逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

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 今度こそ、お気に入り90人ありがとうございます。
 それと、UA15000ありがとうございます。

 って書いてたらまた89になっちゃってましたよ。


第37話『UPOの次のイベントに集中したいので、暫くNWOはお休みですね』

 

「色々言いたいことはありますが、」

「一言で言うと……」

「「運営には、ディスプレイにキーボードでやってた時代のゲームとVRゲームが同じだなんて思わないでもらいたい」」

 

 新大陸引きこもり期間から約半月。NWOに第4層が実装された1週間後。俺とナギは【すてら☆あーく】にて項垂れていた。

 因みに、【すてら☆あーく】には現状、れーちゃんと藜さん。それとランさんにつららさんが揃っている。ユキさんとセナさんは修学旅行で数日お休みだ。

 

「NWO新層で何があったのか聞いたのはこっちだが、出来ればもう少し分かりやすく説明して貰えると助かる」

「そうね。さっきのじゃちっとも何も分からないわよね」

「ん!」ギリギリ新層の何かが酷いって事が分かる程度です!

 

 あぁ、まぁそうだよなぁ。これじゃぁ何も分からないよなぁ。

 

 ……いかんいかん。思考が溶けてる。

 

「そうですね。じゃあ少し詳しく。NWO第4層のテーマは『和』。こっちのメフテル(第2の街)からファンタジー感を増したみたいな感じですね」

「モンスターも妖怪みたいなのが多いですね。ダンジョンもいかにもな『和』って感じです。で、初期状態だと街中で行ける範囲が限られてまして、クエストを進める事で行ける場所が増えていく感じです。まあ、結構よくあるタイプですね」

 

 そう。俺の知る限りMMOじゃああまりイメージが無い気がするが、少なくとも買い切りゲーではよく見るタイプの仕様だ。

 これだけならよかったんだが……まあ、例にもれずあの運営はやらかしやがった訳で。

 

「そのクエストなんですが……お使い*1からスローター系*2から、兎にも角にも面倒くさいクエストが並んでるんですよ」

「一昔前のディスプレイにキーボードでプレイしてた頃のMMOでは適当にポチポチしながら、リアルなり別窓なりで別の作業でもすれば良かったんでしょうけど……今のVRMMOでするには結構キツイんですよね。ああいうの」

 

 一昔前のゲームなら当たり前のようなクエストでも、VR環境下ではまあキツイキツイ。

 特に俺もナギも鈍足系ビルドだからお使い系みたいなのは特にきつい。基本的に町中歩き回らせられるせいで時間も食うし、並列して何か作業行うには厳しいし。

 こうして考えると、VRMMOって何だかんだ足早い方が有利だよなぁ。こっちみたいにバイクあるとかならまだしも。

 

「その上、一つ解放するためにこなさなきゃいけないクエスト量も相当でして、集中して取り組んでも一段階に3日はざらにかかりますね。あ、街の解放は10段階になってるみたいですね」

「私たちは前のイベントで上位だったから5段階目からスタートでしたけど、まだ7段階目なんだよね。ショップの品ぞろえから推測すると、多分8か9までは開放した方がいい気がします」

 

 一段階開放するのに3日はざら、という事は第3回イベント上位勢でも最低半月。そうで無いなら最低一月は4層の街の解放作業に費やす必要があるという事で。

 一応、次の層に進むには街の解放は必要ないってアナウンスがあるのは救いだけど……そうするとなると4層のショップをほぼ完全にスルーする、という事で。流石にそれはマズい気もするしな。

 

「それは……何と言うか、項垂れるのも頷けるな」

「そうね。まあ、必須じゃないだけでこっちにも似たようなクエストはあるし、根気よく進めていくしか無いんじゃない?」

「ん、ん」暫くログインなかったのはそういう訳だったんですね、お疲れ様です

 

 まあ、色々文句は言ったが。今までの一層にダンジョン2個とか、そんなのと比べれば格段にマシな訳で。

 それに、クエストの難易度で言ったら【歌唱】取るためのクエスト*3とか、仮面舞踏会(マスカレイドパーティー)とか*4の方が格段に上だもんな。

 

「取り合えず、UPOの次のイベントに集中したいので、暫くNWOはお休みですね」

「1分間で出せる最大のダメージを競うイベントっていう、初めての形式ですし。気合入れて準備しないとですね」

 

 UPOにて10月中旬に開催されるイベント、イベント名は『THE-HARDEST-PUNCHER(ザ・ハーデスト・パンチャー)』。60秒以内にボスに与えた最大ダメージを競うイベントだ。

 ボスは3種類と日替わりで戦えて、それぞれのボスごとに上位プレイヤーには報酬があるとか。

 

「多分、これ、60秒の制限って、アキさん対策、ですよね」

「でしょうね。時間制限が90秒とかだったら、極振りランキング1位はアキさんで決まりでしょうし」

 

 ランキングは極振り、レベル100~76、75~51、50~26、25~1の6つに分けられている。当然、先にあげたグループほどダメージは上がるだろう。極振りに至っては、もはや別次元の数字がひしめき合う狂気の領域になるだろうことは誰の目にも明らかだ。

 

