戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第1章 一般生徒の中の凄い人
第3話 黒一点


今日は4月2日、入学式の日だ。

 

あゆみ「行ってきます!」

 

こういう時、漫画やアニメならぶつかって運命の出会いが…、となるところだけど、そういうのには期待しない。自分からきっかけを作る。出来れば、あの男の子と会いたい。でも、残念ながら見つからなかった。事務室で鍵を受け取り、寮に入る。1020室だ。十重二十重だね。同室の子はまだ来ていないのか、空っぽだ。それにしても、これが学生の寮なのかと思うくらい充実した設備だ。

 

「新入生の皆さんは、講堂に集合してください。」

 

講堂で入学式が粛々と進められる。

 

「次は、生徒会長からの挨拶です。」

楯無「私は更識楯無。この学校の生徒会長よ。」

 

猫、そんな印象の人だ。ゆかりさんみたく、気まぐれで、興味あることには何でも手を出しそうな感じ。

 

楯無「そこの貴方、確か坂上あゆみさんよね。」

あゆみ「は、はい。」

 

突然指名されてちょっと驚くが、すぐに冷静になる。

 

楯無「今私について何か考えてなかった?返答次第ではお仕置きするわよ。」

 

場内がざわつく。

 

あゆみ「別に失礼なことは考えていません。ただ、猫みたいな雰囲気を醸し出しているなあって思っただけです。」

楯無「フフ、よく言われるわ。ま、そういう事なら許してあげる。」

あゆみ「あの、何で私の名前を...。」

 

新入生の名前をいきなり正確に言うなんて、只者じゃない。

 

楯無「生徒会長は学内最強たれ。この学校の原則よ。生徒の顔と名前を一致させるくらい、なんてことないわ。」

 

凄い人だ。やがて入学式が終わり、私達はクラスへ移動する。

 

 

~生徒会室~

楯無「大した新入生ね。」

虚「そうですね。楯無お嬢様にいきなり名指しされて、あそこまで堂々と返事ができる子は中々いません。」

楯無「やはり、実技試験で先生に勝った実力は本物だわ。」

虚「え、先生に勝ったんですか?」

楯無「一度も攻撃していないから認めないって担当した教師が相当ゴネて参考記録扱いになったけど、あれはまぐれじゃなかったってこと。」

虚「見ていらしたんですか。」

楯無「ええ、最初から最後までね。ぜひとも我が生徒会に欲しいわ。」

虚「ですが、取り合いは必至ですよ。」

楯無「そうなのよね。ま、いざとなったらおねーさんの強権で入れちゃおうかしら。」

 

 

~1年1組~

IS学園の生徒は全員女子。去年まではそうだった。ISは女性にしか使えないのだから。だけど、今年は男子がいる。私の左隣の席に座っている彼が、世界で初めてISを動かした男、織斑一夏君だ。

 

真耶「このクラスの副担任の山田真耶です。」

あゆみ「よろしくお願いします。」

 

あ、あれ、みんな返事しないの?あ、織斑君のことが気になって仕方ないんだね。

 

真耶「では、自己紹介をお願いしますね。」

 

次々に自己紹介し、織斑君の番になった。

 

真耶「織斑君、織斑君!」

一夏「は、はい。なんでしょうか。」

真耶「自己紹介の最中で、『あ』からはじまって、今『お』なんだよね。次織斑君の番なんだけど、大丈夫かな…。」

一夏「あ、す、すみません。」

 

別にそんな弱気にならなくてもいいのに。

 

一夏「お、織斑一夏です。」

 

私には、緊張しているのが良く分かる。みゆきさんも転校してきたときこんな感じだったらしい。

 

一夏「い、以上です!」

 

織斑君が席に着く。緊張しているのは分かるけど、これじゃああかねさんみたいにフォローすることもできないよ。

 

バシィ

 

千冬「お前は挨拶もロクにできんのか。」

 

あ、織斑先生だ。世界最強(ブリュンヒルデ)の称号を持つ、IS関係者はおろか一般人でも誰もが知っている有名人。若くして引退した時は、世界中から惜しまれたそうだ。

 

一夏「ゲエッ、関羽!?」

千冬「誰が歴史上の人物だ。」

 

バシィ

 

出席簿で叩かれるなんて痛そう。それにしても、今時生徒を叩く先生なんているんだ。

 

「キャーッ!」

「千冬様、本物の千冬様よ。」

「私、北海道から来たんです。千冬様の指導を受けたくて。」

 

凄い。プリキュアも、認知されている町ではそれなりに人気あったけど、ここまで熱狂的じゃなかった。

 

千冬「静まれ、全く、どうして毎年毎年こうも馬鹿どもが集まるのだ。それとも私のクラスに集中させているのか。」

「キャーッ!」

「もっと叱って!」

「でも時には優しくして。」

一夏「ち、千冬姉!?」

千冬「織斑先生だ馬鹿者。」

 

バシィ

 

千冬「よし、お前手本を見せろ。」

 

先生が私を指名する。

 

あゆみ「はい!」

 

よーし、目立つには絶好のチャンス!でも、おどけるのはいけない。

 

あゆみ「坂上あゆみです。ISを宇宙で活用させたくて、この学園に来ました。将来は宇宙飛行士が夢です。この学年の人全員と仲良くなりたいと思っています。」

千冬「申し分ない出来だな。織斑、自己紹介とはこうやるものだ。」

一夏「は、はい...。」

 

そのまま自己紹介は続き、休み時間になる。さてと、誰に話しかけようかな。あののほほんとした癒し系の子なんか良さそう。名前は確か布仏本音さん。あ、縮めたらのほほんさんだ。

 

あゆみ「布仏さん、よろしくね。」

本音「あゆみん、こちらこそよろしくなのだ~。」

 

あゆみん、か。きららさんがオールスターズに加わった時、誰彼構わず綽名付けていたけど、その時の私の綽名があゆみんだったな。目の付け所は同じってわけか。

 

本音「何かおかしいことあった~?」

あゆみ「あ、別に。ただ、中学の時の親友と綽名の付け方が同じだからつい。私も本音さんでいいかな。」

本音「いいよ~。」

 

それにしても、かなりだぼだぼの制服だ。IS学園の生徒は制服を改造していいけど、普段の生活に差し障りは出ないのだろうか。

 

あゆみ「いつもそんな感じの服装なの?」

本音「そうだよ~。」

あゆみ「動きづらくない?」

本音「本音はこれが好きだからこれでいいのだ~。」




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