自宅。
光一は朝刊の新聞を読んでいた。
昨日のワームの一戦は記事にはなっていなかった。
「記事にはなってないな」
「何が記事になってないの?」
「ドッペルゲンガーだよ。正体がわかったんだ」
「正体?」
「ワームっていう地球外生命体が存在するんだ」
「……。へえ、そうなんだ?」
聡美の顔に影が差さる。
「でもあれほど否定してた光一くんがなんで?」
「この目で見たんだよ、ワームを」
「ふーん……」
「ZECT……一体どんな組織なんだ?」
「ZECT?」
「あ……いや、なんでもない。さて、仕事仕事」
光一はそう言って家を出ていく。
聡美は玄関の方を見た。
「大貫 光一」
家を出たところで、光一は男に止められた。
「なんです?」
「私はこういうものだがね」
男は懐から名刺を取り出した。
名刺にはZECTと書かれている。
「君をライダーシステムの資格者として、ZECTに招待したい」
「僕には警察官という仕事がありますので」
「いいのかな? 及川 聡美くんがどうなっても?」
「……!」
「察しがついたようだね」
「今は仕事があるからな。後で連絡する」
光一はそう言って車に乗り込むと、警視庁へ登庁した。
部屋で捜査一課のメンバーと談笑している。
電話が鳴り、事件の報が。
現場は杉並区の廃墟ビル。
廃墟というからには、防犯カメラもない。だが。
「白?」
ダイイングメッセージが残っていたのだ。
「うん?」
光一は被害者が今朝の男であることに気づく。
「こいつは……」
「何かご存知なんですか?」
「
「またZECTですか」
「警察の皆さん」
と、メガネをかけた男が現れる。
「私はZECTのものなんだがね、このヤマ、我々が預かることになった」
「ZECTとはなんなんだ?」
「ん? なんだ君は?」
「質問に答えろ」
「いいだろう。説明してやる。対ワーム組織だ」
「ZECTが介入するということは、ワームが関わってる。違うか?」
「名推理だよ、ポワロくん」
と、その時、突風と共に男の体が吹っ飛んだ。
「クロックアップか?」
光一はカブトゼクターを掴む。
バックルに装填し、カブトに変身した。
「キャストオフ」
ゼクターホーンを展開し、ライダーフォームにチェンジした。
カブトは、目にも留まらぬ速度で駆け回る、カブトムシのようなワームを見た。
スラップスイッチを叩くカブト。
クロックアップが発動し、超高速で動き出す。
「貴様、何者だ?」
ワームはこちらを見ると、姿をくらます。
カブトはクロックアップから戻ると、ZECTの男に駆け寄った。
「おい、しっかりしろ」
しかし、男は反応はしない。どうやら殺害されてしまったようだ。
「大貫さん」
「あ?」
振り返るカブト。
「目撃者の方が……」
カブトは変身を解くと、男性の元に移動した。
「なにを目撃したんですか?」
「このビルに出入りしている女を見たんです。とても綺麗な女でした」
「女……」
「綺麗な人だなって、しばらく見てたんです。そしたら、そしたら」
「怪物に変身したんですね?」
「は、はい!」
「で、あなたはこのビルに何の用があって?」
「実は私、解体業で、近々このビルを壊す予定だったんです。で、どういう壊し方が周りに迷惑をかけないか、視察を……」
「そうですか。後でどんな女性か話していただけますか?」
「え?」
「似顔絵を作りたいと思います」
「わかりました」
捜査員は周辺の聞き込みをしつつ、男性に聴取して似顔絵を描いた。
「こ、これは……!?」
似顔絵を見せられた光一は驚いた。
(聡美……!?)