逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

39 / 84
 前回のあらすじ
 頑張って『神獄の黒龍』倒したけど何か復活しちゃった。


第33話『ナギちゃん達がフラグなんて立てるから』

 

「ちょ!? ナギちゃん達がフラグなんて立てるから」

「ギミックなんだから私たちが立ててなくても復活してたって!」

 

 まあ、それはその通りなんだが。

 改めて『神獄の黒龍』のHPバーを見れば、1ゲージ回復しているが毎秒1%づつ減少しているようだ。

 

「これ、つまり攻撃を100秒耐えれば終わり、ってことかな?」

 

 ナギが、黒龍が第二形態でしてきたような引っ掻きを受け流しながら言ったように、100秒間攻撃を耐えればそれで勝てるっぽいな。

 第一形態は近接が殴って遠距離がタゲ取りをする形態。第二形態は逆に近接がタゲ取りして遠距離が殴る形態。そして第三形態は近接と遠距離が協力してどうにかしてカウンターを決める形態だったな。

 最後の第四形態は全員で100秒耐える形態ってところなんだろうが……

 

「ねえ……これだけ苦労したボスの最後が100秒耐えるだけって、納得いかないよね」

「だね。最後はやっぱり殴って終わらせたいよね」

 

 だな。っつっても、100秒耐えるだけなのに殴る理由なんて……あ、

 

「そういや、HP削ればその分耐える時間も減るんじゃ?」

「「あ、」」

 

 オーロラさんとシルクさんは下手なことをして未知のギミックが作動するのを避けたいようで殴るのは反対みたいだけど……

 

「よし、殴ろう!!」

 

 俺とナギ、それとリーフさんは既に殴る気満々だ。だからやる。

 

「リーフさん、MP回復手段は残ってますか?」

「ポーションが1つだけだから……《エンドオブザワールド》使うより《マナバレット》の方が火力出るね」

 

 それなら……俺はまだ【魔弾の射手】を使ってないしナギは攻撃受け流す時にHPが【逆鱗】*1圏内に入ってる。

 リーフさん以外は最高火力出せる準備は整ってる。だから、

 

「【魔弾の射手】《追衝の一矢》《チェインアロー》《パワーショット》《チェインアロー》《ウィークネススナイプ》!!」

 

【魔弾の射手】込み《追衝の一矢》をぶち込む。黒龍が復活する前に使った《チェインアロー》の補正も乗って物凄いダメージになったな。

 

「《ワイバーンストレート》《デュアル・フィスト》《ライトニングフィスト》《相克の双拳》……連打連打連打連打ぁっ!!!」

 

 ナギは途中でアーツを使うのも面倒になったのかアーツ抜きで殴り続けていた。いや、よく見たらアーツ使わない方がDPS出てる!? 

 

「【精神統一】積んでる時間は無いから【メイジズコンセント】だけだけど……《マナバレット》!!」

 

 そしてリーフさんの高火力の魔法がヒットし……

 

「これで……とどめ! 【点火(イグニッション)】5連!!」

 

 最後に、ナギの特殊装備の加速機構を使用限界まで使った攻撃によって『神獄の黒龍』はそのHPを0に落とした。

 

 ◇

 

「何もギミックが無かったからよかったですが、本来ならあそこは様子見安定ですからね」

「そうですよ。飛燕くんも調子乗って【魔弾の射手】なんて使っちゃいますし」

 

『神獄の黒龍』に何とか勝った後、リザルト用と思しきエリアに転送された俺たちはオーロラさんとシルクさんに怒られていた。まあ当然って言えば当然なんだけどな。

 

 因みにこっそりユキさんに確認取ってみた所、アキさん・センタさん・デュアルさん・にゃしいさん・ザイルさん・ユキさんの6人の極振りパーティーで攻略した際には第二形態のHPをギリギリまで削った上でオーバーダメージ無効に引っかからないギリギリの火力をぶつけて第三形態スキップした後で第四形態にダメージを超過させることで即死させたとか。

 最後の復活、ダメージ超過有効なのか……

 

「ところで、イベント攻略報酬って何だったんですか?」

 

 ふと気になってオーロラさんに質問する。

 全員に『Sレアスキル取得チケット(神獄塔)』って今回イベント専用スキルが取得できるチケットと『神獄の黒龍』の物と思しきレア素材が配られたのは知っているが、パーティーリーダーになっているオーロラさんにはそれとは別の報酬も与えられているはずだ。

 

「あぁ、これですね。『神獄塔攻略の証』。ギルドメンバーの全ステータスを5%上昇させて、ついでにギルド維持費も25%軽減してくれるアイテムみたいです」

「ギルド立ち上げようって話してるタイミングでありがたいアイテムが来ましたね」

 

 去年の極振り塔攻略報酬と同じ類の代物か。去年もこのメンバーで運営塔攻略したんだっけ。懐かしいな。あ、

 

「そういや俺が預かってた去年の極振り塔の、運営塔の攻略報酬どこに置いてたっけ」

「え~っと……第三の街の貸金庫……じゃなくて今は新大陸の方に移したんだっけ?」

「いや、その後アイテム整理で第四の街の貸金庫辺りに移した記憶が」

 

