ウマ娘三部作Secondシーズン 鮮血の女王 ~メディアの覚醒~【完結】   作:DX鶏がらスープ

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人はどうして生きるのか?

簡単なことだ

生きたいと願うからだ




エピローグ

 

 

(「...すみません、スカーレットさん。意地悪を言い過ぎましたね」)

 

(「ですが、スカーレットさん。私もまたこれでも元無敗の二冠ウマ娘です

ですからライスさん程ではなくても、それでもある程度はあなたの心情を察することはできると思っています

だからこそ...えぇ、聞き方が悪かったですね」)

 

(「スカーレットさん、あなたは本当にただ一番になれれば満足だったのですか?レースで一番になれさえすれば良い、あなたは本当にそう考えていたのですか?」)

 

(「あなたが本当に欲しかったものは、本当に一番になることそのものだったのですか?」)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?年後

某国某所 とあるレース場

 

 

 

真紅の颶風がターフを駆け抜けた

 

 

 

『一着は■■■選手!■■■選手!』

 

そんな実況の声がレース場に響く中、しかし観客席は奇妙な程に静まり返っている

何万人もの人々を収容できる広大な面積をほこる巨大な施設

それに見合った動員数が確保されている観客席に満ちる空気はしかしひどく痛々しく、そして重苦しい

今日一番盛り上がるはずのメインレースの後とは到底思えないような鉛のような沈黙が周囲に立ち込めている

 

そんな中、一着でゴールに飛び込んだ少女は息を整えると、今まで走ってきたターフを振り返る

するとそこにはちょうど今、自身が下した何人ものウマ娘達がいて...

 

「はあっ...はあっ...はあっ...」

 

「くそっ!くそっ!!」

 

「あ...うぁ...」

 

彼女達の反応は様々だった

ただただ悔しげに少女を睨む者や自身の無力に憤る者、敗北のショックに耐えきれずに泣き出してしまう者まで実に多種多様

そこにはまさに地獄が...他ならぬ少女自身が作り出した地獄の光景が現出していて...

 

「...」

 

じっと、その光景を見つめる少女にしかし、観客席からの視線がまとわりつく

 

恐怖、嫌悪、赫怒、怨嗟、etc、etc...

粘りつくような、ともすればそのまま彼女を絞め殺してしまいそうなまでに重いそれは、すでに一種の呪詛の域にまで踏み込んでいる

そしてそれは彼女が勝利するごとに醜悪でおぞましいものとなっていく

 

だからこそ、きっと少女の命はそう長くない

平気そうな顔で取り繕っていても、それでも世界の悪意は確実に彼女の身体を蝕んでいる

 

遠からず、それに少女の体が耐えきれなくなる日は来るに違いない

 

...それでも

 

 

 

(「待ってるから!」)

 

 

 

少女は微笑む

なぜなら彼女は信じているから

 

(「君が至るイチバンの先で、僕は待ってるから!!」)

 

必ず、もう一度会えると

いつか走り抜いたその先に、きっと懐かしい彼と共に笑い合える日が来ると、そう信じているから

 

故にこそ少女は振り返る

自身を排斥する世界に対して、それでも正面から向き合う

 

スッと彼女が右手を上げる

高く高く掲げられた人差し指

それは間違いなく己の勝利を誇示する行為であり、だからこそ、それと共に彼女を貫く視線が更に鋭くなる

 

それでも彼女は手を下ろさない

誰がなんと言おうとも、それでも自分が勝ったことは事実だから

今まで積み重ねてきたすべての上に、この勝利があることだけは誰にも否定できないから

 

あぁ、だからこそ少女は胸を張るのだ

彼女に決して良い顔などしない、どころかあまりにも悪辣でおぞましい世界に向かって、それでも彼女は誇らしげに笑いかける

自分は自身の人生に後悔などしないと

自分はイチバンのウマ娘なんだと、堂々と宣言し続ける

 

きっといつまでも、いつまでも

その長く苦しい、誰からも望まれない...それでも少女自身が望んだ・・・・・・・・旅路が終わるまで、きっと彼女は笑い続けるのだろう

 

