逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話 作:LR44(ゆっくり)
それと、低評価付けるのはいいんですが、出来ればどこが悪いのか、どこが気に食わないのか書いてもらえたほうがありがたいです。
【アンチ・スキルバースト】 (ⅰ)概要: 本ボスはイベント1日目、4日目、7日目に戦えるボスです 巨大な女王蜂のような見た目をしており、常に浮遊していますが動きは単調なので攻撃を当てることも、攻撃を避ける事も容易いです (ⅱ)ギミック: 本ボスは戦闘開始と同時に発動中・詠唱中の 冷却時間が60秒より長いAS・アーツ・魔法は使用できないと思った方がいいです (ⅲ)行動パターン: 針による突き刺しと、ミニオンを召喚し自爆させる攻撃を交互に行います 突き刺しは威力も大きく、[猛毒]を付与しますが、予備動作が大きいので回避は容易です 自爆攻撃は回避しずらく、様々な状態異常を付与しますが、とても大きい予備動作があり、予備動作中に一定以上ダメージを与えると攻撃がキャンセルされるため、対処は容易です |
「ってな感じかな、今のところ」
「……もう攻略情報載せてるんだ。早いね」
『
「最終日に一番スコア出そうなボスに集中することにしたからな。1日3回の挑戦権を検証のために投げ捨てる程度どうってことないさ」
「何が飛燕をそこまで検証に駆り立てるの……?」
何が駆り立てるのか、か。そうだな……
「強いて言うなら、そこに検証が終わっていないコンテンツがあるから。だな」
「そんな、そこに山があるから、みたいに……」
だってそうとしか言いようがないんだから仕方ないだろ。というか、
「そういや、今日のボスはかなりナギと相性いいけど、挑戦に行かなくていいのか?」
「先に行ったサニーちゃんの結果聞いてから行くつもりだよ。【月下の門】じゃ、多分一番スコア出るでしょ」
「いや、確かにユニーク手に入れて戦闘力は相当上がったけど、俺はナギの方がスコア出ると思うんだが?」
サニーさんの使ってる神話系魔法は直接ダメージを与える魔法が《萎縮》*1と《破壊》*2くらいしか無いけど、ナギは今やアーツ・ASに依存しない近接アタッカーだからな。
「ただいま、かなりいいスコア出た、みたい。現状ぶっちぎりのトップ、だって」
「「サニーさん(ちゃん)トップ!?」」
え? は!? 神話系ってそんなダメージ出る魔法だったか!?
「え、ちょ、サニーちゃん。どうやってそんなダメージ出したの!?」
「参考にはならないと思うけど、一応話す」
◇
「見た目は飛燕さんの纏めてくれた情報通り、みたい」
遡る事30分ほど前。サニーの【アンチ・スキルバースト】への挑戦が始まっていた。
相対するのは巨大な蜂の見た目のボス。その雄たけびは全てのAS・アーツ・魔法を使用済みにするが……
「残念だけど、神話系に冷却時間は存在しない」
神話系魔法はMPと同時に、回復しずらいリソースである『SAN値』も消費する。その特性上冷却時間は存在しないものとなっていた。
決められた行動パターンしか持たないボスは、知ったことかとでも言わんばかりにその針を引き絞り、突き刺そうとするが。
「確かに予備動作は分かりやすい、みたい。《ナーク=ティトの障壁》《被害を逸らす》」
飛燕がまとめた攻略情報で事前に行動パターンを知っていたサニーは冷静に、非常に頑丈な障壁を展開する神話系魔法《ナーク=ティトの障壁》と、攻撃を逸らして無効化する神話系魔法《被害を逸らす》を使用する。
「今度はこっちから。《破壊》《萎縮》」
魔法陣を描くように移動しつつ、お返しとばかりに神話系魔法における希少なダメージ魔法を発動する──が
「む? やっぱりボス相手じゃ抵抗抜けなかった、みたい?」
発動した魔法は、ボスに対して一切の痛痒を与えることなく。ただ無駄にMPとSANを消費しただけとなっていた。
ギミックのせいで【魔力の泉】*3が使用できないため、ポーションをを踏み割りMPを回復しつつ、脳内でざっと試算する。
「じゃあ、これなら抜ける、はず。《バルザイの偃月刀》、《破壊》《萎縮》」
サニーが発動したのは、神話系魔法を強化する刀を呼び出す神話系魔法《バルザイの偃月刀》。それによる補正を加え、ボスにダメージを通すことに成功する。
「これなら、通る、みたい。なら」
それを確認したサニーは、魔法陣を描くように──否、実際に魔法陣を描きながらボスの周りを回る。
「《破壊》《破壊》《破壊》。もう、行動させない」
