逸般UPOプレイヤーがNWOをプレイする話 作:LR44(ゆっくり)
これでも練習として書いてた頃よりは格段にマシになってるはずなのに、まだまだ全然読めたもんじゃない……
『決着!! Bブロック1回戦第2試合は、レグルス&アーテルペアの勝利です!』
『ド派手な技の打ち合い、とても見ごたえあったわね。あ、そうそう。《奥義抜刀》の同時発動は正常な仕様よ。安心して頂戴』
運営の女性が思い出したように付け加える。っていうか、《奥義抜刀》の同時発動、運営が補足するレベルなのか……
『さて、じゃあAブロックの結果と一緒にトーナメント票を更新するわよ』
=========================
Aブロック
=========================
Bブロック
=========================
『全員が同じギルドなBブロックはともかく、Aブロックも奇しくも同ギルド対決になりましたね!』
『流石ユニークホルダーと言うべきか、Aブロックの勝負も見ごたえ抜群よ。決勝戦が終わり次第公式サイトで公開されるから、是非見て頂戴』
Aブロック第2試合で勝ち上がったのはランさんとつららさんか。正直ナギとの相性はこっちの方がいいから、こっちが勝ち上がってくれると嬉しいんだが。というか……
「AブロックもBブロックも、ロボアニメの再現してる人が勝ち上がったんだな」
「あ、確かに。すごい偶然だね」
すごい偶然……ではあるんだが、“勝ちやすさ”の面で見るとシドさんホセさんペアに勝ち上がって貰った方がありがたかったんだがなぁ
『では、早速Bブロック決勝戦……と行きたいところですが』
『流石に片方だけ連戦はフェアじゃないわよね。ここで現実時間で30分ほどインターバルを取らせてもらうわ』
ソロの部でも行われたブロック決勝前のインターバル。現実時間では30分なので、ゲーム内では1時間。ログアウトして休憩する人もいるだろうし、この時間を利用してイベントの出店を周る人もいるだろう。かくいう俺たちは前者で、
「ふぃ~、疲れた頭に甘いものが染み渡るぅ」
「つってもそこまで疲れてるわけじゃないけどな。全力ではあったが100%フルパワーって訳じゃないし」
「甘いものは別腹別腹。それに、飛燕の
「前買ったワラビ粉がダメになりかけてたからな。おいしくできてるなら何よりだ」
一旦ログアウトし、朝作って冷蔵庫で冷やしておいた外郎で休憩だ。名古屋が有名なういろうとは全く違った味わいで、たまに食べたくなるんだが日持ちしないせいで自分で作るしかないんだよなぁ。
「夕食何にしよっか。イベント最後まで観戦するなら結構時間ギリギリになるよ?」
「う~ん……何となく今日は鮭の気分なんだよな」
「翡翠さんのPvP見たから?」
「あぁ……ホイル焼きにでもするか。あまり手間かからないし」
去年もそうだったけど、翡翠さん……というか翡翠さんのペットの『こいこい』を見た後だと無性に鮭が食べたくなるんだよなぁ。
「でも鮭はあるの? 買いに行っていつもの時間に間に合うかはちょっと微妙だよ?」
「食べたくなるだろうことを見越して事前に買いに行っておいたから、冷蔵庫に2人前入ってるぞ」
「用意周到だね。じゃあもうちょっと時間あるし下準備くらいはしとこっか」
時計を見れば、予定時刻まではまだ20分ほど時間があった。最低でも5分前にはログインして待機しておきたいとしても、下準備くらいはする時間はあるだろう。
「あ、アルミホイルが切れてる」
「私の家の方にはまだあったはずだから持ってくるよ」
こんなハプニングもありつつ、俺と夕凪はそれなりに余裕をもってUPOへログインしたのだった。
◇
『さあさあ、ついに始まりますよ! ペアの部Bブロック決勝戦! 【月下の門】で一番狂ってる奴が決まる時ですよ!!』
『あながち間違いでもないのが恐ろしいわね……』
『では、いつも通り入場コールのお時間です!
まずは一回戦を堅実な立ち回りと巧みな連携で勝ち上がったこの二人!
龍神の弓? 天馬の矢? そんなもの、打撃武器と斬撃武器だ!
真っすぐいってぶっとばす、そうでなくともぶん殴る!
【戦闘狂】はともかく、【狙撃手】は自分が持ってるものが何なのか分かってるんですかねぇ!!
ナギ&飛燕の入場です!! 』
にゃしいさんの入場コールを聞きながら会場へと入る。正面では、レグルスさんがおなじみのBGMが鳴りそうな合体をしていた。
『お次は勇気と気合と裏をかく切り札で勝ち上がったこの二人!
進め! 人類の英知と、勇気ある誓いの下に!!
癒せ! 過剰に、その身を亡ぼすほどに!!
【勇者王】と【異端の聖女】、その名に恥じぬ実力と能力で全てをねじ伏せる!!