少女の世界が終わる、その日まで

彼女が立ち止まることは決してないのだから

 

 

 

――かつて、とあるウマ娘がいた

 

“鮮血の女王”と呼ばれた彼女は、国内のレースを荒らすだけに飽きたらず、やがて世界中のレースを荒らしに荒らし回ったというが、そんな彼女は引退と同時に失踪し、その行方をくらませたとも伝えられている

 

まるで流星のように現れ、歴史に深く大きな傷痕を刻み付けてどこかへと去っていった、今でもなお最強と詠われる幻のウマ娘

 

彼女のその後を知る者は、誰もいない...

 

 

 






以上で『鮮血の女王~メディアの覚醒~』は終わりです。ここまでお付き合い下さった皆様、本当にありがとうございました!

今だから言いますが、正直この作品に関しては作者、完成させられるビジョンがまっっったく見えなかったんですよね。
と言うのも、前回の作品が某魔法学校の作者の如く、降って沸いたインスピレーションをそのまま紙に書き連ねたものだったのに対して、今回は一からあれこれ設定して脳内シュミレーションだけで書いたお話だったからです。前回ほど明確なプロットがなかったので、それはもう大変でした。

それでも、そんな作品をちゃんと完結まで持っていけたのは、ここまで読んでくださった皆様のお陰です。
辛くて苦しい時、それでも読んでくださる皆様がいたからこそ、作者も奮起できたのです。
本当に本当にありがとうございました!!















































「言ったはずだよ?私は必ず二人を救ってみせるって」





























ザァザァと飛沫を上げる土砂降りの雨の中で

「...もしかしたら、君は今のままでも幸せなのかもしれない
ただ楽しく走り続けること、それ以上の幸せはウマ娘にはないのかもしれない」

青年が出会ったウマ娘は

「...もしかしたら、俺は君を地獄に落とすのかもしれない
この手を取った瞬間に、君は戻れなくなる。二度とこれまでのようには走れなくなる」

泥だらけで傷だらけのその少女は

「それでも...もし叶うのなら
君がこの手を取ってくれるというのなら」

それでも走りたいと、ひたむきに願うそのウマ娘は



「俺は...――」

トレセン学園の誰からも見放された





「...――君を勝たせたい!!」

史上最弱のウマ娘・・・・・・・・!!



BGM
『櫻の詩』
はな



すべての因果が今ここに終結する!

「あなたに、あの子を救えるの!?」

王冠は継承される!

「受けよう!世紀末覇王として!!」

これが最後!

「私、日本一のウマ娘になります!!」

鮮血の女王が流した涙が

「世界の秘密、知りたくない?」

片翼の撃墜王が紡いだ未来が

「始めましてだね!■■■ちゃんのトレーナーちゃん☆」

今ここに、一つの奇跡を起こす!!
































「何度も負けた。負け続けた。誰よりも踠いて苦しんで、それでも僕らは勝てなかった」

「泣いたのは一度や二度じゃない。つらくて悲しくて悔しくて、挫けそうになったのはもう何度目かな?」

「「それでも」」

「僕らは立ち上がった」

「大好きなトレーナーやみんなが応援してくれたから!
そんなみんなを笑顔にしたかったから!!」

「それでも勝ちたいって思ったから!
いつか冬は終わるって
純白の雪原の彼方に、暖かな日溜まりがあるって信じてたから!!」

「そう!わたしの!!」

「僕の!!」



「「わたしの僕の名前は!!」」



片翼の撃墜王、改め

ウマ娘三部作・・・・・・Fainalシーズン!!





真冬の桜冠おうかん~ペルセウスの詩~





「見てて、トレーナー!
わたし、必ず一着取ってくるから!!」

すべての夢に、意味はある

「あぁ...行ってこい。そして――」

だから進もう

「――勝て!ウララ!!」

この冬の果て
そこにはきっと、満開の桜の花が咲いていると信じて...


鋭意準備中!!


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