描かれる魔法陣は複雑怪奇で、一目でとんでもない代物だと理解できる。だが、それを止めるすべは《破壊》の連打により動きを完全に止められたボスには存在しない。
そして、
「準備完了。くふあやく、ぶるぐとむ、ぶぐとらぐるん、ぶるぐとむ。なんちゃって」
地面に描かれた魔法陣が輝きを増す。
神話系魔法は通常の魔法と異なり、クトゥルフ系魔導書の所持数に応じて使用できる魔法が増加する。
その中でも最上位、切り札にあたる魔法。それが、
「【神格招来】、あいあいはすたー!」
【神格招来】。狂気神話系、かつ召喚術系の最上位魔法。魔法であるにも関わらず魔法のもの*4ではなくスキルのもの*5で囲まれていることからもその異常性が分かるだろう。
それもそのはず。これは1プレイヤーが行使するにはあまりにも強力過ぎる魔法。
当然、レイドボスを呼び出すのだからその代償も大きく。【司祭】*6と【畏れよ、我を】という、称号による二重のSAN値消費軽減込みでも、通常プレイヤーの2倍のSAN値はゆうに2割は削れていた。
「……邪魔」
【神格招来】にて召喚できるレイドボスは3種類。レイドボスが直接戦闘を行う【クトゥグァ】、特大のデバフをばら撒く【クトゥルフ】。
そして今回サニーが使用した、プレイヤー本人に特大バフを与える【ハスター】。その強化倍率はプレイヤー本人がレイドボスと化すレベル。それ故代償も莫大で、毎秒異常な量のHPとMPをコストとして消費させられる。
更に発動から10秒間は拘束状態となるのだが、いつぞやの極振りエキシビションにて【爆破卿】がやったように、力任せにその拘束を引きちぎって見せる。
「《肉体の保護》全開。リミット10秒……全力で行く」
SAN値とMPを消費し、一定値までダメージを無効化する神話系魔法を使いHPを確保しつつ*7、MPポーションを踏み割りMPも確保する。
そして、斬る。腰だめからの居合、袈裟、切り返し、逆袈裟。大上段から振り下ろしたかと思えば次の瞬間には偃月刀は真上に跳ね上がっている。
時に体術も織り交ぜ、【神格招来】により跳ね上がったステータスに任せて《バルザイの偃月刀》を振り回す。
僅か10秒であったが、【神格招来】により上昇したステータスは絶大なダメージを叩き出して見せた。それ故──
「……あ、1位取れた、みたい?」
──ランキング暫定トップを、ぶっちぎりでかっさらっていった。
◇
「っていう感じ」
「サニーさん(ちゃん)【神格招来】使えるの!?」
いや、【神格招来】って使える人が相当少なかったはずだぞ。かなりレアな、高位の神話系魔導書が必要だし、確かハスターは10冊で解禁されるはずだし。
「強くなってるのが自分達だけだと思ったら、お間違い」
「それはそうなんだけど、流石にあそこまでとは思わなくて……」
っていうか【神格招来】使えるならそうそう抜かれないダメージが出るよな。
後、神話系魔法には冷却時間が無いのを利用するのは、このボスの対処法としてはかなりいい手段じゃないか?
「……よし、じゃあ私も行ってくるね。サニーちゃんの記録を塗り替えてくるよ」
「応、頑張れ」
「頑張って、ナギさん」
相当ビルドを改良したナギなら、きっとサニーさんの記録を抜いてくれると信じてるぞ。
そんな感じでナギがギルドを出発した少し後。ギルドのドアが開く音が聞こえた。
「サニーの記録ぶっ飛びすぎだろ。全然届かなかったぞ」
「あ、レグルスさん。ボスに挑戦してきたんですか?」
帰って来たのはレグルスさん。多分発現的にボスに挑戦して帰って来たところだろうな。
「ああ。ナギがいないって事は丁度挑戦に行ってるのか?」
「ええ、そうですね。あ、参考までにレグルスさんの戦い方を聞かせて貰っていいですか?」
「ああ、いいぞ。つっても、あんま参考にはならないと思うけどな」
3話で終わらせるつもりが6話くらいに膨らみそうなUPOイベント回です。
作者が、色々考えた【月下の門】メンバーの戦闘をお披露目するイベントでもあります。
<今回のオリジナル要素&ネタ解説>
・【アンチ・スキルバースト】
ネクロの方では
見た目は女帝リビングデットのイメージで書いてたけど、書き終わってから女帝は別のギミックだった気がしてきたし、何ならデジタルアーカイブ確認したら女帝リビングデットは見た目女王蜂と若干違ってた。でも、修正が面倒なので女王蜂のままにします。
・神話系魔法
一部の神話系魔法の効果はデモベを元ネタに、他は極振り原作からそのままだったりクトゥルフ神話TRPGでの効果をモチーフにしたり。
《バルザイの偃月刀》の見た目はネクロのデモベコラボで登場した武器のイメージ。