久々のニキの字と、独自設定注意。
ST225.A・I think you so, A.I. Don't Love You!
「はぁいこんにちは☆ 悩める少年少女の味方、永遠の十三歳こと飴屋一空『博士』だよ♪
さてそんな僕からの最初の質問になるけど……、これどういう状況かわかるかい? 三太君」
「わけわかんねェ状況を、わけわかんねェ奴に聞くのってどうなんスかね――――」
「ぬぐわぁあああああああああ!? 何だ貴様、魔人としてレベルアップするにしてもこうもうちょっとあったろう色々とこう、もうちょっとまともというか美しさを追及するとか!!? 気持ち悪いというかキモッ!? 意味不明だぞコノエ・トータ、もう見てられんわッ!」
「怯えてる意味も不明だし、ガタガタ震えてこっち指さしながら背中から無数の触手生やすの止めろ(戒め)」
「わァ……、……、ァ……」
「おーよしよし、落ち着け落ち着け~?」
状況はカオスの一途をたどっている。というかひたすらにニキティス一人が状況をカオスにしているといっても過言ではない。なんならちょっと
ニキティス・ラプス。なんだか随分と久々に登場したように思うのだが、実質的にはまだ1、2か月以内の出来事であるとはいえその現在は、こう、比喩を用いるなら
何故このような状況になっているのかと言えば、まあひとえにニキティスが意味不明すぎるせいだ。
結城忍と、おそらくは「ネギま!」の葉加瀬さんだろう彼女の半透明な立体映像に話しかけて早々、何一つ特に何かするわけでもないタイミングで「ここで面白そうなことをする気配を感じたから遊びに来たぞ半端者!」と威勢よく現れたニキティス。そしてそんなニキティスが私の姿を見た瞬間、猛烈に変貌し始めて現在に至る。
何かの機械やらロボットやらジェットエンジンやら色々転がっていたものすら覆いつくす闇(?)が、あまりにもグロテスクで目に痛い。そんな現在。
とりあえず忍がお漏らししていないのを「第四の目」でチェックしつつ(ほぼ一般人が見た目からして完全なバケモノを前にすれば流石に漏らすと言う判断)、室内に突如自己紹介をして入って来た一空やら三太やらに向けて肩をすくめる。視線は忍に集中したままにせざるを得ない。
どうやら部屋の中からは開けられないが、外からは開けられる類のものらしく、扉が引かれた瞬間に触手が一瞬引いて、また扉が閉まると同時に覆いつくした状態だ。トラップハウスかな?
「誰か何とかして(他力本願)」
「お、オレらに振るなよなァ!?」
「残念ながら解決には尽力できないかな~。と、それはそうとして刀太君が何かやらかしたの? 忍ちゃん可愛がってるところ悪いんだけど」
「いや別に悪くねぇけど、忍の今の状態も誰か何とかしてくれって話なんだよなぁ……」
ニキティスの方から視線をそらしていても、にちゃにちゃねとねとと聞こえる粘液やら触手やらの音で恐怖に震えて声を失っている忍。目を見開いて私に抱き着き、ガタガタ震える様は可愛らしいというよりも哀れだ。早く何とかしてやらねばという使命感にかられる。
というわけで、忍に向けていた視線を改めてニキティスの方へと向ける。既にさっきから「
「だからその気持ち悪いのを止めろと言っている!? そもそも絶対
「ちょっと何言ってるか分かんない(素)。というか表現古いな……」
「えぇいこれだから2080年代のガキ共は……!
