次回も更新に時間かかるかもです汗
ST60.Memento Mori:War In Different Faces
「あ、あの……私、最近、好きな人が出来たんスよ」
「ほぅほぅほぅ?」
教会の懺悔室に訪れたスポーツ少女(ちょっと若い頃の
……いやホント、ここ懺悔室なんだけどね? よろずお悩み相談じゃないんだ。
とはいえこういう話はこう……、今を生きる若人の面白恥ずかしい話を聞けて非常に健康に良い、今はまだガンに効かないけどいずれ効くようになると思ってるので、私としては全然ばっちこーい! だったりする。
シスターもとい魔法使いとしての第一線を引いた今、年寄りとしての楽しみはこうやって若人の話を聞いて色々とちょっかいをかけることだったりするんだ。
そして幸か不幸か今日はココネじゃなくて私が懺悔室の当番。
と言う訳でどれお嬢さん、嬉し恥ずかし胸中をここに開陳するのだ!
「それで、一体どんな懺悔を?」
「懺悔っていうか…………、こう、その子のこと知ろうとしてもすっごいモテモテで色々メンタルが……。私、いけるのかなって」
「強く生きてください」
思わずシャットアウトするような一言を言ってしまったけど、聞いてる感じなーんか滅茶苦茶面倒な気配がしたので、適当になってしまうのも仕方ないと思うんだ、うん。
そんな私の気配を知ってか知らずか、スポーツっ子は話を続ける。
仕方ないので、私もお茶を飲みながら話を聞き――――。
「今日、転入してきたらしい子なんス。中学生で、年下で……、なんかこう、ちょっとアンニュイな目で、意外と大人っぽくって」
「ほぅほぅほぅ」
「近衛刀太くんって言うんスけど」
「ぶっふぉォ!? ゲッッッッッホっ、ゴホッ、ゴホッ」
「し、シスター……? どうしたッスか、大丈夫ッスか!?」
い、いけない誤嚥しかけた。
年寄りにそんな危険情報わッ! と浴びせるの止めなさいなって。
いやー、ちょっとビビった。確か先週の「学内裏魔法委員会」の集まりで、近衛刀太って名前出て来てた、出て来てた。「魔法生徒」ではないにしろ関係者だって、タツミー言ってた言ってた。
いや言ってたっていうか、顔の感じが完全に「
私も「あの計画」に関しては一応DNA提供者なので、その素性については察するところが有ったりするわけで。
おまけに保護者になってる
孫の美柑にスラムとかそういう仕事はもう投げちゃったけど、そういう危機管理センサー的なサムシングに衰えはないババァ、それがこの春日美空なのだ。
この子には悪いんだけど体調が悪いから今回はオシマイと言うことにして返して、しばらく休憩…………、したと思ったら今度はこう、勇魚ちゃんが来た。近衛勇魚。色々と諸般の事情があって、私はこの子とお姉さんのことはちょっと詳しいのだった。
見た目に関しては完全に祖母の刹那ちゃんを小さくした感じだけど、ポンコツ具合は同じく祖母の木乃香っぽさがあるような気がする子。
そして肝心の懺悔内容だけど。
「私は……、私たちは、きょうだいで間接キスをしてしまいました……ッ!」
「ほうほ……う?」
姉妹でならまぁ「このせつ」の孫だしやらかしても不思議はないかもしれないけど別に家族だし意識するほどの話でもないだろうと思った矢先。
「生き別れの……、お母様がフェイト様と袂を分かたれた時に生き別れとなった! お兄様と再会したテンションのまま! お兄様のスプーンであーんしたりされたりしてしまいましたッ! 午後の授業をおサボりしてまで……! 嗚呼、倫理に反するやん! お兄様とは血が繋がってるというのに、もう今日はずっと動悸が止まらなかったんですぅッ! この罪深い私の精神、どないしたら
「ぶっふぉォ!? ゲッッッッッホっ、ゴホッ、ゴホッ」
「し、シスター!?」
何だろう今日厄日なのかな。
というか勇魚ちゃんや帆乃香ちゃんの生き別れの兄って近衛刀太……。うわぉ血筋かねぇ、この微妙に女難が続いてるというか、ヘンなモテかたしてるのは。ネギくんの方がもうちょっとマシだったような……いやそうでもないか、このせつ結婚の時のアレとか(たぶんエヴァちゃんにはナイショなんだろうし)。
悪いけど勇魚ちゃんの懺悔もほどほどで聞き流し打ち切らせてもらって(というか私の身が持たない)、外に出ればもう夜。流石にそろそろ本日の営業(?)は終了というところなんだけど…………。
こっちよりも少し繁華街の方で、空中に真っ黒な「人よけ」の結界じみたものが展開された。あれはたぶん認識阻害とか、そういうタイプの結界かなぁ……。
「…………うん、帰って寝よっ」
どこに連絡することもなく(というか連絡する体力もなく)、私はそのまま家路についた。
まあ何か問題が起こったら誰か連絡してくれるっしょ!(適当)
「――――学園長代理に後で報告しておきますね、シスター・ミソラ」
そんなザジちゃんの声が聞こえたような気がするけど、うん、姿見えないしきっと疲れてるんだろう! 私は悪くねぇ!
