逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

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第31話『あ、これ回避間に合わないな』

 

『見事。ここは我が退こう。されど、我は再び汝らの前に立ちふさがろう。それをゆめゆめ覚えておくことだ』

 

 いやー、神獄の守護者は強敵でしたね(ガチ)。

 

 いやマジで強敵だった。今回は作戦が上手くはまったからあっさり勝てたけど、普通だったらかなり苦戦したんじゃないか? 

 っていうか、

 

「なあ、ナギ?」

「どうしたの、飛燕?」

 

『神獄の守護者』の最後のセリフって、よく考えなくても

 

「これって、あいつとの再戦フラグ立ってるよな」

「明らかに立ってるね。それも多分強化版との」

 

 だよなぁ。あれと再戦とかかなりキツイ予感がするぞ

 

「はい、もう日付も変わりますし今日はこのくらいにしときましょうか」

「うわっ、もうそんな時間なんだ」

「じゃあ、続きは明日だね」

 

 え? うわっ、ほんとだ。もう23時半回ってるのか。

 って、あ!! 

 

「すいません、明日のご飯炊いとくの忘れてました。先落ちます」

 

 不味い不味い。明日の朝食と昼食から主食が無くなるところだった

 

「じゃあ私たちも落ちましょうか」

「私は【わんにゃんパラダイス】に顔出してから落ちますね」

 

 明日は取り合えず装備の整備してから再挑戦だな。残り50層、先は長そうだ

 

 ◇

 

 あれから数日後。俺たちは何とか100層までたどり着いていた。

 

 50層以降も、罠だらけの階層に死ぬほど手こずったり、90層で再度現れた『神獄の守護者』相手にあわやナギとロウさんが死に戻りしかけたり、91~99層の天候エリアに苦戦したりと、散々苦戦させられたんだよなぁ。

 

 因みに100層までの最速記録は極振り除いたら【すてら☆あーく】がトップだそうな。

 

「え~……ペットは一応の保険で嶺にして、っと。ナギはどうだ?」

「特殊装備の時間も十分だし、ペットも状態は万全だよ」

 

 ユキさん曰く相当面倒らしいし、準備は万全にしとくに越したことは無いしな。

 

「じゃあ、行きましょうか」

「ですね」

 

 オーロラさんとロウさんの掛け声で、俺たちは100層の扉をくぐった。

 そこは、 だった。そして、その中央に鎮座する二足歩行の黒い龍。話に聞いていた本イベントのラスボスモンスター『神獄に封印されし黒龍(Blackdragon of jail)』だった。

 

『GRAAAAAAAAAAAAAA!!!』

 

 黒龍が咆哮すると同時に口元に魔法陣が展開され……

 

「あ、これ回避間に合わないな」

「だね。これは多分ダメだね」

 

 次の瞬間、俺たちは全員魔法陣から放たれたレーザーに飲まれ、リスポーンしていった。

 

 ◇

 

「よし。今回は全員死んでないな」

 

 俺たちの初回の挑戦を初見殺しに引っかかっての全滅で終わった。残機用ペットが全滅した関係で再挑戦は翌日となり、ついさっき初見殺しを回避してボス攻略に取り掛かろうとしていた。

 

「HPは一本5000万が3本で計1億5000万です。耐性は|オーバーダメージ無効・全ダメージ半減・状態異常無効《いつもの奴》揃えてます」

「行動パターンは……ランダムな対象にさっきのレーザーですかね?」

「私の蟲のHPの減る速さからして、威力は即死級で変わらないみたいですね」

 

 結構厄介だが、気を付けてさえいればレーザーは回避できるし、割と殴れる隙はあるし。

 

「あ、飛燕。こいつ遠くの敵から狙うみたい。私全然狙われないし、近接攻撃もないみたいだよ」

「……よし。ナギ、ロウさん、任せました」

 

 流石にこれだけってことは無いだろうけどタネさえわかれば拍子抜けなくらいあっさりだな。

 

「分かった。一応ヘイトが関係してるかもしれないし、火力控えめの方が良い?」

「いや、予想でしかないけど多分全力で火力出しても大丈夫と思うぞ」

「それなら私も【抜刀術】使いますかね。お姉ちゃん、回復は多めでお願いしますね」

 

 俺の予想が正しければ、こいつは『遠近バランスのいいパーティーなら楽になる』ように設計されていると思われる。そうでなければたった一つの気づきでここまで楽になるのか? 

