逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話 作:LR44(ゆっくり)
「ただいま~っと」
「お邪魔しま~す」
UPOイベント『
昼休みに結果を確認した俺と夕凪は、二人ともが上位だったので軽いお祝いをすることにした。
そんな訳で、夕凪の家に買ってきた食材を運び込んでいた。
「いつも言ってるけど、飛燕もただいまでいいんだからね?」
「そうは言ってもなぁ、昔っからの癖ってのは中々抜けないものだぞ?」
「そうれもそうなんだけどさぁ」
夕凪といつも通りのやり取りをしつつ、料理を用意しようとキッチンに向かう。
その途中、とあるものがいっぱいに詰まった段ボールが目に留まる。
「これって……柿か?」
「うん。今朝親戚から届いたんだけど、流石にこの量はどうしようか悩んでてね」
柿か……普通に剥いて食べてもいいけど、この量は流石にダメになる方が早そうだし……
あ、そういえば
「そういや『衛●さんちの今日のご飯』で柿を使った前菜料理紹介されてたよな」
「ん~……あぁ、そういえばそうだったね。試しに作ってみる?」
「こんだけあるんだし、やってみてもいいかもな。多分俺の部屋にあったはずだから本取ってくるわ」
「じゃあ私はメインの料理下ごしらえしとくね」
◇
「じゃあ、早速作っていくぞ」
「柿で料理ってちょっと変な感じだね」
「それは俺もだよ」
軽く笑いながら夕凪の言葉に返す。本じゃぁ美味しいって言ってるけど、正直見た目だけじゃゲテモノの匂いしかしないんだよなぁ。
「え~っと……まず、柿を8~12等分に切り分ける」
「8~12等分だね。ちょっと大きめだから、12等分にしようか」
皮をむいて、切り分けて。このくらいだったら普段と何ら変わらないな。
「んで、ベーコンの片面に片栗粉を薄くつけて、柿を巻いて楊枝で止める。油を引いたフライパンで、ベーコンに焼き色がつくまで中火から強火で焼く、だとさ」
「柿とベーコンかぁ。本当に合うのかなぁ」
「俺も夕凪も、給食で出たリンゴのサラダとか苦手だったからな」
ふと、あの食べられない程不味いという訳でも無いが積極的に食べたいとは到底思えない味をした給食を思い出して苦笑いする。
給食って、栄養を優先するからか、たまに味が等閑になってるメニューがあるんだよなぁ……
「じゃあ、次は柿とクリームリーズの包み揚げだとさ」
「柿とチーズって、どっちかって言うとデザートみたいな組み合わせだね」
「確かにな」
夕凪の言う通り、あんまり前菜って感じがしない料理だよな。コレ。
「拍子切りにした柿と、同じ大きさに切ったクリームチーズを餃子の皮に乗せて、フチに水を付けて包む」
「柿とクリームチーズを乗せて、包んでっと。餃子の皮ってあると何かと便利だよね」
「だな。んで、140~160℃の低温で揚げて、餃子の皮がきつね色になったら油から上げて塩を振って完成……塩!?」
「はいはい、揚がったら塩ね。って、塩!?」
いや……柿に塩って合うのか?
チーズに塩はまだ分かるけど。
「柿に塩って……どんな感じなんだろ」
「流石にスイカに塩みたいに食べたくない感じじゃないと思いたいけど……」
甘くなって美味しいって言うけど、俺も夕凪も無理だったんだよな。スイカに塩。
「んで、次はサラダ。柿、大根、きゅうりを細い千切りに、ミニトマトは1/4に切る。大根ときゅうりは水にさらしてから、水気をきって柿を加えて和える。で、ツナとミニトマトを添えてドレッシングっと。夕凪、ドレッシングはどうだ?」
正直、さっき話に出た給食のリンゴのサラダの同類の気配を感じるんだが。本当においしいんだろうか?
「ちょっと待ってね……塩、コショウ、レモン汁、酢をよく混ぜ合わせて、オリーブオイルを加えて、ドレッシングが白っぽくなるまで混ぜる。そして、そこにすりおろした柿を入れて、甘みが足りなければ砂糖を加える、っと。飛燕、ドレッシング出来たよ」
「おう、じゃあ盛り付けて柿料理は完成だな。っていうか、ドレッシングに砂糖か……前菜ってこんなゲテモノデザートみたいな料理なのか?」
「う~ん……私のイメージじゃそんなこと無いと思うんだけどなぁ」
まあ、取りあえず食べてから考えるか。これが美味しけりゃ、大量の柿をただ食べる以外にも使い道が生まれるって事だし、使い切るのが少しは楽になるだろうからな。
◇時系列:前話ラスト直後
作った柿料理を食べてる最中、夕凪がポツリと呟く。
「そういや、そろそろ学園祭があるんだっけ?」
夕凪の言葉に少し記憶を探ると、確かに先生がそんなことを言っていた記憶があった。
「だな。うちの学校の学園祭は、色々ぶっ飛んでるって噂だから楽しみだよ」
「そうだね。去年は……何だっけ?」
去年の学園祭か。幸村先輩から聞いたことがあったな。確か……
「お化け屋敷のクオリティが異様に高かったり、美術部と書道部がス●ラトゥーンやりだしたり、演劇部が頭のネジが外れた演目やったり、軽音楽部がテスラコイルを楽器にしたり、先生がロープアクション込みの殺陣して、校長先生がカツラでブレイクダンスしたり。だったらしいな」
改めて列挙してみると本当にとんでもねぇな。生徒全員頭のネジが外れてるか最初から存在しないかなんじゃないか?
UPOプレイヤーの、それも極振りのノリについていける学校……なんか急に『私立稀世学園高校』って言葉が頭に浮かんできたんだが。多分NWO第四回イベントの時と同じく、どっかから受信した謎の電波だな。
「うわぁ……高校の文化祭でやって良いノリじゃないでしょ、それ」
「うちの高校の先輩方、大概ぶっ壊れてるからなぁ。当然筆頭は幸村先輩たちだとしても」
「実はね……瀬名さんから、先輩たちには幸村さん以上にぶっ飛んでる人もいるって話を聞いたことがあるんだよね……」
「えぇ……うちの高校本当に魔境過ぎんだろ……」
そんな高校に進もうと思った俺たちも俺達だよなぁ……
作者の息抜きの、ちょっと短めのお話でした。
親が貰って来た柿を食べながら『衛宮さんちの今日のご飯』を読んでたら思いついた回でしたが、書こう書こうと思ってる間に柿の旬が過ぎちゃったので話に出てきた料理は実際に食べてはいません。
飛燕と夕凪の反応は想像で書きました。多分、包み揚げは普通においしそうですし、ベーコン巻きも割と行けそうなんですよね。ただ、柿のサラダは本編にも出てきたリンゴのサラダへの苦手意識が高すぎておいしそうなイメージが出来ないんですよね……
それと、昨日唐突に思いついて書きなぐった短編上げてるので、よかったらどうぞ→『部室でカートン剥き始めるバカのお話(仮題)』
<今回のオリジナル要素&ネタ解説>
・給食で出たリンゴのサラダ
中の人が嫌いだった給食のメニュー。食べれなくは無いけど積極的に食べたいとは到底思えない料理。
・スイカに塩が無理
中の人の実体験。