JK農家のふぁんたじーな日常生活~異世界から帰ってきたら何故か幼女魔王がついてきた。それでも私は農家を目指す!~   作:ボコォ

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回想

 交通事故で死んだ私はラノベみたいな異世界転生をした。

 

 与えられた天職は〈農家〉。非戦闘系能力ではあるものの、チートなクワと不老不死の加護を手に入れたので憧れのスローライフを開始!

 

 のんびりやっている間にいつの間にかステータスがカンストしていたので、ノリと勢いだけで魔王の統治する国へと足を踏み入れてみることに。

 

 で。そこからなんやかんやあったのだが、私の記憶に残っていたのは、魔王を討伐した後に突如足元に出現した光によって意識を失ってしまう、という所までだった。

 

 以上、回想終わり。

 

 そして今。

 

 見知らぬベッドの上で目を覚ました私の隣には、倒したはずの魔王が座っていた。

 

 せっかく戻って来たのに、何がどうしてこうなった!?

 

 しかも何かこの魔王、どっからどう見てもコスプレ幼女なんだけど?

 

「……え? なんで魔王がいるの?」

 

 私の理解を超える事象が、現実として目の前に存在していた。あれは、夢であったのか。いや、夢であるなら今ここにいる魔王は、コスプレした誰かのイタズラであるはずだ。そもそも、ここはいったいどこなんだろう……? 私の視界には、少し埃をかぶった電球の光が、暗い部屋を灯している事しかわからなかった。

 

「お主に巻き込まれて、この世界に連れてこられたからなのじゃっ!」

 

 私の疑問に答えたのは、若すぎる(おそらく十歳くらいと推測する)年齢、金髪で頭には作り物とは思えない角が生えている。確か名前は……ニーナ、夢の中で倒したはずの魔王である。いや、あの角はどう見ても作り物には見えない。つまり、あれは現実であり、今目の前にいる少女は、コスプレ好きな人ではなく、本物の魔王と言う事になる。

 

 という事は……死んだ事も、転生して不老不死になった事も事実だったのか。つまり、現実世界で私が倒したはずの魔王である。まさか……よみがえったの? 様々な疑問が私の頭を混乱させ、思わず魔王に質問を投げかけてしまった。

 

「どういうことなの……?」

「お主、最後に<創造者>と1つになったじゃろ」

「う、うん」

 

 <創造者>というのは、夢のような現実世界で私が持っていた農業特化のクワの事。しかし、今は私の中に取り込まれたようで、物としては存在していないのだ。だが、その事がいったい何と関係あるのだろうか?

 

「<創造者>には隠された力があるのじゃ」

「隠された力? 農業にしか使えないクワに……?」

 

 そもそも、クワに農業以外での使い道があるの……? 確かに、剣術ならぬクワ術なる物が存在し、実はこのクワが伝説の武器だって可能性もある。一応……刃物もついてるし。

 

「それで、隠された力っていったい……?」

「【異空間転送】、対象を別の空間や別の世界に飛ばせることができるのじゃ」

「……?」

「要するに、お主が我を倒したとき<創造者>の能力が発動……いや、暴走したと言うべきなのじゃが……その場にいたお主と、死んだはずの我を、こっちの世界に飛ばしてきたという訳なのじゃ」

「……それなら、ここは一体どこなの?」

 

 魔王は、「こっちの世界」と言った。つまりここは、元いた世界とは別の世界ってことだよね……。

 

「地球の……確か日本とかいう名前の国なのじゃ」

「え……えぇーーーーーーーー!!!」

 

 Uターン転職じゃなく、Uターン転生なんて初めて聞いたよ。って、一回死んでまた戻ってきたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 

 

「その反応……やはり、ここはお主の故郷だったのじゃな」

 

 私のリアクションから何か察したのか、魔王はそんなことを言ってきた。

 まぁ……故郷っていってもそこまで思い入れがないんだけどね。

 

「あ、でもこれからどーしよ……。私たちって一応敵同士だよね?」

 

流石に一緒に生活するのは、ちょっと無理。だって、魔王だよ? 寝てる間に何かされるかもしれないじゃない? 一応、女同士とは言え……ね? ってそういう事ではなくて、倒された相手と、一緒に生活なんて……きっと後ろから、プスリと刺されるに決まってるじゃないかあぁぉぁぁ!

 

「……お主に、我から1つ提案があるのじゃ」

「……何? お金なら貸さないよ?」

 

 私の視線を上目遣いで魔王が見てくる。なんか変なこと言いそう……。

 

「我と、休戦協定を結ぶのじゃ」

 

 

 え……えぇぇぇぇ……

 

 

 

 

 

 

 

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