逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話   作:LR44(ゆっくり)

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 久々に『巡り廻る』ってフリーゲームをプレイしたら楽しすぎてとんでもない時間が経っていたので初投稿です


第61話『ちょ、おま、おまっ! なんてもん呼び出してんだ⁉』

 

【神格将来】

 

 常夜さんが魔法の発動を宣言したその瞬間、場の雰囲気が一変する。

 足元に展開されているのは、禍々しい瘴気を放ち続ける魔法陣。その文様は『クトゥルフ』を召喚するものに酷似しているが、よくよく見てみれば細部が異なっている。恐らくは【コートオブアームズ】による改変を行っているのだろう。

 戦況をひっくり返すには足るが、それだけで勝つには至らない【神格将来】。それを必殺の切り札たらしめる()()とは……

 

「なあ、ナギ?」

「どうしたの?」

「クトゥルフベースで、切り札として運用するに足る裏技。ちょっとどころか、かなり嫌な予感がするんだが?」

「奇遇だね。私もだよ。そもそもクトゥルフベースって時点で選択肢は限られるし、その上で切り札になるって言ったら……」

 

 俺とナギが死んだ目でフィールドを眺めていると、魔法陣が空へと浮かび上がり、その中から異形の存在が現れる。

 その肌はゴム質――ではなく鮫肌で。カギ爪を持つ後ろ足にはゼラチン質の緑色の物体を纏っており、背中には磨き上げられたブレードのような背ビレと細長い蝙蝠の様な翼を備えている。眼は異界の深淵のような漆黒であり、口には連続した鋭い歯を持っている。

 その頭部は――()()()()であり、

 

――来たれ、【Sharcthulhu】!!

『ちょ、おま、おまっ! なんてもん呼び出してんだ⁉』

「……あなたたちに、勝つには、しょうがない、から。あ、これ敵味方の区別ないから、一旦失礼する」

 

 シャークトゥルフの出現に気を取られているうちに、サニーさんと常夜さんの姿が見えなくなる。サニーさんは確かステルス系最上位スキルの【存在偽装】を持ってたはずだが、常夜さんはステルススキルは育ててなかったはず。となると多分神話系呪文の効果だろうな。

 

『ちぃっ、アーテル、解除は出来るか?』

「一応できるとは思いますが、常夜ちゃんの相手をしながらはさすがに厳しいですよ」

『なら俺がどうにか二人とも抑えるから、解除に専念してくれ』

「分かりました。前衛、お願いしますね」

 

 シャークトゥルフによって黒い呪いが全身にまとわりついたレグルスさんとアーテルさんは、全ステータスが大幅に落ちているはず。その状態では2対2はおろか2対1ですら勝てる見込みは薄いだろう。その状況で1対2を選ぶとなると、相当な切り札があるのかあるいは……

 

「ナギ、どう見る? ここで切ってくると思うか?」

「微妙、かな? レグルスさんなら最悪勇気と気合と根性で何とか乗り切っちゃいかねないからね」

「あぁ……」

 

 レグルスさんなら……やりかねないなぁ。あの人、大分()()()()に進んでいってるからなぁ……

 

 デバフをばらまき終わりシャークトゥルフが帰っていくと同時に、戦況が動いた。

 まず、魔法の効果が解けたのか常夜さんとサニーさんが姿を現し。

 

『やっと出てきたな! ボルティングドライバーッ!!』

「本当に、面倒な装備」

 

 二人目掛けて、レグルスさんが左手のドライバーを振り下ろした。デバフのせいで普段と比べ攻撃が遅く、余裕をもって避けられたが――

 

『よっしゃぁっ! 狙い通りだぜ!』

「……っ、成程。そういうこと」

 

 ――避けられるところまで想定済みだったみたいだな。狙いはシャークトゥルフによってボロボロになった地形を整えることだったようだ。

 ……ドライバーおじさん*1かな?

 

『ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ――』

「……流石にそれは見逃せない、です。常夜ちゃん、頼みました」

「合点招致。《明鏡止水》《居合抜き》《外鎧一触》《死々奮刃(ししふんじん)》《殉教》――」

 

 レグルスさんと常夜さん、双方が大技を繰り出す構えだ。レグルスさんは『ヘル・アンド・ヘブン』、常夜さんは……多分《奥義抜刀・天地断ち》、か?

