逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

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 予想以上に長引いたボス戦、続きです。
 それと、常夜さんサニーさんパートは、作者が存在忘れてたのでありません。(書き溜め中に気付いて急いで追記しに来た人)
それと、UA25000ありがとうごさいます。


第55話『……勝った! 第三部、完!!』

 

《ダンジョン『徘徊する狂気の寺院』》

《現在の当ダンジョンの踏破者 : 0》

《現在のダンジョン内にいるプレイヤー : 10》

《ダンジョン難易度 : 12/10》

《ダンジョン踏破率 : 100%》

《ダンジョンボス : 鍵にして門たる外なる邪神Lv120》

 

 どうにかこうにか辿り着いた【鍵にして門たる外なる邪神】5ゲージ目、最後の1/5。

 ここからはほぼ未知の領域。これまで何度も挑戦した中でも、片手の指で足りる程度の回数しか辿り着いたことが無い。

 辛うじて分かっている情報は、これまで行ってきた全ての行動を使用してくること。全ステータスに大きなバフがかかること。そして、分からん殺しな新規行動がある、という程度のこと。

 

 一番の問題は分からん殺しだ。明らかに攻撃を貰っていないにも関わらず大ダメージで即死することがある上、【鍵にして門たる外なる邪神】は一切の行動をしていないにも関わらず即死する事さえある。

 即死するタイミングに規則性が見えない以上、対策のしようがないのがこの上なく厄介だ。

 

「どうする、飛燕? 今回も様子見に徹する?」

「いや……また次にここまで来るのがいつになるか分からないし……」

「あぁ、それもそうだよね……明らかにこのボスパーティーで挑んだ方が有利だしね……」

「ってな訳でワンちゃん狙いで特攻してくるから、俺が死んだら後は頼んだ」

「まあ、ペットの数的に特攻するなら飛燕が適してるよね……」

 

 という訳で、俺が特攻してHPを可能な限り削った後で、ナギに柔軟に対応して貰う事にする。

 前回イベント同様、死亡すると控えのペットと交代する仕様なため、6体フルに連れてきていて、尚且つまだ1体も死亡していない俺は特攻して体力を削るには最適だ。

 

 最悪、確率食い縛りスキル持ちのナギが運ゲーすれば勝てる可能性が微粒子レベルで存在してるし。

 

 

 

 と、いう訳で。先ずは『香』。リソースを完全に吐き切ったペットなので早い段階で使い捨てて少しでも攻撃パターンを見るのに利用する。

【融合炉心】で武器と融合しつつ少しでもMPを回復し、【空ヲ駆ケル】で少しでも威力を上げた攻撃を叩き込む。

 

「あっぶ……やっぱり分からん!!」

 

 地雷を展開してきたので回避したところ、いつものように分からん殺しにやられた。

【不朽不屈】で復活するも、目の前に置かれていた地雷に対応できず死亡する。

 

 削れた体力は1ゲージの1%にも満たない。特攻を始めた時の体力に換算しても僅か5%程度となる。いくらリソースを吐き切ったペットとは言え、その程度しか削れていないのはかなり厳しい。

 

「次ぃ!!」

 

 お次は『刻』。火属性強化特化で、【太陽に住まう鳥】の効果で攻撃全てに火属性が付与されるので俺のペットの中では属性特化としては最強だ。

 その分近接性能はそこまででも無い上、このボスには属性ダメージはあまり効かないため相性はあまり良くない。ただ、連れてきていないペットは索敵特化の『響』一体なので、それよりはましという事で連れてきている。

 

 両足で両刃剣(ハヤテ)を掴み、思いっきりぶん回す。

 斬って斬って、一か所にとどまっていたらその場所に霧を出されたので一旦避けて。霧が晴れたので元の場所に戻って攻撃を再開……したところ、またもや分からん殺しにやられる。

【三ツ足ノ神鳥】の効果で復活するが、復活した直後に分からん殺しで再度死亡する。

 

 削れた体力は『香』の2.5倍から3倍ほど。相性があまり良くないにしてはダメージが出た方だろう。

 

