例によって一部設定というか盛ってます汗
ちょっと昨日投稿事故ったので、今日はもう一話投稿予定・・・?(深夜の可能性が高いですが汗)
ST65.Memento Mori:The Gate of The Heart -Returns-
アマノミハシラ学園都市には、所謂、裏魔法委員会という組織がある。一般的に学生レベルでの委員会の場合は学校ごとに個別で委員会が存在し、大イベントの際など学校の垣根を超えて連携するらしいのだが。こと魔法委員会に関しては別扱いとなっている。
ではそれは何なのかと言えば、早い話「ネギま!」時代における魔法生徒/魔法先生の集まりのそれと同義であるようだ。生徒ならば学園における、所謂「裏側」の魔法事情に通じており、そのテの警備アルバイトだったりといったことをしていたりするのもちらほらと。とするなら昨日の釘宮大伍だったか、彼もその魔法委員会であったりするのだろうか。
「なるほど? で、そーゆー系譜を踏んでるから、俺たち側はともかくとして、学園側にはそれとなく『関係者だ』って一部には知れ渡っているってことか。もともと雪姫経由で情報がこっちに回ってきてるから」
「せや。まー今回は事情が事情だったし、私ら全然教えてもらえへんかったけど。お姉様たちも全然知らんやろうし、そこは注意しとかんといかんわ~」
「おそらく、主に教師陣のみに共有された情報かと思います。『正式には』私たちも、シスター・ミソラから今朝方電話があって初めて聞きましたから」
昼休み早々に教室へ「ここで会ったが百年目! 観念しぃお兄さま!」とか謎のハイテンションで叫び参上した帆乃香と、対照的に慌てた様子で追いかけてきた勇魚に連行されている。目的地は生徒会備品室……、というより、実質的な自警団が持ってる部室のようなものだとか。
そもそもこの自警団、アマノミハシラ学園全校の生徒会の下位組織。チーム自体はブロックごとに班が分かれているらしく、近衛姉妹含めた面々はウルスラ方面から警邏しているのだとか。だが加入条件が「関係者からの紹介」もしくは「魔法アプリ無しでの詠唱可能」であること、かつ「一定の制圧力を持っている」ことだとか。お陰で内申点は良くなるのだが、全校生徒の数に比べ加入者は意外と少ない。
つまりどういうことかと言えば、班ごとに専用の部屋を割り振るくらいの大所帯と言う訳でもないと言うことだ。結果、事情聴取やら何やらといった作業がある場合、臨時で備品室の一角を間借りすることになってるらしい。
「いや、それはそうとして別に引っ付いて引っ張らなくても、付いていくから離していいぞ? 暑いだろ……」
「えー、ええやん別にぃ。お兄さまとベタベタするん、ウチ嫌いじゃないし」
「私も職責がありますし……(それに、ほんのり兄様の汗の匂いがしてこれはこれで……)」
「今何かボソッと変な事呟かなかったか勇魚?」
「い、いいえ! べべ別に何も!(初めて名前で呼ばれたわ!)」(???「手遅れだねぇ……」)
顔を真っ赤にする勇魚に「本当か?」という視線を向けるが、帆乃香が「ウチもかまってーなー」と反対側を引っ張ってくるのでため息一つ。
なお何故私が自警団に連行されているかと言えば、昨日の事情聴取が二件である。一つはミヒールとアド……、アドなんとか(思い出し放棄)と口論になり一触即発で魔法を使われたこと、もう一つはその後に帆乃香たちとその場から消えて午後の授業をサボったこと。
前者については監視カメラの映像もあるし、そもそも彼女たちの班全員が目撃していたこともあり一人だけでも良いから簡単な聴取だけとなったらしいが、後半は近衛兄妹三人そろって反省文を書かされるのが必須のようである……。俺は悪くねぇ! と叫んでしまいたいところはあるが、有益な情報もなかったわけではないので出来たお兄ちゃんとしては連帯責任を負うのが筋と言うものか。
さて、校舎を出て向かうは一等生徒たちのいる「現在の」本校舎……、麻帆良工科大学とかの間を進んでいくと、かなり近代的な建物が並ぶ街並み(?)だ。その中で、ひときわ「あえて」古い景観の建物に向かって、二人の妹が私の腕を引く。
帆乃香と勇魚。外見的には木乃香と刹那の幼いころじみているが、少し観察するといくらか違っていることがわかる。帆乃香はアグレッシブで怖いもの知らずなところがあり、勇魚は案外甘えん坊な所とか。原作でも所謂「パル様号」を譲り受けた後の動きやら何やらは自由だったろうこととか、九郎丸を先輩と仰ぎべったりだったことを踏まえて不思議でもないのだが、もうなんか今まで関わってきた連中の微妙なキャラ崩壊具合からこれすら疑いの念が晴れない自分がいる。