※ ※ ※
やってられるか! ニキティスと戦闘開始早々に悟った。完全に千日手である。
私を相手にする際に、ニキティスはまず巨大で黒い上下を囲うドームのような漆黒のナニカを出現させた……。
「さて小手調べだ。受けてみせろ――――」
別にそれくらいなら大した話ではないのだが(死天化壮の腕の加速度を超える矢が存在しなかった)、とはいえ叩き落としても叩き落としても0コンマ5秒以下の速度で再装填されて放たれる矢は理解の外と言うか、こっちの認識の限界が近い。それこそ
「なら首狩りが定石か――――血風創天!」
さすがに街へ向けては破壊規模が恐ろしすぎて放てなかった血風創天だが、謎結界に包まれたこの状況ならおそらく大丈夫だろうと踏んでの一撃。刃に沿わせた血風がそのまま巨大な斬撃としてニキティスに襲い掛かる。
はったりが利いたそれに「ほぅ!」と少しだけ楽しそうな顔になるニキティスだったが、あろうことか腕を振ってその剣の軌跡そのものを「凍らせた」。いや確かに原理的にはウォーターカッターだがお前、一応は魔法とか弾くらしいのに何当然のような顔して防ぎやがった!? いくら真祖の吸血鬼だからって基本的には魔族だろうが何だろうが魔法の原理原則は共通だろ、物理現象とはいわないがそういう法則無視するの止めろ!(真顔)
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ! この一帯は『僕の管理下』にある。ここにおいてお前の攻撃がまともに通ると考えないことだ!」
「一帯ってことは結界か……って、おっと!?」
そしてまた再びの絶え間ないボウガン連撃…………、いやお前そもそももっと大味な技の方が得意なはずなのにどうしてこう、こちらの神経逆撫でしてくるようなことチマチマ仕掛けて来るのか、いい加減こっちもイライラしてきたぞ。
攻防としてはそんなノリで、ニキティスの連撃と私の一撃とを交互にするような形に終始している。
「血風創天――――ついでに血風!」
「フン、どこを狙って――――ってお前! ちまちま小さいブーメランみたいなものを飛ばすの止めろ! 処理が面倒くさいじゃないか! 手加減してるこちらの身にもなれ!」
「そっくりそのまま同じ言葉返してやるよ!」
まぁ手加減されてるだろうことには異論はないが……。
血風創天一発に複数の血風を時間差で放つと、避けたり受けながらニキティスは嫌そうな顔をして叫んで来た。いやお前、いわゆるダブルスタンダード……。我儘か貴様! まぁ我儘か。(諦観)
だが傾向として分かったのは、巨大な血風創天については防御するがブーメラン状の血風自体は特に気にした様子がないこと。血風が結界の壁にぶちあたると、結界自体の構成が緩むのか一瞬そのぶち当たった箇所から外の風景が見えること。ついでに言えば、その瞬間だけは一瞬だが外と通信ができそうなことくらいか。メールを打つ余裕がないので、空メールを自分に送るという形で確認した。
以上のことから、少なくとも血風創天を結界にぶち当てれば、結界そのものを破壊することができる可能性があると言うことだ。攻撃は通るが脱出できない以上、結界をどうにかするのは必須事項だろう。
少なくともニキティスが滅茶苦茶やっているのは「結界内部」であるから、というのが本人のコメントなので、そこから考えて…………。一人では手が足りないな。
こういう時に使える方法って何か――――ふとポケットで携帯端末をいじっていると、パクティオーカードのマスターカードに指がふれる。
パクティオーカード……、そうだ。そういえばこれがあった。早期契約自体が原作チャートからすればガバそのものだが、なんだ、ガバもたまには役立つじゃないか。(???「その慢心が命取りだと思うんだがねぇ」)
「あー、…………。これならイケるか。問題は時間が――――よっと」
いい加減、ニキティスもボウガンによるチマチマとした攻撃に飽きてきたのか、片手にフェンシングのフルーレみたいなものを装備してこちらに斬りかかってきた。直線での高速移動「程度」ならば死天化壮および内血装の移動速度に敵う訳はない。こちらの心臓を穿つような構えで接近してくるそれを正面から黒棒で受け止め、その瞬間に「ほぼ棒立ち」の状態のまま「瞬動もどき」を使い背後に回り蹴り飛ばし、血風を一発。もっとも血風については腕ではらうくらいで掻き消される程度しかダメージが与えられない。……まぁ毎回毎回その当たった箇所の服が砕け散るのに忌々しい顔をしているのだが。
ニキティスは腕を組み、こちらから距離を取る。どうやら少し会話する流れらしいが……、密かに血風を黒棒に這わせて、いつでも撃てるようにはしておく。
「ふん。『“夜明け”のザジ・レイニーデイ』から聞いていたよりは、やるようじゃないか『コノエ・トータ』。
名前呼び……、一体どういう心境の変化かは知らないが、只の「まがい物」扱いは卒業扱いらしい。
「っというか夜明けの……? いやツッコミどころは一旦置いておいてだ。まずアンタ、何でいきなり襲い掛かってきたんスか。先輩でしょ、俺、仕事中だったんスけど」
