逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

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 因みに初めて栄養ドリンク買いました。……いつ飲もう


第60話『あまり【異端の聖女】を舐めないで貰いたいですね!』

『決まりましたぁぁぁぁッ! Bブロック第一試合は、【戦闘狂】&【狙撃手】ペアの勝利です!!』

『大技を上手く決めたロウ、リーフと堅実に攻めたナギ、飛燕といった勝負だったわね。最終的にはリソースの吐きどころが勝負を分けた印象ね』

『そうですね! ナギか飛燕の残機がある程度削れるまで、あの《白黒幻奏(モノクロームファンタジア)》とかいう魔法を温存できていれば違う結末になっていた可能性はありますね!』

 

 解説席のにゃしいさんの声が響き渡る。言われてみれば確かに、《白黒幻奏》で俺かナギのどっちかが落とされてたら勝つのはどっちか分からなかった……訳じゃないんだよなぁ。

 温存してるナギの切り札の都合上、素でナギより強くないとワンチャンすらないんだよなぁ。それに、これだけの手札を用意したとしても優勝できるかどうかはかなり厳しいと思うし。

 Aブロックで誰が勝ち残ってくるか次第だけど、ナギが勝率安定しない【舞姫(セナさん)】【オーバーロード(藜さん)】【ナイトシーカー(カオルさん)】辺りが来たら本当にキツイ。

 

『さて、ではAブロックの結果と一緒にトーナメント表の更新といきましょうか!』

『更新するのは私なんだけどねぇ。まあいいわ、トーナメント表に第1試合の結果を追記しておくわね』

 

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 Aブロック

 

 

   セナ&藜━━━┓   ┏━━ラン&つらら

             ┃

          ━┻━┫

          ┃   ┃

 カオル&ブラン━━┛   ┗━━シド&ホセ

 

 

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 Bブロック

 

 

  ナギ&飛燕━━━┓   ┏━━レグルス&アーテル

             ┃

          ━┻━┫

          ┃   ┃

 ロウ&リーフ━━━┛   ┗━━常夜&サニー

 

 

 =========================

 

「セナさん藜さんとカオルさんブランさんの勝負はセナさん側の勝利か。ここで強力なライバルが潰し合ってくれたのは有り難いな」

「これでちょっとは決勝が楽になってくれると助かるんだけど……多分決勝の勝敗には関わらないんじゃないかなぁ」

 

 確かに、俺でも初戦の消耗を決勝まで持ち込むのは少ない気がするから、PvPよくやってる層からすれば当然そうなんだろうが……ブランさんを俺が抑えられればギリギリ何とかならなくもない【ナイトシーカー】【賢者の石】ペアと比べて、最悪ナギが切り札切ったうえで2対1の盤面を切り抜けないといけないかもしれない【舞姫】【オーバーロード】ペアの方が絶望感は大きいんだよなぁ。

 希望的観測だろうが何だろうが、二人が初戦で相当な消耗してくれてるのを祈らなきゃやってらんないぞ。

 

「それより、重要なのは次の試合で勝ちあがってくる方だよ。諸々の相性的に、多分従兄(にい)さんの方だとは思うけど……」

「そうは言っても、レグルスさんの武装もアーテルさんの過剰回復も対人向けじゃ無いからなぁ。万が一常夜さんとサニーさんが勝ち上がってきたら……」

「あの二人の対人って何して来るかが完全に未知数だからねぇ。万が一、勝ち上がってこられたらたまったものじゃないよ」

 

 やってくることが、ある程度予想も想像もできるし何ならよく一緒にパーティー組んでるレグルスさんアーテルさんペアなら手札はある程度思い当たるし対策も出来るけど……常夜さんとサニーさんが対人で何をしてくるかなんて全く読めないんだよなぁ。

 それに、妨害に失敗して【神格招来】使われた暁には、ナギの切り札切らなきゃどうにもならない可能性だってあるし。

 

『さあさあ、いよいよ1回戦第2試合の始まりですよ!』

『相変わらず良く響く声ね。まあ、もう慣れたものだしまあいいわ。早く入場コールを終わらせて頂戴』

『承知しましたよ!

