光る風を超えて   作:黒兎可

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本当は昨日夜予定でしたが、スミマセン遅れました汗 ようやくちょっと話が進むような・・・?


ST81.死を祓え!:夢の跡で出会う

ST81.Memento Mori:meeT spiriT aT cemeT pasT

 

 

 

 

 

「そ、それでどうなったの……?」

「条件付きって感じだなー。あっちもあっちで色々忙しいみてーだし、お互いそんなに無理はしない方向でってことで、だな」

「そうなんだ……、えっと、僕も手伝う感じだよね」

「言ってはいねーけど、やってくれるとありがてーな」

「じゃあ、うん! 僕もやるよ!」

 

 協力を頼むと「僕、いつでも準備はできてるよ!」と嬉しそうに頷いてくれる九郎丸。なおその後ろで夏凜はこくこくと何かを納得したように頷いており、キリヱは「また知らないイベント起きてる……」と頭を抱えていた。

 場所は「ネギま!」でおなじみ図書館島、地下に向かう途中の階段。何から何まで全く原作通りというか、地上階だけでもかなり巨大な図書館となっていることにちょっと感動を覚える私であったが、入る時に少しトラブルがあった。どうやらここ自体に「学園結界」に類するタイプの結界が張られていたらしく、私だけ弾かれたのだ。もっとも幽霊の三太ですら通ってしまっているあたり、おそらく私を除外対象に設定した相手というか犯人の目星はついていたが。十中八九ニキティスだろうが、そんな彼の地味な嫌がらせを完全に無視して夏凜が何とかしてくれた。

 

『――――聖絶なる拳(ホーリー・ブロー)!』

 

 全身に神聖魔法を纏い放ったその一撃に結界には綺麗に「穴が開き」、それが自動修復される前に私を無理やり引っ張り入れたという流れである。あまりにあっさり片が付きすぎていたため、おそらく地下でニキティスも紅茶を噴き出すか呆然としていることだろう。

 というか改めて神聖魔法の常軌を逸した破壊力である。思わず夏凜に使い方を聞いてしまったくらいだ。もっとも彼女は私に苦笑い。

 

『そういえば貴方、吸収したのか使えるんだったかしら……。でも、使いこなすのは難しいかもしれないわね。これに必要なのは経典の理解もそうだけど、何より信仰力…………、祈祷力かしら? が試されるから』

『祈祷力』

 

 思えば様々なものに祈ってきた人生でした……(チャート崩壊ごとに)。その祈祷力ですら足りないほどのガバが発生している昨今、ひょっとしなくとも祈る対象がやはり違うというか問題があるのだろうか。でもキリヱ大明神とか師匠とかはご利益ありそうだし…………。(???「私はともかくその娘だって割とアンタと同類なくらいだってのにねぇ。同情はするが」)

 

「というより凄いよねー、ココ。『まほネット』でもアーカイブ化されていない情報がポンポン出て来るっていうか。流石にウチのオーナーが『あそこは魔境だぞ』と言うだけあるかな?」

「オーナーって……、飴屋先生ってここ以外でも教鞭を?」

「アハハ! 良い着眼点だけど、それに答える前にまず未来の不確定性について話さなければいけないかな。ちょっと長くなるよ?」

「何でそんな壮大な話になるんス……?」

 

 ちなみに三太に関しては、一空が積極的に話題を振ることで我々の話から気を逸らしてくれていた。最低限は防音用の術を使っている九郎丸だが、このあたりの抜かりなさと言うかは流石に情報機器関係に通じているからだろうか。ちらりとこちらを見て軽くウィンクしてくる一空教諭に半笑いで会釈しておいた。

 

 到着したのは地下4階。既に本棚でスペースがほぼほぼ埋まり切っており、また構成が独特なせいで地面の床が一部本棚そのものになっていたり、上の棚を確認するためには本棚と本棚を「踏み越えて」いかないといけなかったりと、原作通りとはいえすでに大分魔境めいている。

 ここは一般的な歴史関係の資料からローカル情報に加え、過去の麻帆良学園時代に各校で作成された連絡資料や旅のしおり、校内新聞など多岐にわたって保管されている場所になっている。もっとも持ち出し禁止で奥の方にコピー機やら机と椅子やらがあったりするので、ここはまだ所蔵倉庫よりも比較的図書館という構成に近いと言えた。

 

「お嬢様、来ましたよ」「あ、皆遅いやん! 待ちくたびれて喉乾いたわー」

「人が入り口で足止め喰らってるのを尻目に『一番乗りやー!』ってダッシュしたお前が悪い」

 

