戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第2話 受験

いよいよ今日がIS学園の受験日だ。

 

あゆみ「いってきまーす。」

 

 私は家を出て学園に向かう。と言っても、そんなに遠くない。私の家は横浜で、IS学園は湘南モノレールの終点だ。湘南台にも行ったことが何回かあるし、地元で受けるようなものだ。これは、私にしかないアドバンテージだ。モノレールに始発から乗れて、座っていけるのも嬉しい。モノレールが終点に着き、受験生達がぞろぞろと降りる。一学年120名で、最終選考に残るのが全体の1%。それでも、12000人がここに会することになる。

 午前中は筆記試験だ。中学レベルの各教科の学力及びISについての知識を問われる。これは難なくクリアした。昼休みを挟んで午後はISの実技試験だ。訓練機を纏って先生と一対一の模擬戦を行う。勿論勝て、などという無茶なことは要求されず、どれほど意のままに動かせるかが見られる。ここでの点数が合否に響いてくる。というのも、倍率が上がり続けた結果、学力では差がつかず、操縦能力が物をいうようになってきたからだ。勿論入学してから指導することで伸びるが、やはりセンスの有無はどうしても付き纏う。教室で待ち、一人ずつ呼び出され、終わったものから順次帰宅する。

 

「次、坂上あゆみさん。」

あゆみ「はい。」

「じゃあまず適性を診断しますね。訓練機は打鉄とラファール・リヴァイヴのどちらにしますか。」

あゆみ「ラファール・リヴァイヴでお願いします。」

 

ISに触れる。

 

「適性はAですね。」

 

凄い量の情報が流れ込んでくる。それをしっかり憶え、最後に一言呟く。

 

あゆみ「短い間だけど、よろしくね。」

 

プリキュアの時と変わらない。パートナーは大事にしないといけないのだ。私はラファールを身に纏ってピットを飛び出す。

 

「試合、開始!」

 

先生がライフルで撃ってくる。普通なら避けきれない...が、ISを身に纏った今なら容易く認識して回避できる。起動して分かったが、何のことはない。プリキュアの能力を人類が再現しただけだ。これなら勝手知ったるものだ。戦士としての経験は私の方が豊富。そう思うと余裕が出てきた。フーちゃんのことがある手前、こちらからは攻撃しないが、先生の攻撃を全部回避して慌てさせよう。

 

スルスルッ

 

私は先生の攻撃を全て回避する。

 

「なっ、当たらない!?」

 

先生が驚いている。よーし、もっと驚かせよう。私は加速して先生に急接近する。そして、ぶつかる寸前で急上昇する。

 

「何というアクロバット飛行...、って、感心してる場合じゃない!」

 

先生がしつこく狙うけど、どこにどう撃つか、大体わかってしまう。私は想いのプリキュアだったから、変身してなくても相手の考えていることはある程度読めるのだ。

 

「なら近接格闘はどうよ。」

 

それは私は苦手だ。絶対に距離は詰めさせない。急加速と急減速を繰り返して近づかせず、先生を翻弄する。

 

真耶「あの受験生凄いですね。先生を振り回していますよ。」

千冬「ああ。在学生でもあそこまで動ける奴がどれだけいるか。」

 

躱すのは簡単だけど、逃げてばかりだと時間切れになる。その時、シールドエネルギーが同じだと引き分けにしかならない。ちょっと危険だけど、私は壁の近くで停止する。予想通り、先生が正面から切り込んできた。

 

「覚悟しなさい!」

 

まだだ。ギリギリまで引きつけて、よし、今だ!

 

サッ

 

私は横に回避する。追い掛けてくるか。

 

ドォーン

 

壁に激突した。作戦成功だ。回避されたらどうしようもなかったが、これで大きく削られたはず。後は時間が来るまで粘るだけだ。

 

「このっ!逃げてばかりいないで攻撃しなさいよ!」

 

先生には悪いけど、攻撃しようとしたら隙ができてしまう。このまま逃げ切りだ。

 

ピーッ

 

「試合終了!シールドエネルギー残量により、勝者、坂上あゆみ!」

 

やった、勝った!これで合格はほぼ確実だ。

 

真耶「勝っちゃいましたね。」

千冬「あの試合運び、只者じゃないな。」

楯無「フーン、随分と面白そうな子ね。あの子が入ってきたら結構楽しめそうね。」

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

「グヌヌ、何なんですか、あの受験生。」

千冬「ハッハッハ、完敗だな。後半に入って壁に激突してからなど、完全にあしらわれていたぞ。時間切れまで粘ればシールドエネルギーの差で勝てると踏んでの戦略だ。」

「あんなの勝利だと認めません!逃げ回って攻撃してこないなんて卑怯です!」

千冬「私はそうは思わないがな。」

「何故ですか。」

千冬「アイツは多分武器を使ったことが無いのだろう。武器を使うのにも経験と技術がいるし、下手に攻撃すれば隙を作る。ならば、使えない手は最初から切り捨てて、回避と挑発に徹して自滅を誘い出すという戦法を取った。それが見事にハマったという訳だ。」

「それは卑怯という物ですよ。」

千冬「IS学園の教師が、専用機持ちでも国家代表候補生でもない一受験生の戦法に惑わされて敗北する方がよほどカッコ悪いと思うがな。」

「う...、ぐ...。兎に角、私は認めませんから。」

 

その教師は抗議の意思を示してか退場した。

 

千冬「取り敢えず坂上は合格だ。」

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

母「あゆみ~、通知が届いているわよ~。」

あゆみ「はーい。」

 

合格か、否か。緊張の一瞬だ。

 

合格

 

あゆみ「やった、合格だよ。」

母「そう。なら、頑張りなさい。」

あゆみ「うん。」

 

よし、これで最初の一歩は踏み出した。

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

「次のニュースです。本日、ISを起動した男性が発見されました。」

「あゆみ、IS学園ってあなたの通う学校でしょ。」

あゆみ「うん。ISは女性にしか動かせないというのが常識だから、これは一大事だよ。」

 

早く彼に会いたい。どんな性格なんだろう。

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

歩いていても、にやつきが止まらない。

 

あゆみ「皆おはよう。」

亜紀「随分と機嫌いいね。」

碧「何かあったの?」

あゆみ「IS学園に合格したよ。」

碧「それホント!?」

あゆみ「うん。」

碧「凄いよ~。」

亜紀「私も勉強しとけばよかったかな~。」

由佳「それはそうと、昨日のニュース見た?」

あゆみ「見たよ。男性でISを操縦できるって。早く会いたいなあ。」

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