神楽「結局クラス代表はどうなったのかな。」
清香「3試合のうち、ちゃんとできたの最初の1試合だけだもんね。」
千冬「静かにしろ。クラス代表の件だが、3人の中で唯一勝ちを挙げたのが坂上なので、坂上に決定だ。」
あゆみ「クラス代表として、頑張っていきます。皆さん、改めてよろしくお願いします。」
パチパチパチ
セシリア「あ、あの、いいですか。」
千冬「なんだ、オルコット。」
セシリア「先日は失礼なことを言って、すみませんでした。今後は、代表候補生として相応しい言動をするよう、心がけますわ。」
清香「本当かな~。」
理子「口だけの人って多いよね~。」
あゆみ「オルコットさんは真面目に訓練しているから、信じてほしい。」
さゆか「坂上さんがそう言うなら...。」
~食堂~
「坂上さんのクラス代表就任を記念して、」
「乾杯~!」
「乾杯~!」
私がクラス代表になったのを記念してのパーティーだ。こうして騒ぐのも久しぶりだ。
薫子「新聞部の黛薫子です。」
薫子さんか。つぼみさんのおばあさんと同じ名前だ。
薫子「貴方が噂のスーパールーキーですね。」
あゆみ「スーパールーキー?」
薫子「国家代表候補生を普通の一般生徒が破るなど、IS学園始まって以来の快挙ですから。クラス代表として代表戦への意気込みを一つ。」
あゆみ「そうですね。皆の期待が大きいので、それに応えられるように頑張ります。」
薫子「なんか月並みですね。まあ、こっちで盛り込んでおきますので。」
その言葉に私は反応する。
あゆみ「黛先輩、ちょっといいですか。」
私は誰もいないところに連れていく。
薫子「な、何か?」
あゆみ「新聞部の取材って、いつもこんな感じなんですか?」
薫子「そうですけど。」
あゆみ「不味いですよ。このままだと、新聞部は廃部ですね。」
薫子「そんな、冗談がきついですよ。」
あゆみ「冗談じゃありません。親友に廃部一歩手前まで追い詰められた人がいますから。」
その親友とは美香さんのことだ。美香さんも、暴走した挙句の取材不足記事で思い切り批判され、新聞部を畳みかけたことがある。
薫子「お、重い...。空気が重い...。」
あゆみ「実感が籠っていますから。後、オルコットさんが敗北したネタを姉の渚子さんに売るつもりですね。」
薫子「な、何故それを...。」
あゆみ「色々調べたらこれくらいはすぐに分かります。ちゃんと取材しないと、渚子さんまで巻き込むことになりますよ。」
ドサリ
薫子さんは耐え切れずに崩れ落ちる。そんな薫子さんを置いて、私は戻ってくる。
本音「あ、あゆみん、黛先輩は?」
あゆみ「あっちでライフ0になっているよ。」
本音「ライフ0って、何言ったの?」
あゆみ「別に大したこと言ってないよ。ただ、新聞部の活動の仕方がまずいんじゃないかって指摘したら、崩れただけ。」
本音「そっか~。」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
次の日、私が教室に入ってくると、皆が何かを話している。
清香「ねえ見た?」
神楽「見た見た。」
あゆみ「どうしたの?」
静寐「黛先輩の雰囲気、激変したんだよ。」
そこに薫子さんがやって来る。どう考えても様子を伺っていたのだろうが、そこには触れない。
薫子「坂上さん、昼休み、いいですか。」
あゆみ「はい。」
確かに、軽い感じが消えた。
昼休みになり、食堂に行くと、黛先輩が待っていた。
あゆみ「何ですか。」
薫子「昨日、あの後同級生に聞いたんです。私の新聞について。そしたら、週刊誌のゴシップ記事レベルの信頼度しかありませんでした。」
あゆみ「そうですか。」
薫子「それだけならまだしも、近々新聞部の予算が大幅削減になるかもって、生徒会長から指摘されて…。」
あゆみ「そう言われても仕方ないですね。」
薫子「新聞記者として、一から出直しです。」
あゆみ「成程。そういう事なら、私も協力しますよ。」
薫子「であれば、クラス代表決定戦について改めて取材させて下さい。」
あゆみ「いいですよ。」
薫子「後、出来ればセシリア・オルコットさんも呼んできてください。」
あゆみ「本人が了承するなら。後、織斑君は?」
薫子「彼、この件に関してはあまり関わりないので。勝ち負けついていませんし。」
あゆみ「オルコットさん、新聞部があの試合について取材したいって。」
セシリア「クラス代表決定戦ですか。でしたら、織斑君も...。」
あゆみ「彼は勝ち負けつかずだから興味ないって。でも、断るのは自由だよ。外に漏れたらスキャンダルになりかねないし。」
セシリア「いえ、私の力不足は明らかですわ。この程度のことで折れたのでは、どっちみち代表候補生など務まりませんわ。」
あゆみ「よし、じゃあ取材を受けよう。」
~新聞部部室~
薫子「では、始めますね。まず、クラス代表決定戦をすることになったきっかけは?」
セシリア「私の挑発が原因ですわ。」
薫子「フムフム。それで、坂上さんは勝算はあったのですか。」
あゆみ「自動追尾の類があったら無理だと思っていましたが、それがなかったので試合中に勝てると確信しました。ただ、運もかなりあったと思います。」
薫子「成程。で、オルコットさんは今回の敗北をどう受け止めていますか。」
セシリア「完全なる油断ですわ。只の一生徒に負けるはずがないという…。」
薫子「成程、ありがとうございます。」
あゆみ「随分と嬉しそうですね。」
薫子「いい情報源が確保できたので。」
あゆみ「じゃあ、私も情報発信するときは利用させてもらいますね。」
薫子「あ、姉さん、専用機持ちに関するとびっきりのネタが入ったけど、欲しい?」
渚子「何何?」
薫子「一般生徒にイギリスの代表候補生が敗北したのよ。」
渚子「それ本当?裏は取っているんでしょうね。」
薫子「本人達の声をボイスレコーダーで撮ってあるわ。」
渚子「その話載ったわ。で、報酬は?」
薫子「臨時ボーナスの20%ね。」
渚子「オッケー。明日取りに行くわ。」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
数日して、渚子さんが記事を書いている雑誌、インフィニット・ストライプスがあゆみとセシリアの対決について大量に紙面を割いて掲載した。当然、大スキャンダルだ。
あゆみ「やっぱりスキャンダルか。それにしても、全紙面の半分近くを割いてこのことに注力するなんて。記事の内容は事実に即して書いているからいいけど。」
セシリア「仕方ありませんわ。あんな負け方をした以上、これくらいは覚悟していますわ。むしろ、こんなスキャンダルを吹き飛ばすくらい、凄いことをやるべきですわ。」
あゆみ「そうだね。それが