 

『――ウィータァッ!!』

「――《奥義抜刀》・双刃。《百刀繚乱(ひゃっかりょうらん)》《王道楽土》!」

 

 レグルスさんは予想通りヘル・アンド・ヘブン。両手を組み、緑色のエネルギーを纏っていつもと遜色ない速度で突撃していく。……えっ? なんでデバフ貰ってるのにいつもと変わらない速度で突撃できてるの? えっ、怖……*2

 常夜さんは……《百刀繚乱》で進行ルートを制限して、《王道楽土》を確実に当てにいってる……って、は? アーツの同時発動?

 

「飛燕、確かアーツの同時発動って基本的にできなかったよね?」

「厳密にはアクションを伴うアーツの場合は、だな。《明鏡止水》《居合抜き》みたいなアクション無しのアーツなら無条件で同時発動はできるが、《奥義抜刀》みたいなアクションを伴うアーツはアクションが競合しないアーツしか同時発動は出来ないな」

「だよね。で、確か《奥義抜刀》は全部同時発動不可、で合ってるよね?」

「あぁ。アーツごとのアクションに微妙な違いがあるから、それで同時発動が不可能なんじゃないかってのが有力な説だな」

「じゃああの常夜ちゃんのは……?」

「分からん。多分未知の仕様ってとこじゃないか? よくよく考えたら、【抜刀術・双刀】での検証はしたこと無かったし、それが関係してそうだな」

 

 アクションを伴うアーツの同時発動が可能なら、革命が起こるぞ? それこそ、一部ビルドにとっては戦いやすさが段違いになる。

 

「……相殺は、できた。これで倒れてくれてるといいんだけど」

「多分、無理。【勇気の石】(ユニーク装備)の効果で、MP残ってる限り火力も耐久も無尽蔵」

『いやぁ、死ぬかと思ったぜ』

「どの口が言ってるんですか……って言おうと思いましたが、デバフのせいで連打されたら厳しいかもしれませんね」

 

 《王道楽土》とヘル・アンド・ヘブンがぶつかり合い、土煙が上がる。それが晴れると、中からは無傷のレグルスさんがどっかで聞いたことがあるセリフを言いながら現れる。

 っていうかそうか。レグルスさんはMP伸ばして【勇気の石】*3の効果で装備性能を伸ばすビルドか。道理でデバフの効果が薄いわけだ。

 

『それにしても、驚いたぜ。まさかそこまで俺の知らない、予想もつかない手札を用意していたなんてな』

「……私のは、ただの【爆破卿】の焼き増し。【コートオブアームズ】の自由度の高さは、周知の事実」

「私のも、そこまでおかしなものじゃ、無い。……一応、不具合の可能性があるけど」

 

 不具合の可能性って、公式イベントでそんなこと……いや、そういや去年のアキさんも超過付与(オーバーエンチャント)重ね掛けとかしてたし、多分大丈夫か

 

「魔法の同時発動と、原理は一緒。アクションが競合しないものに、限られるけど、アーツの同時発動自体は、元々できる。【抜刀術】じゃ無理でも、【抜刀術・双刀】なら、コンマ1秒単位で、タイミングを、調整すれば、《奥義抜刀》の、同時発動が、できる」

 

 成程。予想通りではあるが、ただの【抜刀術】じゃなくて【抜刀術・双刀】なのがミソだったか。その上で、組み合わせとタイミングをうまい事調整すれば《奥義抜刀》シリーズの同時発動ができる、と。

 

「大発見……ではあるが、有効活用できるビルドが限られるよな」

「抜刀術に限らず、アーツの発動がどっちの手でもできる武器種なら使えそうだけど……それでもうまく生かせそうなビルドはぱっと思いつかないや」

「武器のを2つ持つこと自体が珍しい方だし、そういうビルドな人でもアーツの同時発動をしたい場面なんて滅多にないからなぁ」

 

 本当に使い道があまり思いつかないな。むしろ今回の場合がよくぞここまで上手くかみ合ったって感じだな。

 

『本当に、本当にすげぇな。あそこまでものを見せられちゃあ、こっちも何か見せてぇところだが……アーテル、どこまで切っていいと思うか?』

()()()は切っても支障は出ないと思いますよ。流石に2つ目以降はダメだと思いますが」

 

 1つ目、2つ目、か。やっぱり複数切り札を用意してきてたんだな。で、1つ目は見せ札として使える、と。

 隠しとく切り札には()()があるだろうから、その他でレグルスさんが使ったこと無い武装……何だ?

