ウマ娘三部作Secondシーズン 鮮血の女王 ~メディアの覚醒~【完結】   作:DX鶏がらスープ

20 / 48


忙しいのは本当なんですよ?
引っ越ししたり、資格の勉強したり、
はたまた諸事情で地球の裏側まで飛んでいったり

今本当に忙しくて...
だから投稿が遅れるって言ったのは、決して嘘じゃないんです
今執筆の優先順位を下げて、休日しか書いてないですから

...なので、わりといつも通りの期間でできちゃったからと言って、これからも同じ位の期間で書けるわけではないですからね?(説得力0)
だから、お願いですから(今回みたいに結果的に間に合うケースが多発したとしても)あんまり急かさないでくださいね?(懇願)

以上、二度も遅くなるとか言いながらも意外と間に合ってしまい、冷や汗だらだらの作者からでした!

それでは本編どうぞ!!





Dark blue

 

 

運命、っていう言葉がアタシは嫌いだ

 

 

だってそれは、物事が全部最初から決まってるってことだから

結末は全部決まってる

だからこそ努力なんて無駄だって、そう言っているような言葉だから

 

だから、アタシは運命っていう言葉が嫌いだ

そんな言葉、アタシは絶対に信じない

そんな言い訳を絶対に認めてやるもんかって、そう信じて今まで走ってきたし、きっとこれからもそれは変わらない

 

アタシは、運命なんて信じない

 

それでも...

 

(「離してください!タキオンさん!!」)

 

(「やれやれ、君も大概頑固だねぇ!スカーレット君!!」)

 

...あぁ、それでも

そんな考えで生きていたアタシだからこそ、これを認めるのはすっごく癪だし、とっても悔しい

出来ることなら否定したいって今でも思う

それでも...

 

(「くっ!?」)

 

(「まったく...言わんこっちゃない...」)

 

それでも...そんな自分の矜持に反することだとしても、一つだけ思うことがある

それは、あの出会いが必然だったってこと

きっとあれは、偶然なんかじゃなかったってこと

 

そう、本当はこんな言葉絶対に使いたくないけど、それでもきっと...――

 

(「アタシは...アタシは...!!」)

 

 

 

(「ん?君は確か...」)

 

 

 

――...それでも、あの出会いはきっと運命だったって、今でもアタシはそう思ってる

 

 

 

.............

 

 

 

.........

 

 

 

...

 

 

 

衆知の通り、トレセン学園は全寮制だ。

 

これにはトレセン学園がウマ娘という特殊な種族の学校であるからだとか、アスリート養成のための専門学校であるからだとか色々と理由があるけど、ともかくこの学園に在籍するウマ娘達は皆、自分の家から出てトレセン学園の寮に入ることになっている

これはつまり、トレセンにいる間はそこに通うウマ娘達の住所は固定されているってことで、だから在学生であるアタシ達は、友達の所属寮と部屋番号さえ知っていれば、いつでも互いの部屋に遊びに行ける。これはアタシ達学生としては結構便利なことだけど、当然学園もこのことは把握していて、時には学園側がそのシステムを利用することもある。

その実例としては、例えば授業を欠席した生徒がいれば、同じ寮のウマ娘にその日の配布物なんかを届けるのを任せるって感じで、だからこそ

 

「それじゃあスカーレットちゃん、プリントとノートはここに置いとくから。お大事に、ね」

 

そう言って友人が去っていってから、アタシは自室のドアを開ける

するとそこには、言葉通りに今日の授業のノートとプリントが置いてある。アタシはそれを少しの間見つめると、手に取った

 

時刻はお昼時

平日と違い、午前中で授業が終わる土曜日のお昼というだけあって、寮の廊下には誰もいない

 

眠くなるような穏やかな陽気の中で、無人の廊下に落ちた日差しが、柱の影を長く伸ばす

普段なら住人であるウマ娘達のお喋りが聞こえてくる廊下も、今の時間帯では外から聞こえてくる鳥の囀りだけが唯一の音源だ

 

そんな中、授業を欠席したアタシの為に、その日のプリントとノートを届けてくれた子の足音がもうすっかり消えた廊下で、アタシは自室のドアを閉めて、ふぅ、とため息をつく

 

それは単純にドアの前まで歩いていくのがおっくうだったからで...しかし先の友人の言葉をふと思い出したアタシは申し訳ない気分になる

なぜなら、彼女は特に気負った風でもない普通の態度で、アタシにノートとプリントを届けてくれたから

それこそまるで、世界は平和そのもので、何も変なことは起きていないような、そんな普通の態度を貫き通してくれたからであって、それはつまり...

 

(...気を遣ってくれてる、ってことよね)

 

...もう3日位になるだろうか?