「いや何だよその戦争!? むしろ気になるぞ!!?」
「ひぅっ!?」
思わず大声を上げてツッコミを入れてしまった私に、忍がびくりと震える。再びあやしながらだと、流石にニキティスの方を見る余裕がないな……。ようやく彼女も彼女で「何、何この状況……?」と思考が戻って来たようなので、「第四の目」を解除してもう少しだけあやすことにしよう。
というか今、何か特大フラグのようなことを言い放たなかったかコイツ……? お師匠と違ってそのあたりに全く気を配ってくれないが故に、一瞬スルーしかけたが。「第四の目」の使い方が違う? いや違うとか言われても…………。そもそもコレ自体が何なんだという話なのだよなぁ(諦観)。
そしてこちらに触手と化した手を向けながら、びたんびたんと叩きつけつつ若干涙声になるニキティス。
「殺すなよ? いいか、絶対殺すなよ? 殺すんじゃないぞその小娘っ!」
「いや本当何をそんなに警戒されてるのか全く意味不明なのだが(白目)。話が進まないから、それ解除するか、どうしたらアンタがそんなに俺のこと警戒しねーようになれるか代案出してくれね?」
個人的にはむしろ一空やら三太やらが、この見るも無残な有様となっているニキティスを前に狂気へ陥っていないことの方が軽く意味不明である。忍がことさら恐怖に弱いと言う訳ではないだのはそれこそ「第四の目」で見たからわかっているのだが……。しかしまた
『おそらくだが、佐々木三太は「死んでいる」から身体に由来する発狂がないことと、飴屋一空はその精神性が人間から逸脱しかかっているから問題ないのだろうがな』
と、しれっとこちらの疑問に答えてくれる星月。推測混じりだが、とりあえずはそれっぽい理屈で納得したことにする。……いやそれこそ
ないったらないんのだ(動揺)。
「えっ? 何かロボ的なことするって聞いたから、一空先輩に連れられて来たンだけど……」
「僕も葉加瀬大先生から話だけ聞いたから、本日はジェットかっ飛ばして勝手に来たんだけどねぇ。オカルト案件になるとは思ってなかったけど……。それで、こちらは?」
「あれ? 一空先輩って面識なかったっスか。
あそこのバケモンはニキティス・ラプス。UQホルダー
「あぁ……、そういうことね」
どうして何か納得する際にわざわざ私の方を一瞥してから、あちらのオドロオドロシイ存在と比較して肩をすくめたのか、小一時間は問い詰める必要がありそうだな(怒)。
瞬間的に笑顔で怒りを向けると「そ、そんなことより!」と少し慌て、こちらから顔を逸らす飴屋一空であった。なお三太はそんな我々を見て苦笑い、ニキティスは私を見て「だから殺すなよ? フリじゃないぞ絶対に?」とか、なんだかいかにも熱湯風呂にでも突き落としてもらいたそうな(語弊)フリをかまし続けるのだが、だからお前さんは本当そんなキャラで良いのか魔人さんよぉ?
オウティスとかでち公とかあのあたりもそうだったが、全体的にどこか抜けてると言うかズレているようなイメージのある魔人どもである。(ダーナ「特大ブーメランでも投げる趣味があるのかい? 自分の
「そんなことよりも! そ~ん~な~こ~と~よ~り~も!」
「キリヱ大明神リスペクトっスかね? その言い方」
「まぁね~。で、そんなことよりもだ。そっちのニキティス先輩って、刀太君よりも普通に強いと言うか、雪姫様と互角とかそんなレベルだよね?」
「あー、ケースバイケースだろうけどそっちの方が強いんじゃないっスかね? 存在のグレードだったら、すくなくとも『りゅう〇う』と『はぐれメ〇ル』くらいの違いは有りそうっスけど」
「逆にわかんねェぞ刀太……?」
「どっちがどっちかと…………、問いかけるとひと悶着ありそうだからスルーするとしようか。
そんな頼りになる大先輩? なんですから、もうちょっと落ち着いた振る舞いをしていただかないと。ねぇ三太君」
「えっここでオレに振るンすか……? いや、そりゃ、ああいう意味わかんねぇのは……」
「俺はともかく、他への被害もまあまあ酷そうなんで何とかしてくれねーっスかね」
「フン? ふ、フンフンフンッ! ま、ま、まぁ? いかにこの僕のような上位種を前に恐怖のあまりおしっこちびったとしても? 特に罪悪感を抱くことはないとも所詮は地を這うアリだ。
だがアリ一匹にも目に入ったなら慈悲を与えるのも上位者としての役目か。これもまた先達先達……」
だからフンの数が多いと小物感というよりギャグキャラっぽさが目立つから落ち着け、只でさえ私に聞こえるCVはFG〇的な意味で色々出オチ感半端ないのだから(リ〇ボ)。
