逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

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 第1話を丸々別ゲーに費やして、第3話までNWOを始めない防振り二次創作。そんなことを友人に話したら『原作変えたら?』と言われました。


第3話『まずは汎用スキルを片っ端から集めるよ!』

 うちの学校は3時35分に終業。家から学校まで歩いて15分ほど。スーパーでの買い物も含めると帰って来たのは4時過ぎだった。

 

「じゃあ、ちゃっちゃと夕飯作っちゃうか」

「うん。あ、明日のお弁当に入れる分も欲しいからちょっと小さめのもお願いね。私はサラダ作っちゃうから」

「おう、分かってる」

 

 いつものように分担しながら夕食を作る。今日は朝食は夕凪がメインを作ったので夕食はメインを俺が作り、夕凪がサラダなんかを作る。朝食のメインを俺が作った日はこの逆だ。確か……中学校上がる頃からの俺たちの日常。まだ生きていた頃に俺の母親から教わったのを俺たちの好みに合わせてアレンジした料理。あの頃男子にしては珍しく料理に興味があって母親から習ってたおかげで中学上がってからの一人暮らしも何とかなったんだよな。

 

 

 そんなこんなで夕飯が出来上がり、俺と夕凪はNWOについて相談する。

 

「飛燕はどんなビルドでプレイするつもりなの?」

「UPOと同じ感じだな。だからプレイする前にちょっとした検証をしたいんだが」

「まあ、ギリギリを見極めるなら必要だよね。うん、分かった。取り合えずAgl?」

 

 そう。俺のビルドは基本的に不要なステータスはプレイが破綻しないギリギリ最低限しか確保しないのだ。UPOでもLukはペットの刻が『Lukを負にした上で周囲のプレイヤーやエネミーに自身のLukを加算する』というスキルを取得してからは少し上げたが、それ以前はプレイに支障の出ないギリギリ。Vitは軽鎧装備の最低ライン、Minは最低限の状態異常耐性を確保できるギリギリであり、AglとIntは0。残りをStrとDexに振り分けている。シルカシェンさんやSereneさん、射手子さんことミザリーさん同様、準極振りと呼ばれる2ステータスの極振りに分類されているだけあり十分に尖ったビルドであることは自覚している。

 NWOでもUPOと同じくStrとDex特化のサポート型鈍足後衛ビルドにするつもりなのだ。ナギや本条さんから聞いた話によればNWOではステータスが低いとリアルから制限されるタイプのようなので、どの程度が最低限なのか見極めるために軽く検証をしておくという訳だ。

 

「そうだな。Aglでの移動速度への影響を調べるつもりだな」

「じゃあちょうどいい場所知ってるから……洗い物しながら話そっか」

 

 ◇

 

 洗い物をしながらの相談の後戸締りを終え、NWOにログインする。さあ、ここからは速度が命だ。この検証を早く終わらせれば終わらせる程プレイ時間を多く確保できるんだ。

 

「名前はいつも通り『飛燕』。見た目は変更なし。ステータスは全て振らずにとっとくことは……出来るな。武器は予定通り弓」

 

 事前に決めておいた通りにキャラを作る。説明なんかも全部スキップしたからキャラビルドには2分もかかってない。

 

「うっわ……Aglゼロってホントに気持ち悪いくらい遅いな」

 

 Aglゼロの速度に驚きつつ、事前に聞いていた合流地点に走る。夕凪──この世界でも予想通りナギの話によると西の森の少し奥に木と木の間隔が丁度50mの地点があるそうだ。

 

「お待たせ。早速計るぞ」

「分かった。よーい、スタート!」

 

 ナギと合流し、すぐに撮影を行う。全力で走るが全く速度が出ない。体感だが現実の半分程度しか出ていないのではないだろうか。

 

「出たよ。50m15秒だね」

「よし。今回は暫定だから1回でいいだろう。次Agl1で計るぞ」

 

 どうやら本当に現実の半分しか出ていないようだ。正確な計測ではないため一回で次の計測に移る。初期100ポイント全て残っている中の1ポイントをAglに振り分け、もう一度計測を行う。それが終われば更にもう1ポイントAglに振り分け……と言う風に100ポイントまで検証を行った。結果としては……

 

「凡そ20ほどでリアルと同程度の速度になる。【敏捷強化大】だけで十分届くなら序盤の最低限の確保だけで問題は無い……よな?」

「うん。私も素のAglは5しかないけど、特に問題は無いよ」

 

 ナギの実体験と俺自身の検証からの予想は同じ結論を出している。であるならばAglの値は5でいいだろう。

 

 ◇

 

 あの後、Vit0で被ダメージに補正が無いかの確認とInt0で補助魔法使用時に補正が無いかの確認を終え、ようやく実際にプレイするキャラを作ることとなった。

 

「Aglに最低限の5、残りをStrとDex……と行きたいところだけど95は2で割り切れないから1ポイントだけIntに振ってStrとDexを47ポイントずつっと。初期武器は予定通り弓で確定っと」

 

 予定通りの振り分けでゲームを開始する。さて……ひとまずはナギの足を引っ張らない程度には強くならないとな。

 

「じゃあ、まずは汎用スキルを片っ端から集めるよ!」

 

 ログインすると同時に待機していたナギがそんなことを言ってきた。だが……

 

「初期所持金じゃあ到底足りないだろ?」

 

 どんなゲームであろうと付きまとう金の問題だ。バグや調整ミスで金が有り余るゲームや、Luk極振りでカジノ等の例外はあるものの、序盤だろうと終盤だろうと金は必要になる。スキルを買いあさるというのであれば初期所持金では足りる訳が無く、すぐに稼げる金額でもないだろう。そんな俺の疑問はナギの一言で氷解した。

 

「問題ないよ。店売りスキルなら私が出すし、クエスト報酬なら私も手伝うから」

「で、俺は代わりに何をすればいいんだ?」

 

 伊達に幼馴染をやっている訳ではないのだ。こういう時のナギの発言はある程度予想出来ていた。だからこそこの先の言葉もある程度予想はつく……なので少しふざけてみることにした。

 

「次にナギは『UPOで色々手伝って貰えればそれでいいよ』と言う」

「UPOで色々手伝って貰えればそれでいいよ はっ!!」

 

 予想通り。こちらで俺を手伝うことでメインでやっているUPOの方で手伝って貰える。実に有意義な取引じゃないか。こちらは早くナギの足手まといにならない程度の戦力を整えたい。ナギは……多分【悉燼の燎丘】の素材があれば加速機構の強化が出来そうって言ってたからそれかな? まあ取り合えず必要な素材集めが楽になる。この条件なら断る理由は無いな。

 

「まあ、そういう事なら遠慮なくお言葉に甘えようかな?」

「それならまずはこっちだよ。今見つかってる店売りスキルは大体こっちのお店で揃うんだ」




 第3話にてようやくNWOを始めるかと思ったら殆どが検証で終わってしまった…

<今回のオリジナル要素&ネタ解説>

・ステータスが低いとリアルから制限される
 アニメや漫画の描写を見てそうなのだろうと感じたため作った独自設定。少し読んでみたweb版にて『Agl0ではリアルと同じ速さ』という記述を発見したものの修正が面倒なので本作ではこの設定のままでいかせてもらう。

・ポイントを振らずにスタート
 『あの運営だし出来るだろう。そしてこれが条件で取得できるスキルもあるんだろう』という考えが半分。『ポイントを振らずにスタートできないと3日くらい検証作業に費やす羽目になりそうだから』という理由が半分の独自設定。ステ無振りが条件のスキルは、設定上存在するけど本編に登場させるつもりはない。
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