ウマ娘三部作Secondシーズン 鮮血の女王 ~メディアの覚醒~【完結】   作:DX鶏がらスープ

18 / 48

Q.遅くなるんじゃなかったの?

A.それはそれとして、できちゃったんだからしょうがない!(開き直り)

ということで、少しだけ更新します



第四部 ライスシャワー 宝塚記念編
落涙


 

 

変な奴

それが率直な感想だった

 

 

 

(「...あっはははははははっ!!」)

 

(「!?な、なによ!!何も笑うことなんて...」)

 

夕焼けに染まる空に、目の前のトレーナーの笑い声が高らかに響く

そして、それに対して怒りに震えながらも、内心なんなのだろうかコイツはと、アタシは首をかしげる

 

だって初めて会った時、アンタはまるで死んだような目をしていたから

世の中の全てを諦めたような、そんなどうしようもなく空っぽで、見ているこっちがゾッとするような...そんなあまりにも空虚で悲しそうな目をしていたから

なのに...

 

(「はははっ...いや、申し訳ないスカーレットさん。別にキミのことを笑ったわけではないんだ。誤解させてしまったのなら悪かった」)

 

(「は、はあっ?」)

 

意味が分からないその言葉に、アタシも思わずそんな声が出る

 

そうだ

なのに、あの時

泣きそうな顔でアタシに声をかけたアンタは、なぜかいきなり大笑いし始めて...

 

(「...うん、そうか。そうだよね。それなら、僕も...」)

 

(「...アンタ、何を一人でごちゃごちゃと...」)

 

(「ダイワスカーレット!!」)

 

(「!!」)

 

いきなり大声で名前を呼ばれて、反射的に背筋が伸びる

 

そして次に顔を上げた時、アンタはそれはそれはひっどい顔でボロボロ涙を溢しながら、それでも心の底から嬉しそうな顔で笑っていて...

 

 

(「僕を...僕を...!」)

 

 

...ねぇ、トレーナー

アンタは一体何がそんなに嬉しかったの?

一体アタシの何が、アンタの琴線に触れたっていうの?

そして、どうして...

 

 

(「君の!トレーナーにしてくれないか!?」)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...どうして、アンタはアタシを選んだの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.............

 

 

 

.........

 

 

 

...

 

 

 

「.........ん?」

 

自分が目を閉じていることに気が付いたアタシは、ゆっくりと目を開ける。するとそこにあるのは、何の飾り気もない白いリノリウムの天井。ツルツルに磨き上げられたそれには汚れ一つなく、清潔な印象を与えるそれを、なんとなくぼんやりと見つめる

そして、アタシがようやくたどり着いたのは一つの疑問だ

すなわち

 

「...ここ、どこ?」

 

そんな当たり前の疑問と共に、アタシは体を起こす

とは言え、場所自体の検討はついている。

 

いつの間にか寝かされていたベットと、これもまたいつの間にか着替えさせられていた簡素な服

あたりに漂う薬品の臭いに、恐らくその発生源であろう各種の瓶が綺麗に並べられた棚が、視線のはしに映る

そして何より、いつも見ているわけでなくとも、それでもアタシはこのリノリウムの天井には見覚えがあって...

 

(「ん?君は確か...」)

 

「...」

 

目の前を一瞬過った光景に、アタシは頭を振る

 

それでも、アタシは自分の現在地に関しては一瞬で把握する。

ここは、そう。トレセン学園の保健室だ。

 

だけど、そんな場所になぜ自分がいるのか、それが分からない

生憎と直近の記憶が曖昧で、本当に心当たりというものが一つもない。

故に

 

「う~ん?」

 

首をかしげる

だが、それで状況が変化するわけでもない

誰もいない、静まり返った保健室のベッドの上で、自身が置かれた奇妙な状況に、アタシが頭を捻っている時だった

 

 

 

「あ!起きたんだね、スカーレットちゃん!!」

 

 

 

そんな声に振り向くと、保健室の入り口に、二人のウマ娘が立っている。そしてその二人に、アタシは微かに見覚えがあって...

 

「えっと、確か...」

 

「あ...

も、もしかして覚えてない?」

 

途端にちょっと泣きそうな顔になるライスさんに、アタシは慌てて言葉を繋ぐ

 

「い、いえ!

ライスシャワーさんに、ミホノブルボンさん...ですよね?」

 

「その通りです、スカーレットさん。改めまして、こんにちは

体の具合はいかがですか?」

 

「いえ、その...それ以前に今の状況がよく分からなくて...」

 

「なるほど...少々記憶が混濁しているようですね。どこまで覚えていますか?」

 

アタシのベッドの近くにあった椅子に腰掛けながら、ブルボンさんがそう聞いてくる。

そして、その言葉に思い出すのは、二人との出会いの場面

確か、いきなり現れた二人に自己紹介をされて...

 

「あの後すぐ、あなたは意識を失いました」

 

「え、えぇっ!?」

 

さらりと衝撃的なことを告げるブルボンさんに、流石にアタシも動揺する。

 

でも、考えてみればそれも当たり前の話で...

