逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話 作:LR44(ゆっくり)
「さて、やるか」
イベント『
俺は、今日の挑戦権も2/3を検証用に消し飛ばし、最後の一回だけでちゃんとした記録を出そうとしていた。
そう、ただのバカである!!
まあ、ただ単にバカなだけじゃなくて、一回で十分な自信のあるタイプのバカなんだがな。
「頼むぞ、
『了解』
呼び出したのは、今まで使っていたペット達とは異なる新しいペット。『スタータイト・スパロー』の『ヒエン』だ。
紛らわしいけど、俺は『飛燕』でこいつは『ヒエン』だからな。
うん。正直自分でも何でこんな文字じゃないと違いが分からない名前にしたのか分からないんだよ。ただ、ツバメのペットだったからこれしか名前が思いつかなかったんだよ。
「ヒエン、【融合】!」
『心得た』
左腕にとまったヒエンが、防具に溶け込むように融合する。
これまでの融合ペット『香』が武器との融合に特化したペットなら、この『ヒエン』は防具との融合に特化したペット。
【オーバーロード】みたいに、武器と防具両方に融合できるタイプもいいけど、俺はどっちかって言うと何か一つに特化してる方が好きだからな。
「タイマー60秒。【空間認識能力】20割!」
この間の新大陸引きこもり期間に練習していた【空間認識能力】20割──2つの【空間認識能力】を全開で起動する。
60秒以上続けると最悪強制ログアウトだから、まだ60秒しか使えないけど、まだ新大陸組でも使える人が少ない10割overの領域。とくとご覧じろ!!
「バフ積んで……《アローレイン》《コロナレイン》!」
デバフを帳消しにするためバフを積んでから、いつもの範囲攻撃アーツで取り巻きを一掃する。
【流星弓術(極)】と【弓闘術(極)】が合体して複合スキルの【弓闘術・流星(極)】になったけど、《アローレイン》と《コロナレイン》はやっぱり便利なアーツだなぁ。
威力もそうだけど、この攻撃範囲でクールタイムがそこそこ短めってのが本当にありがたい。
「もう一丁! 《矢斬》《舞奉》!」
続いて使用するのは、【弓闘術】のアーツ。弓矢で接近戦を行う、頭のおかしいアーツたちだ。
《矢斬》は矢で相手を斬りつけつつ攻撃と命中のバフをかけるアーツ。攻撃が命中すればその効果は1.2倍だ。
《舞奉》は弓本体で相手を殴りつつクリティカルバフをかけるアーツ。攻撃が命中すれば効果は1.3倍。
そして、これらの攻撃に反応しヒエンのペットスキルが起動する。その名も【燕返し】!
近距離の敵に対して攻撃した時、自動で50%の威力で風属性の追撃を行ってくれるスキルだ。
このペットスキルのおかげで接近戦での火力が約1.75倍!! *1
「も一つオマケで……《烈火》ァ!!」
今使用したのは、【○○弓術】と【弓闘術】を合体させ、複合スキルである【弓闘術・○○】にした場合に解放されるという、かなり特殊なアーツ。
リンさんに協力して貰った結果【弓闘術・閃光】でも同じアーツが使えるのが判明している。
《烈火》は《パワーショット》と言う低射程高威力の弓系基礎アーツを、更に強化したアーツ。
因みに【弓闘術・○○】のアーツは高威力の炎系、高射程の風系、広範囲の水系の3種類に分類できる……のだが、
「《雨垂》ッ!」
今使ったアーツ《雨垂》は水系に分類されるのだが、何故か単体攻撃で消費が軽くて防御貫通と累積する防御低下付与とか言うぶっ壊れアーツになっている。
いやホント何で?