まあそんなこちらの感想はともかくとして、しかしこう、正面切って「甘やかして! 甘やかして!」と来られると、どうにも弱い。別に「私」個人に兄妹がいたとかそういう話でもないのだが、こればかりは不思議とされるがままになっていた。
そして生徒会備品室の張り紙が張られた教室の手前、人の気配を感じて嫌な予感を覚える。気のせいか聞き覚えのある声が三つ、きゃっきゃうふふとしてる雰囲気の中、当たり前のように扉を開けようとする帆乃香の手を制した。
「はえ? どうしたんお兄さま」「兄様?」
「こーゆーのはノックしてから、な? 中で取り込み中だったりするかもしれないし」
「へ? そんなん……あっ、お兄さま男の子やん。忘れてたわ~」
「たわ~、じゃねぇんだよなぁ」
女子のきゃっきゃうふふは男子的に一歩間違えると大変思春期が危ないことになっている場合もあるので、こういうのは警戒が大事なのだ。
ただ全く以って予想外だったのは、帆乃香がノックを三回した直後に内側の返事を聞く前に「入るでお姉様たち~!」とか言い出し扉を「ばーん!」したことだったりするが。
「ぬあっ、あん……、んっ」
「大体マコト、貴女恋などする前からこんなボリュームが……、はい?」
「あら~」
「マコトはん……、えらいご立派なもんお持ちや……!」
「お、お姉様……」
なお中では着替え中と思われる例の自警団女子高生三人のうち、お姉様(上半身下着姿)がスポーツ少女(上下ともに下着姿、ブラなし)の胸部装甲(比喩)を揉みしだいているのをもう一人が静観していた(スカート無し)ご様子で。
思わず頭を右手で抱えて視線を逸らした私に数刻遅れて「やってしもた?」「しまいましたね姉様」と近衛姉妹。こちらの姿に気づいた後の硬直が溶けたスポーツ少女マコト氏の第一声もだいぶ混乱していた。
「んあ、ぴょおお!? えっ、えっちッスか!!? えっちさんッスか!」
「――――(ま、まさか私にも『妖怪・脱げ女』の血筋が……)」
「大変ですぅ、お姉様が息をしていません~!」
「違うんスよ事故なんスよ……、とりあえず帆乃香は後でオシオキな」
「んな!? そんな殺生なこと言わんといてお兄さま~!」
「庇えません、お嬢様」
話が、話が進まねぇ…………! というかこれは絶対帆乃香が考えなしだったのが原因であって、私の中のネギぼーずの血よりも帆乃香の中のネギぼーずの血のせいだということにしたい。(???「どの道、同じ血が流れてるんだから逃れられないよ、その宿命」)
ともかくその後、帆乃香の頭を押さえて三人で土下座した(勇魚は「連帯責任ですので……」と何故か少し頬を赤くしていたが)。
※ ※ ※
「はい~、ミヒール・丸山さんとアドリフ・キャメロンさんの証言とぉ、そこまで差はないかと思いますぅ。むしろ信ぴょう性だけでいったらこっちの方が高いかもですねぇ」
「そんな名前だったんスかあの先輩たち……」
何だか凄くどうでも良い情報を聞いてしまった気がするがそれはともかく。昼食をとりながらの事情聴取も、一段落がついた。時間的にも昼休み終了十五分前といったところで、
とりあえず授業サボリについては「「「三人でゲームしたり御菓子食べたりして遊んでました」」」と正直に答え「良い度胸ですわねこの兄妹!?」とお姉様……というか、式音・D・グッドマンに叱られて、当然のように反省文1万文字の課題を出された(残当)。
両手を腰に当ててプリプリと怒る様は年上ながらちょっと可愛らしい物が有るが、グッドマンといえば「ネギま!」の通称「ウルスラの脱げ女」高音・D・グッドマンの血筋であるので、内心合掌しているのは内緒である。ひょっとするとさっきのラッキースケベ出来損ないも私たちだけではなく彼女由来のガバの可能性もあるのでは?(責任転嫁)
……ちなみにだが、何故か当然のようにマコトと名乗った彼女から「か、カロリーお裾分けッス」と私にお弁当箱が手渡された。一応理由としては、昼休みの昼食時に時間を拝借するからと言う名目ではあるらしいが、蓋を開けたらまぁ妙に丁寧に作り込まれた肉じゃがとか(シンプルな味付けで美味しかった)、こころなしお米にかかったふりかけがハート型のような気がしたりとか……、ついでに「こっちもどうぞッス」と手渡された水筒から出したみそ汁だったり(これは赤みそに唐辛子が少し混ざってて意外性もあって美味しかった)、一体何をアピールされてるのやらといった状況である。