とはいえ適当な対応とは言え多少は機嫌を直したのか、指を一弾きするニキティス。ぱちん! というか、かぁん! というか、明らかにその小さなお手々のモーションからは想像も出来ない強烈な指パッチンが鳴らされると、それと同時に彼の腕や背中含め、部屋の中一帯が一瞬で元に戻った。相変わらずの意味不明さである。どう考えても血装術やらエヴァちゃんやでち公の影操術の類でもないだろうし、おそらくお師匠辺りが色々やってくるタイプの何かしかの何かしらなのだろう。裏金星的な超パワーというか、悪魔らしい謎パワーというか。(ダーナ「ニキティス・ラプスの場合は、どちらかというとシュレディンガーの猫が近いかねぇ? あんまり大規模なことは出来ないが」)
「で、何で話の腰折ってまで出て来てんだよ。忍もこんな状態だし収拾つかねーぞ」
「フフンフン? あの程度所詮一過性のものにすぎないからな、そこの小娘もすぐよくなるだろう。
それより気になってるのは、今日ここで行われる予定だった実験についてだ」
「実験ねぇ……」
「何だその顔は、コノエ・トータ」
「あ゛?(威圧)」
不遜に不敵に笑ってるニキティスの上位種ムーブはともかく、そもそもそのニキティス本人が暴走したせいで実験? の主任だろう葉加瀬はんが出てこれなくなってるので、まあつまりお前が悪いんだがそこのところどう考えてるんスかね?(威圧)
苛立ちを少しだけ声音に乗せた。それに対し忍はともかく一空は「あはは……」と苦笑いしながら一歩後退。直接向けられているニキティスは「ソソッ!?」とか意味不明な声を上げてガチョー〇みたいなギャグめいたポーズをしていた(古いな……)。
余談だが、三太はとくに何も反応せず「えっ? どうしたンだ?」と困惑している。そんな彼の背後にちらりと血文字みたいな文字で「ニブチンだから三太君は気付いてないけど、あんまりそういう物騒な感情は向けないであげて欲しいな~」という思念が過ったのが視えた。「第四の目」は使っていないのでおそらくは仮称ちくわ大明神的な何かを使っているのだろうが、というか本当に割とすぐ近くにいるのだな水無瀬小夜子……。暇なのだろうか、神様。あんまり四六時中ずっと見ているとヤンデレ的な具合が上がって重――「そのいのち、きえるよ」――いや、まあ、うん、彼氏彼女だしそっちはそっちで勝手にヨロシク関係を進めてください(遠い目)。
私が私で勝手に自爆して色々内心無残なことになっているのはともかく。「あっ落ち着きました?」と声がかかったので、全員でその声の方、つまり室内の奥にあるプロジェクターの方を見れば、何かがじりりと弾けるような音と共に画面が点灯。そこにはそれこそファミコ〇初期くらいのポリゴンで構成された理科の実験室のような何かと、そこに立つ明らかに解像度が違うレベルの葉加瀬聡美の姿が映っていた。眼鏡に左右にツインのおさげ。おでこがきらりと光る、それこそ年相応な一見地味な少女。とはいえ彼女の着用している白衣の左胸には「超包子」の三文字が刻まれており、おそらくだが背中にも同様のそれが刻まれているだろう……、彼女のセンス的に。
彼女は画面越しに私の方を見て……、いやおそらく実際はこちらの周囲にカメラか何かがあってそれでこちらの座標やら何やらを捕捉しているのだろうが、それでも画面上の彼女は私の方を見て「いや~、ようやく会えましたね」とにこにこ微笑んだ。
『あなたのことは茶々丸から聞いていますよ? いえそれ以前からきっちり観測していましたけど、いやはや「ちゃんと」育ってくれたようで何よりですね。遺伝子設計から成長曲線のベースおよび混合配置の設計を任された甲斐がありました~。もとより近衛野乃香の母体をベースに産み落とされた以上は基礎的な魔力自体が通常の遺伝子クローニングによる混合配置での疑似受精にも限界を超えていますからハイそういう意味ではもともとの身体だけで「
「さっきもそうでしたけどいきなりマッドサイエンティストみたいな
「相変わらずだなぁ大先生は」
「クローン? は? は?」
「うん……、こういう性格の人物が一人くらいいても問題はないだろう、話に深みが出る」
いきなりメタなことなわりにかなり雑な物語観を言い始めたニキティスにはとりあえず裏拳ではたくモーションだけしつつ小声で「なんでやねん」。受けたニキティスは、何故かこちらの方を見て「ほう、ほう……!」と妙に感慨深そうにウキウキしてそうな感じでソワソワしはじめた。いや、あの本気で意味不明なんだがお前さんや……。(ダーナ「大方、ボケたのにちゃんと突っ込んでもらえたのが嬉しかったんだろうねぇ」超鈴音「ハカセ……、迷惑かけたネ」ダーナ「おっと、こっちはこっちで地雷かねぇ?」)
