戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第23話 クラス代表戦(リーグマッチ)vs凰鈴音

薫子「いよいよ決勝戦です。2組の凰さんは先日の模擬戦で1組相手に勝利宣言。対する1組の坂上さんは、凰さんに対する秘策があるとのこと。ですが、その内容は謎に包まれています。楯無さんは何か知っていますか?」

楯無「私も知らないわ。そもそも、あの機体には弱点らしい弱点がない。勝つには力で圧倒するしかないけど、訓練機ではそれは絶対あり得ない。私が調べても見つからない弱点を、あの子が見つけられるとは思えない。」

薫子「ですが、秘策は確実にあるとのことです。でなければ、絶対負けるとまで言ってましよ。」

楯無「そうね。ハッタリとは思えないのよ。顔が嘘言ってないから。なんにせよ、その秘策が何なのか、じっくり見させてもらうわ。」

 

「両選手、スタート位置に移動してください。」

 

そのアナウンスを聞いて、私と凰さんがスタート位置に移動する。

 

鈴「ねえ、あたしに対する秘策、一体何なのよ。」

 

私は答えない。沈黙を貫く。無視されることほど、こういう時に恐ろしいものはない。

 

ピーッ

 

「試合開始!」

 

鈴「答えないなら、力づくで聞かせてもらうわ!」

 

ドォン

 

衝撃砲が放たれる。だけど、私は難なく回避する。

 

鈴「何で、何で当たらないのよ。」

 

凰さんがムキになって撃って来るけど、全部回避する。資料を見た時は弱点がないと思ったけど、この衝撃砲は撃つ時に周りの空気が僅かに乱れる。だから、見えなくても空気の微妙な変化で撃つタイミングと角度が分かる。後は回避するだけだ。人づきあいは空気を読むことにも長けていないといけないのが、思わぬ形で役に立った。

 

~実況室~

薫子「ああっと、凰さんに焦りの色が見えます。一方の坂上さんは余裕十分。」

楯無「どうやら、何か掴んだようね。でなければ、あの衝撃砲を回避し続けることなんてできないわ。」

 

~観客席~

清香「一体、何がどうなっているの。」

セシリア「あれは衝撃砲ですわ。空間に圧力をかけ、その余波で空気を相手にぶつけるのですわ。しかも、向きは自由自在。真上にも真後ろにも撃てる、第三世代型兵器ですわ。」

箒「何だ、それでは弱点がないではないか。」

セシリア「ええ。そのはずです。ですが、あゆみは私達にも分からない弱点を見つけたようですわ。ここまで何十発も放たれているのに、一発も食らっていませんもの。」

 

~ステージ~

鈴「不味い。けど、打開策が...。」

 

何故か分からないけど、龍砲が通用しない。龍砲を封じられたら、付属武器の青龍刀、双天牙月だけでは坂上さんを仕留められない。一夏と対戦した時のビデオを見たけど、適度な距離を保たれて、無駄にエネルギーを使うのがオチだ。中近接型で武器の種類が少ないのが恨めしい。

 

私は間合いを測っていた。いくら私が優位とはいえ、凰さんにはハッタリは通用しないから、さっきみたいな体当たり未遂は使えない。その時、

 

ラファール7「未確認機が接近しています。」

あゆみ「また?けど、この間みたいになったら...。そうだ。ラファール、上手く誘導して衝撃砲を当ててもらおう。」

ラファール7「いい考えですね。」

 

私は急上昇する。

 

鈴「急に単調な動きになったわね。」

 

よし、衝撃砲を撃ってきた。私は後ろに回避する。

 

鈴「馬鹿ね。後ろに逃げてもぶつかるわよ。」

 

ドォン ドォン

 

未確認機がアリーナの壁を突き破る音がする。間髪を入れず、衝撃砲が未確認機に命中した。

 

鈴「な、何あれ。」

 

凰さんが驚いている。

 

あゆみ「凰さん、龍砲で仕留めて。こっちからだと凰さんに当たっちゃう。」

鈴「わ、分かった。」

 

慌てている仲間には具体的な攻撃を指示するのがいい。

 

ドォン

 

衝撃砲が命中し、未確認機の動きが止まる。

 

ラファール7「今交信しましたが、反応がありません。無人機ですね。」

あゆみ「凰さん、思いっきりやっちゃって。」

鈴「ええっ!?中にいる人はどうなるのよ。」

あゆみ「心配いらないよ。無人機だから。」

鈴「ありえないでしょ。」

あゆみ「じゃあ、ちょっと顔の装甲を剥がせばいいよ。それで判断できるはず。」

 

無人機?ありえないでしょ。ISは人が乗らないと動かないのだから。あたしは顔の装甲を剥がす。

 

鈴「嘘でしょ…。」

 

あるのは無機質な機械の塊のみ。

 

鈴「破壊する。木っ端微塵に。」

 

凰さんが木っ端微塵に破壊する。

 

ラファール7「どうやら、完全に破壊されたらしいですね。全命令系統が機能停止しました。」

あゆみ「良かった~。前回みたいにパニックになったら大事だよ。」

千冬「坂上、凰、怪我はないか。」

 

織斑先生から通信が入る。

 

あゆみ「大丈夫です。凰さんの攻撃が先に命中したのが幸いして、被害はありません。今回も無人機です。」

千冬「そうか。だが、試合は中止だ。」

 

~吾輩は猫である~

束「ああもう。マジで腹立つ。」

 

私は椅子を蹴っ飛ばす。

 

束「どれだけ悪運強いのさ。相手が撃ってきた砲弾が無人機に当たるなんて。」

クロエ「そうでしょうか。私にはそうは思えないのですが。」

束「どういうこと、クーちゃん。」

クロエ「もし、来ると分かっていて、誘導したとしたら…。」

束「そんなのありえないよ。」

クロエ「ですが、今計算したところ、偶然こうなる確率は十万分の一です。相当低いですよ。」

束「…。仕方ない、作戦変更だよ。」

 

この私に作戦を変更させるなんて。坂上あゆみ、覚えてなさい。

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