流石に断ると昼食抜きなので仕方なく……、いや真実言ってしまえば一回くらい食事を抜いても問題はないのだが(不死者的な意味で)、私の顔を見て何か期待するような不安そうな表情をされては断り辛く。実際どれも美味しいので、感想を素直に言うと向日葵のようにぱぁっと笑顔が浮かんでいた。
「マコトはん、完全にアレやな~。それにしてもお弁当、めっちゃ頑張っとるやん」
「ですよねぇ、まあお姉様と違ってお料理もともと上手だったみたいですけど~」
「な、菜緒!? わわわ私だって本気を出せばカレーくらいは作れますわ! レトルトの!」
大慌てで振り返り、ずびし! と指を空に向けて突き付ける式音・D・グッドマン。
ちなみに全然関係ないが各人本日の昼食は、帆乃香が焼きそばパン、勇魚はフルーツサンド、マコトは私とほぼ同じお弁当で、菜緒と言うらしいのほほんさんはコンビニのとろろそば、式音班長はカップ麺(ダイエット仕様)だった。各人、多種多様なようで……。
「って、それで良いんスか名のある魔法大家の跡取りお嬢様……」
「いや、これでも一昔前に比べたらだーいぶ進歩したんスよ刀太君……」
「お姉様は刃物苦手だしぃ、火は何故か出力が毎回おかしいだけですものねぇ」
「機械とは滅茶苦茶に相性悪いもんな~、お姉様。勇魚、覚えとる? 旅行の時の」
「ええ。以前、地図情報アプリを開いたときに『現在位置はここですわ!』と地球の反対側の――――」
「そこに全員、直りなさい! 多少へりくだった口調をしていれば良いって問題ではありませんことよ! あとアレは私ではなく、1スクロールで世界が反転するアプリが悪いのです!」
いや地球儀出してスクロールさせたらそら一周するやん、と突っ込む帆乃香はともかく。
何と言うか、普通に妹二人が「馴染んでいる」ことに変な安心感があった。カトラスという実物を一度見ていたせいもあったが、流石にこの辺りは近衛姉妹の血筋というべきなのか。考えたら原作でも早々に仙境館へ溶け込んでいたのだし、コミュニケーション力自体は低くはないのだろう。そう考えると、なんだかんだ私が絆されてしまうのも仕方ないと言うべきだろうか。
そんなことを考えていると、くいくい、と隣に陣取るマコトが私の肩を引く。どうしたのだろうと顔を向けると、少し目を見開いて頬を赤くしたまま、何やら逡巡してるのか視線があっちこっちに行ったり来たりしていた。
「えっと……、どうしたんスか?」
「あぅ、その…………、えっと、えっとッスネ! ちょっと待って深呼吸、ひっひっふー」
「あらあらぁ、マコトちゃんヘタれちゃいましたねぇ。大胆な告白は女の子の特権ですよ~」
ファイト! と後ろで焚きつけられている中「顔思ったより近かったッス……」とかボソッと呟いているのまで聞くと、流石に私も察しが付いてしまうが。決して自意識過剰というわけでもなく、「私」もそれなりに気付けるだけの経験値はあるのだ。
ただ、多少なりとも否定したい気持ちもある。あり体に言って「いやチョロすぎかアンタ!?」という感覚なのだ。そもそもこの関係で言うと、忍とかよりも付き合いが薄いというかイベントも全然なかったというレベルなのだが……。(???「そりゃ見た目よりも箱入りな小娘だからねぇ、軽い吊り橋効果と意外と良いミテクレを前にしちゃコロっと転がされちまうだろうさ」)
やがて決心したように、私の両肩を掴んで引き寄せる――――。
「と、刀太君っ!」
「えっと、は、はい」
「こ、今度の休みにッスね、一緒にちょっとお出かけ付き合ってくれないッスか!」
なんというか、あまりに直球勝負過ぎて一瞬頭が真っ白になってしまった。デートのお誘いである、しかも相当に初心な割にどストレートな。リアクションに困った私を、ニヤニヤと見つめる帆乃香他上級生二名……、と、少しうつむいた勇魚の表情はわからないが、それはさておき。
えっと、休み、ということは週末になるわけで……。確か原作においてこの三太編というのは、一週間もかからず事件自体は解決していたはずである。つまりギリギリ、デートするタイミング自体は捻出できないわけではないのだが…………?
