仮面ライダーカブト - 恋人はワーム   作:桂ヒナギク

2 / 2
2.捜査

 自宅。

 光一は朝刊の新聞を読んでいた。

 昨日のワームの一戦は記事にはなっていなかった。

「記事にはなってないな」

「何が記事になってないの?」

「ドッペルゲンガーだよ。正体がわかったんだ」

「正体?」

「ワームっていう地球外生命体が存在するんだ」

「……。へえ、そうなんだ?」

 聡美の顔に影が差さる。

「でもあれほど否定してた光一くんがなんで?」

「この目で見たんだよ、ワームを」

「ふーん……」

「ZECT……一体どんな組織なんだ?」

「ZECT?」

「あ……いや、なんでもない。さて、仕事仕事」

 光一はそう言って家を出ていく。

 聡美は玄関の方を見た。

「大貫 光一」

 家を出たところで、光一は男に止められた。

「なんです?」

「私はこういうものだがね」

 男は懐から名刺を取り出した。

 名刺にはZECTと書かれている。

「君をライダーシステムの資格者として、ZECTに招待したい」

「僕には警察官という仕事がありますので」

「いいのかな? 及川 聡美くんがどうなっても?」

「……!」

「察しがついたようだね」

「今は仕事があるからな。後で連絡する」

 光一はそう言って車に乗り込むと、警視庁へ登庁した。

 部屋で捜査一課のメンバーと談笑している。

 電話が鳴り、事件の報が。

 現場は杉並区の廃墟ビル。

 廃墟というからには、防犯カメラもない。だが。

「白?」

 ダイイングメッセージが残っていたのだ。

「うん?」

 光一は被害者が今朝の男であることに気づく。

「こいつは……」

「何かご存知なんですか?」

黒沢(くろさわ) 大輝(だいき)。ZECTの職員だよ」

「またZECTですか」

「警察の皆さん」

 と、メガネをかけた男が現れる。

「私はZECTのものなんだがね、このヤマ、我々が預かることになった」

「ZECTとはなんなんだ?」

「ん? なんだ君は?」

「質問に答えろ」

「いいだろう。説明してやる。対ワーム組織だ」

「ZECTが介入するということは、ワームが関わってる。違うか?」

「名推理だよ、ポワロくん」

 と、その時、突風と共に男の体が吹っ飛んだ。

「クロックアップか?」

 光一はカブトゼクターを掴む。

 バックルに装填し、カブトに変身した。

「キャストオフ」

 ゼクターホーンを展開し、ライダーフォームにチェンジした。

 カブトは、目にも留まらぬ速度で駆け回る、カブトムシのようなワームを見た。

 スラップスイッチを叩くカブト。

 クロックアップが発動し、超高速で動き出す。

「貴様、何者だ?」

 ワームはこちらを見ると、姿をくらます。

 カブトはクロックアップから戻ると、ZECTの男に駆け寄った。

「おい、しっかりしろ」

 しかし、男は反応はしない。どうやら殺害されてしまったようだ。

「大貫さん」

「あ?」

 振り返るカブト。

「目撃者の方が……」

 カブトは変身を解くと、男性の元に移動した。

「なにを目撃したんですか?」

「このビルに出入りしている女を見たんです。とても綺麗な女でした」

「女……」

「綺麗な人だなって、しばらく見てたんです。そしたら、そしたら」

「怪物に変身したんですね?」

「は、はい!」

「で、あなたはこのビルに何の用があって?」

「実は私、解体業で、近々このビルを壊す予定だったんです。で、どういう壊し方が周りに迷惑をかけないか、視察を……」

「そうですか。後でどんな女性か話していただけますか?」

「え?」

「似顔絵を作りたいと思います」

「わかりました」

 捜査員は周辺の聞き込みをしつつ、男性に聴取して似顔絵を描いた。

「こ、これは……!?」

 似顔絵を見せられた光一は驚いた。

(聡美……!?)

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。