【妹が】猿だと思っていた妹に猿だと呼ばれた件について【魔法使い】 作:かりん2022
東京は大騒ぎになっていた。
なにせ、呪霊が暴れているのである。
呪術師・魔法使いの存在は光の速さで拡散され、引っ張りだことなっていた。
「うらぁっ」
「ありがとうございます、呪術師さん!」
「次はこっちを頼む!」
「ごめん、依頼してくれ!」
なにせ化け物が見えるものだから、それを倒せる呪術師の株はめちゃくちゃ上がった。
影に隠れて国民を守っていた正義のヒーロー。ただし致死率がひどく、ブラックな環境に耐えかねた呪術師が今回の革命に協力している。
そんなところまで拡散した。
呪術師を応援しよう。そんな寄付活動も盛んになった。
しかし、光あるところに闇あり。
上層部は殺到した依頼の処理で爆散した。ざまあ。
当然、一般の呪術師も仕事の山に埋もれ、今回ばかりは呪詛師も呪霊退治の仕事に勤しんだ。
一方その頃、優は高笑いをしていた。一瞬の栄光である。
「日本政府は平伏したわ! ほーっほっほっほ! なんだ、簡単じゃない、日本征服!」
「約束は守ってくださるんですよね?」
「ええ、配下を守るのは支配者の仕事。私に従うなら、東京を呪霊から守ってあげる」
「日本全域を守ってください」
「え?」
「平伏したのは日本なので、日本全域を守ってください。全地域が税金を払っているのですよ! 東京だけが税金を払っているのではないのですよ!」
「いきなりそれは無理よ! 人手も増やさないとだし、呪霊の現れない空間を作り出すと、電子機器が使えなくなるわ」
「なるほど。ならば、日本各地に呪霊の出現しない特区を作ることは」
「それは可能だけど……」
「じゃあ作りましょうそうしましょう」
「だから、待ちなさいよ!」
「東京中に呪霊が溢れている以上、状況は待ったなしです。貴方様のやったことでしょうに」
「私は見えるようにしただけよ。呪霊をばら撒いたわけではないわ。元からそこにいたのよ」
「見れば対処したくなるのが人です。貴方はパンドラの箱を開けてしまった。なので希望の役目を果たしてください」
「何よ! 私に働けっていうの!」
「支配者の義務です」
優はあっさりと政府の役人のペースに巻き込まれていった。
一方、傑はというと。
「んー! がんばったね、美々子、奈々子! 約束の一週間経ったから、一休みしようか!」
「ちょっと待った!!」
久々の毎日の労働(だが、たったの18時間労働なので呪専時代より楽だ)でちょっと体力を消耗した傑は、美々子と奈々子に休憩を申し出たところだった。そこに現れる日本から派遣された役人。
嫌な予感がする。
「日本は降伏したので、これからずっとお仕事は続けてもらいます!」
「何それ。悟はどうしたの? 日本が負けるわけがないじゃない」
反乱を起こしておいてなんだが、悟達が負ける未来が思い浮かばない。
夢は見れたし、後は永遠に眠らされるだけだと思っていたのだが。
「降伏した以上は、支配者の義務として守ってもらわねば困ります」
「だって、悟は?」
「可視化した呪霊退治で呪術界は完全にパンクしてお仕事マラソンです。一週間ほとんど寝れてないとか」
「そ、そんな」
「ですので貴方様も頑張ってください」
そも、公務員は実のところエリートほど仕事が大変なものである。国を支えるので当たり前のことではある。自分も毎日徹夜で頑張っているお役人様に、慈悲はない。だって自分もそうだもの。
傑は慌てて、優に休暇を申請に行った。
「優! 悟と私達と後輩と皆が過労死しちゃう!そういうの防ぐ為の魔法だろ!」
「違うけど。うーん。こっちも呪霊案件で嘆願が酷くて拉致があかないのよね。大儀式しますか」
「大儀式?」
「呪霊に限定して眠りの魔法を掛けるの」
「聞け! 日本政府は私に下った! つまり、呪術師も我が指揮下に入ったことになる! 最初の命令を下す! 呪術師は3日後から一週間仕事を禁ずる! 呪霊は眠りの魔法で暫く眠ってもらうこととする!」
それを聞いて、誰もが思った。
最初からそうしろよ、と。
さて、強力な呪霊以外は眠り、強力な呪霊は立ち入り禁止の処置がしてあるため、ようやく余裕が訪れた上層部。
彼らは当然、囚われの夏油ごと優の抹殺計画を始動するのだった。
応援するのは?
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頑張れ呪術師
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最初からやれ魔法使い
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寄付します猿
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実は大儀式の要ミミナナ