JK農家のふぁんたじーな日常生活~異世界から帰ってきたら何故か幼女魔王がついてきた。それでも私は農家を目指す!~ 作:ボコォ
「……ステータス、見たいですか?」
受付嬢さんは、目をキラキラさせながら私達に聞いて来る。私はステータスにあまり興味がなかったのだ。
「私は、どっちでもいいけど……琴音ちゃんはどうするの?」
「我は……今の自分の力を知りたいのじゃ」
琴音ちゃんの意外な答えに、受付嬢さんは石板みたいなものを出してきた。
「ステータスなんですが、この石板に手を置いていただくと、職業やステータスが表示されます」
琴音ちゃんはちょこんと、石版に手を載せた。すると、ステータスが石板の上部に表示される。
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柊 琴音ひいらぎ ことね
職業:魔女
レベル85
体力:860
攻撃力:810
防御力:800
魔力:999
素早さ:810
知力:980
能力など:【魔力操作】、【禁忌魔法】等々、全20個
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「えっ! レベル85! すごいですね!」
受付嬢さんが驚くのも無理はない。なぜなら……。
「冒険者登録をする際、たまにレベル20を超えてる人はいるのですが、最初からレベル85もあるのはどういうことでしょうか。ここに来る前、どこか別の場所でレベル上げでもしてたんですかね」
「我に聞かれても分からんのじゃ」
私が説明することが面倒だと察した琴音ちゃんは、異世界からやってきたということは黙っておいてくれた。そんなことがバレたら……色々面倒くさいことになるのを、琴音ちゃんも分かってくれているようだ。
「……【禁忌魔法】?」
琴音ちゃんのステータスを眺めていると、ふとその文字が目に留まった。
「あ、それは効果が強力すぎるが故に法律で使用を禁止・又は制限されている魔法のことですね」
「使用を禁止……?」
ファンタジー系の世界には、お決まりのように魔法という要素が存在する。
魔法は基本、あらゆる物理法則を捻じ曲げる事ができ、人類が進化と共に手にした「科学」では到底追いつけないものである。
例を挙げるとすれば、何もないところから炎や水を生み出したり、怪我や病気を瞬時に治したり……ケースにもよるが、人を蘇らせることもできる。そんな、「非科学的」な存在の魔法は、不可能を可能にするのだ。
過去に戻りたいと言って時間をさかのぼり、逆に未来に行ったり……と「時間」を移動すれば、歴史の改変が可能である。また、瞬間移動や空中歩行……移動の「制限」を無視することで、人類は自らの足で海を渡ることも可能になるのである。
果たして、ここまでの自由が許されていいのだろうか。答えは否。許されていいわけがない。だから魔法を手にした人類は、きちんとルールを作ることにしたのだ。
「こんな感じで出来たのが<禁忌魔法>……という認識でいい?」
受付嬢さんの説明が20分以上もあり、長かったのでざっくりとまとめてみた。一緒に説明を聞いた隣の琴音ちゃんも、関心している表情をしていた。
それを補足するように、受付嬢が説明を続けたのだ。
「えっと……現在<禁忌魔法>に指定されているものをいくつかご紹介します」
若干不安そうな顔で説明する受付嬢に、私も釣られて不安を感じてしまう。それは、<禁忌魔法>が非常に危険な物だと示唆しているからであろう。だが、説明する時ぐらいは不安にさせないよう、プロ精神を見せて欲しいと思ったのだ。
「発動した瞬間に相手の息の根を止める事ができる【即死魔法】。物を瞬時に移動させる事ができる【ディメンション・ムーヴ】。対象を自分の思うがままに操る事ができる【心変わり】」
説明される<禁忌魔法>に私は恐怖しか覚えなかった。まさに、チート魔法……こんな魔法を使われたら、どんな相手も敵わないであろう。むしろ、そんな魔法の存在自体が、バランス崩壊を起こすのではと考えていた。
「時を止める系の物。過去や未来と言った「時間」を移動する物」
インフレ度が前半の比ではなかった件。やはり、時間に干渉する系の魔法は、何かと制限とかされるのだ。
「あとは、天候操作系の魔法……ですね」
「???」
他のと比べてなんかめっちゃふんわりした単語に、私の直感が警笛を鳴らしたのであった。