逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

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 UA7000ありがとうございます。


第21話『不明なユニットが接続されました』

 

 ◇

 

 東門の戦況は芳しく無かった。『ミスティニウム解放戦』の時と同じように内部に侵入し本体の体力を削ったまでは良かった。だが、あの時とは異なり残り2ゲージの時点で巨大化したことに虚を衝かれた立て直しの隙を衝かれ舞台に壊滅的な被害を受けてしまった。

 その上以前は極振り弾一発で撃破されたこともあり行動パターンが一切分からないことも相まって相当追い詰められていた。

 

「おいおい、あれって……」

「ゴルディオンクラッシャー、だよな……」

 

 だが、レグルスたちが使ったゴルディオンクラッシャーは、その状況に一石を投じていた。

 

「なあ」

「どうした?」

 

 某アーマードでコジマな特殊装備を身に着けたプレイヤーは、同じく特殊装備を身に着けた隣のプレイヤーに話しかける。

 

「俺たちも、負けちゃいられねぇよなぁ」

「……ああ、そうだなぁっ!」

 

 それに同調するように、6人のプレイヤーが横一列に並ぶ。

 

『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を宇停止してください』

 

 視界にノイズが走る。過剰な熱により使用者本人もダメージを受けだす。

 

 左腕がパージされ、6本のチェーンソーが回転を始める。

 背中に背負った建築資材に取り付けられたブースターが火を噴く。

 折りたたまれていた巨大な砲身が展開される。

 背後を向いていた無数の砲身が前方へと展開される。

 背中でミサイルを組み立てだす。

 背中のフジツボのようなパーツが稼働し、巨大なビームブレードが現れる。

 

 OW(オーバードウェポン)。それは男のロマンを体現する、絶大なデメリットを許容してまで使用する必殺の武装。

 

「うおぉぉぉぉぉ!!」

「はあぁぁぁぁぁ!!」

「でりゃぁぁぁぁぁ!!」

「いっけぇぇぇぇぇ!!」

 

 回転する6本のチェーンソー、GRIND BLADEが。

 ブースターで加速された建築資材、MASS BLADEが。

 多弾室の 砲、HUGE CANNONが。

 無数のパルス砲、MULTIPLE PULSEが。

 その場で組み立てられたミサイル、HUGE MISSILEが。

 巨大なビームブレード、HUGE BLADEが。

 

 6つのOWが【幻影巨神】へと直撃する。その膨大な体力を急激に落としていくが……

 

「【幻影巨神】の体力、残り6割!」

「くっ、削り切れなかったか」

 

 その体力を削り切るには至らなかった。

 これで【アーマードコジマ】の上位勢は戦闘続行が不可能となり、残る戦力はバイク艦隊と【クロイカラス】の戦車、そして【戦車はいいぞ】の戦車部隊のみ。そのいずれも相当消耗しており、厳しい戦いになることが予想された。

 そう。実際に()()があのような無茶苦茶なことをしでかさなければ厳しい戦いとなっただろう。

 

「いいや、これで終わりだ。撃て、射手子」

 

 北門の方向から飛んできた赤い弾丸が【幻影巨神】に直撃する。それはその場にいるプレイヤーにも、この光景を観戦しているプレイヤーにも非常に見覚えのある光景であった。

 

「おい……これって」

「あの時の、だよな……」

 

 あの時(第4回イベント)の焼き増しのように【幻影巨神】が赤の円柱に閉じ込められる。その円柱の中では赤い宝石が1つ、弾けた。

 

「正式名称『滅殺焼却激痛弾・改』。通称『極振り弾・改』。極振りの技術の粋を集めた必殺の切り札だ」

「アキ先輩の特化紋章術、センタさんの槍、デュアルさんの硬さ、レンさんとザイード先輩の速度、にゃしい先輩の爆裂を翡翠さんのフィールド形成能力で止め、俺の紋章でそれらを1段階引き上げ、そしてザイル先輩の器用さで全ての能力を統合した、でしたよね」