 机で(何年代か不明だが)卒業アルバムらしきものをぺらぺらめくって遊んでいる帆乃香とその後ろに立つ勇魚。こちらに気付いた反応として色々と我儘だったので、ぺしっとデコピンしておく。とはいえ下手に脱水症状にでもなられたらこまるので、他の面々に軽く聞いた。

 

「私は抹茶ラテね。もう封は切ってあるからオススメしないけど」

「僕もミネラルウォーターならあるけど……」

「悪いんだけど、今は何も持ってないかな」

「俺は……(いやそもそも要らねぇしこれくらいなら……)」

「いやん、全滅や」

「ふっふっふ――――」

 

 と、それぞれ微妙な反応に対してキリヱが得意げになりながら、ポーチから紙パックの飲料を取り出した。

 

「これを見なさい! これが、アマノミハシラ前身時代から積み重ねてきた伝統――――『変な飲料』よ!」

 

 三つ、四つあるキリヱの出したそれらだったが、どうにも味の想像が色々と困るタイプのものばかりである。「グレート抹茶オレンジラテ」「ポネット~白い翼~」「一番人気!梨ミルクコーラゼリー」「プルコギトマト・ボン!」とチョイスの方向性は色々謎である。一体こんなものどこでと聞いてみると、どうやら女子寮の自動販売機にゲテモノ系ドリンクのそれが設置されているらしい。はたして八十年前から存在していたものかは定かではないが、確かに「ネギま!」時代から綾瀬夕映がよくその類のものを呑んでいた記憶があった。

 と、三太が「あー」と何か思い出す様に声を上げる。

 

「トータ、これ一応男子寮にもあるぜ? 自動販売機」

「マジか!?」

「そうそう。他にも調味料自動販売機とか、即席麺自動販売機とか、超包子冷食自動販売機とか――――」

「最後の絶対、一般的に売ってないやつだよなぁ……」

 

 いくら卒業生が関係してるからとは言え、一体麻帆良は超包子の何なのだろうか…………って、考えたらそもそも麻帆良発の飲食店みたいな設定があったような覚えがあるので、母体というか地元というか、そういう扱いなのだろう。つまりは地域貢献の類か(適当)。

 そして三太のお勧めもあり「一番人気!」をちゅーちゅー飲んでる帆乃香だったが、「めっちゃ甘いけど香り全然わからへん……って、これクラフトコーラ系なんやなぁ」と何やらグルメ風なことを言い出していた。

 

 さておき、全体確認をしてから各自で捜索開始。目当ての本は学校の七不思議や、当時の事故などの資料関係を探すという流れである。一応この階自体はギリギリ一般開放されている範疇らしく、トラップの類もないらしいので(この注意書きがある時点で図書館が一種のダンジョンであることが伺える(震え声))各自それぞれでの調査と相成った。

 

 そんな中――――私は一人、隠れて「違う目的」の調査をする。

 

「殺人事件が起こった年代と、妖魔の出現レポートってとこか?」

 

 今回我々があたっているこの案件。表面上は連続殺人事件の調査となっているが、それに協力するための条件として釘宮が出したものは、至極わかりやすいものだった。

 

『ここ連日、魔力溜まりのスポットに湧く妖魔やら幽霊やらの数が多くてね。学校が公認している幽霊とかは除外するにしても、それでも対処しないといけない数が多すぎるんだ。だから君たちのそれに協力してくれというのなら、こちらの妖魔駆除にも協力してもらいたい』

 

 実際、一般生徒に妖魔が見つかるとそれはそれで問題(そもそも危ないが、中には高額賞金で取引されているものもいるため)、安全管理的には必要な仕事らしく。作業者は日中、該当時間の授業が免除される(後で補修を受けるか自主学習は必要だが)。なので今回は受けるに吝かではないが、前後の話を聞いてふと違和感を抱いたのも事実だった。

 

 すなわち「そもそも原作で妖魔云々の話ってあっただろうか」という、その一点である。

 

 私が今いるこの世界線? では、割と名前として妖魔というのが上がるが。原作「UQホルダー」においては、確か敵対生物がそうであるかどうかというレベルの扱いだったはずである。そこまでフィーチャーするのは確か没案にあったかどうかというレベルの話で、この差分が存在するのには何かしら理由があるのではないだろうか。

 ……まぁそれを言い出したら、そもそも釘宮大伍を始めとしてここまで麻帆良関係者に縁のある絡みが生じていたかとか色々考えようは有るが、そもそも超が介入しているのでそういうレベルの話ですらないかもしれない。をのれ時空改変者!(???「自分で投げたブーメランが自分に刺さってるじゃないか」)