 そこまで言って、俺とナギは顔を見合わせて、一言。

 

「「探してくるので先失礼します!」」

 

 コンマゼロ秒のズレも無くシンクロした動きで通常サーバーに戻って行くのだった。

 

 ◇

 

「で、結局丸一日かけて探した結果貸金庫の容量に余裕があったレグルスさんに渡してたの思い出したんですね」

「「骨折り損でしたよ。全く」」

 

 そんなことがあった数日後。俺とナギは新たに立ち上げたギルド【月下の門】のギルドホームにて事の顛末をグリモアさんに話していた。

 

 

 ギルド【月下の門】。第2の街『メフテル』の端にギルドホームを構えるそのギルドは、メンバーは13人で2パーティー分を超えてるので、確か中規模くらいに分類されたはずだ。

 ギルドマスターはレグルスさんで、サブマスはアーテルさん。平メンバーには【狙撃手】の俺と【戦闘狂】のナギに加え、【撲殺魔法少女】グリモアさんと【黄泉還り】常夜さんというユニークを4人も抱えたギルド。残りのメンバーはロウさん、リーフさん、オーロラさんの三姉妹にシルクさん、ウルスさん、サニーさん。それと【アマゾンズ】に入ってるものとばかり思っていたけど実はギルド未加入だったリンさん。

 ナギとグリモアさんは微妙なラインではあるけど、一応全員が検証勢な立派な検証勢ギルドだった。

 

 因みに掲示板を除いてみた所『むしろとっくの昔にギルド作ってるもんだと思ってた』みたいな声ばっかで逆に驚いている。

 

「そういや明日からメンテでしたっけ?」

「ですね。なんでもユニーク称号第5弾が実装されるんじゃないかって噂です」

 

 第四弾のタイミングが去年とほぼ同じだったから、第五弾も去年とほぼ同じタイミングで来るんじゃ無いかって噂か。

 

「もし本当なら【月下の門】が抱えるユニークの数は今の4人から7人になる可能性が高い訳ですね」

「だね。本当にそうなったらユニークの人数だけなら【すてら☆あーく】抜くんだよね」

「もし本当にそうなるんだったらちょっと楽しみですね」

 

 もし本当にユニークホルダーが7人になるんだったら【すてら☆あーく】抜いて【極天】に並ぶとか言うとんでもないギルドになる訳だな。

 

「その前に私と飛燕はメンテ期間使ってNWOの方での検証終わらせちゃわないとね」

「そういやそれがあったな。二つもイベント挟んだせいですっかり忘れてたわ」

 

 うっかりうっかり。まだまだ半分も終わってないんだ。気合入れて取り組まないとな。

 

「NWOでの検証って、今はどんな事やってるんです?」

「ステ倍化スキルの取得条件調査ですね」

「まだVitとStr意外だとDexしか見つかってないんですよ」

 

 Dexの方は『Dex100以上で1分以内にクリティカルを連続で100回発生させる』って条件だったからモンスター分布調べてる最中に判明したんだが、残りのAglとInt、それとあるかどうかも分からないHPとMPの分は取得条件の検討もつかないんだよな。

 

「あぁ、確かこっちで言う愚者スキルが誰でも取れるんでしたっけ?」

「ですね。その上スキル取得数に条件も無いし、一度破棄したスキルもお金さえ払えば好きなように再習得できる仕様なので……」

「全部取って、全部破棄して。で、レベルカンストしたらもう一回取得しようって話になってるんです」

 

 Vitは『逃げ出す』というアルゴリズムを組み込めないボスを利用して取得した。Strはダンジョンのモンスター分布調べる時に興が乗ってTA勝負してたら取得できた。こっちみたいに相当厳しい取得条件って訳でもないし*2、ステータス増強としてはかなりいい手段だと自負している。

 

「うわっ……それ、ゲームバランス壊れません?」

「もうこっち(UPO)あっち(NWO)もゲームバランスなんてあって無いようなものですよ。主に極振り周りで」

「サービス開始してまだ半年もたってないゲームをこっちと同列に語るのもどうかと思うけどね……」

 

 俺の言葉に苦笑いのナギが補足する。まあ、一応こっちも去年には極振りがぶっ壊れてたし? なんなら手の付けられなさで言えば一年前のこっちの方が上な気もするし? 

 UPOは、NWOみたいに一人のプレイヤーに明らかに異常な量のぶっ壊れが集まってる形じゃなくて、あくまでぶっ壊れてるのは本体スペックだから単純比較は出来ないだろうけど。

*1
HPが20%以下の時自身のステータスを2つまで2.5倍にするペットスキル。StrとVitを選択中

*2
キャラクリの際に極振りにする以外では、スキル合成の時に1つのステータスの強化倍率が300%を超えるように合成することで取得できる。因みにトッププレイヤーが使っているようなステータス強化スキルの倍率は1つ当たり精々30%程度。スキル合成は合計6つまでしかスキルを合成できない。




<今回のオリジナル要素&ネタ解説>

・サニー
 神話系呪文をメインで使っている稀有なプレイヤー。IntMinの準極振り(Min偏重)。それ以外特に決まってない。見た目は世界樹のカースメーカー(女)のイメージ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。