逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

71 / 84
 一人暮らし……大学生……
 やること多くて忙しいし、大学にはまだ慣れないし。
でも何より……家に常に自分一人しかいないのが凄い寂しい。早速実家が恋しくなってる。(2日目時点)


第57話『はいフィニィィッシュ!!』

 

「はいフィニィィッシュ!!」

「アバーッ!?」

 

 UPOPvPイベント【正月礼賛、餅つき兎は最強の夢を見るか REVIVAL】ペアの部。

 打ち合わせ通り俺とナギは延々とペアの部に挑戦して、順調に連勝を伸ばしていた。

 

 初日に10回ほど潜ったが、セナさん藜さんペアに負けた以外は全勝だったし、【戦闘狂】の名前は伊達じゃないって事だな。

 

「勝率的にも参加回数的にも、この調子で行けば決勝トーナメントに行けそうだね」

「まあ、ナギがいる以上よっぽどの相手じゃ無きゃ負けないだろうしな。って言うか毎回優勝できるおかげでポイントが美味いな、イベント期間半分も行かないうちに目標ポイントに届きそうだ」

「でしょ? やっぱりこういうイベントは勝率安定してると効率もすごくいいよね!!」

 

 ナギの言う通り、安定して優勝できるならPvPイベントという形式はポイント効率は最上級だ。

 火力がインフレしすぎている以上、もうモンスターを倒してポイントを集める形式のイベントの開催がほぼないだろう事を考えれば、ぶっちぎりトップと言っても過言では無いだろうな。

 

「そういや、結局戦闘できるユニークは全員ペアの部に集まってるんだっけ?」

「だね。まさかここまで集まるとは思わなかったよ」

 

 あぁ、そうそう。この間誘った人たちだけじゃ無くて、その後誘った人たちと誘った人が誘った人たちで、結局非戦闘系な【農民】【大工場】【大富豪】【ラプラスの悪魔】と戦闘機運用前提な【マナマスター】以外の全ユニークホルダーが、このペアの部に参加しているのだ。

 

 後、言い忘れてたが今回のイベントでも極振りは隔離措置を受けている。

 極振り達もイベントへの参加自体は可能。ただ、極振りが参加した戦闘では決勝トーナメントへの進出に関係する諸々の要素への影響がない上、勝っても負けても相当なポイントが手に入るという、ある意味ボーナスステージ的な扱いになっている。

 勿論言うまでもないことだが、極振り達は決勝トーナメントへの出場が出来なくなっている。ついでに去年はあった極振りエキシビションも無くなっている。イベント開催直前まではする予定だったらしいのだが、直近の極振り達の戦闘ログを確認した結果サーバーが耐えられないと判断したそうな。うん、英断だと思う。

 

()()は隠し通せそうだし、結構いい線行けるんじゃないか?」

「まあ、手札隠してるのは皆も同じだからね。でも、ワンチャン優勝も狙えると思ってるよ」

 

 ナギの言う通り、俺らが手札を隠してるように他の人達も手札を隠してるだろうことはほぼ確定。

 だからこそ、有利不利問わず殆どのプレイヤーに4~5割ほどの勝率を誇るナギのいるこのペアなら優勝だって狙えるとは思う。

 

「さて……そろそろもう一回参加するか?」

「十分休憩できたし、今日中にあと4~5回は優勝しときたいね」

 

 尚、この後ユニークホルダーとばかり当たってしまい、5回優勝するまでに10回以上もトーナメントに参加することになりましたとさ。めでたしめでたし。

 ……何もめでたくねーよ。流石にここまで沼るとか想定外だったわ。

 

 ◇

 

「一つ二つ三つ……あぁ駄目だ! 素材が足りねぇ!!」

「レグルス、大丈夫?」

「だいじょばないな。このままなら決勝トーナメント進出は安泰だろうから、ちょっくら素材堀りに行ってくるか」

「私も手伝いますよ。2人でやった方が早く済むでしょう?」

 

 イベントも中盤に差し掛かかろうかと言う頃。レグルスとアーテルの二人は【月下の門】ギルドホームのレグルスの部屋にてアイテムボックスの中身を確認していた。

 

 同じギルドの【狙撃手】【戦闘狂】ペアも【武芸百般】【魔解の者】ペアも、明らかに切り札として隠し玉を持っている。

 自分たちも一応用意してはいたが、それ以上のものを用意する必要があると思い素材のストックを確認したのだが……作ろうとしているものの要求量にはまるで足りない。作るものが作るものだけに仕方ないのだが、現在所持しているポイントを全てアイテムに交換した後ストックを全放出しても要求量の半分にも満たない。

 

「市場に流通してる分買い占めて、イベント期間中ポイント稼ぎとアイテム集めに集中して、何とかギリギリ……って感じか?」

「それでも足りるかどうかは分の悪い賭けですね。レア泥ならともかく特殊泥は殆ど市場に流通しないですからねぇ」

「そこなんだよなぁ」

 

 一番の問題は黒化ボスの特殊ドロップは、ほとんど市場に出回らないということだ。

 実装からしばらくたった今でも、黒化ボスを安定して周回できるのは一部のトッププレイヤーに限られる。それ故黒化ボスを周回するプレイヤーは、自分若しくはパーティーメンバーがドロップアイテムが必要なプレイヤーが殆どだ。

