逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話 作:LR44(ゆっくり)
「ただいまー。やっぱり外は暑いね」
「そりゃあ8月末だし、多分一番キツイ時期なんじゃないか?」
リンさんとシルクさんとNWOで会うことになり、シルクさん──胡蝶さんに夏祭りの射的で手に入れたNWOのソフトを渡すために出かけていた夕凪が帰って来た。
因みに胡蝶さんの家はうちから自転車で飛ばせば15分くらいで着くらしい。流石に女子の家について詳しく聞くのは憚られるので俺は詳しくは知らないんだがな。
「絹香ちゃん結構調子良さそうだったよ。新学期からいきなり休むことにはならないと思う」
「へえ、そりゃあ何よりだ。それより、風呂入って汗落として来たらどうだ? その間にそうめん茹でちゃうから」
そう言いながらそうめんを袋から取り出す。夏になると食べたくなるんだよな。
「じゃあお言葉に甘えて。待ち合わせまでそこまで余裕ある訳じゃないし、チャチャっと出ちゃうから」
「了解」
夕凪に答えながら鍋に水をはる。そういやこの間【楓の木】に新人が二人入ってたっけ? その二人と一緒にパワーレベリングするのもいいな。
「待ち合わせ場所は最初の街の噴水前、だったよな」
「うん。
昼食後に待ち合わせの時間まで少し休んでからNWOにログイン。待ち合わせ場所である噴水前に来てみると……
「明らかにアレだな」
「うん。明らかにアレだね」
明らかに見覚えのある二人組を見かけた。しかも片方はご丁寧にUPOの物とよく似た浴衣まで着てるし。あの浴衣は……この間追加された見た目装備だったな、確か。
「リンさんとシルクさん、ですよね?」
「あぁ、はい。そっちは飛燕くんとナギちゃんですね。昨日ぶりです」
「私の方はナギちゃんはさっきぶりだね」
やっぱり予想通りだったか。というか、リンさんはいつのまにあんな装備買ったんだか。
「? ……あぁ、この装備ですか。久々にログインしてみたら少し早すぎまして。待ち合わせまでにちょっと見かけたので。防具としての性能は皆無ですが結構いいものですよ」
「どうやら
シルクさんが背負ってる箱……確か『蟲箱』とか呼んでたっけ、あの薬箱改良したみたいなの。見た目だけならイズさんに頼めば作ってくれそうだけど、性能までは無理だろうな。
「じゃあ、早く【楓の木】のギルドに行きますよ。早く皆に紹介して、最低限パワーレベリングしないと」
「だな。取り合えずチャチャっと鹿と木を倒して3層に行きましょうか」
「という訳で、UPOで一緒に検証勢やってるリンさんとシルクさんです」
「UPOの方じゃリンちゃんは避けタンク兼アカッター時々後衛、シルクちゃんはバフデバフDotに回復、何でもこなせるタイプの後衛やってる人だよ」
RTAばりの緻密なチャート建てによって30分経たないうちに【楓の木】ギルドにたどり着いた俺達。因みに死ぬほどオリチャー発動したし、何なら通りがかった人に変なものを見る目で見られた。
「シルクです。一応ステータスは後衛サポート特化って感じです。飛燕くんから【楓の木】には後衛が碌にいないって聞いたので」
そう。そうなのだ。
【楓の木】のいかれたメンバーを紹介するぜ!!
・メイプル:前衛
・サリー :前衛
・クロム :前衛
・カスミ :前衛
・イズ :そもそも戦闘できない
・カナデ :
・マイ :前衛
・ユイ :前衛
・俺 :
・ナギ :前衛
以上だ!! 異常だ!!!
いやほんと、交流がある検証勢も前衛だけ後衛だけで探索行くときはある程度余裕あるフィールドだけだし。【極天】は……まぁ、別格としても【すてら☆あーく】も【空色の雨】も【ボクと団長と酒と愉快な仲間たち団】も【モトラッド艦隊UPO支部】も。ここまで偏ってるのは珍しいぞ?
NWOの他ギルドも【集う聖剣】は……主力は前衛3後衛1か。【炎帝ノ国】は……主力は前衛1後衛3か。……あれぇ?
もしや……NWOの上位ギルド尖った構成しかいないな? というか、『運営の悪ふざけシリーズ』を手に入れられた人が固まってて、尚且つその傾向が偏ってるのか?