先ずは、熱き勇者とその相棒!

特殊装備の使用リソースと、非ダメージ魔法によるダメージトップ!この人達私たちに負けず劣らず頭のネジ飛んでんじゃないでしょうかね!?

【勇者王】レグルス&【異端の聖女】アーテルの登場です!!

 

 レグルスさんがジェネシックガオガイガーに合体しながら入場してくる。……いや、少しジェネシックとは雰囲気が違うな。よく見たら背中にエンブレム付いてるし。

 

「アレは……ファイナルガオガイガー、だな」

「そうだね。従兄さ……レグルスさん完成させてたんだね。……って事は多分、()()完成させてるよね……?」

「恐らくはな。……うへぇ、どうやって突破するか……」

 

 レグルスさんの姿の変化から、新たな切り札の存在に頭を悩ませていると、いつの間にか合体を終えたガオガイガーの隣にアーテルさんが並び立っていた。

 そして、その正面から常夜さんとサニーさんが入場してくる。

 

相対するは【月下の門】でも割と地味なこの二人!

死亡回数と減少SAN値のトップ! この二人の普段のプレイスタイル、私たちの同類の匂いがしますよ⁉

【黄泉還り】常夜&【畏れよ、我を】サニーの入場です!!』

 

 二人は入場する時から、後ろにサニーさん前に常夜さんという形をとっていた。

 明らかにサニーさんが大技を使う時間を常夜さんが稼ぐつもりだろうな。だとすれば、

 

「サニーさんの狙いは【神格将来】だろうな。その発動のための時間を常夜さんが【黄泉還り】の確立食い縛りで稼ぐ形か?」

「多分そうなるだろうね。単純に強いし、タネが割れてても時間さえ稼げれば同格同士ならほぼ勝確だもん」

 

 レグルスさんなら【神格将来】を使われてもどうにかしそうではあるけど……仮に勝ち上がってきたときにどっちが脅威かって聞かれたら悩ましいなぁ。

 【神格将来】は俺が妨害できれば幾分かは楽だけど、その分発動された時が死ぬほど厄介だし。かといってレグルスさんの方なら簡単にいくのかって言われたらそんなことある訳ないし。

 結局どっちが勝ち残っても面倒なら、せめて事前に対策立てたレグルスさんアーテルさんペアの方に勝ち上がって貰えれば助かるんだがなぁ。

 

「相も変わらず、【勇者王】の装備はド派手」

『誉め言葉として受け取っておくぜ。そういうそっちは狙いが分かりやすいじゃねぇか』

「……こうでもしないとあなたにも、【戦闘狂】にも勝ち目なんて微塵もない、と思う」

「それに関しては全面的に同意ですね。隠してある手札の一つや二つ、初見殺しな切り札の三つや四つあってようやくワンチャン生まれるわけですから」

 

 4人は会話しながら、じりじりと移動を続けている。お互いがお互いに有利な位置を取ろうとしている結果だな。

 カウントが0になっても暫く誰も動かず、にらみ合いを続けている。

 先に動いたのはアーテルさん。バフを撒き終わったようで、Agl基礎値が0とは思えない速度で常夜さんに突っ込んでいく。

 

「あなたには一撃の威力よりも手数の方が有効ですよね」

「でも、あなたはユニーク称号の特性上、手数を出すには、向いてない」

「あまり【異端の聖女】を舐めないで貰いたいですね!」

 

 確率で何度でも食い縛り出来る常夜さんと、過剰回復によるワンパン以外では碌な火力の出ないアーテルさん。確かに相性はあまり良くないが、アーテルさんが何の対策もしてない訳は無いんだよなぁ。

 それに、こういう場面では真っ先に動きそうなレグルスさんが動いてないのも気になる。何か思惑があるのか……?