 そんなプレイヤーが、手にいれた黒化ボスの特殊ドロップアイテムを市場に流すだろうか? いや、流さない(反語)

 

「まあ、地道に集めるしかないか。とりあえず今から黒アスト行こうと思うが、アーテルはどうする?」

「私は黒化ボス素材持ってそうな心当たりあたってみますよ。ナギちゃんとか極振りの方々とか、特殊泥は使ってしまっているでしょうがレア泥くらいなら余っているかもしれませんからね」

「それもそうか、じゃあそっちは任せてもいいか?」

「えぇ、もちろん」

 

 ◇

 

「さて、リーフ。分かってますね。私たちはどちらも対モンスター特化。格下相手が多い予選ならともかく、同格や格上と当たる決勝トーナメントでは勝ち上がれそうにありません」

「そりゃあまぁ、ナギちゃんとのPvPでの勝率1割も無いもんね」

 

 イベントも丁度折り返しの日。ギルドハウスにてロウとリーフが話し合いをしていた。

 2人も話している通り、ロウとリーフはPvP 向けのビルドでは無い。格下相手が多い予選ならともかく、というのはロウも言っている通りである。

 

「という訳で、初見殺しでも何でもいいんで何かしら切り札を用意しなければなりません」

「って事は1回戦突破が目標?」

「ええ。ここはもう2回戦突破は考えません。今の調子なら決勝進出はほぼ確定なので、適度に時間を切り札開発の方に回しましょう。幸いなことに、私たちのユニーク称号は初見殺しを作るにはうってつけです」

 

 ロウのユニーク称号は、消費が増える代わりに武器種を問わずアーツを使用できるようになる【武芸百般】。リーフのユニーク称号は、既存魔法をカスタムしオリジナル魔法を作成できるようになる【魔解の者】。どちらも他プレイヤーが見たことも聞いたことも無い初見殺しを作るにはうってつけのユニーク称号だ。

 

「でも、生半可な初見殺しなんてトップの人達には通用しないよね」

「そうなんですよね。それこそ、この間のボスのように『過去の当たり判定を復活させる』クラスのトンチキ初見殺しでも無ければ厳しいでしょう。最悪初見で回避されてしまうかもしれませんね」

 

 と、ここで問題になってくるのがトッププレイヤーの対応力。【空間認識能力】展開率が高いプレイヤーは未来予知にも近い精度で先読みをしてくる。

 イベントボスのように()()()()()()不可視の攻撃ならばともかく、プレイヤーに使える程度の初見殺しならば、初見で対応されてもおかしくは無い。

 

「う~ん……もう、初見じゃ絶対に避けられない広範囲攻撃でも使う?」

「……ソレ、いいかもしれませんね。確かリーフは()()魔法も使えましたよね?」

「あの魔法……あぁ、アレ? でもあの組み合わせ消費も大きいし準備にも時間かかるよ?」

 

 リーフは、ロウの言う『あの魔法』に心当たりがあったようだが、その欠点も理解しているようで首を傾げている。

 

「それに関しては私が何とかしましょう。私が対戦相手を二人とも押さえておくので、リーフはその間に」

「う~ん……トップの人達を抑えられるかは心配だけど……」

「私はユニーク称号のおかげでアーツ周りの汎用性はピカ一です。何とかして見せますよ」

 

 ◇

 

「あ、いけちゃった。どうしよう、コレ」

「……上手く活かすのは難しそうだけど、狙って発動できるようになればかなり強い、と思う」

 

 決勝トーナメント開催二日前。常夜とサニーの二人は、トーナメント会場の控室で相談をしていた。

 

 相談をする事になったのは、二人がトーナメント参加中に偶然見つけたとある仕様が原因である。

 

「この仕様、バグ? 意図的?」

「……挙動としては私もよくやる奴に似てる、気がする。でも、完全に意図的な仕様って感じも、しない。多分、特化紋章術の同時発動と同じタイプ、と思う」

「う~ん……なら、基本1回限りの切り札として使うのが良さげ? 一先ずは、確実に使えるよう練習しようか」

 

 発見したのは本人たちにも全くの偶然であり。その有用性と難易度、そしてバグかどうかの判断の難しさにより本人たちも扱いに困っているようであった。

 

 尚、結論から言ってしまえば二人が発見したものは完全に運営の想定通りの挙動であり、発動する状況が極めて限定的すぎたため、今まで発見されるに至らなかっただけの、ただの正規の仕様である。

 

「でも、もしバグだったら修正されるかも。決勝トーナメントまでは、運営にばれないように」

「……グリッチ(バグ利用)はあまり褒められたことじゃ無い、ですよね」

「でも、そんなこと言ってられるほど、強くは無いのも、事実。お目こぼしされるのを、願うしかない」

 

 それを露ほども知らない二人は、バグ利用にならないかどうかを心配しながら、見つけたテクニックの練習をするのであった。

 因みに、この練習に集中しすぎた結果、決勝トーナメント進出がギリギリになったのは本末転倒と言うほかないだろう。




 環境の変化で筆が進まない進まない。前話の投稿日見て貰えればわかる通り、書き溜めは結構作ってたんですが、それが無くなるまでにどれだけまた書き溜め作れるか……

 あ、それと、常夜さんとサニーさんが若干書き分け面倒だったのでサニーさんのセリフの最初には『……(三点リーダー)』をつけることにしました。

<今回のオリジナル要素&ネタ解説>
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。