「セッ、ヤッ、シッ」
弓で殴って、矢で斬って。たまに矢を射って、リキャストが終わり次第《雨垂》を打ち込んで。火力を伸ばすためにちゃんと《チェインアロー》は挟みつつ。
デバフ解除用に15秒で起動する、デバフ回復の【儀式魔法】を使って。
ボスからの攻撃は全部、【紋章術】の《障壁》で受け止めて。
「《旋刃》《歪曲》《歪曲》《歪曲》」
そんなことをしている内に残り秒数が少なくなってきたので飛距離が長いほどダメージが伸びる《レンジショット》の強化版風系アーツ《旋刃》を後ろに放つ。
神獄塔の時にも使った《歪曲》で無理やり飛距離を伸ばすコンボだな。
「《雨垂》《驟雨》《アローレイン》《コロナレイン》《天弓火嵐》!」
《雨垂》でデバフを追加してから、範囲攻撃アーツを4連続で叩き込む。
《アローレイン》の強化版水系アーツ《驟雨》と本家本元の《アローレイン》。
それと、弓系スキル物理特化派生で使えるようになる《アローレイン》の強化版アーツ《コロナレイン》に、物理特化派生でも使える希少な火属性特化アーツ《天弓火嵐》。
弓の範囲攻撃アーツは多数の矢を上向きに放つ→多数の矢が降り注ぐという共通のモーションを取る。そのため、至近距離で放った場合ダメージが多少落ちるものの、広範囲にばら撒かれるダメージが一体に集中するという性質を持っている。
それと、『ファーストストライク・AOE』はアンデット系かつトレント系なので、相乗効果で火属性が良く通る良く通る。
「そろそろ終わりだし、いつものやっとくか!」
残り秒数的にこれがラストの攻撃になるだろうから、
「《追衝の一矢》!」
毎度おなじみ《追衝の一矢》。着弾後5秒間に与えられたダメージの50%を追加で固定ダメージとして与える、俺のお気に入りのアーツだ。
《チェインアロー》と同じく、正統派な物理弓で火力を出す手段としてはオーソドックスな奴だな。
「《ウィークネススナイプ》《チェインアロー》」
まずは、弱点ヒットで火力が上がる、これまたお気に入りのアーツ《ウィークネススナイプ》を打ち込む。
ついでとばかりに《チェインアロー》も叩き込んで、火力増強は十分だ。
「《轟炎》!! 《爆焔》!!」
続けて打ち込むのは、【弓闘術・○○】の炎系アーツ2種。
《轟炎》は飛距離が短いほど威力が上がる《アサルトショット》の強化版。当然ゼロ距離でぶち込んでやった。
《爆焔》はクリティカル時にダメージにボーナスが付く《スナイプショット》の強化版。Str,Dexの準極で、【紋章術】のクリバフも積んでるから当然クリティカルだ。
「《時雨》《獄火》──」
《時雨》は水系で、5本の矢を同時に射る《フィフスショット》の強化版。
《獄火》は名前の通り炎系。防御最大30%貫通の高火力アーツだ。
そして、一連の攻撃の最後は……
「──
少し前から待機させていた《旋刃》を、《加速》とユニーク装備効果*2を乗せてぶち込む!
タイムアップきっかりに起爆した《追衝の一矢》と合わせて、下手すればレイドボスすら死にかねないダメージを叩き出した俺は──
「よっし。上出来上出来」
──トップとまではいかないものの、3位と言う非常にいい記録を叩き出したのだった。
因みに1位はレグルスさんで、2位はアーテルさんだった。その後他のユニーク持ちみたいな有名プレイヤーが続いて、8位がシルクさんだった。
「多分有名プレイヤーは挑戦権吐き切った時間帯だろうし、上位帯はこれで確定かな?」
アーツ回しの確認やMPが足りるかの計算などをしている内に、挑戦したのは大分遅い時間になってしまっていた。
明日は学校だし、そろそろ落ちて寝ないとなぁ。
◇
「「お疲れ様、乾杯!」」
イベントが終わった翌日。学校から帰った俺と夕凪は、料理を用意してイベントのお祝いをしていた。
あ、乾杯とは言ってもお酒とかじゃなくてジュースだぞ。
で、お祝いしているという事は当然──
「いや~、それにしても二人ともトップ3入り出来るなんてね」
「ああ、流石に驚いたな」
──二人とも、イベントで好結果を残していたのだ。
俺は、【ファーストストライク・AOE】で3位。ナギは【アンチ・スキルバースト】で2位だったんだよな。
「俺の方は思ったより【弓闘術・流星】のアーツが火力出せたのが大きいけど、夕凪の方はどうなんだ?」
「私は多分、アーツとアクティブスキルに依存しない依存しない火力を持ってる人が少なかったのが大きいんじゃないかな?」
これだけの高順位になれたのには、ボスとの相性が非常に良かったというのも当然あるんだが。それでも、嬉しいものは嬉しいよな。
「っていうか、コレ結構おいしいね」
「だな。本で見て試しに作ってみただけだったんだが……結構いけるな」
夕凪の言う通り、用意した料理は本当においしいのか若干疑問だったんだがこれだけおいしいとなると、またやってもいいかもな。
夕凪が親戚から大量に貰って来たからなぁ、コレ。まだまだ残ってるし早めに消費しないと。
飛燕と夕凪が食べてた料理については、また来週の閑話でお送りします。
<今回のオリジナル要素&ネタ解説>
・《烈火》《雨垂》etc……
銀鈴さんの新作『元検証班共が征くVRMMO(手綱は握られていないものとする)』に登場した、【大弓】派生の【剛弓】の
FEV(元検証班共のゲーム)は、UPOの開発会社がUPOサ終後にサービス始めたVRMMOなので、本作世界線ではUPOに存在したアーツをFEVに移植した形になる。
そのため、FEV正式サービスでは存在しなくなっていた《雨垂》も本作では存在するしちゃんと使える。何ならちゃんとぶっ壊れなので過労死レベルで働いてもらう予定。