逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

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推しと推しと推しのコラボで天元突破グレンラガンしたテンションのままに書きなぐったので初投稿です。(5/2~5/6までで1000字ほどしか書けてなかったのに、5/7の夜に残りを一気に書き上げられた人)


第59話『私の切り札、お披露目だよ!』

 

「一発限りの、私たちの切り札」

「とくとその目に焼き付けろ! なんちゃって」

 

 ロウさんとナギさんがそう宣言した直後ロウさんが、俺とナギからリーフさんへの射線を切るような位置へ移動する。

 それと同時にリーフさんの周りに何層にも積み重なった巨大な魔法陣が展開される。

 

 明らかにリーフさんが準備に時間のかかる大技を使うから、その時間稼ぎをロウさんがする形だろう。

 リーフさんが展開した魔法陣は、恐らく【コート・オブ・アームズ】系の魔法陣を【改造魔法】を利用して他の魔法に適応したものだろう。

 去年のイベントでユキさんが披露したように、【コート・オブ・アームズ】は正確な魔法陣さえ描ければ割と何でもできる。なんせ、場所さえ合えばレイドボスを呼び出すことすら適うほどなのだから。

 だからこそ、リーフさんがこれから使用しようとしている魔法は強力なものであることは容易に想像がつき。同じように妨害の必要性も想像は出来た。

 

「そんな見え見えの陣形でっ!」

「見え見えの陣形、だからですよ」

 

 当然、俺とナギはリーフさんの魔法発動を妨害しようと動く。こちらは二人がフリーなのに対し、あちらは一人が魔法の準備にかかりっきりで、ロウさん一人で俺たち二人を抑えなければならない。妨害自体は容易に可能だろう。

 

 だが、この違和感はなんだ? いくらロウさんがPvPを練習してきたとは言え、俺とナギの二人を単独で押さえておくことなど不可能だろう。そのこと自体はロウさん自身も十二分に理解しているはずだ。

 だというのに、この布陣……この布陣自体が罠で、俺たちを誘っている? それとも……

 

「さあ、初見殺しも初見殺し。2度目は決して通じない私たちの切り札。とくとご覧いただきましょう。《居合抜き》」

 

 ロウさん使用したのは【抜刀術】系のバフ。それも、《明鏡止水》ではなく《居合抜き》という事は、次に使用するのは恐らく《奥義抜刀・天地断ち》。それだけの大技を使うという事は、リーフさんは囮という事か、それともどちらも本命なのか。

 

「《奥義抜刀・天地断ち》!」

 

 放たれた、周囲360度を水平に切り裂く奥義抜刀。対モンスターでは強力な奥義抜刀も、対人であれば無視できない弱点がある。

 

「そんなシステム任せの攻撃で私を捉えられると思わないでよね!」

「判断を誤りましたね。対人での天地断ちはあまり強力な攻撃ではありませんよ」

 

 天地断ちの攻撃範囲は水平範囲、つまり回避自体は非常に容易なのだ。ナギは極端に姿勢を低くし疾駆する。俺は《障壁》を足場に跳躍する。ただそれだけで奥義抜刀ほどの大技であるにも関わらず、回避に成功する。

 更に、《奥義抜刀・天地断ち》はアーツ。つまりシステムに縛られた行動でしかない。予備動作も、硬直も、全てシステム通りに動く。対人で何の考えなしに打てば、当然隙だらけの行動でしかない。

 

 ロウさんの大技を回避した俺とナギはそのままの勢いでロウさんに肉薄しようとするが──

 

「いえ、こちらの予定通りです。元々この状況を作り出すのが目的ですから。【起導】──」

 

 ──ロウさんが発動したスキルが、俺たちの思考を一瞬凍り付かせる。次に頭に浮かんでくるのは失敗したという焦り。

【起導】はインベントリから装備一つを装備する事で、少しの間相手の防御を下げてダメージ計算するようになるスキル。ロウさんは、()()()()()()刀を構えていた。

 右手の()を振り抜いて、左手は左腰にあてている。そのまま、左手で刀を逆手に握っているソレは、明らかに逆手抜刀術の構えで。

 

「──頼みますよ、姫鶴一文字。《奥義抜刀・百刀繚乱》

 

