逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

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 ユニーク要素を出さないせいで見どころが無くなるNWO第3回イベントをどうするか考えた結果がこちらです


第13話『そういうことで、次イベントは参加出来ないので(から)』

「「そういうことで、次イベントは参加出来ないので(から)」」

 

 夏休み目前の【楓の木】。ログインしてきたクロムが真っ先に目撃したのはそう言いながらナギと飛燕がログアウトした光景だった。

 

「何なんだ? あの二人」

 

 何なのかと疑問に思いながらテーブルについてメニューを開いているカナデとカスミ、イズの方へと向かう。

 

「なあ、あいつら一体何だったんだ?」

「う~ん……取り合えず運営のお知らせ見てくれる?」

 

 そう言われ開いたお知らせには8月初めに第3回、9月初めに第4回のイベントが開催されるという事が書いてあった。どちらにも特に問題になるようなことは書いていないように感じられたクロムは取り合えず聞いてみることにした。

 

「これの何が問題なんだ?」

「どうやら第3回も第4回もあの二人がメインでやってる方のゲームのイベントに被ってるらしいんだよね」

 

 そう。8月頭にはUPOにて大規模レイドイベントが、9月頭には復刻極振り塔+新規超高難度イベントが予定されている。NWO第4回の場合はまだ拘束時間が1日も無いため問題は無いが、問題はNWO第3回だった。

 

「特に第3回の方は王都防衛レイドイベントとやらに被っていて、こちらにモンスターを狩りに来る余裕が無いそうだ」

「第3回の方は来れそうらしいから、最高戦力抜きでギルド対抗戦をする羽目にならなかったのは不幸中の幸いね」

 

 9月頭の方はいつでも抜けられるイベントと拘束時間の短いイベントと、まだ双方に参加可能な範疇であった。だが8月頭の方は可能な限りログインしておきたいイベントと同じく可能な限りログインしておきたいイベントであり、どちらかは参加を諦めざるを得なかった。となればより力を入れている方に参加するのは当然の選択と言えよう。

 

「ん? 最高戦力? ナギはともかく飛燕もそうなのか?」

「うん。この間メイプルと飛燕が決闘してたけど、終始飛燕が圧倒してたね。確かメイプルは1ダメージも与えられてなかったよ」

 

 カナデの言う通り、メイプルと飛燕が決闘することになったのだが【毒竜】も【悪食】も【パラライズシャウト】すらも飛燕に回避され、逆に防御貫通攻撃でハリネズミにされたのだ。最もこれに関してはNWO基準でも巧いとは言えないメイプルと、UPO基準でも上位に当たる技術を持った飛燕を決闘させたことが悪いのだが。

 

「ナギも飛燕もメイプルに勝てるの本当にどうにかしてんだろ。そういや二人のメインでしてるゲームって何なんだろうな」

「そういえば私も聞いたことが無かったな」

「そうね。私も聞いたことは無いわね。カナデはどうかしら?」

「僕も無いね。ただ、今まで聞いた話から予想は出来るね。まずマイナーどころは除外していいだろうし、NWOより1年以上早くサービス開始してるのは確かだね。で、8月頭と9月頭にイベントがあるゲームなら、まあ」

 

 ナギが『その一点だけならこっちの上位勢といい勝負かもしれない』とまで称するその類まれなる記憶力にて、これまでのナギと飛燕の発言からその『メインのゲーム』を完璧に予想してのけた。

 

「まあ、十中八九『Utopia Online』だろうね」

 

 ◇

 

「じゃあお二人は7日の火曜日以外はいつでも入れるんですね」

「ええ。その日は母の命日なので流石に墓参りよりゲームを優先は出来ませんね。すいません」

 

『喫茶すてら☆あーく』店内。3人のユニーク称号持ち、まあつまり俺とナギとユキさんがイベントについて話し合っていた。

 去年の鮫御大と同じく特殊仕様のレイドイベント。今年の仕様は以下の通りだ。

 ===

 ・イベント期間は一週間

 ・期間中は定期的にモンスターが襲ってくる

 ・毎日朝夕にはそれなりの強さのレイドモンスターが襲撃してくる

 ・最終日には強さが数段違うレイドボスが複数体襲撃してくる

 ・勝利条件は1週間王城と王都住民を守り抜くこと

 ・敗北条件は王城の崩壊もしくは王都住民の全滅

 ・極振りは特殊マップにてモンスターの討伐を行う

 ・極振りの戦績に応じて通常マップの戦闘が楽になる

 ・死亡した場合は1時間の間ステータスダウンし王都内にリスポーン

 ===

 まあ、こんな感じだからユニーク持ちで最悪レイドボスを2人で担当しても何とかなるかもしれない俺とナギは割と重要戦力らしいのだ。

 