いきなり早口になって、早口すぎて若干小声というかスピーカーの処理能力を超える速度で言葉が流れてるせいで音が反響して小声になってると言うか、おかげで結局何を言ってるかいまいち聞き取れない。ニキティスが嫌がるからハートアイも使えず、場は彼女の独壇場である。伊達に肉体を捨てたと思しき彼女ではない、生身の人間には不可能だろう呼吸を間に挟まない高速詠唱で頭が痛い。
声は良いのでASMRもいけそうだが、気分はサブリミナル効果による洗脳でも受けてる感覚であった。
そういえばだが、そもそもメカとか機械相手に真面目に使ったらどうなるんだ「
『――――れで結果的に超さんを量子コンピュータ越しの連絡手段で無理やりゲストで招いてブレーンとして協力する必要もあったりしましたがそんなこともあって結果的に明石さんベースから刹那さんベースに切り替わりましたしそれに関しては69号と70号とのそれぞれのパーツをベースに計算した結果なのでそちらの相性を優先して命を繋いだ形になりますし魂の同一性についてもフェイトさんから問題があると言う連絡も今のところはないので後は予後の経過をもうちょっと観てになりま、って、あ、あれ? えっと、ごめんなさい。ちょっとノリに乗って話し込んじゃって……。
って、あれ? 一空君は呼んだ覚えはなかったけれど』
「水臭い事言わないでくださいよ~、工学部はウチがスポンサーに入ってるんですから」
『あー、うちで開発した新技術とかも結構そっちも提携して使ってるからね』
スポンサーというと、一空の実家の飴屋コンツェルンだったか。もともとロボットから宇宙船まで幅広くやってる云々はフレーバーテキスト程度で理解があるし、彼の義体もその技術力から作られているのは知っていたが……、いやアマノミハシラに地名学校名などなど移り変わりはしたが所詮ここは麻帆良の地なので、まほらならしょうがない(諦観)。
「それになにより、楽しそうなことをするなら呼んでくれないと嘘じゃないですか☆」
『それは仕方ない、最重要事項だからねっ!』
「それで良いんスかね色々……」
「…………(ま、まァオレもそう言われて遊びに来たクチだし……)」
「他に大事なことが何かあるとでも言うのかコノエ・トータ? 他に何か大事な事でもあるというのかコノエ・トータ?」
なんかいかにもマッドな科学者っぽい雰囲気を漂わせ始めた一空と葉加瀬はん(謎訛り)。そんな二人に激しく同意しているニキティスはまあ、元々こういう暇を持て余した神々の遊び的な性格なので仕方ないと言えば仕方ないが……。
ネギクラス卒業後のその後についてのコメントは一旦差し控えるとして、そんな彼女は当然のように生きているなら相応の御年のはずだ。何かアンチエイジング技術で頭のおかしなことにでもなっていない限り、順当に加齢しているはずである。魔法関係の才能が飛びぬけていれば、それこそ
色々疑問を抱いていると、そのまま「ブブブ」というか「ザザザ」というか、独特な音を鳴らしながら「よいしょっと」などと言いつつ画面の枠に手をかけ――――
「いや
『えっ? リ〇グ? いえいえSF的なアプローチだから違うもの~。まああれも原作よく読むと結局SFなんだけど、情念の部分ではオカルトホラー入ってて中々興味深かったりはするけど――――』
「いやあの中途半端に上半身だけ出したまま早口になるの止めてもらって良いっスかね……」
「えっ?」
「何だい? 輪?」
「貴様も
思わず叫んでしまった私に、ナチュラルに応対する彼女。周囲の反応を気にする余裕もなく、そのまま画面から出て来た彼女は。手元のタブレットの画面を何やら操作して調整し、その姿を「半透明にする」。
『神戸論文から映像実体化の部分だけ一部サルベージして使ってるけどいまいち私の目的にはそぐわないかな? まぁあれはあれで完成してる話だし、いまさら私がどうこう言う話でもないんだろうけど……。
では改めて。――――
「――――――――あ、ハイ」
そして彼女に、当たり前のように語られた「2年前に亡くなってる」というコメントに脳の理解が追い付かず、差し出された手にされるがまま手を差し伸べ、握手するような動きをした。
感触はなく…………、何かしらの意志が感じられる、幽霊のようなそれでもなかった。