~IS学園~
アルベールさんが事情を説明している。
千冬「成程、デュノアの男装については良く分かった。しかし坂上、またお前か。」
あゆみ「はい、また私です。」
シャルロット・アルベール「「また?」」
千冬「こいつは何かと事件に巻き込まれる体質だ。もっとも今回は自分から巻き込まれに行ったがな。」
あゆみ「スパイなんて見過ごせないですよ。それに、結果としてデュノアさんがスパイする必要なくなったんですから。」
千冬「まあそうだな。私が先に知っていたら、文句なしに監獄行きだ。命拾いしたな、デュノア。」
シャルロット「よ、良かった~。」
千冬「ま、その分の責任は取ってもらうがな、アルベール・デュノア。」
アルベール「はい。覚悟はできています。」
千冬「坂上とデュノアの関係を全面的にサポートしろ。そして、坂上が何か求めてきたときは全面的に応じる。」
アルベール「え、それだけですか?」
千冬「それだけだ。さてと、デュノア、お前の部屋を変更する必要があるな。書類が通る前に織斑に気付かれると厄介だ。」
あゆみ「手伝うね。」
シャルロット「ありがとう。」
私達は部屋を出る。
アルベール「随分と寛大な処置ですね。」
千冬「まあ、坂上の奮闘に免じてだ。私が先に知っていたら問答無用でデュノア社は潰れていたな。」
アルベール「そ、そうですか。」
千冬「それに、アイツの要求を満たすのは大変だぞ。」
アルベール「只の高校生の要求がそこまで難しいものになりますか。」
千冬「アイツは只の高校生ではない。少なくともここを卒業するころには世界中でその名を知らないものはない存在になっているだろう。」
アルベール「随分と彼女のことを買っているのですね。」
千冬「まあ、アイツの行動を見ていればわかる。このような形とはいえ、アイツと関わりを持てたのは幸運だぞ。」
アルベール「じゃあ、ちょっと見ていきますね。」
千冬「残念だが、アイツの凄さは戦闘ではない。」
アルベール「そうですか。優秀なパイロットとしてうちに来てもらおうと思ったのに。じゃあ、あまり不在でいるのも良くないので、これで失礼します。」
~1025室~
僕は坂上さんと一緒に荷物を取りに、部屋に戻ってきた。
一夏「あ、デュノア、どこ行っていたんだ。」
シャルロット「ちょっとね。」
僕は荷物を片付け始める。
一夏「おい、何で片づけるんだ。」
シャルロット「織斑先生から、部屋を移れって指示されてね。何か考えがあるんじゃないかな。」
一夏「なんでだよ。俺達同じ男子じゃないか。普通一緒にするだろ。」
シャルロット「織斑君、世の中にはいろいろあるんだよ。」
あゆみ「織斑君、結構ごたごたするから他の部屋に避難したほうがいいよ。」
一夏「なんでだよ。」
あゆみ「結構荷物多いからね。埃の舞い方が凄いことになるよ。」
一夏「仕方ねえな。」
織斑君が部屋を出る。
あゆみ「これで邪魔者はいなくなったよ。安心して片づけられるね。」
一夏「千冬姉、なんでデュノアを別の部屋に移すんだよ。」
千冬「その方がいいからだ。」
一夏「俺じゃルームメイト失格だってのかよ。」
千冬「まあ、端的に言うとそうだな。やたらと他人のテリトリーに入ろうとするからな。」
一夏「そんなこと言ったら坂上だって同じじゃねえか。」
千冬「同じようで違うぞ。アイツの場合、自分からは絶対に動かない。だが、相手が隙を見せると、一気に付け込む。そしてその隙を直して仲良くなってしまう。もし私がアイツと同級生だったとしたら、恐らく私の実力にも恐れずに突っ込んでくるだろう。」
一夏「千冬姉…。」
シャルロット「色々面倒ごとに巻き込んじゃってゴメン。」
あゆみ「気にしてないよ。それに、私はこうなるのを望んでいた面があるから。」
シャルロット「えっ?」
あゆみ「私は、中学の時、結構凄い人達と親友だったんだ。でも、とある事情で離ればなれにならざるを得なかった。それで、同じような関係を築くために、この学園に入ってきたんだよ。」
シャルロット「そうなんだ。」
あゆみ「でも、只の学生が専用機持ちと仲良くなるのは簡単じゃない。だから、機会を見つけて、次々にものにする必要があったんだ。今回もそうだよ。」
シャルロット「そうなんだ。ありがとう、あゆみ。」
あゆみ「こちらこそ、シャルロットさん。」
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荷物の整理も終わり、食堂へ向かう。
あゆみ「今度の学年別トーナメントって、かなり注目されているみたいだね。」
シャルロット「うん。僕のお父さんも、会社が大丈夫だったときはよく見に来ていたって。」
そこへ、
「「「デュノア君、私と組んで。」」」
あゆみ「皆どうしたの?」
ナギ「今回の学年別トーナメント、タッグマッチになったの。」
癒子「パートナーを見つけて、申請するんだよ。」
シャルロット「ゴメン、僕はもう決めている人がいるんだ。」
さゆか「そんな~。」
清香「残念。」
神楽「あれ、でも今知ったはずだよね。」
癒子「そんな直ぐに決められるかな?」
理子「あっ。」
静寐「分かった。」
玲美「何?」
理子「デュノア君、坂上さんと組む気だよ。」
「「「ええーっ!?」」」
「「「坂上さん、狡い~!」」」
シャルロット「僕が彼女を選んだんだ。彼女に非はないよ。」
ナギ「く~。」
理子「やっぱクラス委員だからか~。」
あゆみ「私でいいの?」
シャルロット「坂上さん以外に考えられないよ。」
あゆみ「私の場合、かなり癖があるけど、それでもいいなら。」
このニュースはあっという間に1年生の間に広まった。