今日は逃れられなかった・・・(深夜)
ST89.Memento Mori:Don't Notice
「そんな……『髭切』が…………、いくら『十蔵』が勝手に持ってきたものとはいえ、相当なお値打ち物だと聞いていたのに…………」
普段使っている日本刀なんだか西洋剣なんだか微妙な刀の刀身を見て、夏凜はそんな風に嘆いていた。かける言葉がない。ないというか、例によって「
言葉がないがそれはそうとしてその髭切と言う刀、もしかしなくても妖魔特攻なあたり源頼光伝説の茨木童子(鬼)の腕を斬ったとかでおなじみ「童子切安綱」とかだったりしませんかねぇ……。獅子巳十蔵あたりが持ってきたという情報から推察すると、レプリカとかでなければ準アーティファクト級な、一応国宝級のブツのはずなのですがねぇ(震え声)。
本日深夜、「トイレのサヨコさん」による連続殺人の防止のために戦った際に、武器が「折られて」しまったことである。実際問題私がカバーリングに入った時点で、水無瀬小夜子の従える亡者群に取り上げられて「腐食させられていた」せいもあり、見事に真っ二つ。落ち込む彼女は何を思ったか私と九郎丸とキリヱ三人を抱き寄せてぶつぶつと声をあげていた。一体この三人セットで何の癒しを求めているのだろうか。借りて来た猫のように目を丸くしてきょとんとしているキリヱはともかく、九郎丸は九郎丸で夏凜の折られたそれを見て、彼女同様愕然としている。
ますますレプリカではない国宝疑惑が湧いてくるのだが……、いや一旦置いておいて(白目)。
「――――霊的電子クラッキングへの『逆探知』率……、失敗。いけません。
分身体というべきでしょうか、しかし本体との連続性は権限的に低いものと言えます」
「えっと、どういうことッスか……?」
「アハハ、三太君。つまり『本体』が『分身体』に干渉することはできても『分身体』側から『本体』へは干渉できない。だから場所の特定に失敗した、みたいなことだね」
「その理解で問題ありません」
夏凜が普段以上に面倒くさい(断言)状況になったのから全力で目をそらしている三太と、そんな彼にレクチャーする一空に、何やら小難しいことを言っている茶々丸である。いや、そもそも逆探知とか言っているのだが心霊的な接触にそういった能力をかけることは出来るのだろうか……? いや、脳裏で今「ちゃおーん☆」と何処ぞのタイムパトロール見習いがウィンクしてきた映像が出て来たあたり、不可能ではないかもしれない。
絡繰茶々丸。正真正銘の
現在時系列「UQホルダー」においてはネギぼーず失踪にともない、雪姫の指示なのかとある富豪のご婦人のサポートをしているのだが、どうやら色々な経緯でその彼女からここに派遣されてきたらしい。
ちなみに製作者の片方は例の超鈴音である。宇宙人(ホンモノ)で未来人(ホンモノ)で異世界人(ホンモノ)で超能力者(疑惑の判定)がもたらした超技術により作り上げられた存在であるため、明らかに2000年代初頭における技術力を百年以上は余裕で上回っているオーバースペックなロボットさんだった。そのまま特に何ら問題なくこの時代まで稼働していることからしても、まさに異常の一言だろう。
そんな彼女のスペックをもってすれば、確かにそういう「よくわからない」攻防戦くらいは、先ほどの戦いと並行して行っていても不思議ではない。
さらにちなみにだが。何故我々が「トイレのサヨコさん」による事件の場所を特定できたかについて、その理由も大体彼女である。
『過去八十年に確認された事件のパターンから、おおよその事件発生範囲を絞り込みました。そこから学園長権限により「麻帆良防衛ネットワーク」管理AIへと接続し、各監視カメラ映像を精査します――――』
そんな一言と共におよそ三十秒ほど。デュナミスについて「かつてネギ・スプリングフィールドと敵対していた組織の魔法使い」というのをおおまかに説明した後に、私からの依頼を聞いて実行したのだ。そして本当に、なんら面白みもなく当たり前のように夢遊病ステップで歩く生徒たちを捕捉、その行動ルートを計算してこの教室、私とか九郎丸とかキリヱの通うこの校舎の一室を特定して今に至る。
やはり人間(
と、夜中の校庭というかトラックで叫ぶキリヱの声が響く響く。
「あーもうッ! とりあえず夏凜ちゃん、離して! はーなーしーてー! っていうか刀太も離しなさいよ、おっぱいで溺れてるじゃないの…………、溺れてるじゃないのッ!? 何、私に対する当てつけッ!!?」