 恐らくHPを削ると行動が変化して、逆に遠距離プレイヤーが殴りやすくなるんだと思う。

 もしこの予想が合ってるならこのパーティーは結構いいんじゃないか? 遠近それぞれアタッカーが二人づついるし、サポーターも充実してる。なんなら今回ロウさんが【抜刀術】持ってきてるし火力だけなら相当なものだしな。

 

 

 そして、特に何もトラブル無くHPバーの一本目を削り切ったタイミングで、再度黒龍が咆哮する。

 

『GRAAAAAAAAAAAAAA!!!』

 

 それと同時に口元に展開していた魔法陣を両手足──というよりも前と後ろの足? に展開し、ナギに向かって殴り掛かって来た。

 

「ちょっ!? 結構痛い!!?」

 

 見れば、防御が間に合ったにも関わらずナギのHPは3割ほど削れていた。

 

「これは回避安定ですね。ナギさん、ロウ、Aglバフを優先しますね」

「こちらもデバフはStrとDexを優先します」

 

 予想通り今度は近接プレイヤーに攻撃が集まって、遠距離プレイヤーが殴りやすくなってるな。ナギとロウさんなら前衛としても安心だし、2ゲージ目もそこまで苦労することはなさそうだな。取り合えずちょっと位置取りが悪いから移動を……って!? 

 

「《障壁》《障壁》《歪曲》《加速》ッ!!!」

 

 何で急にこっちに突進してくるんだよ!! 《障壁》じゃ止まらないし《歪曲》で軌道を逸らすのも無理だし、《加速》使っての回避も間に合わないこれは……死んだか? 

 

「飛燕! 大丈夫!?」

「大丈夫だ。掠っただけで残機2つも持っていかれたけどな!」

 

 それにしても、何で急に突進なんて? 確か突進してきたときには……あ、もしかして

 

「どうして急に突進なんてしてきたんでしょうね。それらしい予備動作は無かったと思いますが」

「多分ですが、プレイヤーが3人直線に並んだらそっちに向かって突進してくるんだと思います」

「成程、さっきの突進は私とナギちゃんが正面に並んでいる所を横切ったので突進してきたってことですね。それが正しいとすればターゲットは最初に列に加わったプレイヤーってことですかね」

 

 この予想が正しければ突進への対処法は位置取りに気を付ければいいだけだし、どれだけ強力な攻撃でも使わせなきゃ関係無いし。行動パターンがこれだけなら第二形態も簡単に終わるだろうし……

 

「コレ、最後の1ゲージが怖いですね」

「確かに、3ゲージ目もこの調子なら極振りの人が相当面倒なんていう訳無いですし、最後には何かありそうですね」

 

 1ゲージ目は遠距離プレイヤーが攻撃を集めて、その間に近接プレイヤーが殴る。2ゲージ目はその逆。だとすれば3ゲージ目は、遠近双方のプレイヤーが連携しないと殴れない、ってところか? 

 まあ、出来る事と言えば何が来てもいいようにちゃんと準備しておくくらいなんだがな。

 

 そういや、嶺って最近残機役としてしか活躍できて無い気がするな……取り合えずペットを火力重視で香に切り替えて、

 

「まあ、3ゲージ目の行動は3ゲージ目になったら分かりますし、今はとっとと2ゲージ目を削っちゃいますよ。《チェインアロー》《パワーショット》《チェインアロー》《スナイプ》!」

「それもそうだね。【メイジズコンセント】【コンセントレイト】《マナバレット》!」

「リーフはちょっと抑えてください、MP回復が追い付きませんよ。後飛燕くん、3秒遅らせてください。それなら3ゲージ目入る直前にバフデバフかけなおせます」

 

 そういう事ならコンボを修正して、っと。

 

 そして2本目のゲージも削り切り、1本目の時と同じように黒龍が咆哮した。

 

『GRAAAAAAAAAAAAAA!!!』

 




 全部書いてるといつまで経っても書きたいところにたどり着けないので100層までの道中は全カットです。
 そして何気に本作初の複数話にまたがるボス戦(王都防衛レイドではボス一体一体は1話で終わらせていた)

<今回のオリジナル要素&ネタ解説>

・『神獄に封印されし黒龍(Blackdragon of jail)
 見た目は黒レイアのイメージ。レーザー攻撃は魔法陣からドゥレムディラ(極みじゃない方)のレーザーが発射されてるイメージ。
 中の人が『エスピナスがサンブレイクに出る』って知った日に見た夢が元。多分フロンティアの思い出を思い出したから、Fのお気に入りモンスターの要素を混ぜ合わせたモンスターの夢を見たんだと思う。
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