レグルス&アーテルの入場……はもうしてますね
改めて、レグルスの合体と、アーテルの姿を、その目に焼き付けろぉっ!!! 』
ド派手なレグルスさんの合体シーンに、ギャラリーが沸き立つ。
まあ、VRMMOしてる人なら合体ロボットとか好きな人多いよなぁと、若干のアウェーを感じつつ正面のレグルスさんたちに向き合う。
「対戦、お願いしますねレグルスさん」
「お互い、いいバトルにしようね!」
「あぁ。だが、今日ばかりは俺たちが勝たせてもらうぜ!」
「えぇ。相手はあの【戦闘狂】ですからね。こちらも全力で行かせてもらいますよ」
そう、言葉を交わしお互いに構えた直後、10秒のカウントダウンが始まる。
それがゼロになると同時に、ナギとレグルスさんが動き出した。
「【
「ブロウクン・マグナム!」
特殊装備の機構による加速付の右ストレートと、いつものロケットパンチが衝突する。
二つの拳は激しくぶつかり合い、力が拮抗しているのか双方微塵も動かなくなる。
「貰ったぁっ! ウィルナイフ!!」
直接殴ってる以上動けないナギとは違い、自由に動けるレグルスさんはナイフを呼び出してナギに斬りかかってくる。
ただ、この状況になった以上そうなるのは予想通りだ。
「予想通りですよ。《障壁》《加速》《減退》《歪曲》」
「それはこっちのセリフです。《
ブロウクン・マグナムの勢いを削ぎ、ナギに勢いをつける。もともと膠着状態だったのだから、外から力を加えてやればどちらかが有利になるのは当然。
ついでにレグルスさんとアーテルさんの妨害もしたかったのだが、そちらの紋章は特化付与を発動したアーテルさんに切断されてしまった。……魔法を切断?
「また
「ええ。流石に今までの一発屋ビルドでPvPできるなど思いあがるつもりはありませんからね」
【魔法剣】系統には魔法の切断ができるものは無かったはず。逆に、大剣系のアーツならいくつかそういうものがあったのは覚えている。つまり、アーテルさんは今回もいつもの合体剣ではなく通常の大剣を持ってきている訳だ。
もともとアーテルさんはビルド的にワンパン以外の選択肢が存在しない*1から……ユニーク称号でダメージを出すことを完全に捨ててる? サポートに特化してるのか、装備でStrを盛って素のダメージを伸ばしてるのか……
いや、基礎値皆無な状況から装備補正で盛れるステータスなんてたかが知れてるな。俺自身がAglを装備補正で補うビルドだからそのことはよく理解してるし。なら……
「……成程。ナギ! アーテルさんを先に落とすぞ!」
「了解!!」
レグルスさんたちの狙いは理解した。なら、折角ならそれに乗っかってやろうじゃないか!
正直個人的にレグルスさんが絶対に用意してる
「お二人なら乗ってくれると信じていましたよ」
「それが、俺たちの唯一の勝ち筋だからな。アーテル、よろしく頼むぜ」
「えぇ。十分に時間を稼いでみせますよ」
レグルスさんと相対していたナギがアーテルさんの方へ動くと同時に、レグルスさんは後方へ下がる。
「ちょうどいいタイミングを見計らう手間が省けました。気づいてもらえて助かりましたよ」
「攻撃力に期待できないのに【
Str基礎値が0なら装備でもったところで大した火力にはならない。そもそもアーテルさんはIntMinの準極振りだから、火力が欲しいだけなら【聖杯】採用して特殊装備ぶん回す方が何倍もましだろう。
そんな考えのもと発した俺の言葉をナギが引き継ぐ。
「補助アーツ目当てなのは明らかだよね。で、大剣の補助アーツって言ったら火力増強系か」
「「防御系ですからね」」
「ご名答、ですよ。ロウちゃんや常夜ちゃんと同じ、時間稼ぎ目当てですね。自分たちで実行してよくわかりましたが、格上殺しにはピッタリの手法ですね」
どちらかが時間稼ぎしてる間に、もう片方が準備に時間がかかりジャイアントキリングも狙える大技を使う。確かに格上殺しにはピッタリで、自分たちがそれをされる立場というのは少し誇らしくなる。
ただ、この手法は一発屋である以上初見殺し特化と言えば聞こえはいいが、2度目はまず通用しないという致命的な欠点も抱えている。だが……
「よく言いますよ。使おうとしてる切り札が対処法知ってても無視できない程厄介で強力なんですから、危険度はリーフさんやサニーさんの比じゃないですよ」
「そうそう。二人のとは違って、無理やりにでも使われたらこっちが壊滅することが目に見えてるんですし」
「そこまで評価していただけるとは、うれしい限りです。では、私の手札もご覧いただきましょう。《
・特化付与 : 金剛
属性付与 : 無し
詠唱時間 : 60秒
効果時間 : 戦闘終了まで
改造効果
《メリット》
Vit,Minを共有化
物理・魔法ダメージカット45%
自身のHPが少ないほどダメージカット効果上昇(最大100%)
自身のHPが少ないほど基礎Vit上昇(最大100%)
クリティカル発生無効
《デメリット》
Str・Int低下100%
発動中武器以外のスキル封印
武装耐久値減少 200%
痛覚減少深度低下 Lv3(最大10)
(Lv3 = ダメージ発生時殴られてもプラシーボレベルでしか痛くなかったのが、タンスの角に足の小指をぶつけたくらいの痛さに変更)プレイヤーが操作可能な範囲は5まで