「あっ……、で、でも……(無理やり逃げてないし、やっぱり大きい方が……)」
「キリヱ。貴女、刀太のことが好きなのですか?」
「いきなり何ブッ込んできてんのよーッ!!!?」
かりんちゃんさんはきょうもへいじょううんてんだ(白目)。
現実逃避しながらも涙目なキリヱに引っ張られて脱出(比喩)した私だったが、脱出したところで「ひし」と腕を掴まれるこの状況は一体どうなっているのやら。とりあえず九郎丸の腕も離し、私を引き寄せて腕を抱きしめ肩に頭を乗せてくる作戦に変更したらしい(意味不明)。
っていうかお顔が近い近い近い近い近い近い近いッ! お止めなすってくれませんかね色々時と場所と場合を考えて(嘆願)。
「今この場では別に問題もないでしょう」
「ナチュラルにこっちの考えてること読まないで……って、いや、あの、マジでどうしたッスか? そんなに刀折られたのがショックだったとか」
「いえ、そんなことはないわ。この国の文化的にはあまり宜しくはないかもしれないけれど、私個人としては然程。新しい武器をあつらえなければ程度の感想ね」
「文化的?」「やっぱホンモノっスかッ!?」「これ本物だよ刀太君!」
首をかしげるキリヱはこの手の話は然程造詣が深くないとみえる。が、そんなことはともかくと夏凜はクールな表情のまま続けた。
「少なくとも助けられたから、ちょっとくらいはお礼も兼ねまして」
「助けた……って、あー、さっきの?」
そういえば、誰しもが唐突に動かなくなった状態で「バケモノじみた」姿に変貌した水無瀬小夜子の分身体に夏凜がやられそうになったのを、
「いきなり全身拘束されたみたいな錯覚を覚えたわ。それくらい強い幻覚、ないし精神攻撃系の術で束縛されていたもの。いくら傷つかないからとはいっても、あのままだと色々と問題はあったから、助けてもらったのならお礼くらいするわ。ましてや『貴方』だもの」
「で、お礼が何でこういう展開に……、って無意味に正面から抱きしめられましてもッ!?」
「別におっぱいくらい触っても嫌ったりしないから、好きにして良いわよ?」
お礼の気持ちの表現方法がいくら何でもストロングスタイルすぎた(泡噴き)。いくら何でも「重ねている」人が人だからと言って好感度なのか過保護度なのか色々と振り切れすぎでは? いや本当どうしてこうなった(白目)。と、流石に背後で九郎丸とキリヱが声をあげる。当たり前と言えば当たり前だったが、三太が一切介入してこないあたり全力で面倒くさがられていないかな……? 悲しいなぁ(涙)。
「か、夏凜ちゃん本当最近どーしたの!? 貴女もっと源五郎とタメ張れるくらいクールな感じじゃなかった? 何かヘンな薬でも飲まされた? 惚れ薬とか、自白剤とかッ!!?」
そういうイベントは原作的な話をするともっと後に控えて居たりするからまだ大丈夫……、大丈夫? (???「手遅れの自覚はあるけど、距離感とかの感覚が壊れて来て『まだ大丈夫』って無意識に信じ込もうとしてるのかねぇ……」)
「そそそそ、そういうのは後で僕がやりますから、今はちょっと真面目な話ですから夏凜先輩!」
あとその発言は色々ともう無視できないレベルの問題が含まれているから九郎丸はちょっと落ち着け(震え声)。
その後、しばらくわちゃわちゃと引っ張り引っ張られを繰り返していた私だが、ふとよくよく考えれば違和感が湧いてくる。確か原作でも夏凜曰く「身体が動かない精神系への攻撃」、つまりは金縛りなどで動きを縛って延々と痛みを与え続けるようなそれが彼女の弱点(というか悪い相性?)であると言っていたが。別にそれは夏凜に限った話ではなく全員に言えることではないだろうか。とはいえ私以外は普段から防御結界ないし魔法アプリによる簡易バリアくらいは張っているだろうし、普通なら問題になるレベルではないはずだ。
だとすると、何故私はその影響を受けなかったのかという疑問が湧いてくる。別にこの
唯一、
『――――ふみゅッ!』
「きゃあッ!」「ひゃううぅ……」「に゛ゃんッ」
「おっと……ッ?」
唐突に私のポケットの携帯端末から「這い出て来た」小さい雷獣が、軽く放電して女子三人を引きはがした。私で綱引きされていた状態が解除され、足元でうずくまる三人。それを見て何か満足したのか再び携帯端末に戻っていく雷獣は、おねむの時間か何かだろうか。