 放たれた奥義抜刀は威力も範囲も申し分無く、対人で使用するならば最善ともいえる百刀繚乱。

 有る程度は防御と回避に成功するものの、やはり何発かは喰らってしまう。装備効果でノックバックを強化していたのか、吹き飛ばされ距離を離されてしまう。

 

「っ、これは……」

「してやられた、ね」

 

 もう一度ロウさんに接近しようと正面を向いた俺たちの目に飛び込んできたものは、リーフさんが展開していた魔法陣が、真紅に燃える氷の結晶とでも言うべき奇妙な物体に変化する光景だった。

 どうやら、準備されていたリーフさんの魔法を発動するまでの時間を見事に稼がれてしまったようだ。

 

「リーフさんとロウさん。どちらも囮であり、かつどちらも本命。それに加えてお互いがお互いの技を当てるための時間稼ぎも兼ねている。ですか」

「本当に、上手く考えたよね。それに、タネが割れちゃえば2度目は通用しないもんね。まさしく、1発限りの切り札ってところだね」

 

 本当に、これほどうまい連携を考えたロウさんとリーフさんには感心させられる。手放しに賞賛したいくらいだ。相対しているのが俺達で無ければ、の話だが。

 

「術式安定、魔力十分、準備完了! 私の切り札、お披露目だよ!」

 

 この状況で止めに入るのは間に合わないと判断し、とっさに防御を整える。《ディクリーズファイア》《ディクリーズアイス》で炎と氷属性の耐性を底上げし、《フルエンハンス》《フィジカルエンハンス》《マジックエンハンス》で防御面も底上げする。

 

 そこまで終わり防御態勢を整えた所で、リーフさんが飛び上がり、かかと落としで結晶を破壊する。地面を捲り上げる程の大爆発と共に上空に巨大な氷塊がいくつも出現する。

 

【改造魔法】(オリジナル):《白黒幻奏(モノクロームファンタジア)》!!」

 

 着地したリーフさんが掲げた杖を振り下ろすと共に、氷塊が地表へと降り注ぐ。

 爆発で体制が崩れている俺とナギは綺麗に氷塊に巻き込まれ、復活や食い縛りスキルを何度か切らされることとなる。

 

「しょうがない。若干賭けだがナギ、合わせてくれよ」

「合点承知! 《点火(イグニッション)》五連!」

 

 爆破と氷塊の波状攻撃により大きく距離を離される。このままあちらのペースでは不味いと思い、ナギに目配せする。こちらの意図する事を理解してくれたようで、特殊装備の加速機構を限界まで使用し、二人の方へ突っ込んでいく。

 当然、そのままではいい的でしかないため二人から狙われることになるが……俺は紋章術士だ。先ほどの大技で流石にリソースを吐きすぎたのか、序盤に比べ二人の攻撃もかなり甘いようだ。この程度なら容易に妨害できる。

 

「《歪曲》《加速》、でもってついでに《障壁》っと」

 

《歪曲》を攻撃とナギに、《加速》は曲がった後のナギへと。オマケの《障壁》は攻撃を受け止めるだけでなく、ロウさんとリーフさんの周辺に展開して動きを制限しつつ、ナギの足元に展開して足場として利用する。

 突然ナギの軌道が変わり、ナギ狙いの攻撃は自然とその狙いが逸れる。

 慌てて放たれた追撃も《加速》させ回避させつつ、どうしても当たるものは《障壁》で防ぐ。

 ロウさんとリーフさんは、妨害として展開された《障壁》に体勢を崩されはしなかったものの、《障壁》への対応に脳のリソースを割いたため攻撃の手が更に緩まる。

 

「貰ったぁッ!」

 

 それを見逃すナギでは無く、加速の勢いをそのままにリーフさんに肉薄すると、お得意の復活の無敵時間を丁度すり抜ける連撃を食らわせる。

 流石に残機を削り切ることは出来なかったようだが、恐らくナギとリーフさんの残り復活回数は同じくらい。

 なら──

 

「弓矢は近接武器ぃっ!!」

「相も変わらず無茶苦茶な理論ですね。まあ、無視できないのも事実なのですが」

 

 ──俺がロウさんの相手をするべきだろう。こちらの【弓闘術】による対人技術は付け焼刃とは言え、ナギがリーフさんに勝利してこっちに来るまでの時間稼ぎくらいなら十二分にできるはずだ。

 