 

『それなら……行くぜ! ダブルハンマー・コネクト!

ゴルディオンダブルハンマー!

 

 レグルスさんが装備したのは……小皿部分で合体した、2本の金色の()()()であった。

 

『クラッカーモード!』

 

 レグルスさんは、そう言いながら思い切りけん玉を振り回しだす。けん玉の()がそこかしこでぶつかり合い、衝撃波を発生させる。

 

「っ、本当に、厄介な」

「……元ネタ通り、弱点だったモーションの長さを克服してる」

 

 サニーさんの言う通り、ゴルディオンハンマーの大きすぎる隙を衝撃波で克服してるのはかなり厄介だな。

 もともとレグルスさんの対策は大技の隙が大きい事前提でやってたから、この武器の存在を忘れてたのはかなり痛いぞ。

 

『ハンマーヘル!』

 

 いつも通り釘を打ち込むが、別に核の摘出が必要ないので意味のない行動――

 

「……っ、障壁が」

 

 ――という訳ではなく、きちんと《ナーク=ティトの障壁》を破壊するのに機能したようだ。

 

『ハンマーヘブン!』

 

 続いて、今度こそ本当に意味のない釘抜きを行い。

 

『光になれぇぇ!!』

 

 振り下ろされたハンマーは、回避の間に合わなかったサニーさんのHPを、()()()()跡形もなく消し去っていった。

 

「ふぅ、折角デバフ解除してたのに無駄に終わっちゃったじゃないですか。まあいいでしょう。後は常夜さんだけですから、私の出番ですね」

「アーテルの、出番? 何言ってるの? 私とあなたじぁ、相性最悪」

「そういうあなたこそ、気づかないんですか? 私の剣が特殊装備じゃ無い理由に」

 

 アーテルさんの装備が特殊装備じゃ無い理由……わざわざ【聖杯(ホーリーグレイル)】と特殊装備による火力増強を捨ててまで必要だったもの……

 

「答えは簡単です、《フェンリルバイト》!」

「っ、やられた。確かに、私の対策は、それが一番手っ取り早い」

 

 《フェンリルバイト》、神狼の噛み付きの名を関するそのアーツは、確か大剣のアーツの中でも数少ないダメージ超過持ちアーツ。その名の通り、アーテルさんが大剣をゼロ距離から、狼の(あぎと)を思わせるオーラを纏い振り下ろされる。

 大剣は、常夜さんを肩口から真っ二つにする。ダメージ超過アーツなら、【黄泉還り】による確率食い縛りも貫通してワンパンできる。ただ、それは常夜さんも十分理解しているから超過アーツなどそうそう貰わないだろう。だがしかし、

 

「確かにレグルスさんもアーテルさんも、アーツを使うってイメージが無かったね」

「普段特殊装備をメインで使ってるから、あの二人がアーツを使うって光景がまず思いつかないな」

 

 初見殺しではるが、かなり巧い手だな。普段使わないからこそ、普通のアーツでも切り札として機能するって事か。

 っていうか、さっきさらっと流したが、ダブルハンマーにダメージ超過ついてたよな……ダメージ超過2段構えな上に、更に()()()があることが確定とか……面倒とかいうレベルじゃないぞ。

 

「では、ありがとうございました」

 

 2人の前に現れた『Winner』の文字を眺めながら、俺は攻略法を考えるのであった。

*1
スパロボBXにおける獅子王凱のあだ名。戦闘させるよりドライバーで地形を整えさせた方が使い勝手がいい、という事から。

*2
これ書いてる最中、作者は某妖怪ロマン男が頭の中に浮かびました

*3
MPを払えば払うだけ特殊装備の性能が上昇する。




 最近プレイしているソシャゲが『デイリー程度しかすることがないので新章かイベント待ち(プリコネ・ミストレ・リンバス・とのフラ)』『モチベがホロコラボだけ(ぷにぷに)』『持ち物検査ゲーなせいでプレイ不可(宝石姫)』なので積みゲー消化に手を付けたんですよ。
 最初に手を付けた巡廻が死ぬほど時間食われる上にめっさ楽しいんですよ。目標の『真・イールミール』戦を見据えた装備作成・合成レベル上げで時間が消えていく……

 レグルス・アーテル・常夜・サニーのスキル紹介は、思いつかなかったので割愛です。
<今回のオリジナル要素&ネタ解説>
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