……それぞれ九郎丸、夏凜、キリヱ大明神の声だったのだが、いや、まぁ何というか、声の調子に一番ギャップがおありですよね夏凜ちゃんさんとか何だあの幼い感じの可愛い悲鳴(可愛い)。逆にキリヱ大明神はちょっと汚い声だったりしてそれはそれで癒しと言うか。
九郎丸? ……まぁもはや普通に女子なのは知ってるので置いておいて(爆弾発言)。
「おー、ナイスタイミング! 茶々丸さんの解析が進んだらしいから、ラブコメってるところ悪いけれど時間いいかな?」
「あー、まぁ、ラブコメってるかどうかはともかく了解ッス」
そして一空の呼びかけに応じて、とりあえず三人に手を貸してから向かう。……なんとなく「あんまり羨ましくねぇなお前……」みたいな目で見て来るの止めろ三太、色々とメンタルに塩が塗り込まれて泣く(直喩)。なお一方の茶々丸はといえば「2010年代ごろのネギ先生……」などと謎ワードを呟いて来た。一体その年代に何があったって言うんですかねぇ……?(???「アレは……、お前の始めた物語ではないけれど、まぁガバだったよ」)
「で、一体何の話が進んだんスかね?」
「進んだ、というよりも一つの傾向があった、というのが正しいかもしれません。えぇと……少々お待ちを」
言いながら茶々丸はどこかから取り出したタブレット端末……、「私」的には一般的だがこの時代的には旧式のそれを操作し、何やら画面に3Dモデルのような「麻帆良学園」周辺図を出した。地図自体は駅の形状などから最新のもののようだが、左上にアマノミハシラではなく麻帆良と書かれているあたり、彼女なりのこだわりなのだろう。
と、それぞれに赤い旗のようなマークが数か所立つ。
「今まで『トイレのサヨコさん』事件があった箇所を確認すると、事件自体は学園都市ではなく学校施設全体の敷地内で行われているといえます」
「まあ学校のオバケだしね」
「…………」
「あー、三太、大丈夫か?」
「へ? あ、いや、問題ない。一応……」
事件現場が、小中高および大学、専門校問わずすべて「学園の敷地」内部。このあたりは図書館島で捜索するついでに調べていたので、覚えている話ではあったのだが。続けて語られた茶々丸の台詞に、少し耳を疑った。
「これらの事件の際に、妖魔の目撃情報、駆除案件の増加が確認されているそうです。学園統括AIからそう助言がありました」
「学園統括AI……」
まぁ名前からしてセキュリティとかそういうのをひとまとめに管理してるようなものなのだろうが、それがわざわざ「妖魔」について言及してくるとなると、少し違和感のようなものがある。いや、違和感というよりは「原作と比較して」ということなのだが。別に原作においては、妖魔の存在自体はそんなに取り上げられなかった(というよりは雑魚敵程度の扱いでしか出てこなかった)のが大きい。
そんなこちらの気も知らず、茶々丸はその3D地図の中心を指さす。
「旧・麻帆良学園に聳え立つ世界樹『神木・
「えっと、どうして全部人づてみたいな話し方なんですか? 茶々丸さん」
「……その、『私から』すれば人づてのようなものなので、時坂さん。
話を続けます。とはいえこうして噴き出した魔力自体は、学園内を結界に沿って回った後に世界樹本体へと循環するようになっているそうですが。この際、低位の妖魔であるならば循環に合わせて『世界樹に』吸収されるそうです」
「世界樹に集まって、吸収される――――」
ちょうど私の脳裏には、世界樹の真上にて何やら魔力を集めていたような水無瀬小夜子の姿が思い浮かんでいた。
「…………つまり、えっと、世界樹に?」
はい、と茶々丸は首肯。
「世界樹にて集まる魔力に『取り込まれない』レベルの存在となっているのならば。今までの出現箇所から考えて中心点であり、かつ『電子機器の設置が出来ない』世界樹の地下空間。その何処かの場所に該当者がいる可能性が高いと、統括AIたる『AI葉加瀬』と私との分析結果となっております。『自信ありありですよ~』とのことです」
ちょっと最後に色々受け止めきれないような情報ぶっ込んでくるの止めてくれませんかねぇ
アンケ締め切り予定:10/10
【緊急アンケ】雷獣(子)くんを今後どういうキャラでラーニングさせるか
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シワシワおっさん(CV子さん安イメージ)
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ヘッヘッヘな三下(CV金朋さんイメージ)