「ほんっと分からん!」

 

 次は『ヒバリ』。霧と瘴気を気にせず殴れる分、嶺よりも火力が出せる……かもしれない。正直ヒバリも嶺も耐久寄りで、火力面はクソ雑魚ナメクジだからな。霧と瘴気を無視出来た所で五十歩百歩がいいところだろう。

 

 霧は無視し、不可視の衝撃波を避け。ミスって喰らった状態異常攻撃を【雲散霧消】で解除して、瘴気も無視して。【幻体】カウントが溜まっていたので、殴るのにちょうどいい場所に設置された地雷は漢解除して。

 珍しく分からん殺しが飛んでこないな、と思いながら殴っているといつの間にか分からん殺しで死んでいた。【幸運の翼】で食い縛り何とか数発殴ったが、避けきれなかった衝撃波で死亡した。

 

 ……何か違和感が。香よりもヒバリの方が分からん殺しが来にくい……ここに何か、分からん殺しの突破方が隠れている気が……

 

 そんなことを頭の片隅で考えながら相手の体力バーを見る。HPの削れ方は『刻』の約半分ほど。火力が無いにしては上々の結果じゃないか? 

 

「詳しいことは後だ後! ハイ次ぃ!!」

 

 考える時間が欲しかったので次は『嶺』。HPとMPが共有化している事に由来する体力の暴力で殴る時間と考える時間を確保することにする。

 

 足はそこそこにあるので攻撃を避けるのは割と容易いが……分からん殺しのタネが見えてこない。

【空間認識能力】全開でも見えてこないため完全に不可視の攻撃と言う線は無し。感覚的に、攻撃の当たり判定とダメージだけが発生している気がする。

 ただ、当たり判定が発生している地点は【空間認識能力】に映らないから規則性が分からない。流石にここの運営も、ノーヒントで運ゲー回避するしかない攻撃なんて実装しない……と信じたい。

 

 ……霧と瘴気を無効化できるヒバリで、分からん殺しを余り喰らわなかった? もしや……

 

「……試してみるか」

 

 丁度良く瘴気による攻撃が来たので試してみる。霧か瘴気が、俺の仮説が合っているか一番分かりやすいからな。

 

 瘴気が晴れたのを見計らい、瘴気が発生していた位置に移動する。それと同時に、瘴気が発生してからの時間もカウントしておく。

 24、25、26……カウントが30になった瞬間、多段ヒットダメージで【黄泉戸喫】と【桃華】による2回の復活も貫通してHPを削り切られた。

 

 そして、これで俺の仮説が正しいことがほぼ確実になった。

 一応、間違ってる可能性が無きにしも非ずだが、むしろこれじゃなかったらどんなタネか予想もつかないのでこれだと信じる事にする。

 

「ナギ! 多分こいつの分からん殺しは『30秒前の攻撃の当たり判定だけを復活させる』行動だ!!」

「嘘でしょ!? このボスの分からん殺し、予備動作全くないんだよ!? 30秒前の攻撃まで考えて動かなきゃいけないの!!?」

「みたいだな。不可視の衝撃波とか多分無茶だろうな」

 

 ペットを『白』にしつつ、ナギに仮説を伝える。

 タネさえ割れてしまえば分からん殺しは分からん殺しじゃなくなるから、いくらでも対処のしようはある。さっき言った通り不可視の衝撃波は厳しいかもしれないが、それ以外なら頑張れば回避も何とかなると思う。

 それに、残ってるペットは『白』と『ヒエン』。自由に飛行できる上、火力に特化したペットだから、攻撃が回避できればかなりのダメージが期待できる。

 ボスである【鍵にして門たる外なる邪神】の残り体力は1ゲージの15%ほど。特攻を始めた時の体力に換算すれば7~8割と言ったところ。

 

 今使っている武器は双刃剣なので、白のスキルの【弓箭の道】*1と【弓ノ真髄】*2は、別の火力増強スキルに入れ替えている。

 

 なので、刻の倍くらいは削れるとは思う。ダメージが上振れれば俺だけでも勝てるだろうし、リソース温存してるナギが残ってるからほぼ確実に削り切れる。

 

「今計算したんだが、コレ多分勝ったな!!」

「そうやってフラグ立てるの止めて欲しいんだけど……まあ、この間みたいなリザレクション持ってない限りは多分勝ったね」

「……勝った! 第三部、完!!」

「それ勝ってないフラグ!!!」

 

 これ以上変なギミックが無い限りは、油断しなければ勝てるはず! 

