民間人の救出、避難等を続けるうちに数日が経過するとこの国の軍、いや、自衛隊といったか、が敵を殲滅し生き残った敵を捕虜とし、この過酷な状況が終わった。
「やっと終わったか。」
「そうだな。ところでマレニアさんはこれからどうするつもりで?」
「…わからない。」
「それもそうか。マレニアさんはあの門の先にある世界とこの世界でもない別の世界からやってきたんだったな。」
「そうだ。」
この数日で私が分かったことは異世界にやってきたこととこちら側、伊丹たちが住むこの日本という国の言葉を理解できることだ。
それ以外はわからない。なぜ、死んだはずの私が生きているのか。どうやって異世界へ来たのか。そして、今まで私を苦しめてきた朱い腐敗が体を蝕んでおらず、制御できているのか。
「…本当にこれからどうするべきか。」
「行く場所がないなら日本に住んでみないか?たぶん、いや、確実に保護されると思う。保護されても非人道的な扱いは受けない。それどころかマレニアさん、あんたに助けてもらった人が多いから手厚く歓迎されると思うよ。」
「ふむ…そうか…それなら保護されてみるとしよう。伊丹、数日だったが世話になった。」
「いや、こちらこそ協力してくれて感謝してるよ。」
「また会うことになればよろしく頼むぞ。」
「あぁまたな。」
私は伊丹に言われた通り、この日本という国に保護された。様々な検査をされたが体には特に異常は見つからず、元の世界では爛れていた箇所は爛れていなかったため、治療の必要はなかった。
そういったことの他に行ったことは私の世界に関することや私に対しての質問をされたが隠す必要もないので正直にすべてを答えた(話のほとんどを嘘だと思われているようだが…)。
こういったことを続けているといつの間にか脅威ではないと判断され、国の監視下の元、生活することになった。この国の常識を教えられ、普通に生活するための新たな義手も渡された。
これから私はこの国で穏やかな生活を送れるんだろうと思っているときだった。国から協力要請を受けた。それは、門の向こう側にある世界を調査するための調査員として自衛隊とともに向かってほしいというものだった。特別拒否する理由もなかったがなぜ私なのかという疑問に対して、私のもとに来た役人は通訳を頼みたいという理由だった。
私は保護されたときに理解できる言語、理解できない言語を調べられたときにすべての言語を理解できることが分かった。その際、敵であった者たちの言語も理解でき、話すことも読み書きもできるようになった。
そのことが理由で私に協力要請が来たのだろう。
私は協力する際の条件として、鎧と義手刀の使用許可を頼んでみるとすぐに許可された。
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自衛隊が本格的に門の向こう側、『特地』への調査が始まるところまで時間は進む。
「第三偵察隊の隊長に上番した伊丹です。じゃあ出発しよっか。」
伊丹耀司はそういい、隊員とともに車両に乗り込もうとしたとき、
「少し待ってもらおうか。」
「え?その声は…」
「久しぶりだな、伊丹。」
「マレニアさん!?」
「出発前にすまないが私も付いて行っても構わないか?先に行っておくが伊丹の上官に当たるものには話を付けている。」
「それ、もう決定事項ってことだよな?」
「そうだ。役割は通訳ということになっている。言語に対することは私を頼ってくれ。」
「マレニアさんがいるなら頼もしいよ。」
こうして、マレニアは伊丹耀司ら第三偵察隊の隊員らとともに行動することになった。