「不味いですね。うまい具合に時間を稼がれてます」

「それが目的ですからね。流石に魔術士タイプなリーフさんがナギ相手に長時間粘るのは不可能に近いでしょう? ナギが来るまで粘れば俺たちの勝ちです」

「早いところ飛燕さんに勝たなければ私たちの負けという事ですね。《奥義抜刀──」

 

 手っ取り早く決めようとロウさんが奥義抜刀を切る。大抵の奥義抜刀は大技故に出が少し遅めになっている。先ほどの大技でリソースがあまり残っていないであろうことを考慮すると、恐らくこの奥義抜刀は消費無しかつ出がかなり早い《奥義抜刀・唯閃》だろう。

 流石に至近距離で唯閃をまともに打たせては、本分が後衛でしかない俺にはかなり厳しい。

 

「させませんよ。《障壁》《加速》《エンチャントサンダー》」

「──唯sって、痛っ。よく近接戦闘しながらそんなことが出来ますね」

虚構舞踏会(マスカレイドパーティー)やナギ相手に散々練習しましたからね。大技が来るって分かってれば妨害自体は余裕ですよ。その妨害で止まるかどうかは別問題ですが」

 

 なので、《障壁》《加速》のコンボで動きを阻害しつつ、暴発エンチャントで目を狙う。狙い通りにアーツを妨害できたので、それにより生まれた僅かな隙に攻撃を捻じ込もうとするが……流石。すぐに体制を立て直され、攻撃は回避されてしまう。

 

「まあ、流石に俺じゃあ接近戦でロウさん相手に勝つことなんて出来そうにないですけどね」

「そうですね。リソースの吐き方さえ間違えなければ、このまま続ければ勝つのは私でしょうね」

「「ですが──」」

 

 先ほどの一連の流れで、俺では時間稼ぎが精々だと理解したのか、ロウさんの動きにかなり余裕が戻ってくる。

 ただ、この戦場での勝利条件に合致しているのは、間違いなく俺の方だ。

 

「──これで、チェックメイトです」

「──これで、私の負けですね」

「《点火》!」

 

 ロウさんの背後で響く声。特殊装備の機構で加速された拳がリーフさんに突き刺さり、リーフさんの姿がポリゴンとなり消えていく光景が、そこにはあった。

 

「流石に2対1では勝ち目はありませんね。降参することにしましょう」

「いい勝負でした。残機を削られてから大技を打たれていたら、危なかったかもしれません」

「私も切り札切らされるかと焦ったよ」

 

 流石にこの状況ではロウさんに勝ちの目は無く。ロウさんは両手を挙げて降参の意を記した。

 ロウさんの降参の言葉を聞き、ナギも歩いてこちらに合流する。

 

「ナギちゃんには切り札もあったんですか。元々勝利は絶望的だった、ということですね」

「いや、ここで切り札切らされたら、まず間違いなく決勝で勝ちの目が無くなるからね。『試合に負けて勝負に勝つ』、みたいな意味なら勝てる可能性もあったはずだよ」

「そういう勝ち方もありますか。流石に悔しいですね。また後日、リベンジさせてもらいますよ」

「いつでもかかって来て良いよ。返り討ちにしてあげるから」

「俺の方はもうロウさんとのタイマンなんて遠慮願いたいですね」




<今回のオリジナル要素&ネタ解説>

・《奥義抜刀・天地断ち》の攻撃範囲
 この話書き終わった後で、前の話読み返してたら『球状範囲の敵全てに対してダメージを与えるアーツ』って書いてたんで、ナーフ入ったことにしといてください。

・ナギは極端に姿勢を低くし疾駆する
 イメージ:ゼファーさん

・姫鶴一文字
 元ネタはバトスピの『剣聖姫ツル』のフレーバーテキスト及びブレイヴ『姫鶴一文字』。場合によってはワンショットも狙えるいいカード。ツルのシークレットが好きだけど高すぎて買えてない。傷ありで15000って……

白黒幻奏(モノクロームファンタジア)
 名前の元ネタはバトスピのディーバブースター『白黒幻奏』。
 演出の元ネタはモンハンFのエルゼリオンの灼零爆破。
 結晶を破壊する時のかかと落としのイメージは『装甲悪鬼村正』の『天座失墜小彗星(フォーリンダウン・レイディバグ)簡略版(コンパクト)』。分からない人は凍京ネクロSMとのコラボで登場した『湊斗 光』のスキル演出を調べてみてください。
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