逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話 作:LR44(ゆっくり)
って文句垂れ流そうと思ったら、その人、作者が最近気に入ってる小説に5評価付けてるんですよ。それも、気に入らない人はとことん気に入らないようなジャンルなのに。
なので文句は言わないことにしますが一つだけ。評価する人は、低評価でも高評価でもありがたいので、出来ればどこが気に入らなかったのかだけでも書いてもらえると助かります。
シルクさんの録画を見終わり、次はアーテルさんと言うところなのだが――
「そういえば、あのボスって【痛痒の聖印】の過剰回復って効くんですか?」
――アーテルさんの動画を見る前に、少し気になった事があったので聞いてみる。
アーテルさんのユニーク称号【異端の聖女】の専用装備【痛痒の聖印】。その効果の1つ『過剰回復』は、回復魔法でHPを最大値を超えて回復させる時に超過量をダメージに変換できるというものだ。
要するに、最大HPの倍の回復をすれば相手を即死させれる、と言う効果なのだが……
「確かに、このイベントのボスってHPが設定されてなかったはずだよね」
ナギの言う通り、このイベントのボスはHPが設定されていないのだ。故に、過剰回復が適応されない可能性が高いのだ。
因みに、HPが存在しないというこの仕様はアキさんが叩き出したダメージから判明した仕様だったりする。1stだから新しいのと比べると少し地味だけど、やっぱり『HP50%以上の敵に与えるダメージが1.5倍になる』ってのはかなりぶっ壊れてる効果だよなぁ。
「【裁断者】の効果も【爆裂娘】の効果も適応されてませんでしたからね、当然【異端の聖女】の効果も適応外でしたよ」
「え?……じゃあどうやってダメージ出したの?」
アーテルさんは特殊装備の合体剣に、魔法剣で回復魔法を付与して特大の回復を行うという非常に珍しいというか他にしてる人がいないんじゃないかってレベルのビルドをしている。
その上、ステータスはInt,Minの準極振りだ。【異端の聖女】での過剰回復が出来ない相手となると、碌なダメージが出ないはずだが……
「お二人とも、忘れてませんか? 回復魔法でダメージを出す方法」
「相手がアンデットか、ユニーク称号【異端の聖女】か、だよね……あ!」
だよな。【異端の聖女】以外じゃ相手がアンデットな時くらいしか回復魔法じゃダメージは……あ!
そうだ。基本的にダメージに関係しないから忘れてたけど、このイベントのボスは――
「そっか。じゃあ【異端の聖女】の方は適応外だけど」
「ええ。
――何故か、3体すべてアンデット属性だったな。そこまでやっといて、取り巻きは何故かアンデットじゃ無いけど。
「そっか。じゃあ凄いダメージ出たんじゃない?」
「ふふっ、それは見てからのお楽しみですよ」
そう言われちゃあすぐにでも見たくなるじゃないか。
そんなこと思いながら、動画の再生を始めるのだった。
◇
「《魔法剣・エクストラヒール》《魔法剣・エクストラヒール》《魔法剣・エクストラヒール》《魔法剣・エクストラヒール》」
普段通り、《エクストラヒール》*1を魔法剣で合体剣の構成パーツそれぞれに付与する。
回復魔法の効果を上昇させるパッシブスキルを大量に持ってきたので、総回復量は凡そ60000程です。