 

「まぁ何かしら本来の『原作』とは違う流れになってるんだとしても、だ」

 

 個人的な話だが「私」的な事情で、妖魔うんぬんについては違和感がほとんどなかったのだが。魔力溜まりに妖魔が湧くというのは、すなわち背後で何かしらそれだけ魔力が動く事態が発生しているとみるべきだろう。「ネギま!」であった「世界樹の大発光」はもはやその周期の予測が困難になっているらしいが、それに関連して妖魔が出現したという情報は……、今の所手に取った資料をあたっても見当たらない。

 

 とするなら、こういう場合のセオリーとして…………、「過去の出現ポイント」を、携帯端末の地図アプリを出して、そこに記入していると。

 

『――――見つかったえ! お兄さま、褒めて褒めてー!』

「おっと? すげーじゃん、お手柄じゃねーの」

『えへへん! めっちゃ胸張るで! 九郎丸はんも撫でて撫でてー!』

『う、うん。いいよ? ほら……』

『お、お嬢様それは……』

 

 そうこう調べている内に帆乃香たちから連絡が入ったので。作業を一旦中止して、私はそちらに向かった。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

   

 翌日の早朝から早々に始まり、アマノミハシラ学園都市の複数個所を巡っていく裏魔法委員会。なるほど、魔力溜まり……言うなれば魔力スポットか、その全てに妖魔が湧くとなると生徒にさせるのならば授業出席を免除するのも納得する。それくらいに場所も多いし、そして各所、妖魔自体も多かった。

 

 例えば現在、午前中最後になるだろう場所である墓所ではあるが。本日の参加メンバー十人程度であっても、対応には苦慮していることが伺える。なにせ時折人間大の、いかにもな妖怪めいたものも居たりはするが、大体が可愛いビジュアルをしているのだ。へちょむくれというか、ポケモ〇でもゆるキャラにしたようなものが多数、わらわら可愛い声を上げて集まってくる様は微笑ましくもあるが、同時に接触でもすれば火を噴いたり爆発したり水びたしになったり吹き飛ばされたりと散々なことになるのだから、いかんともしがたいだろう。

 

「――――『来たれ(アデアット)』! 宝除掃器(ハイパー・ハネボウキ)!」

「――――『来たれ(アデアット)』、余壱の重藤弓(ヨイチノジュウトウキュウ)

 

 弓を召喚した釘宮の「狗神」による狙撃は妖魔相手にも有効だが(体格からして違うし)、武装の関係上連射ができない。それを背中合わせになり、呼び出した大きな魔法のステッキ状のアーティファクトで蹴散らす成瀬川ちづ。……と、途中でステッキを中心部で二つに分解、赤い柄ないかにも「魔法少女チック」なステッキ上部、反対に瑠璃色柄などう見てもお掃除に使う布ハタキ状の下部を構える。ハタキの側で掃除でもする要領でぶんぶんと集まってくる小型妖魔を蹴散らしつつも、ステッキの方で「アップル・リップル・パフェ・サンデー!」と魔法始動キーを唱え、光球状の魔力を複数放つ。「魔法の射手(サギタ・マギカ)」だったか、属性などの判断は出来ないが腕は悪くないらしい…………、単語のセンスはともかく。(空腹)

 

「超必殺・漫画弾!」

 

 ……あと「ネギま!」の夏目萌(なつめ めぐみ)と似たような容姿をした背の小さい女子生徒が、魔法少女チックな漫画のキャラクターの顔が描かれた「気弾」のようなものを放っている絵面がシュールすぎた。墓石に当たりそうになると途中で軌道修正して複数の小型妖魔を屠っていく絵面は、得も言われぬ謎の冒涜的光景であるような錯覚を受ける。本当に錯覚か? まぁ錯覚だろう、錯覚だと言うことにしておこう……。

 

「あれ? どうしたの、刀太君」

「いやぁちょっとな…………、アレアレ」

「あー、そうだね。ちょっと可愛い感じだね、豪徳寺さん。流石に表情とか変わらないし、声とかも出ないらしいよ? アレ」

「いやそこじゃねーよ、天然さんかお前っ」

 

 ちなみに朝の顔合わせの際に聞いたのだが、どうやら彼女はクラスメイトだったらしい「豪徳寺(ごうとくじ)春可(はるか)」である。顔と名前が一致していなかった、というか数日でまだクラスに馴染め切れていない私に比べて九郎丸が想像以上に適応できている事実にちょっとびっくりもしたが、問題はそこではない。