「仕事? 知らん、ここ数年はホルダーにも帰っていないからな。それに、さっきの羽虫とは『じゃれてた』ようにしか見えなかったが。討伐するつもりはないだろう」
「確保任務ですし一応」
「言い換えるぞ。『確保する気もなかった』、ただ嬲って遊んでいただけだろう」
「…………いや、そういうつもりは無かったっスけど……」
その言い回しだと、まるでこちらが三太をいじめていたみたいに聞こえてくるのだが……。とはいえ、実力的に負けることはないだろうからそこまで真面目に確保を考えていた訳ではないのは確かかもしれないが。むしろこの段階で下手に確保すると、それはそれで原作チャートの完全崩壊への道な気もするので、ある意味ではニキティスの介入は運が良かったのかもしれない。(ポジティブ思考)
笑止千万だなぁ、とニキティスは肩をすくめてニヤリと笑い目を閉じため息をついてそっぽをむいて……、いや妙にオーバーな仕草してるが、不思議と腹が立つのは先ほどのアレのせいだろうか。
「それだけの実力がお前とあの羽虫との間にあったわけでもなかろうに。そういう傲慢さや慢心をお前のような半端者が見せるのは、真祖としての我々の面子に関わるのでな。
――――つまり僕は、お前が気に入らない。気が済むまで僕に殺されていろ、ということだ」
「…………八つ当たりじゃねーか!?」
「何か問題があるか?」
大あり以外の何物でもないのだが(真顔)。大体お前、この段階だと原作においては旧麻帆良学園地下の図書館島で惰眠をむさぼってるか本を読んでるかして、ゾンビパニックどころかそれ以降全く手を貸してなかったろうが。一体どうして今日こんなタイミングに限ってわざわざ表に出て来てこっちにケンカふっかけてきたのか。当たり屋かお前!(正当ギレ)
流石にちょっと怒った。できれば穏便に済ませようと思ったが、今回ばかりはちょっとくらいチャート無視しても良いだろう。こっちがどれだけ色々気を付けて動いてると思ってるんだ、今回はたまたま良かったが、気分一つでこちらのチャートを破壊しようとするな!
「血風――――」
「フン、代り映えのない…………? いや、待てお前それ、ちょっと待てコノエ・トータ!」
黒棒に這わせていた血風を用いて、本来なら血風創天に使用する分の血を用いて「巨大な円を描く」。その軌跡に合わせてどんどんと肥大化していく巨大な血風は、そのサイズを私の体内血液を吸収することでどんどん加速度的に巨大になっていく。
流石にこのままだと結界に接触必至と判断したのだろう、私めがけて急接近してくるニキティスだが、これに私は回避行動をとらない――――。胸部の中央をニキティスのフルーレが貫通するが、それでも特に何も表情を変えない私に、流石のニキティスも困惑の表情になった。
「――――悪いな、初めから『穴空いてる』もんだから」
「――――っ、お前!」
ある程度巨大になった血風……、大血風を上方に向けて放つ。もはや私本体への攻撃では止まらないと判断したのだろう、武器を放置して加速していく血風へと追従飛行するニキティス。
だが悪いが、私の本命は「そっちじゃない」。
下方向に黒棒を向け、再び血風を添わせるとそのまま「伸ばした」――――「
上空ではニキティスが血風を「燃やして」蹴散らした(ちょっと何やってるか意味が分からない)とほぼ同時、足元に街の明かりが見え――――――。
「――――この場に来たれ我が契約従者・時坂九郎丸!」
ネオパクティオーカード……、これ自体はいわゆる「ネギま!?」におけるパクティオーカード三種のそれよりも、大本のシステムは通常のパクティオーカードに準じている。つまりは機能として、①従者への魔力供給、②遠距離にいる従者の召喚、③念話、④潜在能力発現、⑤アーティファクトの召喚、⑥衣装登録、といったような一連の機能は、おそらく部分的に使用可能だということだ。これについてはまだ見ぬ師匠が調整しているだろうから、少なからず②と③だけは確実に存在していると判断している。
だからこそ②の従者召喚を意識して「内血装」を手元に集中。パクティオーカードに魔力(と気と裂けた指先の血しぶき)をまとわせ――――。
「――――わっ!? と、刀太君!?」
果たして、予定通りこの場に召喚された九郎丸。驚いた顔で私を見る姿に、少しだけ苛立っていた神経が癒された。
アンケの予定は今の所以下のイメージです。(締日予定:7月上旬)
雪姫:刀太が髪を染めるの目撃してキレる話
九郎丸:熊本時代、お風呂が停電した時初好感度ガバの話(
夏凜:カリンと「あの方†」との過去話
キリヱ:「死を祓え」一周目の話
カトラス:幼少期、野乃香に色々教わった話
キャラクターごとの番外編?に関するアンケートです。投票数が多いキャラのものを作成していく予定です(人気投票ではないやつ)。ジャンルはギャグもシリアスも両方あります。
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雪姫
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九郎丸
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