「後、ボスはそれぞれ個別のギミックがあるんでしたっけ?」

「らしいな。今判明してるのは開始時と10秒ごとにデバフをかけてくるボスがいるって程度だがな」

 

 当然、ただ攻撃すればいいだけなイベントでは無く。3種類のボスにはそれぞれ個別のダメージを出すのを妨害するギミックがあるらしく、いかにしてそれをかいくぐってダメージを出すのかが重要になるだろう、と予想されていた。

 事前情報だけでは、1種類の対策に集中した方がいいのか、3種類すべてに挑戦するのがいいのか判断がつかないのが厄介な所だ。

 

「恐らくですが、物理か魔法の無効みたいな特定のビルドのプレイヤーはダメージ出せないギミックは無いと思うんですよ。となると、単発バ火力対策のダメージ一回無効とか、固定砲台対策の反撃とか辺りがあり得るラインかと思います」

「私は、アクティブスキル・アーツ使用不可とかならトップクラスのダメージが出る自信があります。最近アーツ使わない方が火力出るようになったので」

 

 因みに【月下の門】メンバーの中では、戦闘系じゃないオーロラさん、ウルスさんは不参加。リンさんはダメージよりも味に興味があるみたいで、そこまで本腰入れるつもりは無いらしい。

 既に情報が公開されてる、デバフをかけてくるボスはアーテルさんとシルクさんが本気で取り組むらしい。アーテルさんは回復魔法でデバフ解除をするから問題ない、シルクさんは虫系ペットの自爆による状態異常撒きには支障が無いから問題ない、とのことだ。

 

「それじゃあ、暫くこっちで戦闘してなかったんでイベントの肩慣らしに、新大陸行ってきましょうかね」

「だね。どうせならストック作っときたい素材もあるしね」

 

 この後めちゃくちゃモンスターを狩った。

 


 

<おまけ>

 

「む? 飛燕とナギはいないのか」

 

 飛燕とナギがイベント準備に勤しんでいた頃。NWO第4層の【楓の木】ギルドホームではカスミが飛燕とナギを探していた。

 

「カスミか、どうしたんだ?」

 

 カスミの言葉に反応したのはクロムだ。ギルドホームの大部屋で、飛燕たちUPO検証勢たちが作り上げたNWO攻略サイトを眺めていた。

 

「あぁ、クロムか。少し面倒なイベントを見つけてな。今の私じゃクリアは手こずりそうだから、飛燕たちに稽古を付けて貰えればと思ったんだが」

 

 因みにカスミの言うイベントとは、あくまでNWO基準でという接頭語がつくものの、手ごわい刀との戦闘イベントである。*5

 

「成程な。だが、確かあいつらはUPOの方でイベントがあるとかでしばらくログインしないらしいぞ」

「そうなのか……それなら地道に死に覚えするしかないのか……」

 

 あくまで飛燕とナギがメインでプレイしているのはUPOである。そのため、NWOにログインしない期間があるのは当然カスミも了承している。

 が、これまでの負け方が圧倒的過ぎたのか、見るからに気が滅入っている雰囲気であった。

 

「そういえば、UPOプレイヤーというのはどのようにして技術を磨いているのだろうな」

「あぁ、そういえば聞いたこと無かったな。UPOの攻略サイトに何か書いてたり……するな。PS上達に有効なクエスト・モンスター一覧だとさ」

「そんなものがあるのか、少し覗いてみるか」

 

 ふと、あの化け物のようなUPOプレイヤーがどのように技術を磨いているのか気になったクロムとカスミは、UPO攻略サイトを覗いてみる事にしたのだった。

 

《次回へ続く……かもしれない》

*1
○○に行け、というようなクエスト。たらい回しにされる印象がある

*2
○○というモンスターを何体倒せ、や○○というドロップアイテムを何個もってこい、というようなクエスト。物欲センサー君が死ぬほど仕事する印象がある

*3
男女ペアでなければ受注不可。カラオケで90点以上取ればクリア。オペラハウスの雰囲気に合っていれば得点にボーナス

*4
自分の完全なコピーと戦闘。パーティーで挑めば全員分と同時に戦闘。操作は高性能AIなので基本的にプレイヤーより技術は上。報酬がスキル枠+1なので必須級クエスト。

*5
『身喰の妖刀・紫』を手に入れるイベント。Web版読んだ限りじゃ仮面舞踏会(マスカレイドパーティー)の方が何倍も難しそう




 ユキとセナが高2なので修学旅行があることを忘れてたので、11月だけど修学旅行に行かせることにしました。気が向いたら閑話かおまけかで様子を書くかもです。

 それと最後のおまけですが、完結までのプロット作ったところ今後はNWOパート無しで問題ないことに気付いたため、無理やりNWOパートを入れるために付け足しました。なので時系列が少しおかしいことは気にしないでください。

<今回のオリジナル要素&ネタ解説>

・『THE-HARDEST-PUNCHER(ザ・ハーデスト・パンチャー)
 元ネタはサ終してしまったソシャゲ『凍京NECRO SUICIDE MISSION』にて存在した同名イベント。
一定ターン数以内にボスに与えられたダメージを競う。ボスには固有のギミックがある。イベント期間中は3種類のボスが日替わりで登場して、最終日は3種類全てと戦えた。
ギミックは記憶頼りなので元ネタの方と変わってるかも。
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