転生しちゃったみたいなので元いた時代を作りたい 作:Cucu
え〜っと...結局この時代には紙という非効率的なものは排除され、何か書くならタブレットなどでしか書けないと言われ、しかも、何かを書くより、頭の中で想像してそれを共有できるテクノロジーがあって、今はそれが主流らしいです....
そこで私たちは電脳世界の方が計画しやすいことに気づき、ついでに視聴者さんと一緒に計画しようということで私のチャンネルで配信することになりました。
私は家に戻り、頭に例の機械を装着します。
でも、ここで一つ問題が....
「え〜と?これどうやって配信するんでしょうか....」
そう。私は自分で配信を始める方法が分からないのです。前回はカエルちゃんのところで配信して、そこに入れてもらうという方法をとっていたので、あの世界へ入るだけで充分でした。配信の方法はわかったつもりでいましたけど、肝心なところを忘れていましたよ....
音量は前回のままなので大丈夫なはずだけど、その他はさっぱり。この時代の配信サイトは昔のものと違って全て記号で表されているようです。こんなの常識だからマークで十分だろってことかな....なんとも初心者に不親切な。もしかして学校で習ったりするのかな....
5分ほど困っていたら、カエルちゃんからメッセージが届きました。
『ミルちゃん大丈夫?なんかあった?』
しばらくしても配信を始めなかったので心配になったのでしょう。ナイスタイミングというかなんというか。助けていただくために返信します。
『すいません、配信開始の仕方さえわからなくて困っていたところです....』
『わかった!助けに行きます!』
その返信があって8秒。
私の家のチャイムがなった───
───いや、早すぎない??
家が隣だからって言っても早すぎるんだよ!
ワープでもした!?
ガチャ
「ミルちゃん!助けに来たよ!」
「早すぎます!」
どうやら、楽しみすぎて言葉通り飛び出してきたようでした。あんまりはしゃぎ過ぎると怪我とかしてしまいそうで心配です私....。でも、本当の妹ができたようで内心少し嬉しい気持ちがあったりします。
「配信はここをこうして、このボタンを押すだけだよ!」
設定などは必要なく、ボタンを2つ押すだけで配信はできるようです。よかった、簡単で。
「あ、はい。わかりました。ありがとうございます!」
「うん!さぁ!早く始めよ!」
カエルちゃんはどうしても待ちきれない様子です。楽しそうでこっちまでついつい楽しい気分になっちゃいますね!
「はい!行きましょう!私たちの世界に!」
◆
「みんなー!こんにちはー!カエルちゃんと「はい、ミルちゃんです!」
配信を始めると視聴者数が2人になった。さすがに急に始めると人は少ないようで、もっとたくさんに人に見てもらえてる配信者さんはどうやってあそこまで伸びているのかわかりませんね...
「来てくれてありがとうございます!今日は皆さんと一緒にやりたいことがあるのですよ。」
「実は、これからこの世界に私の想像する理想の世界を再現していきたいと思っています。これからその計画をして、今日は土台まで作れたらなって思ってます!」
この時代の現実再現って...なんだか私にはつまらなく思えますね。現実ってあのなんもないような世界のことでしょ?
「そうなんだ、昔もこういうのがあったんだ....私達が産まれる前の話かな?でもね、今回はすごいんだよ!再現するのはなんと300年前の日本!ミルちゃんが監修でガチガチに作りこんでいきたいんでみんなも協力してね!」
「あ、来てくれてありがとう!そう、300年前を再現しようかなって。」
そうなんですよね。昔の資料とか言っても何故かインターネットで検索してもほとんど引っかからなかったし、紙がないのだから本屋や図書館に行っても、というかそれが存在しないから、情報を集める手段がない。昔の風景は私の頭の中にある想像か、個人の誰かが所有しているものしかないのです。でも、個人の所有しているものなんて基本手に入らないので、私の記憶だよりなわけです。
「そう...訳あって私の頭の中にあるその過去の情報しか手がかりが無くて現在困ってるんです....だから、視聴者さんの手元にそういう昔の情報があったら貸して貰えないでしょうか、という意味での協力して欲しいって意味なんですけど....」
「ほんと!?」「ほんとですか!?」
私とカエルちゃんの声が同時に重なった。
「はい!もちろん待ってます!」
「やったね!ミルちゃん!情報があるかもだって!」
「ありがとうございます!本当に嬉しいです!その情報が届くまでに早く土台作っちゃいましょ!」
「まってミルちゃん!まずは計画するんでしょ!?」
「え、あ、はい!」
私としたことがついついテンションが上がって大事な工程をすっ飛ばしてしまうところでした。いけないいけない。
「えっと、まずは紙とペンを想像して....」
私の目の前に特大サイズの紙が現れた。
「デカ!?」
「さて皆さんも一緒に作っていきましょう!!」