戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第35話 タッグマッチの意味

~ピット~

さゆか「先に戦った2ペアはどっちも勝ったね...。」

理子「私達も負けられないよね~。」

 

「両者、スタート位置まで移動してください。」

 

私達はピットを飛び出す。

 

「さっきから1組のペアが凄いことやっているわね。」

「まぐれよ。普通に負けているペアもあるし。」

 

まぐれじゃない...。それを勝つことで証明する...。

 

ピーッ

 

「試合開始!」

 

私達は背中合わせになり、瞬時加速(イグニッション・ブースト)をかける...。

 

「せ、背中合わせで瞬時加速(イグニッション・ブースト)!?」

「あり得ない…。」

 

~観客席~

「な、なんだなんだ!?」

「こんなことありえるのか!?」

あゆみ「これは私も想定外かな。」

 

背中合わせなら背後を取ろうにも取ることができない。戦場においては最高の配置だ。だけど、お互いの姿を見ることができないのだから、加速するときはタイミングや度合いがちょっとでもタイミングがずれたら即同士討ちだ。

 

~ステージ~

よし、相手が混乱している隙に真ん中に割り込めた。

理子「いくよ~!」

さゆか「うん...。」

 

ライフル、近接ブレードを使い、相手を攻撃する。相手も反撃してくるけど、背中を預けられる安心感がある。

 

ピーッ

 

「勝者、夜竹・岸原ペア!」

 

この作戦は坂上さんのおかげだ。

 

~ピット~

理子「フッフッフ、これで皆の注目を集めること間違いなしよね~。」

さゆか「苦労した甲斐があった...。」

そこに坂上さんがやってくる。

あゆみ「2人とも凄いよ。どうやってあれを習得したの?」

さゆか「まだ無理...。」

あゆみ「え?じゃあどうやって?」

理子「これよね~。」

 

あるものを取り出す。

 

あゆみ「成程、そういう事か。」

 

拡張領域(バススロット)に棒を入れておき、試合開始と同時に背中を棒でつないだのだ。これなら、ミスをする確率は格段に減る。背後のセンサーで引っ張り過ぎや押し過ぎを監視すればいいのだから。

 

午前の部が終わり、試合をまだやっていない清香さんと神楽さん以外のペアは全員1回戦突破だ。

 

~食堂~

私とシャルロットさん、そして私が指導した8人で昼食を食べている。

 

清香「いや~、坂上さんの指導って上手いよね。」

神楽「先生みたい。」

あゆみ「そう言われると感無量だよ。」

千冬「ほう、私とどっちが上手いのだ。」

 

織斑先生が現れる。神出鬼没だなあ。

 

ナギ「え、えーと…。」

理子「そ、その…。」

神楽「も、勿論織斑先生の方が上手いです…。」

千冬「何か歯切れが悪いな。」

清香「な、なんていうか、方向性が違うというか…。」

あゆみ「織斑先生は問題点を潰す、私は長所を伸ばす。指導方針が違いますね。単純に比べられません。」

千冬「確かにそうだな。」

あゆみ「私には問題点を潰すようなやり方ができるほどの技術はありませんから、長所を伸ばすことに絞っています。」

千冬「成程。だが、それで全員の能力を上げているのだから、指導は的確というべきだな。」

あゆみ「それと、連携の重視ですね。ISの特性上、連携が最重要ですから。」

千冬「タッグマッチにしたのはISの特性を理解してもらうためだが、よく分かっているな。となれば、1回戦は全員勝ち抜けそうだな。」

あゆみ「それが、1組だけくじ運が悪くて、いきなり専用機持ちのペアと当たったところがあるんです。」

千冬「ほう、相手は誰だ。」

清香「私と神楽のペアです。相手はオルコットさんと凰さんのペアです。」

神楽「くじ運悪い…。」

千冬「確かに、そればかりは運だな。だが、目の前に専用機持ちを2人破った奴もいるし、勝てば大金星だ。それこそ将来安泰だぞ。」

神楽「よし、やるぞ~!」

 

神楽さんがいきなり立ち上がって大声を出したものだから、皆が驚いてこっちを見てくる。慌てて座る神楽さん。

 

あゆみ「凄いですね。生徒をやる気にさせるのも一流です。」

 

千冬「フン、これくらい大したことない。」

 

~実況室~

薫子「次は中国の代表候補生、凰鈴音さんとイギリスの代表候補生セシリア・オルコットさんです。」

楯無「ダントツの優勝候補ね。というより、専用機持ち同士で組むなんて、誰も勝てないんじゃないかしら。」

 

「両者、スタート位置まで移動してください。」

 

私と神楽が飛び出す。反対側はオルコットさんと凰さんだ。

 

鈴「さーてと、相手には悪いけど、あたし達には負けられない理由があるのよね。」

セシリア「手加減は致しませんわ。」

清香「こっちだって負けない!」

神楽「絶対に勝つ!」

 

ピーッ

 

「試合開始!」

 

私達2人が瞬時加速(イグニッション・ブースト)でオルコットさんに急接近する。一対一や二対二では圧倒的に不利、となればどっちかを開始してすぐに離脱させなければならない。となれば、近距離に弱いオルコットさんを狙うのは自明の理。

 

セシリア「お生憎、その手はもう通じませんわ。」

 

私は偏向射撃(フレキシブル)をフル活用して近づけさせません。

 

清香「な、何これ。」

 

近接戦への対応、これは私とブルー・ティアーズの課題でした。ですが、近づけないほどの射撃が出来るのであれば、何も問題はないのです。

 

清香「だ、駄目。近づけないよ。」

神楽「くっ、なら…。」

 

ドォン

 

衝撃砲を間一髪で避ける。

 

「あ、危なかった~。」

鈴「あたしがいるのを忘れちゃ困るわ。」

 

~観客席~

あゆみ「流石セシリアさん。また一段と腕を上げたね。」

シャルロット「うん。あの射撃をどうやれば掻い潜るのか、僕には皆目見当つかないよ。」

 

偏向射撃(フレキシブル)をある程度扱えるようになったセシリアさんは、ビット兵器を一見すると何でもない方向に向けて注意を逸らし、発射直後に曲げることで不意打ちを狙う。それだけならいいけど、今はビットを動かしながら動くことも出来る。まだ完全でないから、動きながら操作できるビットの数は限られるようだけど、これまでのように無防備にならなくなった。さて、清香さん、神楽さんはどうするのかな。

 

~ステージ~

清香「こうなったら、奥の手よ。」

神楽「え、何?」

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