 さあ、気を引き締めていくぞ!! 

 

 ◇

 

「飛燕、ナギ。クリアおめでとう! 乾杯!!」

「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」

「「ありがとうございます! 乾杯!!」」

 

 とまあフラグを立てた割に、何もなく勝ててしまって。今は【月下の門】ギルドハウスでの宴会中だ。

 参加メンバーは【月下の門】メンバー全員とLRさん。俺ら以外の3チームすべて最下層のボス戦まで到達していたそうで、中々にギリギリの勝利だった訳だ。

 

「ところで、ボスのドロップは何だったんだ?」

「基本的に難易度10のボスドロップと変わりませんでしたね。ただ、使うと黒アスト2体分くらいの経験値が入るアイテムがいくつかドロップしたので安定して勝てるなら周回するのもアリですね」

 

 レグルスさんがボスのドロップを質問してきたように、あれだけのボスなら何か特別なアイテムをドロップする事を期待するかもしれないが、別にそんな事は無かった。

 落とす進化素材は難易度10と全く変わらない。一応固有のドロップとして経験値アイテムもあるが、あのボスを周回できるなら黒化ボスの周回もできるだろうから時間短縮以上の意味は無い。

 

「周回するならフルパーティーで行きたいなぁ。6人もいれば4・5ゲージ目を完全に飛ばして高速周回もできるかもね」

「逆に言えば、6人パーティーでもゲージを飛ばさないと周回は厳しいんですね……」

 

 ロウさんの言う通り、あのボスは6人パーティーでも正攻法では厳しいと思う。俺がやったような特攻も周回には不向きだし。

 慣れれば割と何とかなる1ゲージ目と、位置取りとスキルによってはほぼ無傷で突破できる2・3ゲージ目はまだいいけど、運が悪ければあっという間に詰む4ゲージ目と、途中から4ゲージ目と同じ行動を取りつつ更に30秒前の攻撃にも気を配らなくてはならない5ゲージ目。

 この2ゲージは周回するなら大ダメージで飛ばすのが安牌だろう。

 

「私たちはもうちょっと2人だけで粘ってみるよ。いい動画のネタにもなりそうだしね」

「右に同じく、ですね。っていうか今さらですが自分がここにいていいんですかね……」

「勿論ですよ。ほぼほぼ身内ギルドみたいなものですからね。どこの誰とも知らない人が突然来るとかならともかく、今いるメンバーが誰かを連れてくる分には大歓迎ですよそれに、かなり腕が立つらしいですしあわよくば【月下の門】に抱き込めればって考えもありますし

「ちょっ!!?」

 

 グリモアさん・LRさん・オーロラさんの会話ではLRさんを【月下の門】に引き込もうとする会話が繰り広げられていた。

 確かに動画を見た感じだとLRさんは結構いい腕してるし、引き込めるなら【月下の門】に引き込みたいんだよな。

 

 

 その後も宴会は続き、殆どのメンバーが寝落ちする事になったのだった。*3

*1
弓類に憑依している間、最大射程延長と自然影響による弾道のぶれを抑制する

*2
弓類を用いた攻撃は与ダメ+30%、クリティカル率+40%。それ以外を用いた攻撃は与ダメ半分、クリティカル発生無し

*3
オーロラさん・ロウさん・アーテルさん以外の全員が寝落ちした




 風の吹くまま気の向くままに書いていたら字数と話数がとんでもないことになりそうなので、途中で無理やり終わらせました。

<今回のオリジナル要素&ネタ解説>
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