ウマ娘三部作Secondシーズン 鮮血の女王 ~メディアの覚醒~【完結】   作:DX鶏がらスープ

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Q.なんでこんなに更新遅くなったの?

A.それは勿論来るアリエス杯に向けて、SSマヤちゃんを育成していたからで.........げふんごほん!!

はい、更新が遅くなってしまって申し訳ありません。
主な理由としましては、単純に物語の解像度が中々上がらなかったのと、
途中でコペルニクス並みの設定の大変更があったからです。
後者に関しては、別にこの物語の本筋にはあまり関係がないんですがね。

それではスタートです!!



第二部 ダイワスカーレット 大阪杯編 前編
Another view 1


 

ポツ、ポツ、ポツ

 

 

 

気まぐれな空は、相変わらず陰鬱な様相を呈している

そして、そんな中を傘をさしながら歩く

 

 

 

ポツ、ポツ、ポツ

 

 

 

傘が雨を弾く

天から溢れ落ちる涙は、しかしながら笠の下を濡らすこと無く阻まれて、落ちていく。お陰で傘の下は安全地帯だ。そこにいる限り濡れることはない。

とは言え

 

 

 

ポツ、ポツ、ポツ

 

 

 

降り注ぐ雨が、傘にぶつかってはリズミカルに音をたてる。そしてそれは、一定のリズムを刻みながら、一滴、また一滴と、傘の先から再び地面へと降下を始める

 

 

 

ポツ、ポツ、ポツ

 

 

 

その様はまるで打楽器のよう。予め定められた楽譜に従って、全体のリズムを刻み続ける、そんな楽器の演奏のようだ。

だけど...

 

(いくらリズムを刻んでも...)

 

そこでふと足を止める。

そして、なんとなく周囲を見渡す。

だけど、周りには何もない。

歩いてきた道のりも、これから歩いていく道の先も、雨で視界が悪い今の状況では先が見通せない。一寸先は闇とは言うが、まさに文字通りその状況であり、ぼんやりとした闇の向こうには、単調な雨の音が鳴り響くのみだ。

 

 

 

ザァー...

 

 

 

あたりには、ただただ背の高い木々が佇んでいるだけ。

そんな光景を、少しの間だけぼぅっと見つめていると、先に中断した思考の断片が、頭の片隅で回り始める。

 

...そう、いくらリズムを刻んだところで、それにのって奏でられる演奏がなければ、楽曲は完成しない。

であれば、刻まれ続ける単独の雨のリズムは、まるでメトロノームのようにそれ単体で完結していると言っても良い。要するに、他の何かを必要としないといっても良い。

 

それは、ある意味で完全なものと言えるだろう。錬金術における永遠の象徴ウロボロスのように、他者が介入する始点もなければ、自身の外へ介入するための終点もない。存在そのものがそれだけで完結しているが為に、完全で完璧。降り注ぐ雨の音は、そんな様相を呈する自然の芸術の一つなのだろう。

だけど...

 

(...)

 

少しだけ目を伏せる

 

...あぁ、だがそれは同時に、誰とも触れあえず孤独であり続けるということでもある。まるで車輪の如く、その場で回り続けることを定められたウロボロスは、それ故に他者と触れあえない。誰かに話しかけようと、誰かに歩み寄ろうと、一歩踏み出したその足は空転する。我と我が身を食らう蛇、その名の通りに自らを食らい続ける。幾千幾万の時を超えて尚、自己完結した蛇はくるくると回り続けるのだ。

だとしたら...

 

 

 

ポツ、ポツ、ポツ

 

 

 

雨が降る

傘を叩く雨粒は未だその勢いを減じることなく、また目の前の道の先も

不定形な闇に飲まれている。

 

それでも、もう一度足を前に踏み出す。原始的な恐怖を呼び起こす曖昧な闇の先へと、歩みを進める。

 

 

 

ポツ、ポツ、ポツ

 

 

 

...道のりは、まだ長い

 

 

 

 

 

.............

 

 

 

.........

 

 

 

...

