戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第12話 大番狂わせ

日曜日、いよいよ、オルコットさんの命運が決まる日だ。2人でIS委員会本部に向かう。

 

「付き添いの人はここまでです。」

あゆみ「分かりました。じゃあ、オルコットさん、月並みだけど、頑張って。」

 

私はオルコットさんの手を握り締める。

 

セシリア「分かりましたわ。」

 

~職員室~

千冬「そろそろオルコットの資格審査か。」

真耶「本人は絶対大丈夫と言っていましたけどね。」

千冬「あそこはお堅い連中が多いからな。多少のことでは覆らんぞ。」

 

IS委員会は各国のIS発展に尽力している者が運営している。当然、私も声がかかったのだが、そういう堅苦しいことは嫌いだということで、自分の裁量が大きい先生になる道を選んだ。次世代の操縦士を育成することも重要であるので、このわがままも通った。束ほどではないにしろ、私も結構気ままに生きているな。

 

~会議室~

「以上が、セシリア・オルコットを代表候補生から下ろすことにした経緯です。セシリア・オルコットさん、何か異議はありますか。」

セシリア「確かにこのときの私は代表候補生に相応しくない言動と行動をとっていました。ですが、今は違います。」

「何か特別な技術を身に着けたとでも。」

セシリア「ええ。偏向射撃(フレキシブル)を出来るようになりましたわ。」

偏向射撃(フレキシブル)か。言うに事欠いて一番高度な技を出してくるとは。」

セシリア「今からでも実演しますわ。」

「いいだろう。その代わり、出来なかったら即刻剥奪だ。」

セシリア「構いませんわ。」

 

アリーナに移動する。

 

「あの的を狙って撃ってもらう。こちらが任意の方向に動かすから、当たれば偏向射撃(フレキシブル)が出来たと認めよう。」

セシリア「分かりましたわ。」

 

私はブルー・ティアーズを展開します。

 

セシリア「いよいよですわね。」

ブルー・ティアーズ「ええ。一泡吹かせてやりましょう。」

 

ビット兵器を動かし、レーザーを射出します。的が動くのを見て、そちらへ。お願い、当たってください!

 

ググッ

バシィ

 

見事に当たってくれました。

 

「ま、曲がった!」

「間違いなく偏向射撃(フレキシブル)だ。」

セシリア「これでもまだ文句はありますか。」

 

場内は静まり返る。

 

「セシリア・オルコットのイギリス代表候補生としての資格を認め、その地位の剥奪を取り消します...。」

 

やりましたわ。

 

「ほ、本社に連絡しろ!」

「一面の差し替えだ!」

「折角の原稿が一から書き直し…。」

 

後ろの傍聴席のマスコミの方々が慌てていますわ。

 

オルコットさんが出てくる。

 

あゆみ「ど、どうだった。」

 

オルコットさんが頷く。良かった、認められたんだ。

 

あゆみ「オルコットさん、良かったね!」

 

私は抱き着く。

 

セシリア「く、苦しいですわ。放してくださいまし。」

あゆみ「あ、ゴメン、オルコットさん。嬉しくてつい。」

セシリア「セシリアで構いませんわ。いつまでもオルコットでは他人行儀でしてよ。」

あゆみ「分かったよ、セシリアさん。」

セシリア「じゃあ、今日はお祝いですわ。」

 

セシリアさんが高級レストランに入る。

 

あゆみ「ここって結構高いよね。私払えるかな。」

セシリア「私が払いますわ。付き合って下さったお礼です。」

あゆみ「じゃあ、お言葉に甘えるね。」

 

中の調度品も一流だ。

 

「ご注文が決まりましたら、お呼びください。」

 

ウェイターさんが立ち去る。

 

セシリア「さてと、貴方には改めてお礼を言わなくてはなりませんわね。」

あゆみ「そこまでのことはしてないよ。偏向射撃(フレキシブル)を習得したのはセシリアさんだし。」

セシリア「いいえ。貴方がいなければ、私はいつまでも勘違いしたままでしたわ。これからも、訓練に付き合っていただけますか。」

あゆみ「勿論。わたしからもお願いするよ。」

 

その後食べた料理は、どれもおいしかった。

 

あゆみ「今日はごちそうさま。」

セシリア「どういたしましてですわ。」

あゆみ「でも、私の友人には割り勘にした方がいいよ。半端じゃない量を食べるから。」

セシリア「一体どれくらいですの。」

あゆみ「朝ご飯にご飯三杯食べて、いつもと比べると少ない方だって豪語したり、昼食で食堂のカレー10杯くらいお代わりしたり、それから…。」

セシリア「凄まじい量ですわね。」

 

 

次の日、各新聞、雑誌はこぞってこのことを取り上げていた。当然、この前のスキャンダルなどとっくに忘れている。

 

あゆみ「凄い取り上げ方。」

本音「偏向射撃(フレキシブル)が出来るなら、どの国でも即エース級だからね~。インフィニット・ストライプスまで取り上げているのはご愛敬だけど。」

あゆみ「記事になることには何でも食いつくからね。さてと、そろそろ行かないと。」

本音「え、訓練?」

あゆみ「本人が納得してないからね。曲げの量も大きくしたいし、複数のビットを同時に制御しながら曲げたいんだって。」

 

~第三アリーナ~

あゆみ「曲げの量を大きくする?それとも同時制御にする?」

セシリア「曲げの量ですわ。完全自動追尾(ホーミング)になれば、あゆみさんに負けることが無くなりますもの。」

あゆみ「そうだね。でも、私も上手い回避術を考えておくよ。」

 

~指令室~

坂上とオルコットが訓練している。

 

千冬「成程、これが戦わない最強戦士のやり方か。」

 

自らが前線に出ることはないが、戦意喪失した者を励まし、喝を入れ、共に成長する。これは確かに異色な戦士だ。だが、

 

千冬「このような奴がいると、周りも強くなるな。」

 

この学年の生徒がどれだけ強くなるか、今から楽しみだ。

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