 

 ユニーク装備の【ミニマム列車砲】を用いて極振り弾・改を放った射手子が白目をむきかけているのを尻目にザイルとユキは自分たちの最高傑作について語り合っていた。

 

『またしてもか! またしてもか!! おのれ、おのれ極振りめ! 極振りどもめ!!』

 

 どうにか極振り弾・改の砲身*1から逃れようと暴れるが、あの時と同様ボスと共に円柱も移動し、破壊には至らない。

 

「これでチェックメイトだ」

「次は【炎属性無効】でも持ってくるんですね……あっ、今の無しでお願いします。ほんとにもってこられちゃ困るんで」

 

 3つ目の宝石が弾けたその時には、【幻影巨神】の体力は1ドットたりとも残っていなかった。

 

 ◇

 

 南門。そこでは、全ての戦場で最も厳しい戦闘を強いられていた。

 

「ああ、もう! 手数がぜんっぜん足りない!!」

「それには同意する。流石にそう簡単には死なないけど流石に殲滅力不足が否めない……ちょっとタンマ。その数のプラチナは聞いてない」

 

 流石に敵の強さが洒落にならなくなってきたようで、【黄泉還り】も泣き言を言い出した。

 

「一つ、二つ、三つ……《風林重ね》で《抜刀・瀑布》」

 

 当たり判定が明らかに広い斬り下ろしと、一瞬遅れて発生した斬撃が範囲内の敵を一掃する。

 それでも特殊装備の双剣を駆使して次々と敵を屠っていくのは流石ユニーク持ちと言うべきか。

 

 そんな戦場に、1人のプレイヤーが降りたった。

 

「これはボクの出番ですね! 《不動居》、からの《奥義抜刀・天地断ち》!!」

 

 天地が分かたれた。そんな錯覚をするほどの抜刀術を放ったのは援軍として現れた【ナイトシーカー】カオル。50m球内の敵の悉くを切り裂いた彼女は止まることなく次の攻撃へと移る。

 

「まだまだ行きますよ、《鳴閃》《明鏡止水》、でもって《奥義抜刀・百刀繚乱(ひゃっかりょうらん)》!」

 

 広範囲にダメージ判定を発生させながら次の攻撃の威力と抜刀速度を上昇させる納刀技《鳴閃》、HP20%を払って次の攻撃のダメージを1.5倍にする補助技《明鏡止水》、Str Dex Aglが300以上ないと使用できない、HP10%とMP200を消費し、(レベル÷2)mの球状範囲のどこにでも200%+追撃50%の25連撃を発生させられる抜刀術《奥義抜刀・百刀繚乱》を使用し更に多くの敵を切り裂き、高らかに叫ぶ。

 

「ボクが来たからには百人力ですよ! さあ、一気にケリをつけちゃいましょう!」

「まあ、カオルがいるってことは当然俺らもいる訳なんだよな」

 

 そう言いながら現れたブランの背後には大量の黒い釘が浮いていた。

《血の杭》というその魔法は【召喚術】の基礎魔法であり、微小な固定ダメージを与えた上でその半分HPとMPを回復するという必中魔法。ブランが大量同時展開を得意としているものであった。

 その圧倒的物量は次々とモンスター達を屠っていく。MP回復効果によりMP消費は考える必要はなく、HP回復効果のおかげで少しのダメージならば気にする必要はない。その上固定ダメージなので敵の防御力に関係なくダメージを与えることが出来る。本来ならそのダメージは50(クリティカル時70)程度だが、様々な補助により125(クリティカル時175)となっている。魔法の同時発動数は3125、単純計算で40万近いダメージを叩き出せるのだ。

 流石に極振りレベルの処理能力とは言えないため常に限界まで同時発動という訳にはいかないもののDPSはゆうに20万を超えている。その殲滅力は圧倒的なものであった。

 