 そう豪徳寺、あの豪徳寺だ。「ネギま!」において「まほら武道会」予選において始めて飛び道具的な必殺技を使い、その後ネギぼーずに敗退した後は解説席でおなじみの豪徳寺である。容姿の関係を見ると、どうにも途中で夏目萌(ナツメグ)の血筋と合流したらしい。

 いやはや何と言うか、こんな所でくしくも「 高音・D・グッドマン(ウルスラの脱げ女)」パーティ関係の血縁をコンプリートしてしまった訳だ。謎の感動があった。

 

「僕らも負けてられないね? いこうか――――神鳴流秘剣・五穀豊穣 !」

「九郎丸先輩、私も――――!」

 

 と、そんな私の横で九郎丸と勇魚も負けじとお仕事をしていた。流石に流派は違えど神鳴流か、どちらも気で生成した小型嵐のようなものを使い妖魔たちを巻き上げ、振り下ろして同時に斬っている。一撃で「うきゃぅ!」とか「きゃあぅ!」とか可愛らしい声(アニメとかだったら夏凜とかの声と一緒では?」を上げて消滅していく妖魔たちがちょっと可愛そうだが、九郎丸はともかく勇魚は完全に無表情だった。

 

「帆乃香が居たらゼッテー『可哀想やん』とか言うんだろうなぁ……」

「? お嬢様は『朝は弱いんやぁ……』と言って出席はしていませんので、本日は通常授業かと思いますが」

「いやそういうことじゃねぇんだよ…………っと!」

 

 言いながら、私も血風を纏わせて周囲の妖魔たちを斬っていく。やはりというべきか、血風創天は威力的にオーバーキルというか周囲の墓石やら何やらへの被害が大きすぎるため、現在は封印状態だった。

 とはいえ別にさほど困るという訳でもなく、このあたりは死天化壮様々といったところ。超高速移動しながら一体一体斬っていけばというレベルの話ではあるが、その中で妙にすばしっこい奴がいる。見た目で言うと全体的に雷を帯びたハムスターというかネズミというか、モチーフ的に色々版権に気を遣っていそうな(言い方)ビジュアルをした小型妖魔。大体手のひらサイズだろう、腕を伸ばして直接掴もうとしても、それこそ電気の軌跡を残しながら超高速移動していた。

 

『ふみゅ?』

「コイツ……、『雷獣』か? 確か小型の中でも取引価格がスゲェってスラムでルキが言ってたような――――」

『ぴっぴか……、ぴ! ら〇ちゅぅ!』

「オイマテ」

 

 真顔である。思わず素で色々と背筋に寒気を感じて(メタ)ツッコミがてら黒棒を振るってしまった私だが、それを軽々躱して「ふみゅー!」と声を上げて逃げる妖魔。駆除作業開始前に墓所へ張られた結界すらやすやす突破し、平然と外へ逃げていく……ってどういう原理だお前! 一応妖怪とかそれに準じるやつは弾かれて内部に戻されるはずだぞ! 可能性としては自分自身を電気に変換して外に出たから、結界の感知に引っ掛からなかったとかそういう所だろうか。

 もっとも私自身は特に問題もないので、そのまま飛行しながら高速移動する雷獣を追っていく……。ギリギリ追いすがれるか否かというところか。少し嫌な気分だ。原作的に将来こういった「電気の速度」で動いてくる敵と対決するだろうことを考えるに、現状の死天化壮の速度ではまだ足りないと突き付けられているに等しい。やはり何かしらもっと別な対応を考えないといけないのだろうか、そのあたり事前に師匠に相談するべきか――――。

 

 そして雷獣の逃げた先、すなわち世界樹の巨大な木の上で。

 

 

 

「――――――――水無瀬、小夜子」

『…………あ、あら? 貴方とは、初対面だった、はずだけど。初めまして、UQホルダー』

 

 

 

 私の目の前で、どこからか流れて来る魔力に胸を抑え、黒服の女子生徒が苦しんでいた。

 

 

 

 

 

 




アンケート締め切りました、ご投票ありがとうございます!
今回は100超えたものについて作っていこうかと思います。
 
 雪姫:ネギぼーずとネオパクしてトラウマを刻まれる話
 夏凜:カリンと「あの方†」との過去話
 キリヱ:刀太のお嫁さん選手権!の話

キャラクターごとの番外編?に関するアンケートです。投票数が多いキャラのものを作成していく予定です(人気投票ではないやつ)。ジャンルはギャグもシリアスも両方あります

  • 雪姫
  • 九郎丸
  • 夏凜
  • キリヱ
  • カトラス
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