 

 

 

 

 

「...お前も知っての通り、アイツのトレーナーが倒れたのはクラシック期の終盤。

アイツがトリプルティアラを取る、その直前だったらしい」

 

カランッ、とグラスの中の氷が音をたてる

そして、手元のそれを見つめながら、隣の人物はそう語る。

 

店内のジャズの演奏は、まだ続いているが、二人の間には暫しの沈黙が流れる

二人ともなにも喋らない。

 

だからこそ、特に何も言うことなく、先を促す。

話はまだまだ序盤も序盤。であるならば、まだ口を挟むべきではないし、相手もそれは望んでいないだろう。

故に、語りは続く

 

「詳しい原因は...実はオレも知らない。

...と言うか、オレも含めてほとんどの奴が知らない。

病気だったとは聞いているんだが、具体的にどんな病気だったのかは、結局最後まで誰も知らなかった。

多分学園長とたづなさんは知ってたと思うんだが...あの人達も何も言わなかったからな

家族と、仕事の直接の上司であるあの人達以外で正確な病名を知ってたのは、それこそ愛バのスカーレットくらいだろうな」

 

だが

という言葉に続くのは至極当選の事実。すなわち

 

「それでも

正確な病名は今となっては知りようもないし、知る意味もないが、それでもアイツのトレーナーが倒れた、それだけは事実だ」

 

だからこそ、と付け加える横顔には

 

「...あの時のアイツは、何をどうしたら良いか、マジで分からなかったんだろうな...」

 

珍しく、困ったような苦笑が浮かんでいて...

 

 

 

カランッ...

 

 

 

持ち上げたグラスの中の氷が、また音をたてる...

 

 




時は1940年代序盤
第三帝国を自称し、ドイツの実権を握ったナチスの手により、この国のウマ娘レースはこれまでにない程の発展を遂げていた。

と言うのも、彼らはレースをかのベルリンオリンピックのように、自分達のプロパガンダの一貫として使用したからであり、それによりドイツ中で盛んに士気高揚と、ゲルマン民族の偉大さを称える為のレースが行われるようになっていたからだ。

だが、一見華やかな国を挙げてのレース興行は、その実レースそのものの腐敗を招く。
実際、盛んに行われる数々のレースの実態は、ナチスの都合による突然のレース出場者の追加や除外、八百長などの成績操作、裏で行われるレースに託つけた闇賭博や人身売買。はたまたレースを行うためにドイツ中からウマ娘を強制徴収し、無理矢理過酷な訓練をさせるなどの暴挙に溢れていた。
ナチスにとってレースとは、ウマ娘のことなど何の考慮もしない、戦争の道具でしかないことなど一目瞭然であり、ドイツのウマ娘達はそんな状況下で泣く泣く走らざるを得なかった。

だが、そんな中でとある噂がひそかに語り継がれるようになる。

なんでも、ウマ娘はもっと自由にレースをするべきだし、その姿は人々の夢と希望の象徴であり、決して戦争の為の道具なんかではない、と公言し、ナチスの開催する国家公認のレースを荒らしまくっているウマ娘がいるとか。

最初は小さな噂でしかなかったそれは、いつしかドイツ中で語り継がれるようになり、やがてその勇姿は、ナチスに無理矢理レースを強要されるウマ娘達は勿論、ナチスの支配に反発する人々や、ホロコーストで迫害されるユダヤ人達も合わせて、彼らの希望になっていく。

そして、その流れは加速し、いつしかそのウマ娘のレースは、単なるレースではなく、反戦と平和、そしてウマ娘達の自由を勝ち取る為のレジスタンス活動としてのレースへと変わっていくことになる。

一方その頃
噂を聞いたナチスは、件のウマ娘を潰すために、とある大会を開くことを計画していた。
それはドイツ中から集めたウマ娘達の中でも屈指のウマ娘達をのみを参加させた大会。そこで彼らの息がかかった最精鋭のウマ娘達を勝利させることにより、レジスタンス達を正面から叩き潰そうというのだ。

次第に大きくなっていく戦争に、過激化する弾圧
次々に仲間が捕まっていく中、それでもとあるウマ娘は走るのを止めない。そしてそれはナチス側のウマ娘達も同じ。
国家のため、家族のため、例え理由は違っても、彼女達もまた其々の大切なものの為に走るのはまた同じ

故にこそ、ウマ娘達は走る。
様々な人々の想いを背負って、それぞれの立場のウマ娘達が、それぞれの負けられない理由を持ってターフを踏みしめる。

果たして、とあるウマ娘とその仲間達のレースによるレジスタンス活動は実を結ぶのか?
そして、彼女の行き着く先は?







...という話を思い付いたのですが、
ただでさえ扱いの難しい題材同士を悪魔合体させた話なだけに、生半可なことを書くと一瞬で炎上することが見え見えなので、泣く泣くボツに

え?そんなよそ事考えてる暇あったら本編更新しろ?

おっしゃる通りです!(筆が遅いダメ作者)

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