「えっ……何でカオルちゃんがこっちに?」

「出てきた敵が相性良かったおかげでチャチャっと終わりましてね。一番苦戦してそうなこっちの援軍に来たという訳ですね。ほら、あっちには【すてら☆あーく】の人達もいますよ」

 

 そう言われ指さされた先を見たナギの目に飛び込んできたのは、7人に分身した【舞姫】セナが敵をなぎ倒し、【オーバーロード】藜が立ちふさがる敵を次々と穿ち、【撃墜王】ランの銃弾が敵を次々と粉砕し、【大凍界】つららと【大富豪】れーの魔法が敵を一掃している様子であった。

 

「他の所には【空色の雨】の人達が行ってますし、何なら極振りも来てるらしいですよ。ほら」

 

 そう言ったと同時に大量の隕石が降り注いできた。

 

「あれって、確か翡翠さんの……」

「ペットのスキルですね。いやー、やっぱりド派手ですね!」

「ダメージは無いみたい? でも天候は有効? 【限定解除】が運んでる……のかな?」

 

 翡翠さんの十八番である天候【終末】が風と雷に乗って次々とフィールドを侵食している。よく見てみれば肘からバルカンを放っているプレイヤーや蹴った槍を分裂させているプレイヤーもいた。

 

「他の所ももう終わったみたいですよ。後はここだけなんでチャチャっと終わらせちゃいましょう」

「うん。そうだね!」

「ちょっとペース上げる。消費は度外視で」

 

 

 結局、南門の戦場も敵が殲滅されるまでそこまで時間はかからなかった。これをもって全ての目標を達成し、王都防衛戦は幕を閉じたのだった。

*1
着弾した相手を円柱に閉じ込め、それを砲身に見立て内部を焼き尽くす武器である




 ちょっとゆっくり動画投稿祭に投稿する動画は出来たのですが、ゆっくり茶番劇投稿祭に投稿する動画の編集が間に合わなさそうなので2週ほど投稿をお休みさせてもらいます。申し訳ございません。
 追記:銀鈴さんが新作! しかも検証班弓使い主人公! これは本作の参考になる描写が期待できる気がします。最近飛燕くんの検証勢要素がほぼほぼ空気なので……

追記その2:北門でゴルディオンクラッシャーのMP供給やってた翡翠ちゃんが南門で隕石落としてる!? キャラの居場所の管理ミスった。食べたりなかったからアキさんに投げ飛ばしてもらったってことにしておいてください。


<今回のオリジナル要素&ネタ解説>

・常夜
 ユニーク称号【黄泉還り】を持つMinAglの準極振り。【聖杯】を採用しており物理防御も完備。武器の制限も特殊装備を使う事によって解決している。見た目はナナドラⅢのメイジ女Aのイメージ。ナナドラⅢでこの見た目を双剣サムライにしてたせいで武器が双剣のイメージしか湧かなかった。

・《風林重ね》
 【二刀流(極)】のアーツ。暫くの間自身を含む範囲内の味方が属性攻撃をした際に通常攻撃の威力を基準にした自動追撃を行う。元ネタはナナドラⅢのサムライ(双剣)の同名スキル。あまり強くはないけどかなり使っていて楽しいのでたまにこれ特化パーティーで遊んでる。

・《抜刀・瀑布》
 【抜刀術(極)】のアーツ。非常に広範囲に当たり判定が発生する斬り下ろし。名前の通り水属性がついている。

・《不動居》
 【抜刀術(極)】のアーツ。MPを20%消費し、次の攻撃の与ダメージを1.5倍にする。元ネタはナナドラⅢのサムライの同名スキル。

・《奥義抜刀・天地断ち》
 【抜刀術(極)】のアーツ。HPを25%とMPを350消費し、(レベル÷2)mの球内の敵全てに75%ダメージと一定確率で出血を与える。発動条件はDexとAglが500以上。《不動居》効果中はダメージ倍率が100%に変更され出血付与率が大きく上昇する。元ネタはナナドラⅢのサムライ(一刀)の奥義『天地断ち』。
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