「後衛サポート特化って、どんなステータスにしたの?」
「良ければ見せますよ? 別にレベル1の何の変哲もないステータスですし」
サリーさんの疑問に答え、シルクさんが見せたステータスがこれだ。
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シルク
LV:1
HP:40
MP:390
STR:0
AGI:0
DEX:0
INT:0(+20)=20
VIT:30(+10)=40
【補助魔法Ⅰ】
武器:【初心者の杖】Int+20
防具・頭:──
体:【初心者の服】Vit+10
足:──
靴:──
装飾品1:──
装飾品2:──
装飾品3:──
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「とまあ、こんな感じですね。基本的に前に出る気は無いのでMP重視で、流れ弾とか範囲攻撃で死なないようにある程度の防御も確保って感じです。あ、【補助魔法】はナギちゃんにお金貸してもらって買いました」
「因みにシルクちゃんはUPOではLukとMinの準極振りやってるんです。この間のイベントでは予定が合わなくていなかったんですけどね」
因みにここに来るまでにテイムやペットのような要素が来るのは大分先になるだろうと話したところ、かなりがっかりしていた。
「では私もお見せしましょうか。少しプレイして引退状態だったので碌に育ってないですがね」
そう言いながら見せたリンさんのステータスに、俺は絶句させられた。それは……
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リン
LV:15
HP:40
MP:40
STR:40(+10+20)=70
AGI:100(+10+20)=130
DEX:0
INT:0
VIT:0
【筋力強化大】【敏捷強化大】
【弓術】【弓の心得Ⅲ】
【食人鬼】
プレイヤーを食べた際のダメージが上昇
プレイヤーを食べる事で、1分間食べた相手のステータスに応じたバフ
他プレイヤーを食べる事によりキルした場合レベル差に応じた経験値を獲得
取得条件:捕食によってプレイヤーを100人キルする
【円環の蛇】
自身を食べた際のダメージ90%カット
自身を食べた際のHP回復量90%上昇
自身を食べた際に30秒間全ステータス30%アップバフ
取得条件:自身を捕食することによって10回死亡する
武器:【初心者の弓】Str+10 Dex+10
防具・頭:──
体:【花柄の浴衣】
足:──
靴:──
装飾品1:【剛力の指輪】Str+20
装飾品2:【俊足の指輪】Agl+20
装飾品3:──
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「「「「「「「「ちょっと待って!!」」」」」」」」
おい!? リンさんこっちでもかよ!! こっちでもプレイヤーを食べちゃった(物理)のかよ!?
少し気になって軽くスレを漁ってみると『変な初心者プレイヤーに食べられた』とか『初心者が自分の腕を食べてリスポーンしていった』とか、『手当たり次第にモンスターを食い荒らしてる初心者がいた』とかいう書き込みを見つけた。その後すぐに噂は見かけなくなったから……本当にすぐに引退したんだろうな。
「えっ? えっ!? 取得条件がプレイヤーの捕食!!? 何その変なスキル!? というかプレイヤーとかメイプルでも食べてないのに!!??」
サリーさん……地味にメイプルさんに失礼なこと言ってるなぁ。
っていうかそういや、何でモンスターを食べることが取得条件のスキルはもっと広まらないんだろうな。配信者とか罰ゲームとか、そういうのでもっと広まってもいいと思うんだが……あ、今回判明した【食人鬼】【円環の蛇】はハードル高すぎるからノーカンな。特に配信者。プレイヤーを食べるとか絵面がアウトだ、アウト。流石にそんなんBANされるわ。
「これまた、とんでもない人が来たわね」
「だな。まさか自分を食べたプレイヤーなんて想像できなかったぞ」
「そう、だな。それにしても、二人ともとんでもなく尖ったステータスで来たものだ」
そういや確かに、俺とナギだってメイン以外のステータスにも多少は振ってるのにこの二人はメイン以外のステータスは元から振ってないんだよな。でも、確かにUPOみたいにステータスでの装備制限が無いから不要なステータスに振る必要はないんだよな。
「あ、そうだイズさん。二人用の装備もお願いできますか? 見た目重視で、ステータスは必要最低限戦える程度にあればいいので」
「それもそうだね。見た目は二人に聞いてください。で、マイちゃんにユイちゃん、それとメイプルちゃん?」
ナギは3人に向き直って問いかける。
「この後って時間あるかな?」
「私は空いてるけど、二人は?」
「私たちは……その……」
「この後、サリーさんとの特訓の予定があるんです」
その言葉を聞いたナギは困ったような顔をして、
「あー、そっかぁ。ごめんけどサリーちゃん、特訓譲ってもらっていいかな?」
「内容によるけど、何するつもりなの?」
「ちょっとUPO仕込みの技術を叩き込もうかなって」
そう聞いたサリーさんは少し悩む素振りを見せてから、一言こう言い放った。
「そういう事ならむしろ私も参加させてもらいたいな」
ファッ!!?(ネットで偶然見かけた『神獄塔メアリスケルター』というゲームの設定やキャラデザがとんでもなく好みだった)
う~む……(でも、どうやらシステム面は割とクソ寄りらしい)
ふむ!(アプモン*1とか一応クリアしたし、メダロット8*2は有料DLCまで完全クリアしたし。問題は無いな!)
あっ(でも、PS4もスイッチも持ってねえ)
<今回のオリジナル要素&ネタ解説>