「となるとその日はレグルスさんも来れそうにありませんね。だとすると割とこの日の戦力が怪しいですね」

「そんなに人がいないんですか?」

「ええ。何の偶然か、この日はユニークも最上位プレイヤーも全滅なんですよ。一応新大陸組がある程度は入れそうなので流石に負けることは無いと思いますが」

「ここで被害が大きくなると後が辛くなるよね。……爆弾で周り陥没させる?」

 

 ナギが恐ろしいこと言い出したぞ!!? まあ、確かにかなり有効な手ではあるんだが……

 

「まあ、それは最終手段ですね。【アルムアイゼン】が開発してる奴が完成すればどうとでもなるんですが、大分厳しそうなんですよね」

「ああ、()()ですね。確か黒化ボスの特殊泥を大量に使ってるっていう」

 

 そんな感じで作戦会議をしていると、

 

「ん」(ナギさん、出来ましたよ)

 

 店の奥から小柄な女の子がやって来た。【大富豪】れーちゃんだ。

 

「ありがと、れーちゃん。次の強化にはどんな素材がいるの?」

「ん。ん」(これです。かなり集めるの大変ですよ)

 

 どうやらナギが頼んでいた装備の強化が終わったようだ。だが、れーちゃんが差し出したメニューを見たナギの顔が急激に青ざめていく。

 

「何要求されたんだ?」

「……新大陸新エリアのボスのレア泥と黒化ミズチのレア泥。後こないだ見つかったワンダリングボスのレア泥に汎用機械強化素材」

 

 おぉう、流石にそこまで強化すると要求素材もえげつないな。汎用素材はストックしてるから直ぐにでも用意できるが、問題は怒涛のレア泥ラッシュだな。新大陸の新エリアのボスも黒化ミズチもワンダリングボスもそう簡単に勝てる相手じゃないのに更にそのレア泥を要求して来るとか。鬼かな? 

 

「今すぐ周回出来そうなのは……新大陸ボスだな。今から行くか?」

「そうだね。黒化ミズチはレグルスさんの周回に同行させてもらおうか」

「ワンダリングボスの方はリポップ明後日でしたっけ? その日は暇なので協力しましょうか?」

 

 ユキさんの協力とはありがたい。正直2人じゃきつかったし、ユキさんが協力してくれるならレア泥はもはや確定泥と言っても過言ではないからな。

 

「助かるけど、いいんですか?」

「ええ。今ちょっと通常泥の方が必要でして」

「ああ、Lukが30000もあるとむしろ通常泥が落ちないんですね」




 祝☆4話ぶりに防振りキャラ登場!! ただしメイプルサリーは登場しない←
 『ありふれた職業で世界最強』と極振りのクロスオーバーとか思いついたけどセナさん藜さんが一緒だろうと一緒じゃ無かろうとユキが帰還まで持ちそうにないので諦めます。どんな話になるか想像もつかないけどあの空とありふれのクロスとかも行けそうな気がする。

<今回のオリジナル要素&ネタ解説>

・カナデの記憶力
 防振り側がキャラ弱い気がしたのでカナデの記憶力を魔改造。記憶力が良いという事は脳の処理能力もそれ相応に高いだろうから、実は【楓の木】原作メンバーで空間認識能力への適合率が最も高いのはカナデという設定。次点がサリー。因みにサリーのPSはUPOでは中堅上位程度。(銀鈴さんのTwitterにて明言あり。『強さのジャンルが違う』とのこと)

・黒化ボスの特殊泥
 10n+1回目にドロップするアイテム。通常レアドロップと区別するために本作ではそう呼称する。要するに特殊泥が『アストの神核』でレア泥が『機装堕天の光輪』。

・黒化ミズチ
 どこだったか忘れたけどどっかで黒化ボスはアストだけじゃないって見かけたのでいることに。ついでに周回対象にすることで話に絡める。
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