話の進行速度ェ・・・やはりガバチャートか(プロット)
アンケート今週で一度締めますので、お忘れなくです!
ST55.Memento Mori:Please Make A Contract With Our And Become A Cool Brother!
「フンッ、いくら一等生徒とはいえ所詮は中等部。去年まで小学生だった者たちに我々が負けるなど――――」
「ミヒール様、その慢心と発言は死亡フラグというものでは?」
「アドリーフ! これは慢心ではない、当然の――――」
「神鳴流・桜花絶唱!」
高速で抜刀する勇魚の動きに合わせ、鞘の内に強烈な音が響く――そのまま鞘を前方に向けて突き出し「撃ち出す」ように向ける。果たしてその一撃は、周囲の建造物やら備品やら花壇やら階段やらといった校舎関係を一切傷つけず、しかしミヒールたちにダメージを与えた。一瞬頭を押さえてふら付く彼ら。そのまま体勢を立て直して魔法の準備でもしようとしているのだろうが、上手く直立できないのか、ふらふらと足元がおぼつかない。三半規管あたりを一時的に麻痺させる技だろうか。
そんな勇魚の技に「まけてられんな~」と両手にそれぞれ四枚ずつ、計八枚の札を持つ帆乃香。それぞれを周囲に散らし、目を閉じ、ご機嫌な風に唱えながら舞う。
「ニギタマ・クシタマ・サキミタマ……
「くっ!」
学生服姿だというのに、既に帆乃香から漂う雰囲気はまさに神職のもの。並大抵のアルバイトでは出せない研鑽のあとのようなものが見え隠れしている。つまりは一目で何か大掛かりなことをしているのが十分に察せられるということだ。
ふらつきながらもミヒールから放たれた氷結魔法を凪ぐ勇魚の剣だが、凍り付いた自らの刀を見て眉を顰める。もっとも振り回す分には支障はないと見てか、納刀せずに切っ先を向ける。流石に刃はつぶされたものを持ってきているようだが、外見上はほぼ支障がないように見えた。
「――
夏凜は文化的な親しみがないのかいまいち不思議そうに、しかし九郎丸やキリヱはその動きに目を見張っていた。かくいう私も、まさか魔法アプリによる呪文省略が常態である今の時代に正式な呪文を完全詠唱するのを直に視ることになるとは想定外もいいところ。しかも呪文の形態からして、分かってはいたが近衛の血筋が強く出ている……。完全詠唱したからとて
「――――『
最後に手を合わせると、周囲に投げた札が光り、帆乃香やミヒールたちの周囲を淡い光が包んだ。見る限り、ある種の「結界」とかそういう類の術のようにも見えるが、さて。
一見して効果がわからないせいもあってか、ミヒールやアドリ……、アドリフか、彼らは嘲笑しながらも再び魔法を発動しようと……。
「……な、何? 出ないぞ、故障か?」
「そ、そんな馬鹿な……! ミヒール様が片恋していたメイドから、結婚相手の会社より送られた謹製のデバイスだというのに……! ミヒール様の脳が破壊されたのは無駄だったとでも!!!?」
「アドリフ貴様ァ! そこまで話した覚えはないぞ何故知ってる!!?
えぇいそれは後で拳を交えながら聞くとしても、何故……」
焦る二人を前に、「無駄やで!」と腰に手を当てて胸を張る帆乃香。無駄にドヤ顔なのが年頃も踏まえて可愛らしいが、そういう慢心ポーズは低
「先輩の
「くくりめ……、一体何だというんだ、魔法アプリも使わず!」
「別に使えない訳でもないで? でも『ハンデなしで』真面目にやるとうちの札術ってオーバーキルなってまうし……。なぁ?」
「ですね、お嬢様」
実際問題フェイトや月詠相手にそこそこ鍛えられている二人なので、雪姫とかそういうレベルとは言わないが学生レベルで太刀打ちできるはずはないのは当然と言えば当然か。しかし範囲限定とはいえ魔法完全無効化フィールドは中々に強いが、それとて弱点がないわけではないだろう。逃げられればそれまでだし、彼女の魔力を超える魔力を発揮すれば、それだけで封印を敗れるようであるし。
「しかしお嬢様、何故わざわざ隙の多いこれを? いくらお母様直伝とは言え、アプリ併用で詠唱省略の方が速度としては……」
「あー、いやな? その……、せっかく『お兄さま』がいる訳やし、ちょっとカッコつけてもええやん?」
「お嬢様! そこまで私たちも余裕があるわけじゃないでしょ!」
「あ~あ~、聞こえへん聞こえへんもん! てへっ」
ちらりと私の方を見て「てへ★ペロ☆」みたいなポーズを送ってくる帆乃香はともかくとして(一斉にこちらに視線を突き付けるのを九郎丸夏凜キリヱは止めろ)。
なお結界から逃げようと動いた瞬間に、勇魚の剣戟が「飛んで」くるので、動くに動けない男子生徒二人。そんな彼らににじり寄り、にこにこ笑いながら帆乃香は手をポケットに入れ。
「ってなわけで、お祖母様秘伝! 必殺・
「流石にそこまでッ!?」「痛くされるほどはァ!?」
「って、それだとどちらにしろオーバーキルですお嬢様ァっ!?」
突如ポケットからトンカチらしきものを取り出して二人の頭に落とした帆乃香に伸びる約二名……。動きからして衝撃が脳内に加わったりしないよう「無駄に洗練された無駄のない無駄な体術」で威力を調整して(つまり痛いだけ)るようだが、良い子は絶対真似してはいけないやつである。つまり悪い妹たちであるのだが、カトラスといい、どうしたものか。
「ままならぬ……」
「ねぇねぇちゅーに、アレってギャグで流していいやつなの……? 見た目可愛いけど、ずいぶんえげつないじゃない」