それはそうとして、別にこう軟派な性格と言う訳でもないし、そもそも現時点において女性関係をどうこうとかそういった欲はない。第一、今後の原作展開から考えると私の身の周りは決して安全とは言い難く、そういう意味でもここは断るべきなのだが――――。
「夏凜さんからはOKもらってるッス!」
「いやちょっと待って、ちょっと待ってくれないッスかね……」
ただ放たれた一言に、やっぱり思考がから回る。何故そこで夏凜の名前が出て来るのか……。丁度そんなことを考えた時に、携帯端末が鳴る。「今時珍しいですねぇ魔法アプリ非搭載の端末は」とか言われながら少し失礼をさせてもらって、廊下にて画面の通話ボタンを押した。
相手はその、件の夏凜である…………。
『――こんにちは、刀太。お昼時だけど、聴取は大丈夫?』
「あー、問題ないッスけど、えっと…………」
『? どうしたの』
「いや夏凜ちゃんさんのせいなんスけどこれ……」
それだけ言うと、向こうは状況を察したらしい。いやおそらく夏凜の仕込みなのだから気づいて当然というべきなのだが。ちょっと得意げに鼻を鳴らす音が聞こえる。
『問題ないからデートしちゃいなさい』
「いや返答マジでストレートっスね……」
そして欠片もお茶を濁さない一言である。怖い。(断言)
『一応、予定を入れるのなら、単独行動で学園内を見て回ってヒントを探すー、みたいな理由を九郎丸たちには言っておくから、貴方は気にしなくても良いわ? 実際にそのつもりで周って欲しいところだし』
「とは言われても……」
『でも……、好きでしょ?
「臆面もなくクールにおっぱいとか言うの止めろ」
いや確かに大変大きかったが……、思わず素で文句を垂れてしまったが、くすくすと笑う夏凜には暖簾に腕押しのようだ。まあ聞きなさい? と彼女は言う。
『一応、私はこれでもシスター・カリンとか呼ばれていたのだけれど、人生経験も長いので恋愛相談に乗ることも多かったのよ』
「はぁ……」
『だから言うのだけれど――――彼女、間違いなく貴方にホレてるわ』
「いやそんな感じはすると思うッスけど……、でも」
『もちろんそんな深いものでも何でもないのでしょうけれど、でも私だって別に、外見で好きになること全てを否定するつもりもないわ。外見の美醜、というより『受け入れられるかどうか』というラインはあるでしょうし。年齢によってはえり好みできるかどうかもあるでしょうけど、まあ、貴方に関しては雪姫様や私たちの手も多少加わってるから』
「いまいち要領を得ないんスけど」
まぁ要するに、と。夏凜の声はどこか微笑ましいもののようで。
『振るにしろ受け入れるにしろ囲うにしろ、「貴方なら」ちゃんと結論を出して導いてあげられると思うから。なんにせよ、少しでも良い思い出にしてあげてっていうお願いね』
「いや囲うとは何だ囲うとは……」
そもそも正式な意味で一夫一妻の考え方のはずだろどうしたアンタという感想と共に、耳に聞こえるくすくすという笑い声に謎の寒気が全身に走った。(???「まあ『あっち』の歴史を見るに逃げられはしないだろうからねぇ……」)