 

「先ずは確定の1回を使わせましょうか。《特化付与(オーバーエンチャント)治癒神(パナケイア)特化版(スペシャライズ)》」

 

 特化付与の特化版。確かアーテルさんのは詠唱時間を短縮した代わりに1回しか効果が発揮されないんだったか。

 対人戦だから普段よりも回復量上昇スキルを減らしてるだろうが、特化付与による回復量の底上げのおかげでその分を完全に取り戻したみたいだな。

 というか、合体剣全部に《エクストラヒール》の魔法剣を発動すれば、特化付与なんて無くても20000の回復量があるんだから常夜さんくらいワンパン出来……⁉

 

「アーテルさんの武器がいつもの合体剣じゃない⁉」

「え……あっ! 本当だ!」

 

 合体剣じゃ無い。というか、見たところそもそも特殊装備じゃ無い? アーテルさんはInt・Minの準極振りだから【聖杯(ホーリーグレイル)*1採用なら武器は特殊装備に限定されるはず……なら……

 

「まさか、アーテルさん【聖杯】切ってる?」

「うそでしょ! 【聖杯】ってアーテルさんのビルドなら積み得な必須級のスキルなのに⁉」

 

 アーテルさんが【聖杯】非採用の理由に考えを巡らせている間に、戦況は大きく動いていた。

 

『そこだぁっ! ブロウクン・マグナム!!』

「……甘い、です。対策は万全、です」

 

 どうやらレグルスさんはタイミングを見計らっていたみたいで、【神格将来】発動のための魔法陣を描いているサニーさんを妨害しようと拳を飛ばす。まあ、当然サニーさんも対策していたようで、拳は虚空に弾かれレグルスさんのもとへ戻っていく。

 あれは多分……《ナーク=ティトの障壁》辺りか? いや、それだけじゃないな。多分【呪術】とか【召喚術】とかの系統な魔法で耐久力を底上げしてるっぽいな。それだけレグルスさんの火力を警戒してるって事だな。

 

『それで、どうするつもりだ?』

「……どう、とは?」

『そっちだって分かってるだろ。いくら一発で戦況をひっくり返せる【神格将来】とは言え、所詮は魔法の一つだ。当然、できることには限界がある。

 『クトゥルフ』のデバフじゃぁ決定打になり得ないし、『ハスター』のバフは発生する拘束が命取りだ。かといって、『ツァトゥグア』の召喚じゃぁ博打が過ぎる。どうやって、俺たちに勝つつもりだ?』

 

 確かにレグルスさんの言うとおりだ。【神格将来】は膠着した状況を一気に有利にしたり、不利な状況をひっくり返すだけのパワーのある魔法ではある。ただ、使っただけで勝てる、という代物ではないのも確かだ。【神格将来】が使われた最も有名なPvPである『ユキVSザイル』でも、ツァトゥグア……の召喚失敗によって呼び出されたヤマンソを囮にアンブッシュして終わってるからな。

 

「そんなの、決まってる。こっちには、裏技があるんだから」

『裏技ぁ? ……不味い、アーテル!』

「分かってる。防御魔法全力展開!!」

「もう遅い。

【神格将来】

*1
通常の武器防具が使用不可能になる代わりに、VitとMinが共通になり数値が1.5倍になる上、HPが半分を切るとStrにVitが加算されるスキル。デメリットもメリットも特大のスキルだが、一部ビルドのプレイヤーにとってはデメリットを帳消しにして余りあるメリットを与える強スキルとなっている




 手に届く場所にスマホを置かなければ執筆速度が格段に上がることに気付きました。これでやっと減っていくストックを見ながら追いつかない執筆に不安になる生活からはおさらばだ……
<今回のオリジナル要素&ネタ解説>
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