「ま、まぁ手加減はしてるみたいだし、キリヱちゃん……。というよりも、アレ? なんかあの容赦のなさに覚えがあるような……? 神鳴流、神鳴流……」
私の手を引いてちょっと引いてるキリヱにはどう反応を返したら良いものかと言う所だし、九郎丸のそのリアクションは直近でその剣筋とかに見覚えがあったのだろうか。ちなみに一空は「伝統芸みたいなものだねぇ……」と何故かしみじみ頷いており、夏凜は他人事のように妹二人の写真を撮って頷いていた。
「ちょ、ちょっと! 制圧のためとはいえ貴女たちが決闘騒ぎをおこしてどうするの近衛姉妹!」
と、そうこうしているうちに下の方から階段を上ってくる生徒自警団の三人……? いや二人。例のスポーツ少女らしき姿が見えない。とリーダー格のツインテールの彼女が帆乃香からトンカチを取り上げながら叱りつけた。 殴られた二人が伸びた後に結界自体は解けたこともあり、どこからかハリセンを取り出してぺしりと一発ずつ叩いた。
「まったく、ここで伸びてる二人だけじゃなくあなた達も呼び出しよ?」
「ええー!? 無茶やん、ちょっと『お兄さま』襲われかけててん、ちょっと気ぃ逸っちゃっただけやもん! ウチ、悪くないやん!」
「わ、私はお嬢様が行くならということで……」
「勇魚かて、お兄さまから血ぃ流れたの見たらすんごい顔しとったやん、抜け駆けさせへんよ!」
「お、お、お姉様!?」
そうこうやりとりしているのを横目に見ながら、夏凜が「皆、撤収の準備を」と声をかける。流石にこれ以上残ったら騒ぎが大きくなるし、なんなら事情聴取でもされたらもっと面倒なことになりかねない。このあたりは原作通りに(しいて言うと一空がキリヱを抱えて)塀から飛び降りるのだが――――。
「――あ! ま、待ってください兄様っ」
「っておーばーそゥルッ!?」
距離的に厳しかったのか、瞬動で距離をつめても手の長さが届かなかったせいか。逃げようとする私のマフラーを引っ張るんじゃないせっちゃん似! 貴様!
ただ直後に「一本背負い」の要領で軽く投げられ立たされ、そのまま腰のあたりにハグされる形に……、いや待てお前いきなりそんな距離感近いの絶対おかしいからちょっと待て原作見返してこい。(錯乱)
そして飛び上がり頭とか背中とかにへばりつく帆乃香……、お前ら何か情緒幼稚園児か何か?(真顔) もうちょっと中学生くらいの女子って大人びてるもんだろ絶対この距離感おかしいの私のガバじゃないからな! 絶対だからな! 俺は悪かねぇ!?(白目)
「あー勇魚だけずるいー! うちもうちも~」
「いやお前らホント待ておい、こら、抱き着くの止めろって情報量多すぎてちょっとくらい整理する時間寄越せっ!」
「ええー? 硬いこと言わんでよーお兄さまぁ。せっかくこう『生き別れの兄妹たち感動の再会!』みたいな感じなんにー」
「感動要素が全然ないだろこれ、なんでもかんでも勢いでゴリ押せると思ったら大間違いだってーの! っていうか、俺! お前ら! 面識ゼロ! パーソナルスペース、ステイ、ステイ」
「に、兄様……、意外と背が高いんですね……、温かい……」
「お前も顔赤くする理由全然わからないから止めとけっていうか、な?」
刹那顔でそういうリアクションは色々と洒落にならないのである。このせつ過激派とか。(戒め) そして足元から視線を感じると思って見れば、九郎丸が人ごみに紛れながら、らしくないくらい「しらー」っとした目で見てきているのに軽い恐怖を覚えた。お前さんその目、一体何を訴えようとしているのかな……? 生憎そういう機微は視線でわからないが(本音)、兄妹だからそういう嫉妬的なムーブは止めて、止めて……(建前)。
「ははははははハレンチ!? いくら兄妹とはいえハレンチではありませんのお二人とも!?」
そしてこちらのジャングルジム状態(冗談にあらず)に指をさし絶叫するリーダー格の女子である。その右腕的な糸目の彼女は、のほほんとしながら「楽しそうですね~」とのんきな物であった。
「いやー、でもモテモテですねぇ近衛刀太君さんは~。マコトちゃんも大変ですねぇ~」
「そ、そうですわ! その話もあるんでした。
えっと、まほら本校舎中等部所属、近衛刀太! さきほどの決闘騒ぎのことも含めて、これから生徒指導室で事情聴取をします!」
「いや、騒ぎにはなってねーだろって……。アンタらなんかずっと見てたろ?」
私の一言に「へ?」と意外そうなリーダー女子と「ほーう?」と何やら余裕をかます右腕女子。なお勇魚はさっきから言動が色々怪しいのと、帆乃香は「なんや、気づいとったん?」と私の頬を引っ張りながら……、止めろ本当に情緒幼稚園児か何かかお前! ぺしり、としっぺをすると「あ痛ぁ!」と言いながら手を離し、落ちそうになる。そんな彼女の首根っこをつかまえて、さながら捕まえた猫のような状態となった。……まぁこのせつ両方ともネコミミしてたから違和感はないかもしれない。(謎)
「いやあんな良いタイミングで出て来ること自体おかしいだろって。これだけ広い校舎でそんな『調整した』みてーなタイミングで現れるのって、どう考えたって出待ちしてたか何かだろ」
「で、出待ちしていた訳ではないんです、兄様……」
「せやもん。一応、公的に取り押さえなあかん感じになったのがメインやし。ちょっとくらいお兄さまに恰好ええとこ見せたろう思ったりはあったけど。
本当はお姉さまたち出ようとしてたみたいやけど、マコトはん
「帆乃香さん、それ以上はあの子の名誉のためにお黙りなさい!
