次の日、教室に入ると全員が殺気立っていた。
清香「坂上さん、絶対2組には負けないで。」
あゆみ「あ、昨日のこと気にしているんだ。」
ナギ「当たり前でしょ。あそこまで言われるなんて屈辱よ。」
あゆみ「私も、負けるつもりはないよ。昨日調べておいたよ。」
さゆか「それで、どうだった...。」
あゆみ「鳳さんの専用機、甲龍(シェンロン)に積んである非可視型衝撃砲の龍砲、あれをどう攻略するかに尽きるよ。刀や他の装備はそれに比べると驚異じゃない。」
玲美「非可視型衝撃砲?」
あゆみ「空気を圧縮してそれを一瞬で開放することで、衝撃波を放つ武器。砲身も砲弾も見えないうえに、どの向きにも撃てるようだよ。」
ナギ「何それ、チートじゃない。」
癒子「勝算はあるの。」
あゆみ「結構厳しいと思う。だけど、勝てないわけじゃない。」
ナギ「え、じゃあ、何か秘策があるの?」
あゆみ「あるよ。」
私はニヤリとする。
清香「教えて教えて。」
あゆみ「それはまだ秘密。本番を楽しみにしていてね。」
清香「えー、ケチ。」
あゆみ「でも、秘策があること自体は言ってもいいよ。この秘策が無かったら、私には絶対勝ち目無かったから。」
この秘策、皆が気にすればするほど効果がある。ちょっとセコい気もするけど、言葉には注意するべきって良く分かるし。
~1年2組~
「凰さん、1組の代表は坂上さんだよ。」
鈴「え、そ、そうなの!?」
「そうだよ。それがどうかしたの?」
ヤバイ。ヤバイヤバイヤバイ。絶対嫌われた。
「凰さん、顔が青いよ。」
「風邪でも引いたの?」
鈴「え、えーと…。」
ガラッ
「あ、1組の相川さん。」
「何か用?」
清香「さっき坂上さんが言っていたわ。凰さんに勝つための秘策があるって。」
「秘策?」
「どんなのどんなの?」
「それは本人が秘密にしているから私にも分からないけど、絶対あることは確かだって。これに気付かなかったら、絶対勝てなかったって。」
どうしよう。私に対する秘策があるなんて。これで負けたら...。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
今日の訓練は私のためのものにする。
あゆみ「セシリアさん、箒さん、今日は私の特訓ね。」
セシリア「凰さんに勝つための秘策、ですか?」
あゆみ「うん。練習しておかないといけないから。」
実際には練習しておくことではないのだが、何か行動しておかないと怪しまれる。
箒「一体、何を練習するのだ。」
あゆみ「それは2人にも秘密。2組の人、絶対聞き耳立てているから、言ったら分かっちゃうよ。」
セシリア「仕方ありませんわね。」
箒「う、うむ。」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
そして、いよいよクラス代表戦(リーグマッチ)の日になった。
薫子「さあ、1年生の
楯無「解説は生徒会長である更識楯無がお送りするわ。」
薫子「さあ、まずは1組対3組。楯無さん、どちらが勝ちそうですか。」
楯無「100%1組。坂上さんに負ける要素が見当たらないわ。」
薫子「なんとなんと、1組が絶対勝つとのことです。その言葉通り1組が勝つのか。それとも3組が番狂わせを起こすのか。」
~ピット~
あゆみ「まずは3組の代表とか。」
本音「あゆみん、頑張れ。」
清香「凰さんに目に物見せるためにも、ここで負けちゃ駄目だからね。」
あゆみ「分かっている。じゃ、ラファール、今日もよろしくね。」
ラファール7「はい。絶対優勝しましょう。」
私はピットを飛び出す。同時に3組の代表の人も出てくる。
「貴方が1組の代表ね。クラス代表決定戦見ていたけど、貴方がクラス代表なら大したことないわ。」
あゆみ「それはどうかな。」
ピーッ
「試合開始!」
試合開始の笛が鳴る。それと同時に相手が先手必勝とばかりに撃って来るが、私はそれを全て躱す。
「まるで隙が無いじゃない。」
それは当然だ。隙ができるのはバランスを崩すとか、色気を出して無茶な攻撃をするときに多い。だけど、私は積極的に攻撃しないし、機体制御も慣れたもの。プリキュアでやっていた技術をそのまま使うだけなのだから、一般生徒の攻撃程度では崩れない。
あゆみ「今度はこっちから行くよ。」
私は
「た、体当たり!?」
相手が焦ってライフルを乱射するけど、そんなものは加速しながらでも躱せる。
「こうなったら!」
相手も体当たりを仕掛けてくる。よし、かかった!
スルリ
相手の体当たりを躱す。
「え、さ、最初から当たるつもりないの!?って、ええーっ!?」
ドォン
相手がアリーナの壁に激突する。因みにIS同士のトーナメントでは、ボクシングと同じで一定時間気絶して動けなかったら負けになる。
ピーッ
「勝者、1組代表坂上あゆみ!」
楯無「予想通りね。相手に攻撃させてミスを誘発させ、そこを突く。少しの揺らぎもなく徹底しているわ。」
薫子「それは相手の自滅待ちでは?」
楯無「そう思っているなら、2組もあっさり負けるわね。」
~ピット~
「結局相手のミスに付け込んでいるだけじゃん。」
「あれなら凰さんには勝てないよ。ね、凰さん。」
鈴「...。」
「凰さん、大丈夫?」
鈴「え、何?」
続く2組と4組の試合は、凰さんが勝った。でも、動きは凄く鈍い。間違いなく秘策が効いている。