っていることに、何でもかんでもしっかりとした回答が用意されていると言う甘い考えは捨てろ、相棒。

 ただまあ、相棒が見える範囲の外で相当笑いものにされるのは間違いないだろうがなぁ』

 

 そんなこと言われるなら既に大爆笑されているのでは?(震え声)

 まあそうは言っても、要するにこの状況ですら人目を気にする必要があると言う事なのだろう。誰に、というのは突っ込みだすのが色々怖いのでいったん放置するが、人気が少ないからと言っても、まあどうせお師匠あたりは見ているだろうからというのはあるが……。今更多少のプライバシー侵害についてはどうこう言う話でもないのだろうが、どうして私ってばこんな人生ハードモードなんですかね(震え声)。(超鈴音「私だて見てるのに、先輩は色々認識甘すぎ、だネ」ダーナ「今回やけに出しゃばるじゃないかい、アンタも」超鈴音「当たり前、だネ。大体この時系列だとそろそろ――――」)

 

 仕方ないので、折衷案である。頭を撫でると、キス……、チュウベェの助平具合から考えておそらく口同士のことを言っていたのだろうが、そこに至らず多少なりとも軽減できるようにするには…………。

 当然ながら「第四の目」は開かない、というか開きたくない(断言)ので、手探りにはなるがしかたない。

 

「――――っ? ふぇ、刀太?」

 

 手で彼女の額を露出させ。とりあえず慰めの意図で、そこに少しだけ口づけをした。これくらいなら距離感としては……もはや色々と手遅れなことから目を逸らせば大丈夫のはず。うん、たぶん、きっと、メイビー(震え声)。

 

 ――――ち、ち、ち、ちくわ大明神!!!

 

「このタイミングでとかさぁ」

 

 そして顔を真っ赤にし、唐突に照れだした夏凜の頭を撫でていると。壮絶に笑いをこらえたようなニュアンスの「ちくわ大明神」文言が、私の視界を過った。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

 とりあえず夏凜を落ち着けて、それで今日はもう下手なイベントは発生すまいと。そう思っていたちょっと前の自分をぶん殴りたい。

 

『ほうほうほう、筋が良いですね忍さん(ヽヽヽ)

「そうですか!? 私も、葉加瀬さんに追いつけますか……?」

『あー、いや、生前の私って意味で言うとあなたくらいの頃の私は…………、あ、あはは』

 

「――――――」

 

 その光景を前に無表情、完全に無表情である。

 アマノミハシラ大学の工学部キャンパスのとある一角、裏魔法委員会関係者らしき中華系っぽい生徒に案内されて辿り着いた先には。何故かその場にいるセーラー服姿の結城忍と、どう見てもホログラフィックに半透明ではあるが「ネギま!」の当時そのままな姿をした、葉加瀬聡美(はかせ さとみ)がいた。

 

 ――――ちくわ大明神!

 

「…………」

 

 そして目の前を過ったちくわ大明神にも。きゃっきゃうふふと、何やらエンジンらしきパーツを前にあーでもないこうでもないと話し合っている二人に、とても声をかける気力がわかなかった。

 

 

 

 なんかよくわかんないけどとりあえず今日、もう早退して良いっスかね(白目)。

 

 

 

 

 

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