「《リフレッシュ》《リジェネレーション》《アディショナルアーマー》」
続いて使用するのは3つの魔法。
《リフレッシュ》は状態異常全回復。
《リジェネレーション》は60秒間、HPを5秒ごとに100+Int補正分回復させる魔法……ですが、私なら5秒ごとに450程は回復しますね。
《アディショナルアーマー》は一定値まで、ダメージを受けてもノックバックしなくなる魔法です。要するに、
これだけあればボスの攻撃は殆ど気になりませんから、攻撃にだけ集中できます。
「ハァッ!」
一閃。取り巻きを数体纏めて斬りつける。
それだけで、取り巻きのHPはゼロへと落ちる。ユニーク装備【痛痒の聖印】の効果、超過回復と【異端の聖女】によるダメージ補正、そして装備やスキルで積んだ諸々の補正が相まって、この程度の敵ならばワンパン出来るだけの回復量を確保できています。
「もう一丁!」
返す刀で残りの取り巻きも始末して、ボスに取り掛かります。
「一つ!」
某仕事人のイメージで袈裟懸けに一閃。
アンデットへの回復魔法なので、回復分がそのままダメージになります。
少し前まではダメージではなく、回復分HPが減るという処理だったのですが、一部プレイヤー――主に私が色々やらかした結果下方修正喰らったんですよね……
「二つ!!」
すれ違いざまに一閃。イメージは某仕事人……モチーフのスパロボ主人公機。
「三つ!!」
振り返って、大上段に振りかぶって一閃。
特大ダメージを一気に与えたためか、『ファーストストライク・AOE』が怯んだ隙に次なる手札を切る。
「リミット30秒。追加装甲、転送!」
召喚したのは、特殊装備である大剣の追加パーツ。3つのパーツが刃に合体し、一回り大きい刃を作り出す。
まあ、言ってしまえば追加パーツによる武装強化ですね。某財団Bが一年の中盤辺りに使いそうな手です。
よく考えたら、既存アイテムを追加パーツで強化するって阿漕な商売してますねぇ。おもちゃは全部集めたい人、既存のおもちゃを持ってる人、強化版だけが欲しい人。全員購買層に出来るんですもの。
こんな仕様にしているのは、ただカッコいいからというだけではありません。
「《魔法剣・エクストラヒール》《魔法剣・エクストラヒール》《魔法剣・エクストラヒール》」
合体剣は構成パーツ分魔法剣を重ね掛けできるという性質があります。つまり、パーツを追加してやれば更に魔法剣を重ね掛け出来るのです。
これで《魔法剣・エクストラヒール》は7つ。合計10万5000程ですね。
そこに加えて――
「《
――
「斬って斬って、斬りまくります!!」
準備が終わったなら、後は時間いっぱい斬りまくるだけです。
一撃10万オーバーですから、とにかく手数を重視します。ボスは木なんですから、攻撃を回避される心配はありません。
一心不乱に斬って斬って斬って斬って……時間切れまで斬り続けた結果は――
「ふふっ、これだけのスコアが出たならそう簡単には抜かされませんね」
――2位のシルクにダブルスコアどころかトリプルスコアつけての、圧倒的1位でした。
◇
「と、いう感じですね。結構いいスコア出た自信ありますよ」
「「「……流石に凄すぎますよ」」」
アーテルさん……まだまだ最適化できるとは言え、シルクさんのスコアも相当高いものだったんだぞ?