た、確かに様子を伺っていましたが! それとこれとは話が別です。貴方は一度、この私の目でしっかりとその人格の見極めを――――」
「あっでもそーゆーんはちょっと待ってぇ? 少しお話したいことあるんや。
とりあえず場所移動や、お兄さま!」
へ? と。言うよりも前に、先ほど帆乃香が展開していた札が、いつの間にやら私と二人を囲うように展開しており――――。
「!? えっちょ、刀太く――――」
いつかのように九郎丸の声が遠のくのを聞きながら、私は妹を自称する少女二人に拉致された。……まあ、ウン、死天化装使えば脱出は容易だったけど、ここで「そういう」目立ち方する方がガバなの確定なので、ここは忍耐である。(諦観)(???「どっちでも似たようなもんだけどねぇ」)
きっと師匠に聞かれてたら「どっちだって一緒」みたいなことを言われそうだが。(???「!? 聞こえてないくせにそういうのを予想できるくらいなんだから、いい加減諦めれば良いものを……」)
※ ※ ※
「ナニコレ知らない……、知らない展開……、妹たちとかも出てこなかったし、ナニコレ、頭痛い……」
「わぁ凄い、刀太君『ボッシュート』されちゃったねぇ……」
「い、一空先輩!? キリヱちゃんも、いつの間に後ろに!?」
「普通に歩いてだけど? 九郎丸ちゃんが全然逃げてなかったから、気になって様子見に来たんだ」
刀太君が逃げきれず、あの妹らしき二人につかまって「空間転移」系の魔術でこの場から姿を消してしまった。空間と空間を繋げる系統の魔法なのか、足元に吸い込まれるように見えなくなって、一瞬、僕は思考が停止していたらしい。いや、でも流石に僕も神鳴流剣士の端くれとして、そんな簡単に気配察知すらできなくなるほど動揺していたとは思えないんだけれども……。(???「まぁ色にボケたままだと神鳴流なんてそんなもんだよ。「!?」……いや
一空先輩は顎に手を当てて「んん……」と悩ましい声を上げる。
「これは現場に向かうの、一時中断かな。あの子たちも学生だし、たぶんお昼休み終わりまでには解放してくれるんだとは思うけど」
「あれ? そういえば夏凜先輩は……」
「あー夏凜ちゃんね。夏凜ちゃんはこっちに来る途中で『あの妹たちの前に少し話し合わなければいけない相手が出来たようですね』って言ってどこかに……」
「は、はぁ……?」
困惑する僕と一空先輩に、ぶつぶつとこの世の終わりみたいな顔をして呟き続けるキリヱちゃん。こういうのカオスって言うんだっけ、中々混沌としてるんじゃないかな。
ちなみにここ、テラスからは結構離れた位置まで来てるので、多少は僕らに注目する人も減っていた。……まぁだからといって「僕が傍にいなかったからって」刀太君をさらっていってしまうようなことをされるとは全然思ってなかったんだけど。
そんなことを話していたら、携帯端末に着信が来た。チャットメッセージは夏凜先輩からで……。
『一人増えました』
「どういうことですか……?」
添付写真にはピースサインで自撮りしてる夏凜先輩と、その後ろで耳を真っ赤にして顔を隠してる、ジャージ姿の……ちょっと見覚えのある女子高生が映っていた。
雪姫関係のルート分岐に関するアンケです。投票結果も考慮して今後の展開に反映させます。※展開が何を意味するか分からない程度に濁してますが、当該話になったら詳細説明します。
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ガバの洪水に呑まれるコース
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ガバの洪水を振り切るコース
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ガバと和解して親子になるコース