戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第38話 タッグマッチvsセシリアさん・鈴さん

~ピット~

あゆみ「ラファール、専用機持ちにビビってないよね。」

ラファール1「大丈夫です。訓練機の意地、見せてやりますよ。」

あゆみ「そうだね。」

 

私は支度を終え、シャルロットさんのもとに向かう。

 

あゆみ「いよいよ専用機持ちだね。これまでの相手のようにはいかないけど、平常心で行こう。」

シャルロット「うん。」

 

私とデュノアさん、セシリアさんと鈴さんがピットを飛び出して位置に着く。だけど、セシリアさんと鈴さんがデュノアさんを睨みつけている。

 

あゆみ「2人とも、何かあったの。」

鈴「別に大したことじゃないわ。」

セシリア「あゆみの責任ではありませんわ。」

あゆみ「それならいいけど。」

 

でも、やっぱり気になる。

 

オルコットさんと凰さんが個人間秘匿回線(プライベート・チャネル)を開いて通信してくる。

 

鈴「さてと、フランスのプレイボーイ、死ぬ前の御祈りは済んだかしら。」

セシリア「完膚なきまでに叩きのめしますわ。」

シャルロット「ど、どういうことかな。」

恨まれることをした覚えはないんだけど。

セシリア「字のとおりですわ。あゆみさんを掻っ攫ったこと、その身で持って償いなさい!」

鈴「地獄に落ちるといいわ!」

「試合開始!」

セシリア「さあ、受け取りなさい。私とブルー・ティアーズの奏でる鎮魂曲(レクイエム)を!」

鈴「ボコボコに破壊してあげる!」

 

これは最後通牒だ。一体、どうして…。

 

セオリーなら鈴さんが前衛、セシリアさんが後衛だ。そして、その通りの布陣だ。となれば、私は鈴さんを引きつけ、衝撃砲を回避している間にデュノアさんがセシリアさんに接近して勝負をかける。はずだった。

 

鈴「おりゃああ!」

 

鈴さんがデュノアさんに突撃する。

 

あゆみ「えっ、私のこと無視?」

 

鈴さんが衝撃砲を、セシリアさんが偏向射撃(フレキシブル)を撃ってデュノアさんを狙う。私を無視したらどうなるか、昨日最初に当たったペアが示したはずなのに。

 

~実況室~

薫子「セシリアさんと鈴さんのペアが射撃を始めたわね。」

楯無「偏向射撃(フレキシブル)が大分と使えるようになったから、鈴さんの真後ろから撃ってくる。失敗したら同士討ちになる、高いレベルの連携よ。クラス代表決定戦の時ビット兵器が同士討ちしていたのが嘘のようだわ。しかも、右、左、上の三方向から。そのうち斜めも使えるようになったら、隙が無いわ。でも変ね。」

薫子「何が?」

楯無「普通坂上さんを先に狙うわよ。あの2人にとって、坂上さんは大の苦手。」

薫子「でも、2人共強くなっているし…。」

楯無「強くなったと言っても、相対的に見たら弱くなっている可能性があるわ。セオリーなら弱い敵から倒すのは間違ってないけど、坂上さんのやり方は相手が強いほど効果が高い。二対一ならなおさらよ。動き回って連携を寸断し、撃てない状態にしてしまうことだってできるわ。」

薫子「そんな上手く行くかしら。」

楯無「人間、一度大失敗して懲りたら、同じことをもう一度やろうとはそう簡単には思わない。同士討ちの恐怖を味わっているオルコットさんは、絶対に起きないように慎重に攻める。当然、凰さんもそうするから、坂上さんの大胆不敵な回避能力を削ぐことができない。」

薫子「でも、坂上さんは攻撃をしたことが無いですよ。」

楯無「攻撃しないとできないは違うわ。彼女は、しないだけよ。」

 

~ステージ~

体当たりだ。私は2人の後ろから瞬時加速(イグニッション・ブースト)をかける。

 

セシリア「!来ましたわ!」

鈴「オッケー!」

 

2人が散開し、デュノアさんへの攻撃が少し緩む。でも、またすぐに撃ち始める。

 

あゆみ「撃ち合いじゃ分が悪いよ。近接武器でセシリアさんを狙って。」

シャルロット「分かった。」

 

デュノアさんが筒のようなものを取り出す。何だろう、あれ。

 

シャルロット「これを食らったら、只では済まないよ。」

 

ドォーン

 

セシリアさんが吹っ飛ばされる。

 

セシリア「な、なんですの!?」

シャルロット「盾殺し(シールド・ピアース)。本来は相手の持っている盾を破壊するための物なんだけどね。こうして使うと、相手に大打撃を与えられる。」

鈴「だったら、その大筒ごと吹っ飛ばすわ。」

 

鈴さんが衝撃砲を放つ。でも、デュノアさんは落ち着いている。高速切替(ラピッド・スイッチ)で盾を取り出し、受け流す。

 

シャルロット「この距離なら僕のほうが強いよ。」

鈴「くっ…。」

 

鈴さんは近接型だ。中長距離で射撃で狙われると分が悪い。じりじりと、しかし確実にシールドエネルギーが減っていく。

 

セシリア「なら、それが専門の私の攻撃を受けてみなさい!」

 

セシリアさんがレーザーで狙い撃つ。でも、シャルロットさんはレーザー用の盾で弾く。

 

鈴「なら、もう一度衝撃砲で。」

あゆみ「させない!」

 

私が立ちはだかる。

 

あゆみ「鈴さんの衝撃砲をいつどこに撃つか、私は分かるよ。だから、接近してタイミングと角度を教えるね。」

シャルロット「助かるよ。」

鈴「ゲッ、ま、不味いわ。」

あゆみ「確か、これはそう簡単に修正できなかったはずだよね。」

鈴「くっ、これじゃあたしは双天牙月しか使えないじゃん。」

 

鈴さんの話だと、あまりにも僅かな変化のため、事前のテストでは発見できなかったそうだ。中国の技術者達が余りの難題に解決策が思い浮かばず、今も頭を抱えているらしい。

 

あゆみ「今のうちに接近戦に持ち込んで!」

シャルロット「オッケー!」

 

接近戦に持ち込ませまいとセシリアさんも偏向射撃(フレキシブル)で応戦する。だけど、盾で防がれ、ライフルで反撃されながらじりじりと近づかれ、とうとう近接距離に入られた。そこからはあっという間だった。シャルロットさんの繰り出す様々な武器に対応できず、セシリアさんのシールドエネルギーは0に。それを見た鈴さんは、打つ手なしということで降伏し、私達の勝利となった。

 

~ピット~

あゆみ「何とか勝ったね。」

 

私は大きく息を吐き出す。

 

シャルロット「うん。」

あゆみ「次の決勝戦があるから、表彰が終わったら2人を励ましに行かないと。」

 

~反対側のピット~

鈴「悔しい…。」

セシリア「私達の実力はプレイボーイ以下ですの…。」

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