それに3倍差つけて圧勝とか、並大抵のビルドじゃ到底追い付けないスコアだぞ。
「今日のボスには、神官戦士系のビルドが有効でしょうからね。上手く噛み合ってくれた結果ですよ」
「それ言われたら、状態異常特化であのダメージだった私の立場が無いんですけどね……」
状態異常特化も、デバフの影響を受けないダメージソースである以上、かなりいいいスコアが出る事は間違いないのだが……如何せん神官戦士の有効さが桁違いだな。こりゃ。
「よし、じゃあちゃちゃっと攻略サイトに追記しちゃってからシルクさんの特訓始めましょうかね」
「どこで特訓するの? 飛燕はペットの育成もしたいんだよね」
「でしたら、黒アストが手っ取り早いんじゃないですか? 飛燕くんが私の障壁を打ち消して、黒アストのフルバースト無被弾を目指す感じで」
「それがよさそうですね」
| 【ファーストストライク・AOE】 ~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~ (ⅳ)対策: ①デバフ解除手段を持っていく 欠点……普段のビルドに組み込んでない場合、普段と異なるリソース管理を要求される ②デバフを上回るバフを使えるようにする 欠点……結局火力は落ちるし、リソース管理が非常に面倒 ③デバフの影響を受けないダメージソースを利用する 欠点……主に爆弾か、虫系ペットの自爆。前者はそこまでダメージが出ないし、後者は使ってるプレイヤーが少ないし、今から十分に育てるのは難しい ④状態異常をダメージソースにする 欠点……60秒という制限時間によって、十分なダメージを与えるのが困難 ⑤気合や根性や勇気でどうにかする 欠点……これでどうにかできるプレイヤーが極端に限られている (Ⅴ)ビルド別tear(暫定): Tear1……神官戦士 Tear2……虫系ペット 状態異常特化型 |
<おまけ>
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前々回のおまけのあらすじ:
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「そ、それで……虚構舞踏会の次は何と書いてあるのだ?」
UPOの異常性を改めて思い知り、SAN値をゴリゴリ削られながら続きを促すカスミ。
促されたクロムは、攻略サイトの続きの文面を目にし更にSAN値が削られたような顔をする。
「む? どうしたのだ? クロム」
「いや何……少し理解を拒む文言が書いてあってな……」
クロムの理解を拒む文言という言葉に、カスミは不安を感じる。
「え~っと、『虚構舞踏会をクリアできたなら、技術は人間としては頂点に近いレベルに達していることでしょう。そのため、今後は人外のレベルを目指すこととなります』だとさ」
「……人外のレベル?」
単純な5文字の言葉に、カスミの脳は動きを止める。
「あ~……その……なんだ? 要するに、UPOでは人間をやめて初めてトッププレイヤーになれると?」
「そういうこと……なんだろうな。第5のボス『水龍戦車・ミズチ』はアストとさして変わらない正統派なボスだから、新大陸に行くなり何なりしろって書いてあるな」
「新大陸、とは?」
「プレイヤーのレベル上限が80だった頃に実装された、敵の平均レベルが昼間95、夜間100のエンドコンテンツエリアだと」
未来の世界でどこぞの苦労人が歌うように、推奨レベルを20も下回れば戦力差は絶望的なものになる。
そんなモンスターがうようよいるエリアなど、逸般人しかまともに探索出来ないであろう。
「しかも、最近実装されたエリアじゃあレベル150overのモンスターすらいやがるらしいぞ」
「それは……確かに人外レベルの技術を要求されるだろうな」
現在のUPOにおけるプレイヤーの最高レベルは100。新大陸最深部ではレベル差50の戦闘を強制されるのだ。
因みに、UPO新大陸勢は本人が近接戦闘こなしながらファンネルの精密操作が出来る化け物ばかりである。NWOとは強さのジャンルが違うのである。
「本当にUPOと言うのは凄まじいゲームなのだな……」
「だな。人外魔境なんて呼ばれ方も納得だ」
攻略サイトに一通り目を通し終わったカスミとクロムは、ただただUPOの異常さに驚いていた。
「よし。私も、ナギたちに少しでも追い付けるよう頑張らなくてはな。一先ずは件のイベントをクリアするのが目標だな」
「俺に出来る事なら手伝うぞ。俺もメイプルとの明確な差別化点作っとかなきゃ立場が無くなる気がしてな……」
【楓の木】でも正常寄りな二人は、今日も今日とて技術を磨くのであった。
<今回のオリジナル要素&ネタ解説>
・何故かボスがアンデット
凍京ネクロの方では、アンチ・スキルバーストは『女帝
・某仕事人モチーフのスパロボ主人公機
スパロボUXのオルフェス(オデュッセア)。武装とBGMが明らかに必殺仕事人。
・未来の世界でどこぞの苦労人が歌うように
『元検証班共が征くVRMMO(手綱は握られていないものとする)』の『23話 それゆけ愉快な仲間たち①』でクローニンが歌った『オープンワールドあるある大学付属『適正レベルオーバー高校』校歌』。