~生徒会室~
虚「本音、あゆみはどうしたのです?」
本音「生徒会より大事なことがあるって。」
楯無「生徒会より?」
楯無お嬢様の目が光ります。
虚「お嬢様?」
楯無「臭いわね。」
本音「え、あゆみんが臭いの?」
楯無「そうじゃないわよ。何かありそうって意味。」
虚「分かりました。後は私と本音で片づけておきます。お嬢様は仕事を。」
楯無「ええ。」
私は生徒会室を出る。
~楯無の部屋~
薫子「あら、生徒会長。今日は随分と帰りが早いわね。」
楯無「貴方、坂上さんと親しかったわね。」
薫子「はい。それが?」
楯無「彼女の周りで何か変わったことは起きなかったかしら。」
薫子「うーん、あ、今日1組に転校生が来たわね。それが一番大きい出来事よ。」
楯無「分かったわ。」
私は生徒会室に戻る。
~生徒会室~
本音「あ、楯ちゃん戻ってきた。」
楯無「本音、坂上さんと転校生が何か親しくしていた形跡はない?」
本音「うーん、そう言えば、今日の昼休み、ずっと部屋にいたみたい。放課後も、本音が来ないかどうか探っていたよ~。」
楯無「明らかに怪しいわね。本音、ばれないようにしながら彼女のことを監視しなさい。」
本音「分かったのだ~。」
私は事務室へ向かう。
~事務室~
楯無「外出許可を取っている生徒の中に坂上あゆみはいるかしら?」
「いますよ。今週の金曜日から、月曜の朝までですね。」
楯無「同じ期間に取っている人は?」
「シャルル・デュノアさんです。」
楯無「ありがとう。」
どうやら、転校生の一人、シャルル・デュノアさんが関係しているようね。
~生徒会室~
私はパソコンを叩いてデュノア社について調べる。
楯無「成程、そういうことね。」
虚「どういうことですか?」
楯無「シャルル・デュノア、いえ、シャルロット・デュノアは、男でなく、女よ。そして、デュノア社は業績不振。ここから導き出される結論は一つね。」
本音「何~?」
楯無「坂上さんを外に連れ出し、誰の目も届かないところで言いなりにし、自社の経営改善の犠牲にすることよ。」
本音「じゃあ、あゆみんはデュノアさんの罠にかかったってこと~?」
楯無「ええ。一刻も早く2人をここに連れてきなさい。」
虚・本音「「はい(分かったのだ~)!」」
~1020室~
機密事項を話し終えた私達は、晩御飯を食べていた。デュノアさんが外に出れば女の子達が絡むのは必至なので、私だけで夕食を取りに行った。夕食時とはいえ、事態が事態なだけに、お互い黙ったまま食べている。
トントン
あゆみ「はい。」
本音「あゆみん、本音だよ~。入ってもいいかな~。」
私はデュノアさんを見る。頷く彼女。
あゆみ「いいよ。」
ガチャ
本音さんが入ってくる。が、もう一人いた。
あゆみ「虚さん?」
虚「生徒会室まで来てもらうわ。デュノア君もね。」
あゆみ「あ、あの、サボったことについてはデュノア君は関係ないと思いますが。」
本音「問答無用なのだ~。こちょこちょ~。」
あゆみ「くすぐったい。本音さん、やめて~。」
結局私とデュノアさんはくすぐり攻撃に耐え切れず、大人しく生徒会室に向かった。
~生徒会室~
楯無さんが厳とした感じで座っている。
楯無「さてと、シャルル・デュノアさん、いえ、シャルロット・デュノアさん。」
シャルロット「ど、どうしてその名前を!?」
楯無「調べればわかるわよ。それに、これは本題じゃないわ。」
シャルロット「え?」
次の瞬間、
ガシッ
本音さんと虚さんがデュノアさんの体を掴みあげる。
シャルロット「な、何をするんですか!」
楯無「それはこっちの台詞よ。坂上さんを罠に嵌めようとして、只で済むと思った?」
シャルロット「そんなことしてないです。」
楯無「あら、いつまで持つかしら。」
扇子を開く。
シャルロット「言い訳無用!?」
本音「くすぐり攻撃なのだ~。こちょこちょ~。」
シャルロット「ひい、やめて、苦しい~。」
あゆみ「いい加減にしてください!」
私はたまらず大声をあげる。
楯無「坂上さん、これは貴方のためよ。」
あゆみ「何を勘違いしているのか知りませんが、デュノアさんは何もしていません。むしろ、行動したのは私の方からです。」
本音「どういうこと~?」
あゆみ「デュノアさんが男装しているというのは、一目見て分かりました。そして、私は考えました。何か裏があるって。そしてその予想は正しく、デュノアさんは会社の命令で織斑君のデータを取れ、という指示を受けていたのです。」
楯無「え、坂上さんのことは最初から眼中になかったの?」
シャルロット「そうだよ。」
あゆみ「それで私はデュノアさんの生い立ちを聞きました。そして分かったことは、彼女のお父さんが何を考えているか、私達はちゃんと知らないってことです。そこで、私とデュノアさんが2人で本社に行き、お父さんの本音を聞こうと思ったのです。」
本音「美しい友情なのだ~。」
虚「お嬢様、どこが罠に嵌められた、ですか。むしろ立場逆じゃないですか。」
楯無「め、面目ない...。」
シャルロット「取り敢えず、放してもらえるかな。」
デュノアさんは解放されて一息ついている。
あゆみ「という訳ですので、金曜日、私はデュノアさんと一緒にフランスに行きますね。」
楯無「待って、私も行くわ。」
シャルロット「どうしてあなたが?」
楯無「私は対暗部用暗部の家の当主よ。こういう事には強いわ。それに、上手く行けばフランスに一つ貸しを作れるしね。」
あゆみ「じゃあ、お願いします。私はこういう事には疎いので。」
楯無「疎くて当然。まだ高校生なのだから。」