 

「ス、スカーレットちゃんすごい熱だったんだよ!」

 

ライスさんがそこで口を挟む

 

「よ、呼び掛けても全然答えてくれなくて、おまけにすっごく苦しそうで...」

 

「ですから、私とライスさんで慌ててアナタを保健室まで運び、今に至る...というところですね。

状況は理解できましたか?」

 

「...はい」

 

心配そうにこちらを見つめるライスさんと、無表情ながらもどこか咎めるようなブルボンさんからの状況説明に、居たたまれなくなったアタシは小さな声で返事をする

 

そう、確かに考えてみれば当然なのだ。自分がどのくらい外にいたのか、正確なところは分からないが、それでも大雨の中傘も刺さずにウロウロしていれば、それは風邪の一つも引くというもの

まして、病み上がりの体だ。

ろくに体を動かしていない今、免疫機能なんかもそれ相応に下がっているであろうことを考えれば、この結果は至極当然のことと言える

 

だからこそ

 

「...助けていただいて、ありがとうございます」

 

そうアタシは深々と頭を下げる

何せ、この二人がいなかったら...降りしきる大雨の中、意識がないままで放置されることになっていたとしたら、もっと酷いことになった可能性すらあったのだ。

大袈裟でもなんでもなく、彼女達は命の恩人と言っても過言ではない

だから、アタシは素直に二人に感謝を述べる

 

「わ!わ!べ、別にそこまでしなくて良いよスカーレットちゃん!!あ、頭を上げて!!」

 

「...まぁ、幸い命に関わるような状況には至りませんでした。

ですから、必要以上に私達に感謝する必要はありませんが...次からは気を付けてくださいね」

 

「はい...」

 

慌てて手を振るライスさんの横で、ブルボンさんは冷静にアタシの感謝を受け取りつつ、注意喚起を促す

その様は、端から見ると一見冷たいように思えるかもしれなかったけど

 

「...とは言え、やはり無事で良かったです。スカーレットさん」

 

そうホッとしたように微笑む姿は、彼女が本当はとても優しい人だということを物語っていて

 

「うんうん!スカーレットちゃんが無事で、本当に良かったよ!!」

 

ブルボンさんの隣に座っていたライスさんも、そう追従する

 

アタシ達の間になごやかな雰囲気が流れる

 

そこで、アタシは何となく気になっていたことを二人に聞いてみた

 

「そう言えば、二人はどうしてあんな時間にあんなところに?」

 

そこにいた自分が言うのもなんだが、寮の門限はとっくに過ぎていたはず

そしてあの大雨だ。

何か用事でもなければ、普通はあんな場所をあんな時間に通りかかることなどないだろう。

 

そんなアタシの疑問に、ライスさんが苦笑いする

 

「あはは...じ、実はライス、体育倉庫の掃除をしてたら運悪く中に閉じ込められちゃって...」

 

曰く、奥の方の掃除をしていたら、それに気づかなかった誰かが、体育倉庫の鍵を閉めてしまったらしく、外に出られなくなったのだそうだ。

 

「ス、スマホも電源切れで、もうダメかと...」

 

「それで、帰りが遅いライスさんを私が探しに行っていたと言うわけです」

 

「うぅ...ご、ごめんねブルボンさん。ラ、ライスのせいで...」

 

「いえ、別にあなたの責任ではありません。どちらかというと、ライスさんに気付かずに鍵を閉めた誰かの責任です」

 

そう言いながら、ブルボンさんはライスさんの頭をそっと撫でる

 

「ふぇっ!?ブ、ブルボンさん!?」

 

「...前々から言っていますが、ライスさん。

もっとあなたは自分に自身を持ってください。

それに足るだけのものを、あなたは持っているのですから...」

 

「!う、うん!ありがとうブルボンさん!!」

 

耳をピョコピョコと動かし、ライスさんは嬉しそうに微笑む

その姿は非常に微笑ましいもので、見ているこっちまでほっこりしてしまう

そして、そんなライスさんの頭を撫でるブルボンさんも、とても優しい顔をしている。

だから...

 

「...本当に、仲が良いんですね」

 

アタシの口からそんな言葉が出るのは当然のことで

 

「ふあっ!?こ、これはその...え、えっとえっと...」

 

「はい。私とライスさんは親友ですから」

 

「ブ、ブルボンさん!?」

 

間髪いれずに即答するブルボンさんの肩を、顔を真っ赤にしたライスさんがガクガク揺らす。

そんな二人の仲睦まじい姿に、思わずアタシは笑ってしまって...

 

「...?スカーレットさん?」

 

と、そこでブルボンさんが何故か怪訝そうな顔でこちらを見つめる

だからアタシは、それに疑問を感じながら彼女の呼び掛けに応じて...

 

「?はい、なんですか?」

 

 

 

「...どうして、泣いているんですか?」

 

 

 





なぜでしょう?

殿下とシャカールもそうですが、カップリング的なウマ娘を出すと、勝手にイチャイチャし始めるんですよね

もしかして...

作者は潜在的なキマシタワー建造の欲求に苛まれる
→
欲求に従い、高度成長気並みの建造ラッシュを起こす
→
しかし体は闘争を求める
→
フロムがアーマード・コアの新作を出す

なるほど...完全に理解した!!(瞳孔ガン開き、なお脳にある瞳の瞳孔の模様)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。