理由も告げずに学園をサボって自室に引きこもっているアタシは、友人の優しさに感謝した

 

 

 

 

 

イチバンになる

 

 

 

それが、これまでの人生におけるアタシの至上命題だった

 

 

 

...だからこそ、それを失ってしまったアタシには、もう何もかもが分からなくなってしまった

 

友人が届けてくれたものを机の上に置いて、アタシは自分のベッドの上に体を投げ出す

 

消された照明、締めきられたカーテン

 

真っ昼間だというのに薄暗い部屋の中で、ボンヤリと天井を見つめる自身の現状が、普段の自分からはあまりにもかけ離れていることなんて、自分が一番分かっている

 

まして、ここに来て学園の無断ボイコットだ

これのどこがイチバンのウマ娘の姿なのだろうか。いやむしろ、それは普段から振る舞っている優等生としての姿ですらない

 

でも、それでもアタシはそんな現状を何とかすることが出来ない

この状況が好ましくないことなんて分かってるのに、体が動かない

それは間違いなくダイワスカーレットというウマ娘にとって、あってはならない事態

本来なら、どんなことをしてでもなんとかするべき事態...だけど

 

(あるいは...)

 

もしかしたらこれで良いのかもしれないなんて、そんなことを思ってしまうのはアタシの心の弱さだろうか?

きっとそれは半分正解で、だけど半分間違ってる

だってアタシの大事にしていたものは...欲しかったものは...

 

(「ごめん...なさい...トレーナー...さん...!」)

 

耳が痛くなる程の静けさに包まれた部屋で、それでも耳の奥に響くのは降りしきるあの日の雨の音

 

それが幻聴だなんてことは、考えるまでもない

それが今目の前で起こっていることじゃないことなんてことも、考えるまでもない

それが...決してアタシの責任じゃないなんてことに至っては、それこそ考えるまでもない

 

だけど...それでもそれが、アタシの行き着く先にあるものであることは間違いなくて...

それが、今まで信じてきたものの、本当の姿であることは間違いなくて...

 

「...だったら」

 

だからこそ、アタシは動けない

自分の信じていていたものを、自分の走る理由を失ってしまったアタシには、もう何も残っていない

空っぽ、かつて言われたその言葉通りの状態に成り下がってしまったアタシには、もう何が正義で何が悪なのか...自分がこれからどうすれば良いのかが何も分からなくなってしまって...

 

「...どうしたら良いって、いうのよ...」

 

ポツリとこぼれたその言葉が、暗い部屋の中に溶けていく

だけど、アタシ以外誰もいないその部屋に、答えてくれる人なんているわけがない

だからこそ、部屋に明かりは灯らない。周囲を押し潰すような重苦しい沈黙と闇の中で、力が抜けた体が、次第に横たわっているベッドの中に沈んでいく

だけど、それは全然苦痛じゃない

むしろ、ボロボロになった心と体を、辺りを覆う闇が優しく染み込んでくれるような気がして...

 

(...もし、このまま)

 

このまま、消えることが出来たなら...

そんなことがふと脳裏を過る

だけど、そんな思考さえも、あたりを包む優しい暗闇の中に溶けて消えていく

だからアタシも、そのまま周囲の闇と同化するように、その意識を闇の中へと落とそうとして...

 

 

 

 

 

 

(「スカーレットちゃんへ」)

 

 

 

 

 

 

その一文が脳裏を掠めたのは、本当に一瞬のこと

だけど、一度それを意識してしまうと

 

(「...ねぇ、スカーレットちゃん。もし...もし良かったらなんだけど...――」)

 

胸に去来するのは、純粋な感謝と敬意、そして...

 

(「...ーーライスの最後の走りを、見てくれないかな?」)

 

微かな罪悪感で...

 

「...」

 

ムクリと、沈みかけていた意識と共に、ベッドから体を起こす

そしてそのまま側にあったスマホに手を伸ばして...

 

 

 

...思えば、それは本当に偶然のタイミングだった

あの時貰った手紙、それをたまたま思い出してしまったからこそ、アタシはスマホを開いた

決してタイミングを狙っていたわけでもなければ、何か考えがあったわけでもない

 

 

 

開いたスマホの画面から、アタシはとあるレースの生放送の配信を探す

探していたものはすぐに見つかり、スピーカーから漏れでる観客席の熱狂が部屋の静寂を打ち破り、スマホの画面から放たれる白い光が、暗い部屋の一角を明るく照らし出す

 

 

 

ただ彼女の姿を見たい、それだけ。結局誘いに対して首を縦にはふらなかったけど...それでもせめて、例え現地でなくてもその走る姿位は見ておくべきなのかもしれない、そう思っただけで...

 

「あ、ライスさん...だ...?」

 

だからアタシは、スマホでその映像を見た瞬間、何が起こっているのか一瞬分からなくて...目の前の光景を、正しく認識することができなくて...

だからこそ、それを正しく認識した瞬間...

 

 

 

『じ、事故です!事故が発生しました!!ライスシャワー選手が転倒しました!!』

 

 

 

...アタシは部屋を飛び出した

 

 

 






ちなみにこの前、ようやく『トップガン』見に行けました
ぱかチューブのマヤちゃんとブライアンの宣伝動画を見たのをきっかけに行ったのですが...えぇ、そうですね最の高でした。
やっぱりカッコいいですね、○ムクルーズ
ウマ娘コラボとか一切抜きで、普通に神作でした
前作見てないのですが、それでもかなり楽しめました。
やっぱり良いものは良いものですね、うん。




...え?限定特典のマヤちゃんのブロマイド?





行ったときにはとっくに配布終了してましたが、なにか?(血涙)



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。